倉端直太だって恋がしたい!   作:ひよちゃんLove

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chapter3-1『待望の学院編入!』

「いやー今日も飯が美味い!」

 

「今までは私1人の為に作っていたので味付けがちゃんと合うか心配しましたけど、そう言ってもらえるなら良かったです」

 

「いやほんとマジで美味いよ〜!俺って恵まれてるなあ」

 

 昨日はあの後アレキサンドで働いてたから今日起きてから気付いたけど、どうやら俺達が出てった後で佑斗は思い切り矢来さんに投げ飛ばされ布良さんにも呆れられていたらしい、だからと言って俺は佑斗には同情はしないんだからな。

 本来ならもうちょい同情したって良いとは思うけど、何せアイツは矢来さんの服のボタンを弾き飛ばしてたんだからな。

 そういう光景を見ちまった以上アイツはギルティだよギルティ。あのスタイル良い矢来さんのあられもない姿を至近距離で見たんだから許してやんないんだからな。

 

「合成血液にはもう慣れましたか?」

 

「うーん……慣れたってワケじゃないんだけど、まあ別に違和感は無いかな。味そのものは美味いし、見た目はまんま血だけど」

 

「……あの日、吸血鬼の血を浴びたせいでこういうものにトラウマがあったらどうしようとか思ってましたけど、そうじゃなかったみたいでホッとしました」

 

「見ず知らずの人から渡されたならまだしも、知り合い、それも今一番一緒にいるひよ里ちゃんから手渡されたものなんだからそんなこと思うワケないじゃん」

 

 合成血液……その名前の通り、ヴァンパイアウイルスの活動を人の生き血以外でどうにかするために生まれた飲み物らしい。

 人の生き血を吸うのには許可が必要だけどこっちはそれを抑制するのもあってかそういうのは必要無いらしい、血液型ごとにそをモチーフにした味があって中々に美味いから便利だったりする。

 

 ちなみにこれ、アレキサンドには大量に常備されてて持ってった分は給料から少し引かれるけど店員割でお安く手に入れることが出来るし持ってった個数を自分の名前と一緒に書けばそれだけで持って帰ることが出来る。

 めちゃくちゃ便利である。

 

「しかも今日からそんなひよ里ちゃんと学院に通うってなると、うんと楽しみが増えそうだ」

 

「私も楽しみにしていますよ、直太くんとの学院生活」

 

 ところで俺と佑斗は今夜から遂に学院へ編入する。

 前の学園の友人からは結構な数連絡が来てたから色々と話したしやっぱり寂しさはあったけど、それ以外は楽しみだ。

 

 しかもだ。

 

「それにしても、ひよ里ちゃんの制服姿思った何倍もめっちゃ良いな。すっげー可愛い、似合ってる」

 

 ひよ里ちゃんの制服姿、めっちゃくちゃ可愛い。

 制服そのものは見せてもらったことはあったけど、着てる姿は初めて見た……想像の100倍くらい可愛かった。

 俺の想像する最高の可愛さの100倍だぞ、これは他の女性陣の制服姿も気になるところだぞ。

 

 今は目の前の美少女一択ですけど。

 

「面と向かって言われるとやっぱりちょっぴり恥ずかしいですね。もう何日も直太くんには可愛いって言われ続けていて慣れた部分も大きいですけど」

 

「いやー俺って隠し事とかホントーに重要なことでも無い限り隠す方がメンドーだって思うし、何より下手くそでさ。最初から本音言った方が色々やりやすいんだよね」

 

「そういうところ、私は好きですよ」

 

「そ〜かなあ〜」

 

 ちゃんと褒めたのも好感触っぽくて良かった。

 自意識過剰かもしれないけど俺ってもしかしてこの子と相性やっぱり最高なんじゃなかろうか。

 

 うへ、うへへへへへ。

 

 この制服を着た美少女が身近にいる生活……絶対に手放してなるものか!!

 

 見てろよ本土の友人!俺は必ず卒業までに彼女を作って最高の青春を送ってみせるぜ!

 

「じー……」

 

 な、なんか凄いジト目で見られてるのはきっと気のせいだってことにしておこう、うんそうしよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

「しっかしやっぱデカいなここ……って佑斗達もいるじゃん。、おーい佑斗ー!」

 

「あ、直太。それに大房さんも」

 

「おはようございます」

 

 学院に着くと入り口では佑斗、布良さん、矢来さんが男の人と話してるのが見えた……俺は見たことないけど布良さんと矢来さんは知り合いっぽいな、佑斗も知らないって訳でもなさそうだなあ。

 じゃ気にしなくても良いか。

 

「おう、お前がもう1人事件に巻き込まれて吸血鬼になったって奴か。俺は……まあ、コイツらの仕事上の上司とお前らの担任の枡形だ」

 

「倉端直太っす。よろしくお願いしまっす!」

 

 なるほど、それなら納得納得。

 気だるそうな感じはするけど。

 

「よし、それじゃ丁度良いから倉端も編入手続きを行う。六連と一緒に着いてこい」

 

「了解」

 

「うっす。そんじゃひよ里ちゃん、また後でね」

 

「行ってらっしゃい」

 

 

 

「これからこの学院に通うことになりました六連佑斗です、よろしくお願いします」

 

「同じく、倉端直太です!趣味は風景撮影と旅行、それにアニメや漫画もそれなりに見るぜ!友達募集中だからじゃんじゃん、話し掛けてくれよな!」

 

 よし、多分自己紹介は成功だろう……というのはチラッと見たひよ里ちゃんのにこやかな笑顔と控えめに手を振る感じでそう判断した。

 手続きが終わると心の準備も何もあったもんじゃないみたいな感じで枡形先生が教室まで連れてくもんだからヒヤヒヤしたわ。

 佑斗の自己紹介は分からんが。

 まあそれもそれで佑斗らしいっちゃらしいけど。

 

 にしても、だ。

 

 1人めっちゃ目立つ生徒がいる。

 ひよ里ちゃんではなく、知り合いかそうでないかを抜きにしても物理的に目立つとんでもない格好をしてる奴が1人いる。

 オッドアイ、牙、多分改造制服なんだろうけどド派手な服にマント……間違いねえアレは『アニメや漫画で良く見るタイプのヴァンパイア』だ。

 まさかそんなステレオタイプなヴァンパイアがいるとはなあ。

 

 ……あれ?てか佑斗は驚いた感じはしてないな。

 

 まさかあんな子とも知り合いなのかよ、クソ羨ましいヤツめ。

 

「じゃ、倉端……あー、じゃあ知り合いらしいから大房の隣がお前の席ってことで」

 

「まじっすか」

 

「そうだが、何か不満か」

 

「いえいえまさか!逆にめちゃくちゃ感謝してますよ!」

 

「……だったら早く座れ」

 

「うぃーす」

 

 あ、すまん今俺もクソ羨ましいヤツになったかもしんねえわ。

 ひよ里ちゃんと同じ学院に通って、同じクラスで授業を受けるだけじゃ飽き足らずまさかの隣の席!?

 ありがとう枡形先生、アンタは俺の恩人だよ。

 

 ちなみにこの間の話はあまり聞いていなかった。

 

「……ということで連絡事項については以上、これで始業式は終わりだ。分かっているとは思うが明日からは通常授業だ、遅刻するなよ。それじゃ解散」

 

 解散、と言われるや否やクラスの視線は佑斗……じゃなくて俺?俺に何故か向いていた、あれ?普通そこは佑斗じゃないのか?

 

「なあなあ、倉端だっけ?」

「お前犯罪者から大房さんを守ったって聞いたけどマジ?」

「その話、俺も聞きたかったんだよ」

「わたしもわたしもー!」

「巷ではぁ、大房さんの王子様って言われてるんだけど!そこのとこどうなの!?」

 

「お、俺?俺の方なの?ちょ、ちょっと待って!?」

 

「みんなダメですよ、そんな一気に質問したら」

 

「おっとそうだな、わりわり」

「そんじゃ誰から聞くよ」

「やっぱりまずは満場一致で大房さんとの出会いじゃね?」

「さんせー!」

「でで!?結局どうなの!?倉端くんが噂の『大房さんの王子様』なワケ!?」

 

「お、王子様ってそんな……」

 

 どこから話が来たのかは置いとくとして、ここまで注目されるとは思わなかったなあ。

 でも別に隠すことじゃないか?

 

「……話して大丈夫そ?」

 

「私は……はい、大丈夫だと……思い、ます」

 

 うん、大丈夫そうだなあ。

 

「……という訳で、まあはい。嘘を言っても意味無いから言うけどひよ里ちゃんのことを助けたのは紛れもないな。そんでその縁で仲良くしてもらってる」

 

「し……してもらって……ます」

 

 男子からは感嘆の声みたいなもの、女子からは黄色い声が飛んだ。

 あれ本当に偶然助けただけなんだけどなあ、まあいいや。

 

「てゆーかてゆーか!?今『ひよ里ちゃん』って呼んだよね!?」

「呼んだよ!間違いない!」

「おまっ大房さんとどんな関係なんだ!?」

「嘘だろ俺達のアイドル大房さんに恋人が!?」

「冷静に考えてこのクラスアイドル級の子多いよなしかし」

 

 まっずい、呼び方で不自然に親密なのがバレるとそこからズルズルと同居してるのまでバレることになる。

 女子はともかくひよ里ちゃんをアイドルみたいに考えてる男子勢にバレたら俺は命がいくらあっても足りないぞ!

 まさか俺が『そっち側』の人間になるなんて……!

 

 な、何とか誤魔化さないと……

 

「ギクッ……い、いや仲良くしてるからちょっとだけ呼び方が親密になっただけだって。な、なあひよ里ちゃん?」

 

「そ、そうですね直太くん……あっ」

 

 あっと思ったの次の瞬間には、やっぱり黄色い声が飛び交い男子からは絶望の嘆きが聞こえてきた。

 俺からの呼び方はまだしもそっちがバレると中々離してくれ無さそうなんだよな……それこそ今までの俺を見てるみたいで。

 

「ま、待って!本当に友達なだけだから!……職場は一緒だけど」

 

「マジかよ!?俺アレキサンドの面接落ちてるのに!?」

「それはドンマイ」

「まあ普通男は落ちるって。倉端は……ぐぬぬ」

「でもでも、その時は見ず知らずだった女の子を守るために身を呈して庇ったってかっこいいよね!」

「分かる〜憧れる〜」

 

「あ、アレキサンドに関しては私がお誘いしただけなので……」

 

 俺も俺で口滑らせてるし!

 何が職場は一緒だよ!別にそれは今言わんで良い!言ったらこうして拗れるのわかってるんだから!!

 

「あ〜それならほんとに仕方ないやつだわ」

「悔しいが大房さんが認めた男なら納得せざるを得ない……」

「認められる理由も分かるしなあ」

「雰囲気見てても倉端くんって一人で場を賑やかにしそうだし、楽しそうだもんね」

「分かる、話しやすいタイプって言うか」

 

「でも、直太くんが話しやすい人って言うのは本当ですよ。明るくて優しくてとっても楽しいですから」

 

 あとそれで話が拗れないのもそれはそれで怖いからね!?なんでみんなして納得しちゃってるワケ!?もう少し問い詰めたり嫉妬したりとかないの!?ねえちょっとほんとにさ!?

 

 なんか初日からめちゃくちゃ振り回されてる気がするけど……良い奴らなんだろうなあとは思う、うん。

 それと、色恋沙汰?でいいのかこれは……にとんでもなく目ざといというのも覚えた。

 今度からは気をつけよう……と思うのだった。




倉端直太
どうせ佑斗の方に群がると思ったら佑斗は風紀班の仕事で早々に教室から消えていた、なお直太は気付いていない
クラスメイトからはムードメーカー+ひよ里のピンチを救ったすげー奴+2人の恋の行方が気になると評価が無駄に高くなっている

大房ひよ里
取り繕ってもバレるくらいには乙女の顔をしていた

2人の噂
いくら人通りが少ないとはいえ全くいない訳ではない路地での出来事だったので普通に目撃証言から話が漏れている、美羽ルートのディープキスと出処は似たようなもの
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