倉端直太だって恋がしたい!   作:ひよちゃんLove

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多分ひよ里は原作だと家族で住んでるんだろうけど、ね


chapter2-1『ちょっと妄想してた事だけど本当に男女2人同じ屋根の下だとは思わないじゃん?』

「……あの、ひよ里ちゃん?」

 

「はい、なんですか直太くん?」

 

「あの……ご両親は」

 

「アクアエデンにはいますけど、今は一人暮らししてるんです」

 

「と……という事は」

 

「2人きりですよ」

 

 あの後数時間働いたあと、街案内をしてくれたひよ里ちゃんは最後にこれから俺が住む場所、つまりはひよ里ちゃんの家に連れて行ってくれた。

 いくら妄想では同じ屋根の下で男女2人……なんて妄想してたとしてもさすがにご両親はいるだろうと身構えていたんだけど。

 

 まさかまさかの一人暮らしだって!?

 

 そ、そそそそれはつまり!?

 この子の言葉通り俺とひよ里ちゃんは同じ屋根の下で2人きりで生活するって事なのか!?

 

「こ、この事についてご両親はなにか……」

 

「私を助けてくれた恩人の吸血鬼の方が住む場所に困っていたから一緒に暮らす、と言ったら了承してもらえましたよ。もちろん、男性だと言う事も伝えましたよ」

 

「それで良いのかそれで……」

 

 しかし娘が男を連れ込むという行為に関して何も思わないんだろうか……いくら恩人補正があるとしても限度がないのか?

 俺怖いよ逆に。

 

「念の為に実家から見れる監視カメラは着いてますけれど」

 

「逆に安心したよ俺は……」

 

 あ、ちゃんとそこは対策してあるんだ。

 勝手に男連れ込むのに対してなんのリアクションもしてなかってらさすがに俺だって動揺するって、というか実は親と仲悪いのかとか変な勘ぐりするところだった。

 そうじゃなさそうで本当に良かった。

 

「それじゃあ入ってください。と言っても、あまりこれと言って目立つものもありませんが」

 

「ああうん、それじゃ……お邪魔します?」

 

「違いますよ。これからは直太くんの家でもあるんですから」

 

「そ、そうか……えーっと、ただいま?」

 

「はい、良く出来ました」

 

 しっかし初めて入る家にただいまを言うのもやっぱり違和感……まあ確かに今日からここが俺の帰る家になるんだけど。

 これから慣れていけるんだろうか……特に美少女と2人暮らしというとんでもないシチュエーションに対して。

 

 うぅ……緊張するなあ。

 

「どうかしたんですか?」

 

「い、いやあその。女の子の家なんて入るの初めてで」

 

「そうなんですか?」

 

「そうだよぉ!生涯でモテた試しなんてないし、女の子から見向きすらされた事無いし、なんつーか全部ひよ里ちゃんが初めてで……き、緊張しちまうというかなんというか……」

 

「……そ、そういうこと結構経験あるものだとばかり」

 

 それにしてもひよ里ちゃんは俺をどんな風に見てれば経験あるとか思えるのだろうか。

 それこそ本土の学校じゃ同性の友達は多かったけど、女の子はからっきし。それに比べて佑斗は密かにモテてたなあ……不運が重なって誰からも告白されてなかったけど。

 

 普段なら見栄張ってモテてた!とか言い張りそうなもんだけど、なんかこの子には嘘は付けないというかなあ。

 一緒に住むんだし、本音で話したいなあと思ってしまう。

 

「ないない、つーか見た目もそこまで冴えないしアクアエデンに来たのもここなら風俗街で童貞卒業出来るかも!なんて言う理由だったし」

 

「てっきり私、そういうのは全部やってると思ってて……私を助けてくれた時の直太くん、とてもカッコよかったですし。

それにここに来た理由も、変態……とは少し思っちゃいましたけど、男の子ならそうしたものに興味があるのは当然なんだろうなあと思ってあまり気にするような事とは思えなかったです」

 

 ええマジかよこの子本当に天使なんじゃないの?

 それか男慣れしてるかの二択……ひ、ひよ里ちゃん程の美少女なら確かに彼氏がいたことがあってもおかしくないんだよな。

 でもそれはそれでダメージ受けそうだなあ。

 

「しょ、正直褒められてめちゃくちゃ嬉しいや。もしかして男性に慣れてる……とか?」

 

「え!?そ、それこそ無いですよっ。オーナーだって『男っ気が無い』って言ってたじゃないですか」

 

「い、いやそりゃそうなんだけどね。凄く褒めるの上手いなあと思いまして」

 

「それは本心だからに決まってるじゃないですか。もうっ……」

 

「本心……えヤバ嬉しすぎるんだけどどうしよう」

 

 って思ってたけどそんな俺が間違いでした!

 とんでもなく嬉しいし舞い上がりたい気分なんだけど、それはそうとそんな好感度上げるような事したっけ?

 でもまあこれ以上ちょっとでも疑うとなんか良く分からんうちに来た幸運が逃げ出しそうだからやめておこう。

 こういうのは単純に受け入れたもん勝ちってな!

 

「そんなに疑うならこれからも直太くんには本心をたくさん言わないとダメですね?」

 

「あはは、もう疑わないって!でもそれはそれとして本心言いまくってくれるとめっちゃ嬉しい!」

 

 結構ふわっとした癒し系だけどお茶目なところとか自分の意志をしっかり伝えようとするところがあるんだなあと改めて実感する。

 第一印象や最初話した時の感覚とはちょっとズレて来てるのが自分でも分かる、でもそれは悪いものじゃなくて、寧ろ心地よかった。

 

「ふふ、ありがとうございます。それじゃ早速なんですが」

 

「お、なんだなんだ?」

 

「ここ2日くらい色々あってお買い物忘れててあんまり冷蔵庫に食べ物残ってないんですけど、有り合わせでお料理しても大丈夫ですか?」

 

「それくらい気にしないよ。つーか女の子の手料理ってだけでワクワクするし!」

 

「良かった……そう言えば直太くんは辛いの得意ですか?今日は麻婆豆腐とご飯にしようかと思ってるんですけど」

 

「おお!いーじゃん!俺辛いのけっこーイける口なんだ!ひよ里ちゃんも辛いの得意なんだ」

 

「はい、特に激辛系が好みなんですよ」

 

 しかも初日から手料理!麻婆豆腐は俺も好きなんだよな〜楽しみ。

 でもなんだかひよ里ちゃん、激辛好きってまあまあ凄い味覚を持ってる気が……佑斗から『辛党』とか言われてる俺ですら辛いのは好きって程度なんだけど……

 

 それにしても自分の家って言うくらいなんだから借家ではないんだろうけど、まさか一軒家とはなあ。

 家の中は……思った通りシンプルだけどところどころ女の子らしいレースのカーテンとかぬいぐるみとか置いてあってかわいい。

 

 そう言えばアレキサンドで聞いたけど矢来さんもひよ里ちゃんも学院に通ってるらしい、てか同い歳らしい。

 ひよ里ちゃん見た目俺と同じくらいかなと思ってたから嬉しかったなあ、アクアエデンで暮らすってなるなら俺も学院には通うだろうし同じクラスで過ごせれば幸せだろうなあ、うん絶対最高の青春が送れるに決まってる。

 

 そう確信しながら、台所から漂ってくる麻婆豆腐の匂いを楽しみに待っているのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういやさ」

 

「はい、なんでしょう」

 

「学院への編入手続きって誰がやってんのかなって思って。やってくれるらしい話は聞いたけど……」

 

「それなら扇先生がやってくれてるはずですよ」

 

「そうなんだ、あの人有能だなあ……もぐもぐ」

 

 俺が通うことになっている月長学院は、どうやら吸血鬼が通える唯一の学院らしくアクアエデンに幽閉された高校生なら強制的に手続きさせられるらしい。

 でも吸血鬼だけじゃなくて、共生を目的としているってのもあってひよ里ちゃんみたいな吸血鬼に理解のある人間も通ってるんだとか。

 お陰で良い思い出来そうで俺はとても嬉しいです。

 

 あと麻婆豆腐はめちゃくちゃ美味しい。

 味付けも俺がいるから激辛とまでにしてないのか、丁度良くて美味い。女子の手料理ってだけでも美味く感じるのになんて贅沢なんだろう。

 

「もちろん、私と同じクラスになれるようにって扇先生には言っておきましたけれどね」

 

「マジ?」

 

「だってそうじゃないですか、直太くんの秘密を知ってるのは学院生だと私と矢来さんと……後は矢来さんの同僚の布良さんしかいないんですから。あと、矢来さんとも同じクラスなので4人同じって事になるかと」

 

「最高じゃんそれ!」

 

 しかもしかも4人全員同じクラスになれるですと!?

 人間だった頃からの唯一の付き合いである佑斗、アクアエデンに来てから一番いる時間が長くて仲良くも慣れたひよ里ちゃん、ご主人様候補の矢来さん……ああ神様、俺が人間の時モテなかったのはアクアエデンに来て吸血鬼になって運命を変える為だったんだな!!

 

「それに私のお友達はみんな優しいので、吸血鬼について分からない事があっても色々教えてくれると思います。なので、楽しく過ごせてもらえたら嬉しいです」

 

「俄然楽しみになってきた!あと麻婆豆腐もめっちゃ美味いし!吸血鬼ライフ、とことん楽しんでやるぜ!」

 

「麻婆豆腐、気に入ってもらえて良かったです。それとこれからも直太くんが楽しめるように私なりにがんばってみますね」

 

 なんかこの都市に来てからあのいけ好かないイケメンクソ野郎と遭遇した以外全てが上手く行ってる気がする、なんならそれでさえもここに繋がってると思うとラッキーとすら思える。

 しかもこれからこんなに可愛くて仕事も住むところも一緒がいいって言ってくれた美少女と学院生活も一緒に出来る。

 もう俺こんなに至れり尽くせりされたら勘違いしちゃうよほんとに、さすがに自重するけどさ。

 

 とにかくこれからが楽しみだ、と思って雑談に花を咲かせ夜は更けて行った。




倉端直太
まさか本当にひとつ屋根の下で2人暮らしをするとは思っていなかったのかドキドキしているウブな奴
胃袋は既に掴まれている

大房ひよ里
胃袋を既に掴んだ上にちゃっかりちゃんと学院で同じクラスになるようにした意外と積極性のある子
もちろんだが身内以外の男性に手料理を振舞ったのも人生初だし家に呼んだのも人生初
家は一軒家だし監視カメラは元からあった

ひよ里が一人暮らししている家
多分裏設定なので出さないとは思うからここで出しておく
大房家が元々他人に貸し出していた家だったが暫く入居者がおらず、そんな中でひよ里が学院にいって働くと言うので一人暮らしの体験として今はひよ里の家にしている
その為監視カメラも着いてるので警備万全

六連佑斗
原作通り入寮してヒロインズに顔見せしていた
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