もんむす・くえすと! ぱらどっくすRPG  きつねのお話   作:ケルル(ハーメルン始めました)

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前回のあらすじ…謎の光が!

≪追記≫誤字修正しました。よろしくお願いします。



3,光

 

「二人とも、私の後ろに隠れなさい!」

「「は、はい七尾様!」」

 

 

 突如として後方の森が光り輝く。通常ではありえないはずだ。森の一部が煌々と輝くなど。それも何かを燃やしたり、爆破させたりといった火などの類のものではなかったと考えられる。それは何故なら。

 

 

「な、なんじゃあ!何故森が白く光りだすのじゃ!」

 

 

 そう、森を照らした色は白色であったのだ。私たちの生活でいえばLEDライトを使用したときに周りを照らすときのような色である。何かの引火による爆発であれば、大抵はオレンジ色や赤色、若しくはそれに近い色であるはずだ。

 

 可能性として高い物としては、聖技などスキルが原因として挙げることが可能だ。しかしそうであると仮定とすれば、きつねの里とたぬきの里があるこの孤島に誰かが攻め込んできたとも考えることができる。そうなるとこれは非常に深刻な問題となってしまう。

 

 

「八尾。この現象に心当たりはありますか。」

「知らんわ!其方こそないのか。」

「いいえありません。しかしこれは大変なことになりましたね…。」

 

 

 七尾は式神を、八尾はロッドを構える。その光の方から果たして何が来るのかは誰もが予想できない。侵略者か、はたまたそれ以外の何かであるか。

 

 しかしそれはそれとして迎撃の準備をしておく二人は正解であろう。たまもの側近を務めているだけはあり、きつねの里の中でもトップクラスの実力者である。たとえ出現したものがこちらに悪意を持つ存在であっても二人であれば大抵の敵は倒せるであろう。

 

 しかしここには修行中の身である妖狐が三人いる。きつねとかむろ、そしてさくらだ。二人は彼ら三人を守りながら戦う必要があり、普段よりも厳しい戦闘となることだろう。

 

 

「「…」」

 

 

 二人は森に面と向かい警戒している。そうして謎の光が収まり数分経過した後、奥より誰かが出てきた。

 

 

「…人?」

 

 

 その奥より姿を見せた者は人の姿をしていた。服装としては、この世界で伝承として伝わる、いわゆる「勇者」が着用している服装であった。柔らかい赤紫色のブラウスのような上着、黒を基準とした金色の金具がついているベルト、黒色のズボンに青色のブーツを着用している。

 

 しかしその「勇者」の差異として挙げられる点としては、一つ目としてその目を覆う布であろう。包帯ほどの幅をした布で両目を覆っているその様は中々に不気味である。二つ目としては両手である。伝承の「勇者」は手袋をしているが、彼はこれまた包帯で手を覆っていた。この二点だけでも中々に変わっているといえる見た目をしているだろう。

そのような服装で、背中に彼の身長より少し小さいほどの大剣を背負っている姿をしていたが、彼の周りには四色の謎の光が漂っていた。これも謎であり、彼の姿は中々に謎に包まれていた。

 

 七尾と八尾はその人物を目に捉えた後、己の武器を強く握りなおした。彼女達は突如として現れた謎の人物の危険性を確かめ、場合によってはこの場で討伐する必要があるからだ。七尾はその人物に睨みを利かせながらも、はっきりとした口調で話しかけた。

 

 

「失礼ですが、貴方は何者ですか。」

 

 

 その人物はその声に反応し七尾の方に顔を向けた。その人物からは殺気のようなものは特に感じなかった。しかしだからといってその人物が放つ魔力はかなりのものであり、七尾達も圧倒されそうになった。しかし七尾達が負けじとその人物をにらみ返していると、今度はその人物から七尾達に向かって話しかける。

 

 

「私かい? 私はね、何の変哲もない唯のお尋ね人さ。」

「…お尋ね人ですか。それよりもあの光は何ですか。貴方がやったのですか。」

 

 

 その怪しい人物は自身のことを尋ね人といった。ということは、誰かを探しているということになる。しかしそうであるとしてはタイミングが理解不能である。七尾は謎の人物の言葉を気にもせずに話しかけていると、その人物が手を顎に当てて答えた。

 

 

「光…? 申し訳ないが何のことだか分からないな。」

「とぼけないでください!」

 

 

 その人物は否定するが七尾は続ける。

 

 

「貴方がここに現れる直前、ここ周辺の森が輝きに充ち溢れました。この光は自然現象と考えることは難しく…。」

 

 

 七尾が怒涛の勢いでその人物に話を続ける中、その人物は眉間にしわを寄せ、顔に手を当て考え込んでいる。そうしてやがて、その人物は何かピンと来たのだろうか、手を打ち七尾を指さしながら答えた。

 

 

「なるほど。恐らく君が言うその光とやらは、私がここに呼び出されたときに生じた物であろう。」

 

 

 恐らくなと彼は話しながら、話し続ける。

 

 

「君たちは信じられないかもしれないが、私は先ほどこの世界に呼び出されたのでね。」

「私としても困惑しているのだよ。普段通りに過ごしていれば突如として光に包まれ、目が覚めれば知らぬ光景。君が私に問いただす気持ちも理解できなくはないが、こちらの心境も一度考えてほしいものだ。」

 

 

 七尾達は彼の話に対して沈黙した。彼の言い分が正しければ、謎の儀式にでも巻き込まれた可哀そうな一般人ということになる。しかし七尾達からすればその証拠となる儀式を確認していない。信じることも信じないこともできない、微妙な状況へと追い込まれていた。

 

 沈黙を続ける七尾達に彼が話しかける。

 

 

「もし…もし君たちが良ければなのだが、私の人探しを協力してくれないかな。」

 

 

 彼は自身のする人探しの協力を七尾達に申し出てきた。七尾は一瞬悩んだ後、彼に返答する。

 

 

「…良いですよ。貴方の人探しとやらに協力しましょう。」

「七尾よ…。そうも簡単に承諾して良いものか…。」

「そうかありがとう。協力に感謝するよ。」

 

 

 七尾はYesと彼に話したが八尾はそれに対して不満そうだ。それもそうだ。このような突然現れた怪しい人物の頼みを気安く引き受けてしまうなど。危険以外の何物でもない。しかし七尾は八尾に対し話す。

 

 

「大丈夫ですよ。もし彼がこの捜索の途中で怪しい動きがあれば拘束すればよいだけです。」

「じゃが…。」

「その頭は飾りですか。彼を放っておくよりも監視する方が安全です。それに私が簡単に倒されるはずがありません。」

「そうじゃな、七尾がだめでもウチが何とかすればいい話じゃもんな。」

「八尾貴方…。」

 

 

 彼を前にひそひそ話をしていたはずがいつの間にか火花を散らしていた二人、彼の監視よりもいつもの会話が始まってしまった。それを見た彼はオホンと息を吐き、話し始めた。

 

 

「二人とも、痴話げんかを始めてしまったようだが、もうそろそろ大丈夫かな。」

「ち、違うわい…、これは痴話げんかではない。」

「そうです違いますよ。これは痴話げんかではありません。」

 

 

 そうかいと彼は答える。さて、本格的に捜索を始めるために七尾が彼に質問する。

 

 

「さて、探し始める前に一つ聞きますが、呼び出した人物につながる何かしらの証拠のようなものはありませんか。」

「何か小さなことでも構いません。例えば、貴方はこの世界に呼び出されたと言いましたが、その際に使用された魔術、若しくは魔法陣などでもあればよいのですが。」

「あぁ、それなら今私が持っているとも。」

 

 

 そういうと彼は太ももにあるポケットを探り始めた。そうしてゴソゴソといじっているうちに彼はあったと言って一枚の大きな布を取り出した。彼はそれを地面に大きく広げて見せた。

 

 

「私はこの魔法陣の上に棒立ちになっていたのさ。」

「なるほど、この魔法陣がカギとなるのですね。」

「しかし…この魔法陣には見覚えがないのう…。」

 

 

 謎の人物と七尾、八尾はその魔法陣を見ながら考察を始める。この魔法陣は果たしてどのようなものなのか。

 

 その議論がされる中、後ろで立ち尽くす三人のうち、さくらは汗をかいていた。それは何かしらの運動によるものというよりも、どちらかといえば脂汗のようなものであった。きつねはそれに気づきまさかと何かを察する。

 

 

「ねぇさくら…、もしかしてなんだけど…。」

「…。」

 

 

 彼の冷や汗が加速する中、謎の人物は一つ呟く。

 

 

「この魔法陣自体は分からないが…、一つ気になる点があってね。」

 

 

 そうして魔法陣の描かれた布を裏返し、裏側の右端に書かれた文字を指さしながら話す。

 

 

「ここに文字で恐らく「さくら」と記述してある。ひらがなでね。」

「もしこの魔法陣に使われた布の所有者が、自身の持ち物に名前を書くえらい子であるのであれば、この魔法陣の制作に一枚噛んでいる可能性がある。」

「君たちの知り合いの中に「さくら」と名のつく人物に心当たりはあるかな。」

 

 

 あたりに沈黙が広がる。何かまずいことを言ってしまったかと彼は首をかしげているがそうではない。

 

 

「「「「…。」」」」

 

 

 この布の裏には「さくら」と書いてあった。自身の持ち物に名前を書くことは無くさないためのコツとしては当然のものではある。しかし自身の知り合いに「さくら」と名の付く人など、妖狐など。一人しか思いつかなかった。

 

 七尾はため息をつきながら、自身の後ろで未だ汗が止まらないさくらに話しかける。

 

 

「もしかしてですが…、さくら。」

「…はい。」

「貴方がこの魔法陣を作ったのですが。」

「…そうです。僕が作りました。」

「そうか。君がさくら君か…。」

 

 

 七尾は頭を抱える。このような事態を引き起こしたのがましてや身内であったなど。このような事件、たまも様になんと報告しようか、どのように事後処理をしようかと彼女の頭の思考は周り、彼女の頭を痛めつけた。

 

 しかしとりあえずこうしている場合ではないとさくらに再度向き合った。そうして息を吸い彼を…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さくら、貴方なんてことをしでかしてくれたのですか‼」

「ごめんなさいー‼」

 

 

 彼を叱ることにした。

 

 

 

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