〜レッド目線〜
「うん、上手に出来ているよ」
ドクターはレッドの宿題を見て頷いた。レッドは記憶喪失だから、文字の読み書きが難しかった。だけど宿題をいつもやっていたら、色々出来るようになった。ドクターに褒められると嬉しい。
「ありがとう。今日は外勤任務もないから、休んでていいよ」
「分かった」
ドクターにそう言われて、レッドは執務室を出ようとした。だけどその前に、やることがある。
「ママ、避けて!」
天井の通気口が開いた。レッドはすぐに飛んで避けた。通気口にいるのがツルギなのは分かってた。ツルギが持ってるナイフ、ちゃんと研いでいるみたい。
「わぁ、えっ、なになに?!」
ドクターはビックリしていたけど、そこにいるのはツルギだし大丈夫。レッドは膝をついた。
「ツルギ、おいで」
レッドが腕を広げると、ツルギはそっと近づいてくる。レッドはツルギをギュってして抱っこした。ツルギ、可愛い。
「ツルギに奇襲攻撃を教えてるの。レッドに奇襲をする練習」レッドはツルギを抱っこしたまま立ってドクターに説明した。「ツルギ、レッドみたいになりたいんだって。ツルギ可愛いから、いっぱい教えるの」
「まぁ、それはいいんだけどさ……」ドクターは言った。「執務室で奇襲攻撃の練習をするのはやめてくれるかな……? 私がビックリするから……」
「分かった。……ツルギ、訓練室でやろ」
「うん」
ドクターの言っていることに反抗しようとは思ったことがない。ドクターの声はソーンズみたいに優しいし、落ち着くし、好き。覚えていないことは多いけど、ツルギもマホガニーも可愛いからなんでもいいと思う。
「あ、ツルギだけズルい!」
執務室を出ると、マホガニーがいてレッドにそう言った。マホガニーもレッドの子ども。大事にしなきゃ。
「マホガニー、おいで」
レッドはしゃがんで腕を広げた。マホガニーはすぐに近づいてきた。
「ありがとう、ママ!」
マホガニーはいっぱいお話する。マホガニーをギュッとして抱っこすると、もっと可愛く思って力を入れたくなるのを我慢する。マホガニーもツルギも小さいんだから気をつけなきゃ。
「今から訓練室行くよ。マホガニーも来る?」
「うん!」
マホガニーはすぐに答えた。マホガニーも可愛いな。落とさないように気をつけなきゃ。
レッドは二人を抱えて訓練室に行った。訓練室にはソーンズもいてビックリ。
「ソーンズもいたんだ」
「お前たちも来たのか」
ソーンズは大きな武器を持ってる。マホガニーの武器にそっくり。マホガニーのパパがソーンズなんだって。レッドは何も覚えてないけど、ソーンズは頭を撫でてくれるから好き。
「今から奇襲攻撃の練習をするの。レッドが教える」
「そうか」
レッドがそう言うと、ソーンズはそれだけ答えた。それから訓練室を出て行こうとするから、マホガニーが声をあげた。
「パパもぼくに特訓して欲しい!」
「俺に……?」
ソーンズはビックリしたみたいな顔をしてこっちを向いた。ソーンズは何考えているか分からないけど、マホガニーのことは嫌いじゃないと思う。
「うん! パパ、ぼくと同じ前衛オペレーターでしょ!」
ってマホガニーは言っていたけど、ソーンズはやりたくなさそうだった。
「俺より適任がいるだろ」
そしてソーンズは訓練室の奥にいた人を見た。そっちを見ると、そこにはフリントがいた。
「お前たちも特訓に来たのか?」
そう言って近づいてきたフリントは、あの日レッドと同じ箱の中に眠っていた人。よく任務でも一緒になるから覚えている。
「フリントお姉ちゃん、パパの特訓に付き合ってたの?」
マホガニーがレッドの腕の中で聞いた。フリントはオデコの汗を拭いてニコッて笑った。
「そうなんだ。お互い覚えていないこともあるからな」ってフリントは答えた。「特訓がしたいのか? 私が付き合おうか」
「いいの!」
そうしてフリントとマホガニーが話している間に、ソーンズは訓練室を出て行っちゃった。でも、今はツルギの特訓に付き合いたいからソーンズについて行くのは我慢する。
「ああ。おいで、マホガニー」
「はーい!」
フリントがマホガニーを呼んだから、レッドはマホガニーを下ろした。パタパタ駆けて行くマホガニーが可愛い。尻尾がフリフリしていて触りたくなるけど我慢する。レッドはツルギも下ろした。
「奇襲攻撃の練習、しよう」
「うん」
レッドが言うと、ツルギがニコーッて笑った。可愛いから頭を撫でる。ツルギのこともレッドが守るけど、何かあったら大変だから、奇襲攻撃の練習は必要だ。
「お願いします、フリントお姉ちゃん!」
向こうでマホガニーがフリントと特訓を始めてる。ちょっと心配になるのは、レッドが、本当にママだからかな。
「ママ?」
ツルギに手を引かれた。レッドは首を振る。
「なんでもない。行こ」
レッドはナイフを取り出した。
おしまい
あとがき
レッド目線の地の文の書き方もある意味難しかったですね〜。レッド目線のお話は、装飾文を少なくしてみました。レッドちゃんには飾りっけのない生き方を貫いて欲しいな、と思いながら
またどこかでレッド目線を書くと思うので、良かったらフラッとまた読みに来てくれると嬉しいです
ではまた