〜ロサ目線〜
「ロサさん、頼まれていた薬草持ってきたよ〜」
「まぁ、ブラックローズちゃん、ありがとう」
私はロサ。名前は、覚えている。
この小さな女の子、ブラックローズちゃんは、ロドス・ラズハの療養庭園で花や薬草を育てている頼りになる医療オペレーターなの。
「ね、ロサさん。ウチもついて行っていい?」
ニコッて笑ってブラックローズちゃんが私に頼む。医療部に薬草を届ける手伝いをしているところなんだけど、ブラックローズちゃんなら連れて行っても大丈夫よね?
「ええ、いいわよ。ブラックローズちゃんも来てくれたら、きっと医療の人たちも喜ぶわ」
「やったぁ!」
私の言葉に嬉しそうにバンザイをするブラックローズちゃんは、無邪気で可愛らしかった。だけど彼女を舐めると痛い目を見るわ。彼女、色んな人たちから人気者なの。
「ふふ、ウチ、こうしてロサさんとお話出来るの、とっても嬉しい!」医療部に向かいながら、ブラックローズちゃんはお話を始めた。「ウチ、ロサさんとこうやってお話するのが夢だったの! ……ってあ、この話はいつもしてたよね」
「ええ、でもいつもブラックローズちゃんが嬉しそうに話してくれるから、何度でも聞きたいわ」私は素直な気持ちを伝えた。「確か私は、あなたが一歳だった時に、火事の中を助けたのが私……だったのよね?」
「うん! パパが言ってた。ロドスは大変なことになっちゃったけど、ロサさんは火事の中からウチを助けてくれたんだって!」
そうやって、私が思い出せない過去の話をするブラックローズちゃんは、とてもウキウキしていた。私がロドスで何者だったかは覚えていないけれど、ブラックローズちゃんのような小さな子を助けていたという話は、自分の自信のようなものだった。
「ブラックローズちゃんはパパのことも大好きなのね」
ブラックローズちゃんの言うパパという人が、いつもこの艦の料理をしてくれているジェイという人なのだという話は知っている。彼の作る料理はとても美味しくて、患者さんに合わせた優しい味の食事も用意してくれた時もあったわね。
「うん、大好き! パパはウチの大事なパパなんだ!」とブラックローズは話したかと思えば。「それでね、ロサさん。ウチのパパ、貰ってくれない?」
「えっ?」
予想していなかった言葉に私は驚いてブラックローズちゃんへ目を向ける。ブラックローズちゃんはいつもと変わらない様子でニコニコと私を見上げている。
「それって、どういう……」
「あ、ロサさん、待ってたんですよ!」
そこに元気な声が割って入って来た。医療部で皆の医者をやってくれているハイビスカスさんだ。
「こんにちは、ハイビスカスさん。今日はブラックローズちゃんと薬草を届けに来たのだけれども、一緒にいいかしら?」
と私が言うと、ハイビスカスさんは足元にいたブラックローズちゃんに気づいた。
「ブラックローズちゃんも来ていたんですね! もちろんいいですよ!」ハイビスカスさんの元気な声が返ってきて私は安堵した。「患者さんも、次はいつ来るんだ〜とかお話してたんですよ! ささ、早く行きましょ!」
「ええ」
「はーい」
ハイビスカスさんに案内されて、私たちは医療部の部屋に入って行った。私は過去のことはあまり覚えていないけれど、こうして人助けの手伝いが出来る自分のことを、誇りに思っているのは本当なの。
ありがとう、ブラックローズちゃん。
私は心の中でブラックローズちゃんに感謝した。
ジェイさんの話を私にしたのは、なぜなのかしら?
おしまい
あとがき
ロサ目線の話も少し難しかったですね。貴族でしたから丁寧な上品口調……を意識したかったのですが、果たして出来ているかどうか
それに、ロサが子どもに対して「ちゃん」付けで呼ぶかどうかも分かりませんしw
完全なる妄想捏造で書きましたが如何だったでしょう。これはこれで私は楽しかったです
ではまた