もんむす・くえすと! ぱらどっくすRPG  きつねのお話   作:ケルル(ハーメルン始めました)

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ケルルですよろしくお願いします。
pixivだけでなくハーメルンでも投稿することにしました。

≪追記≫
2025年6月3日加筆しました。



本編 始まり~イリアス大陸
1,始まり


 

 ここはきつねの里と呼ばれる場所。世界地図から見るとやや北東に位置する島にある一つの村である。この島にはきつねの里とたぬきの里の二つの村があり、それぞれきつねの魔物とたぬきの魔物が暮らしている。きつねとたぬきでいえば、お互いの中はあまりよくないように考えてしまうことが多いが、この世界は完全に仲が悪いというわけではない。たぬきの里の長がきつねの里の長をライバル視しているのは置いておいて、個々人の中は中々に良好と言える。

 

 さて長々と語ってきたが、この二次創作の主人公となる一人の魔物がいる。

その魔物の紹介も含めながら、本編へと入っていこう。

 

………

 

 きつねの里の小屋の一室で、一人の魔物が読書している。静寂とした部屋で彼は一人一頁をめくり、ゆっくりと過ごしている。そして時々彼の傍に用意してあるお茶と茶菓子に手を伸ばしながら。

 

 さて、この魔物こそが今作の二次創作の主人公となる人物である。紹介をしよう。

 

 彼は名を「さくら」、身長はあまり大きいとは言えず、魔王軍四天王の一人であるたまもともあまり変わらないだろう。全体的に銀に輝く毛並みをしており、服装としてはいわゆる忍者のような恰好をしている。彼の腰には忍者刀を付け、そして太ももにクナイなどをしまえるほどの小さなバックを身に着けている。

 

 また、性別は雄である。

 

 何か別に変なことは書いてはいない。彼の性別は雄である。男の子である。

 

 彼がこの静寂とした部屋で長い時間過ごしていた。部屋には彼が本の頁をめくる音だけが響いていた。ほかに誰かがいるというわけでもなく、彼は自身の世界に入り込んでいただろう。

 

 しかしそこまで集中しているからこそ気づけなかったのだろう。彼の後ろより近づいている存在がいることに。

 

 

「…わ!」

「…え⁉ な、なに!」

 

 

 突然肩に冷たい触感が襲い、彼は自身の耳と尻尾を逆立ててしまった。さらに背後より奇襲された彼は驚きのあまり、持っている本を落としてしまった。そして不幸にも彼の足の指先にその本が落ちてしまった。彼はあまりの痛みに悶絶するほかなかった。立つこともままならす、本が落下した右足の指を抱えながら地面で暴れていた。

 

 

「…!…!」

「アハハ!」

「もう!きつね先輩。何をしているんですか!」

 

 

 

~閑話休題~

 

 

「いてて…。きつねさん、急に何するんですか!」

「ごめんごめん。そこまで脅かしたつもりはなかったんだけど…。」

「急にやられたら誰だってびっくりしますよ、大丈夫ですか?さくら先輩。」

 

 

 さくらがある程度痛みのピークを越えたところでさくらは来訪した二人組に話しかける。銀色の毛並みを持つ狐の魔物の方は申し訳なさそうに、赤い和服をまとった狐の魔物はそんな彼に話しかけている。

 

 二人組のうち、さくらを脅かした方は名を「きつね」。脅かしていない方は名を「かむろ」とい。きつねの方はさくらと同期であり、そこからお互いに遠慮なしの友達の関係である。

 

 また、かむろの方はさくらときつねとほとんど変わらないのだが、ほんの少しだけきつねとさくらが先輩なので、二人のことを先輩呼びして慕っているようだ。

 

 

「うん、何とか大丈夫だよ、かむろさん。」

「そうですか。それは良かったです。」

 

 

 そう言いながらさくらは何とか立ち上がる。しかし言葉では大丈夫とは言いながらも実際にはまだ痛むようで、立ち上がりが少したどたどしい様子が見受けられる。

 

 

「えーと、それで。きつねさんは何か用ですか?」

「え。…あ、うん。ちょっと待ってね。」

 

 

 そう言いながらきつねは自身が背負っていたバックに手を入れて目的のものを探し出す。その様子を見ていて、さくらは少し時間がかかりそうだなと感じ取ったのか、二人分のお茶を用意し机の上に準備する。手慣れた手つきで急須にお湯を入れてそれぞれの湯汲に注いでいく。さくらは入れ終わった後に二人に座ってどうぞとジェスチャーをする。かむろはすみません、ありがとうございます。と座布団の上に座る。しかしきつねは探し物に夢中になっているせいで、こちらの様子に気づいていないようだ。さくらとかむろは、きつねが物を見つけるまでお茶を飲み、話しながら待っていた…。

 

 

「!あった。この本だ!」

 

 

 二人がお茶を飲みながら待つことおおよそ10分ほど、きつねは遂に目的のものを見つけたようだ。きつねは余程うれしかったのかその物を掲げながら喜んでいる。

 

 

「探し物一つにそこまでならなくても…」

「いいじゃん!探すの大変だったんだから。」

 

 

 さくらから少し言われながらも、そんなことは気にせずに座布団の上に座るきつね。やり切った顔を浮かべながら少し冷めたお茶を飲み、そうして二人に話しかける。

 

 

「それで、それが例の本…!」

「そうそう!さくらが探していた魔法陣が書いてあったよ!」

 

 

 さくらは先ほどと打って変わって期待の込めた表情を浮かべており、それに呼応してきつねもテンションが高くなっている。二人の中で何か通じ合うものがあったらしい。

 しかし、そんな様子を見て、かむろはその二人の熱気の原因がわからなかったのか、二人に対して質問する。

 

 

「あの…。すいません。先輩方。」

「?なんですか。かむろさん。」

「その本は…何ですか?」

「あぁ。えーとねぇ。この本はねぇ…。」

「異世界から誰かを召喚できる魔法陣が載った本だよ。」

「…え?」

 

 

 かむろはきつねの言葉に固まってしまう。きつねが話した内容が恐らく直ぐには理解できなかったのだろう。それも当然である。日常の会話の中で「異世界」や「召喚」などの単語が用いられれば固まるのは致し方ない。

 

 きつねがさくらに手渡した本はとても古いものであり、表紙や本の周りの装飾などもボロボロの状態であった。如何にも太古から伝わるものといった雰囲気が滲み出ている一冊である。

 

 

「…もしかして、またたまも様関連のことで…?」

「うん、そうだよ。これでたまも様の負担を軽減するんだって~。」

「いつものことでしたか…。」

 

 

 きつねの話を聞いてかむろは頭が痛そうにしている。それもそのはず、今作の主人公のさくらは自身の上司であるたまもに関することでたまに何かを起こすのだ。

 

 最近だと、たまもが肩が痛いとボソッと呟いたところ、肩をマッサージする機械を作り出していた。これは比較的平和であるがそれ以外だと、たまものために温泉を掘り当てようとしたこともある。また、さくらはたまにシャレにならないこともやらかすのでそのたびに怒られている。

 

 これだけだとさくらは唯の問題児となってしまう(実際問題児ではあるが)が、日常生活においてはかなり真面目である。書類仕事などはたまもの右腕を自称する七尾や八尾の次くらいに早いものとなっている。その明るい性格からも親しみやすいので、たまも関連のことで暴走しなければ、かなり優秀と言える。

 

 今回の本についても、そのたまもに関連することの延長線の一つということなのだろう。

 

 

「でもすごいよね~。この世界じゃない人?をここに呼び出せるんだからね~。」

「きつね先輩は何処で見つけたんですか。そんな危険な本…。」

「これ?書庫にいる人に聞いたら普通に教えてくれたよ。」

 

 

 かむろの質問にもきつねはあっけらかんとした様子で答える。かなり重要なことがサラッと言われているが、ただ事でない。異界より人が呼べる本など、それさえあれば戦争すら引き起こせてしまう危険なものである。それを普通に貸し出してしまう人もおかしいが、もう少し厳重に保管した方が良いのではないかと筆者は考える。

 

 かむろはきつねより視線を放し、さくらが座っている方向を見る。するとそこには背にリュックのようなものを背負ったさくらがいた。先ほどよりも鼻息が荒く、また眼もキラキラと輝いているようだった。

 

 かむろが話しかける前に、若干興奮しているさくらが話しかける。

 

 

「きつねさん、かむろさん、僕は準備万端です!早くいきましょう!」

「行くと言ってもどこへ行くのです?」

 

 

 かむろはさくらの言葉に首を捻る。さくらはそんなかむろに考える時間を与えないかのように前にのめり込んで話す。

 

 

「決まってるじゃないですか。この本が使えそうな広い場所です!このきつねの里より少し離れた場所にいいところがあるんです。」

「そうなんだね~。」

 

 

 さくらの様子にかむろが若干引いている。対して近づかれていないきつねはどこ吹く風と、のんきな表情を浮かべてさくらに相槌を打っている。

 

 この後、きつねとかむろの二人はさくらに促されるままに軽い身支度を始める。さくらは待てないといった感じでその辺をウロチョロしていた。

 

 やがて二人は準備が終わった後、さくらに話しかける。

 

 

「終わったよさくら!」

「終わりましたさくら先輩。」

「うん、じゃあ行こう!」

 

 

 さくらは二人の言葉を聞き、小屋の扉を開ける。そして目的の場所へと駆け出した。きつねとかむろの二人も置いて行かれまいとさくらの後を追う。

 

 3人はきつねの里を後にして、近くの森の中へと入っていくのであった。

 

 

 

 

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