転生特典、お売りします。   作:のうち

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「その魔法少女、異質」

これはチェッカーフェイスが神の依頼により、魔法少女達が集められた世界での出来事。

 

爆ぜる火花。空間を引き裂く咆哮。

一面焦土と化した戦場に、少女たちの悲鳴が響いていた。

 

舞台の中央に立つのは、紫がかった長髪の少女――否、獣のような何かだった。

彼女の足元には、焦げた土と、魔力に焼かれた瓦礫、そして数本の杖が転がっている。

 

「次。……来ないなら、こっちから行く」

 

少女は無表情のまま、杖のスロットにカードを挿し込む。

 

「アドベント」

 

地を震わせ、巨大な蛇型の魔獣が空中から現れる。

滑るような軌道で突撃し、逃げ遅れた一人の魔法少女を咥えて、霧散した。

 

残された少女たちは震え、誰も動けない。

 

「なんで……なんであんなのが魔法少女なの……」

 

「魔法……魔法って……守るためじゃなかったの……?」

 

誰も彼女の名前を知らない。名乗ったこともない。

ただ、仮に名をつけるとするなら、それはヴェノム。

猛毒のように現れ、感情も理由もないまま、破壊だけを振り撒く存在。

 

 

彼女の世界では、魔法少女は“契約”によって力を得る。

自ら選んだ魔獣と結びつき、力を魔法の形に変換して戦う。

 

だが、彼女は明らかに“何かがおかしかった”。

 

扱う力は極端に攻撃的。

装備する杖は金属製の異形の武具。

そしてなにより、彼女自身が“誰かを守る”という意志を微塵も持っていない。

 

「イライラするから、叩く。

そうやって、生きてきた。

あたしはそれ以外、知らないから」

 

押し潰す。焼き払う。踏み砕く。

彼女の魔法は、感情を起点にしていない。衝動そのものが燃料だ。

 

 

 

一人、銀髪の魔法少女が立ち上がる。

白銀の翼を模した杖を構え、仲間をかばうように前に出る。

 

「あなたが何を背負っていようと、

ここで誰かを傷つけていい理由にはならない!」

 

ヴェノムは首を傾けた。

 

「……うるさいな。何その声」

 

「私は――」

 

「気に食わない」

 

その瞬間、彼女の魔獣が再び顕現した。

高速の蛇の軌道が空間を滑り、少女の翼を叩き落とす。

 

爆風の中、白い光が消えた。

 

 

 

「次。……まだいるでしょ」

 

ヴェノムの目は、怯える少女たちを冷たくなぞる。

 

誰も手を出せない。

誰も声を上げられない。

 

彼女は自分から戦いに赴いたわけではない。

目的などない。ただ、ここにいるから暴れているだけだ。

 

無秩序。衝動。暴力。

魔法少女とは似ても似つかない、しかし確かに“魔法少女”と呼ばれる存在。

 

その姿を、誰かが遠くから見ていることも知らず。

彼女はただ、次の標的を探している。

 

今回出てきた魔法少女ヴェノムと戦う魔法少女

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  • 巴まみ
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