第百五話
迅真とルーミアは数百年とあっちへフラフラ、こっちへフラフラと旅をしていた。その間、色々とあったのだが、割愛である。
「はぁ。中々見飽きないモノだな」
「そりゃこれだけ歩き回ってればね」
背伸びをしながら言う迅真に苦笑しながら答えるルーミア。
すると、正面にスキマが開かれ、紫が現れる。
「……どうした?何かあったのか?」
「いえ…特にこれといったものは無いんですが…私に友人が出来たくらいですかね?」
「……お前、ついに幻覚が――――」
「ひどくないですか!?一体私に何の恨みがあるんですか!?」
「い、いや…まさか紫がそんな事を言う日が来るなんて思わなくてな…」
「私…本当になんでこの人を一瞬でもかっこいいなんて思ったんだろう…夢も良い所よね…」
いよいよ互いを傷つけ始めた二人。全体的に犯人は迅真である。
「で?そんな事を報告してどうするんだよ」
「え?あぁ、だから、さっきも言った通り、特に何もないんですよ。たまたまお二人を見つけたから来てみただけです」
「ふぅん?そうか……なぁ、その友人ってさ、どんなやつなんだ?」
「うぇ?な、何ですかいきなり。迅真さん、まさか会ってみようなんて言いませんよね?そんな事をしたら庭師に切り捨てられますよ?」
「へぇ?むしろ今のでお前の友人よりその庭師に興味が出たわ。何所に居るんだよ」
「し、しまったっ!この人戦闘狂だ…!」
「酷い言われ様だ…まぁ、そんなのじゃ折れはしないがな!」
「ルーミアさん!助けてください!」
「今のは紫が悪い。以上」
「そんな無慈悲な!?」
そもそも迅真側のルーミアに助けを求めた時点で負けである。
「それで、行っても良いのか?」
「え、あの…その…聞いてきますー!」
そう言って紫はスキマの中へ消えて行くのだった。
「はぁ……全く、どうして素直に心配だって言えないのかしらね」
「天邪鬼ってな。人って複雑なんだよ。そういう事にしといてくれ」
「はいはい。分かったわよ」
照れ隠しか、人差し指で頬をかきながらそう言う迅真に苦笑いしか出来ないルーミアなのだった。
* * *
数分後、隙間からゆっくりと頭上半分だけ出した紫が迎えに来て、彼らは移動を始めた。
「いやぁ……随分とまぁすごい所だ…」
「確かに、それなりに大きいわねぇ…」
目の前に広がるのは無数の木々。そこに紛れて大きな屋敷があった。
「本当に行くんですか?正直ここから先に行きたくないです」
「んな事言うなよ。さっさと行くぞ」
「あぅ…置いて行かないでくださいよ」
ケラケラと笑いながら迅真は進んでいき――――
――――キィンッ!と短い金属音と共に何かを弾く。
「へぇ?斬撃とは随分とまぁ物騒なお出迎えだな」
そう言う迅真の手にはいつの間にかダーインスレイヴが握られていた。
すると、数本前の木の後ろから白髪の長髪オールバックに立派な髭、若草色の和装。腰には一本が長く、もう一本が短い日本刀を差した老人が現れる。
「何の用だ?」
「そりゃこっちのセリフだが……まぁ、たぶんお前からしたら俺たちは屋敷に近づく不審者なんだろ?なら、やる事は一つ。そうだろ?」
「……お主、名前は?」
「薙浪迅真。暇な旅人さ」
「魂魄妖忌。それが私の名だ。白玉楼を守る者として、薙浪迅真。汝を切り捨てる」
「…薙浪迅真。『生命の掌握者』の名において、魂魄妖忌。貴様を喰らい尽くす」
両者は共に刀を構え、数秒後、衝突する。
* * *
「あぁ…衝突しちゃいました。どうしましょ」
紫がそう言うと同時に両者の剣がぶつかり、火花が散る。
「取りあえず見守るしかないでしょ」
二撃、三撃とぶつかるが、刀が二本ある妖忌の方が有利に見える。
「それでも、怪我したら不味いと思うんですけど」
ガッ!キンッ!!と乾いた音と共にダーインスレイヴが弾かれる。
「じゃあ、この結界を張れば問題ないわね」
そう言うと、何時の間に迅真のバッグから取り出したのか、いつもの結界をルーミアが持っていた。
瞬間、妖忌の返す刀が迅真に襲い掛かる。
「えいっ」
「
結界が張られると同時、迅真の言葉と共に生み出された複数の小さな火球は、妖忌へと襲い掛かるが、妖忌は下がりながらその両手に持った刀で火球を斬り伏せて行く。
「嘘だろおい!!この数を斬るのかよ!!」
「ほぅ?火を斬る事は驚かないのか」
「それくらい、出来なくちゃ生きてねぇよ!!」
「そうかそうか…ならこういうのはどうだ?」
瞬間、可視化された無数の斬撃が飛来する。
「ッラァ!!」
その全てを、迅真は振り下ろした一撃で全て叩き斬る。
「フッ…そうでなくては張り合いが無い。
妖忌は声を残し、姿を消す。
「ッ!そこか!!」
ガキッ!!とかみ合うような音と共に刃がぶつかる。
「爺さん…中々強敵じゃねぇか。体力は大丈夫か?」
「ふん。お主に心配されるほど軟な鍛え方はしておらんよ」
言いながら、妖忌は短い方の刀で迅真に切りかかる。
「『サンガー』!!」
突然生み出された雷撃。だが、直後、時の流れが緩やかになったような錯覚の後、雷が妖忌によって切り裂かれる。
「雷も斬るのかよ…!」
「この程度、驚くほどの事でも無かろうて」
「そりゃそうだ…!!」
そう言って、迅真は体勢を整えようとするが、それを許さず妖忌が追撃を仕掛ける――――。
最終章!!ラスボス皆で倒そうぜコラボ募集!!詳しくは活動報告にて!!