東方種変録   作:大神 龍

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第百七話

 結界が解け、迅真はルーミアの元に歩いて行く。

 

「はぁ…疲れた。ほとんど防戦とか、俺の性に合わないわ」

 

「お疲れ様。速度が圧倒的に足りてなかったわね。加速すればよかったのに」

 

「あ~…そう言えばそうだな…なんで『光化静翔(テーマソング)』使わなかったんだろ」

 

「思いつかないくらいに切羽詰ってたんでしょ。本当にお疲れ様。とりあえず休んでなさい」

 

「おう。って、休むかっ」

 

「そうですよっ!そもそもしなくても良い戦闘してるんですから歩かせるべきです!」

 

「「お前が言うな」」

 

 本気で止めようとしてなかった紫に同時に突っ込む二人。

 

「むぅ……何か納得いきません」

 

「はいはい。ほら、そいつを起こそうぜ」

 

「はぁ…分かりましたよ。妖忌さん。起きてください。こんな所で寝たら風邪を引きますって」

 

「そんな起こし方で起きるのかよ?」

 

 起こし方に不安を覚えながらも見ていると、妖忌の目が開く。

 

「そんな起こし方で起きるのかよ!」

 

 思わず叫ぶ迅真。そんな事をしている間に妖忌は体を起こす。

 

「ぬぅ……紫様…ですか。私は一体…」

 

 どうやら状況が掴めていないようで、頭に手を置いていた。

 

「……妖忌?何をしているの?」

 

 凛とした張りのある声。その声に反応して全員は振り向く。

 

 そこには、桃色の髪色をした少女がいた。

 

「お嬢様!どうしてここに!?」

 

「幽々子!なんで屋敷から出て来てるの!?」

 

 妖忌と紫はすぐさまその少女の近くに行く。

 

「だ、大丈夫よ二人とも。今日は調子がいいの。だから散歩でもしようかなって思って…」

 

 苦笑いをしながら幽々子と呼ばれた少女が言うと、

 

「それでしたら(わたくし)をお呼び下さいと言ったはずです!!なぜお一人で!?」

 

「だ、だって、言おうとしたら妖忌がいないんだもの。その間にまた元に戻っちゃったらもったいないじゃない」

 

「そう言う問題じゃないでしょ!ほら、戻るわよ!!」

 

「えぇ~?紫まで~?もぅ!皆酷いわ!!それに、私だってそこの人達とお話ししたいのよ!!」

 

「それなら屋敷の中でもできるでしょ!?」

 

「むぅ……それもそうね。分かったわ。屋敷に戻る事にします」

 

 幽々子はそう言うと、妖忌と紫に連れられて行く。

 

「迅真さんとルーミアさん!行きましょ!」

 

「わ、分かった!……いきなり元気になったな…」

 

「まぁ良いじゃない。それに、そっちの方が迅真としては嬉しいんでしょ?」

 

「そうだけどさ…はぁ、いいや。行こうぜ。置いてかれちまう」

 

「ふふっ。やっぱりハッキリは言わないのね」

 

「うっさい。別にいいだろ?分かってくれるんならさ」

 

「それはそうだけど、言ってくれた方が良い事って言うのもあるのよ」

 

「…………………」

 

 それ以降、迅真は黙り込み、代わりにルーミアの手を握るのだった。

 

 

 * * *

 

 

 たどり着いた先には大きな屋敷があった。

 

「うわぉ…中々広いなぁ…」

 

「私達が都で住んでいたのより大きくない?」

 

「明らかにデカいな…何か悔しい様な…」

 

「お二人とも、早く入って下さいな」

 

 悩ましそうな表情でいる迅真とルーミアに中に入るように促す紫。

 

「んで?ここは?」

 

「それは幽々子が説明しますわ」

 

「そうか……」

 

「着きましたわ。ここです」

 

 通されたその部屋には、先ほどの少女と、隣には妖忌がいた。

 

「白玉楼へようこそ。ここの主の『西行寺(さいぎょうじ) 幽々子(ゆゆこ)』です。よろしくお願いします」

 

「薙浪迅真。ただの旅人だ」

 

「ルーミアよ。同じく旅人って事にしてるわ」

 

「そうですか。旅人…なら、その屋敷の外の事をいっぱい知っているんですよね!!教えてください!!」

 

「お、おぅ。分かった分かった。って言ってもな…面白い様な話って何があるかなぁ…」

 

「なんでも構いません!!外の話なら!!たとえば…迅真さんとルーミアさんがどう出会ったとか!」

 

「ぶっ!!ゲホッゲホッ!」

 

「あ、ダメでしたか?」

 

「い、いや…俺は別に構わんが…正直言って全く面白くないぞ?」

 

「そんな事無いでしょ?ちゃんと面白い出会いだったはずよ?」

 

「お前の面白いの基準が分からんぞ…第一声が『あなたは食べても良い人類?』って出会いがさ!!」

 

「その時点でかなり」

 

「意味不明だよ!!面白い要素皆無だよ!めっちゃ血生臭いわ!!」

 

「そうかなぁ…?」

 

「そうだよ!?」

 

「ふふふっ」

 

 突然の笑い声に会話を止める二人。

 

「ふふふっ。いえ…その、お二人の会話が面白くて、つい。すいません」

 

「いやいや、謝る事は無いさ。むしろ、楽しんでくれたならそれでいいよ。んで、俺とルーミアの出会いだったか…なら、追加で俺とルーミアの旅路を語ろうか。それなりに楽しめるとは思うが…まぁ、期待はするなよ?」

 

「えぇ。とても期待しますね」

 

「だから期待するなって…まぁいいや。んじゃ、まず、俺とルーミアが出会ったのは夜。あの日の月の形までは覚えてないが、月明かりがあったから一応新月ではなかったな」

 

「夜なんですね…」

 

「あぁ。おかしいと思うかもしれないが、ルーミアは妖怪なんでな」

 

「そうなんですか!?」

 

「そうなんだよ。んでな?―――――

 

 そうして、迅真は今までの旅を思い出しながら語り始めるのだった。




 コラボ募集は本日がラストです!!やってみようかなって方は是非活動報告から!!
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