もんむす・くえすと! ぱらどっくすRPG  きつねのお話   作:ケルル(ハーメルン始めました)

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前回のあらすじ…謎の人物が登場(主人公がやりました。)


4,キリス

 

「…して、このような経緯にて、こうなったわけじゃな。七尾。」

「はい、確かに。たまも様。」

 

 

 前回の場所から変わり、ここはきつねの里たまも宅。七尾は、ことの経緯とその顛末を彼女の主たるたまもに報告していた。

 

 

「しかしのう…。この時期に何ということをしてくれたのじゃ…。」

「たまも様…。」

 

 

 たまもは頭を抱えていた。それも当然である。たまもはかなり複雑な立場に立たされている。一つとしては自身の現在仕えている主人がその点である。現在、たまもの立場としてはアリスフィーズ16世の直近である魔王軍四天王となっている。しかしアリスフィーズ16世は今現在魔王城にはいない。原因に関しては魔王城に現れた白兎と自称する魔物である。白兎は突如として魔王城に現れた後、アリスフィーズ16世の体を小さくしてしまったのだ。アリスフィーズ16世は自身の姿を小さくした白兎を追うために東奔西走しているわけである。

 

 これだけであれば情報を集めながらいれば何とかなるが、それ以外にも問題は山積みである。三つの魔王位が勢力争いや、各地を蝕む混沌に対する対策など様々なことをたまもはこなさなければならず、その中では自身の答えを出さないといけないものも含まれている。

 

 …因みに今回の事件を引き起こした犯人であるが。

 

 

「うぅ…。」

 

 

 さくらは部屋の隅で座布団なしで正座をしており、その首から「僕がやりました。」と書いてあるプラカードをぶら下げてある。

 

 

「どうぞ。」

「あぁ、ありがとうかむろ君。」

 

 

 さてこのようにたまもが頭が痛そうにしている中、この男はかむろにより出されたお茶を飲んでいた。湯汲に満たされたお茶を一口飲む。そして一口飲んだ後に用意された茶菓子を一口。美味しかったのかその表情を光らせる。

 

 

「…異邦人よ。」

「ん、私のことを今呼んだかい。」

 

 

 ホクホク顔で一息ついていた彼に、たまもは話しかける。

 

 

「お主の名を聞いておらんかったが…、名を何というのじゃ。」

「おっと…、これは失礼。まだ自己紹介がまだだったね。」

 

 

 そう話すと彼は手に持っていた湯呑を一度お盆の上に戻した後、座布団より立ち上がる。そうしてたまもに一度お辞儀をしてから話す。

 

 

「私の名はキリス。唯の人間だ。よろしく頼むよ。」

 

 

………

 

 

「キリスよ。本当じゃろうな。貴方がここにおる理由は。」

「勿論だとも。先ほど七尾君から説明があった通りさ。」

 

 

 たまもはキリスと名乗った彼に対して質問する。キリスは何ともないようにしているがたまもはその身に宿る魔力をむき出しにしていた。何故ならたまもは、きつねの里の長として彼の存在を見極めなくてはいけない。ここの平和を守るための責任が、たまもにはあるのだ。

 

 

「…。」

「おぉ怖い怖い。そこまでに怖い顔を私に向けなくてもいいじゃないか。」

 

 

 そう言って彼はもう一度たまもに向き合う。

 

 

「私のことを信じようが信じまいが、そんなものはどちらでも構わないさ。突然に現れた者に対して信頼など、ありえないことだからね。」

「…」

「しかし今疑うべきは私ではなくさくら君、彼ではないかい?」

「どのような意図があってかは知らないが、知らない者を突然としてここに呼び出したなだから。その理由を尋ねなくてもいいのかい。」

「…それもそうじゃな。」

 

 

 そうして彼女は部屋の隅で顔が死んでいるさくらに向き合う。彼はその様子を見届けてから、先ほど出された茶菓子やお茶の詳細をかむろに尋ねていた。

 

 

「仕置きは夜にするとして…じゃ。」

「(ビクッ)」

「さくらよ。如何にしてこの術を試みたのじゃ。」

「た、たまも様、それはそのぅ…。」

 

 

 さくらは言いよどむ。仕える主人にこのようなことを聞かれれば、誰もが言いよどんでしまうのは当然のことであろう。もじもじとしながらさくらはその手を握り締めて膝の上に置く。たまもから突き刺さる冷たい視線を受けている彼は程なくして口を開いた。

 

 

「たまも様の…。」

「なんじゃ。」

「たまも様の…役に、立ちたかったんです…。」

「…。」

 

 

 それを聞いたたまもは絶句した。自身のためといわれるのはありがたいがそれはそれとして仕出かしたことの大きさが大きさである。異界より誰かを呼び出す術など広まってしまえば大変なことになってしまう。それこそ悪意のある者にわたってしまえば、新たな争いの種となる。

 

 

「明日から大きな仕事を任せておるというのに…、何をしとるんじゃ。」

「本当にごめんなさい…。」

 

 

 

 

「全く…。手がかかるのう…。」

 

 

………

 

 

「うぅ、たまも様に怒られてしまいました…。」

「当然だろう。このようなこと、歓迎はされないだろうよ。」

 

 

 たまも宅から一時的に開放されたさくら。彼はきつねの里にある自身の部屋へと帰路についていた。その隣にはキリスがともに歩いているがこれはなぜかと言えば。

 

 

「キリスの面倒はさくら、お主がみるのじゃ。」

 

 

 このように、たまもより言いつけられたからである。彼は自身で仕出かしたことなのだから勿論断れるわけもなく、今に至るというわけだ。

 

 

「しかし、大丈夫なのかい。」

「何がです?」

「先ほどの会話を横で聞いていたが、明日から大きな仕事とやらがあるのだろう。その中で私の世話などとは、大丈夫なのかい。」

「…あ。忘れていました…。」

「全く。何か手伝えることがあれば言いなさい。できる範疇であれば手を貸すから。」

「面目ないです…。」

 

 

 彼らは会話をしながらも居住区へと足を進めていく。周りから奇妙なもので見る視線は刺さるがそれらを二人は気にせずにいる。きつねの里を少し離れてから程なくして、民家が立ち並ぶ場所が見えてきた。そうして歩き続けていると、民家が近くなってきたタイミングで一人の銀尾が近づいてきた。

 

 

「さくら!おかえり!お仕事お疲れ様!」

「こんにゃくさん。お疲れです。」

 

 

 さくらはこんにゃくと呼んだ銀尾に近づいていった。そうして何かを話し合っていると、こんにゃくはキリスに気づいたのだろうか。キリスの近くに駆け寄り、ぺこりと腰を下げて挨拶をしてきた。

 

 

「こんにちは!どちら様ですか!」

「こんにちは、元気がいいね。私はキリスという者で、さくら君の知人だ。」

 

 

 彼はとても威勢がよく、キリスを知らないはずだがそれでも元気いっぱいに挨拶をする。そうして彼、こんにゃくはさくらへと顔を再び向けた。

 

 

「こんにゃくさんはもう仕事は終わったの?」

「いや!今から!畑仕事行ってくる!」

 

 

 そして言い終わると彼、こんにゃくはさくら達に手を振りながらきつねの里へと行った。クワを担ぎながら元気いっぱいに駆け出して行った。

 

 

「同室なのです、彼。…何か気に障りましたか。」

「いや、別に元気があると思っただけさ。」

 

 

 

 

 

 

 

 そうして民家のうちの一つの部屋へと二人は入っていった。その部屋はいわゆる和室というもので、部屋の中心には炬燵があり、その上にはミカンが籠の中にあった。また、部屋の隅には布団が重ねられており、その乱雑さからその部屋に住む人たちの生活の実態を感じられた。

 

 

「今お茶を出すので少々お待ちください。」

「あぁ、ありがとう。」

 

 

 キリスはそういってその炬燵の近くに膝を下した。さくらはその部屋に備え付けられているキッチンへと行き、急須に茶葉とお湯を入れて準備していた。そうして湯吞に注いでいると、ふとさくらの元に光が漂ってくる。

 

 

「…?何でしょうこれ。」

 

 

 その光は緑色の光で、どこか豆電球の光のように優しく光っていた。しかしその光は何か機械を使って生み出しているとは考えられなかった。なぜならその光は浮かんでおり、更には空を上下していたからだ。さくらは不思議に思い、そっとその手で光をつかんでみようとするもその手をすり抜けてしまった。

 

 そうしてその光に対して謎が深まっていると、その緑色の光はキリスの元へと飛んで行ってしまった。さくらは何だろうと考えつつもキリスの元へとお茶の入った湯呑を運んで行った。

 

 

「キリス様、お茶をお持ちしました。」

「ありがとう。さくら君。」

 

 

 キリスはさくらより湯呑を受け取り、そのまま一口飲んでいた。そうして二人が一息つくとさくらよりキリスに話しかけられる。

 

 

「キリス様、その体の周りに漂う光は一体何ですか。」

「これかい?…まぁ今はまだ話したくはないな。」

「そうですか…。」

 

 

 さくらとキリスの間に沈黙が走る。さくらからしてはキリスにとってあまり聞かれたくなかったことを聞いてしまったかもしれないという気まずさから、何を話せばよいかわからなくなったからだ。

 

 

「まぁ、不審に思うことは否定できないね。でもこれらは別に何か危ないものではないということだけは言っておこう。」

「なるほど、分かりました。」

「さて、それよりもさくら君。君に聞きたいことがある。」

 

 

 キリスはそう話すとさくらに向き合う。

 

 

「先ほど君は私をここに呼び出した理由をたまも様の役に立ちたいと話していたが、それは本当なのかい。」

「…それは。」

 

 

 キリスはさくらの目をしっかりと見て話す。

 

 

「それ以外の理由がある気がしてね。役に立ちたいというその一心だけで、悪魔召喚の真似事をするなど、あまりにも危険すぎる。だからこそどうにもそれ以外の、言えば彼女には話せないような裏がある気がするんだ。たとえ彼女にごまかしていたとしても、せめて私には正直話してくれないかな。」

「…。」

 

 

 キリスは真剣な表情でさくらに話す。彼からすれば突然巻き込まれたと言っていたのだから、その本当の理由が知りたいというのは当然のことであろう。彼の周りを回っていた四つの光も漂うのをやめてその場に止まってしまった。

 

 

「たまも様の役に立ちたいというのは本当なんです。」

「…そうか「でも」

「それ以上に僕は。」

 

 

 

「力が欲しいんです。」

「…なるほどね。」

 

 

 さくらの口から出てきたは、言っては悪いが、とてもありそうな話であった。先ほど悪魔召喚とキリスは話したが、その悪魔召喚する者たちの理由として、力が欲しい、名誉が欲しい、地位が欲しいなど。とてもありきたりなものであった。

 

「そして力を手に入れたら…。」

「…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「たまも様に告白したいのです!」

「…うん?」

 

 

 

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