東方種変録   作:大神 龍

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書いてて思った。
コレ、先週出した方が良かったんじゃね?


第十四話

 ルーミアが目を覚ますと、目の前には迅真の顔があった。その事に焦ったルーミアは急いで迅真から離れようとするが、なぜか離れる事が出来ない。慌てて辺りを見渡すと、迅真が自分の事を抱きしめているのに気づく。

 

「ふえあぁ!?な、なんで私捕まってるの!?」

 

 焦り過ぎて思考が正常に回らなくなりつつも、声の大きさだけは小さくして、迅真が起きない様にだけはしている。そして、その後数分間もがくが、意外に力が入っていて抜け出す事が出来ず、諦めて迅真が起きるのを待つことにした。

 

「……えい」

 

 ボーっと待っているのが暇だったのか、ルーミアは迅真の頬を指で押し始めた。

 

 プニプ二という感触が意外と心地よく、何度か押していると、「んん……」と、迅真が声を出す。それに驚いたルーミアは急いで手を引っ込める。そして、迅真が起きていないかと思い、じーっと迅真の顔を見ていた。しかし、それ以降迅真は寝息を立てているだけなので、悪戯はばれてないと確信する。

 

 そこでルーミアはハッ!と気づく。そもそも自分は迅真が起きるのを待ってるんだから起きても別に問題は無いということに。むしろ、なんでそのまま起こさなかったのかを疑問に思うが、過ぎたことは仕方ない。と思い直し、また悪戯をすることにした。

 

 今度は頬を引っ張ってみることにする。びよーんと頬が伸び、そのせいで迅真の顔が面白いことになったので、思わずルーミアは引っ張っている手を離して口に当て、声が出ないようにして静かに笑う。しかし、慌てて離したため、ペチンと音が鳴るくらい勢いよく迅真の頬は戻る。その音に気付くと同時にルーミアはさすがに起きるかも……と思うが、予想に反して迅真は先ほどと同じように小さく声を出しただけだった。その時、腕の力が増したような気がするが、どの道逃げ出せないため、気にしないことにした。

 

 ここまでやっても起きない迅真に、次はどんな悪戯をしようか考えて、ふとある事が思いつくが、顔を赤くすると同時に急いで頭の中から追い出すように頭を振る。そして、顔の赤みが引くと同時にもう一つ、先ほどよりはマシだが、やはり実行しがたい事を思い付く。それをやるかどうかを数秒悩んだ後、それを行動に移すことにした。

 

 ルーミアは、一方の手を迅真の下に、もう一方を迅真の上に持っていき、一瞬ためらった後、迅真に抱きつく。

 

 それをやったルーミアは顔を熟れたリンゴのように真っ赤にしているが、やられている迅真は、特に何も変化が無い――――と思っていたら、先ほどよりも強い力でルーミアのことを抱きしめる。

 

 そのことを全く予想していなかったルーミアは、急いで迅真から離れようと迅真のことをポカポカと殴る。しかし、想像以上にパニックに陥っているルーミアの拳は全く力が入っておらず、ペチッペチッという軽い音がするだけだった。

 

 しかし、その攻撃で迅真の目は薄くだが開いた。そして、

 

「ルーミア?どうしたんだ?そんなに顔を赤くして」

 

と、ルーミアに声をかける。だが、ルーミアの耳には声は届いておらず、ただひたすら迅真の胸を叩いていた。

 

 どうしたものか……と迅真は考えた結果、ルーミアの頬を引っ張ることにした。びよーんと伸びた方を前後や上下に動かして遊んでいると、正気に戻ったルーミアが、

 

「いふぁい!いふぁい!ふぃんふぁ、ひゃへへ!」

 

と、よく分からない声をあげるが、たぶんやめてって言ってるんだろうなぁ。と思った迅真はそのまま手を離す。ペチッ!という良い音がして、ルーミアが頬に手を当てて涙目になりながら迅真のことを見てくる。

 

「うぅ~……頬が痛いよ……」

 

 ひりひりと痛む頬を抑えつつ、ルーミアは泣きながらそう言う。その時には顔の赤みは完全に引いていた。

 

「はぁ、なんで起きたら殴られていたのか分かんないんだけど、俺が何かやったのか?」

 

 迅真はため息をつきながらそういうと、ルーミアの顔は再度赤くなり、顔を逸らしたが、その状態でちらちらとこちらを見てくる。

 

 それを見た迅真は、いくつか原因を考えるが、起きている間にやったことにこうなるようなモノは思い当たらず、もしかしたら寝ている間の事かもしれないと考える。だが、もしそうだとしたら、ルーミアしかそのことを知らない訳だからどうしようもないため、結局ルーミアがいつも通りになるまで考えないことにした。

 

「まぁ、原因を考えないだけだからちょっかいは出すけどな」

 

と、迅真は誰と話しているわけでもないのにそう呟く。その言葉に不穏な気配を感じたルーミアは、急いで逃げ出そうとするが、いつの間にかまた先ほどのように抱きしめられていた。しかも、体を反転させたところで捕まったため、背後から抱きつかれている状態だ。

 

「ふぎゃぁ!な、なんで捕まえるの!?」

 

「特に意味は無いが、なんかこうしたくなった。それだけだ」

 

 背後から聞こえる声は、正面から聞くよりもなぜか心に響く。そのせいでルーミアの心臓は自分だけでなく周りにも聞こえているのではないかというくらいうるさく響く。

 

 そして、迅真がまた何かを呟こうと口を開いたと同時に、バタンッと部屋の扉が開く。

 

 その音がすると同時に迅真は振り向く。ルーミアはパニックになっているため動くことが出来なかった。そして、その扉の先には閃鬼がいた。ちなみに、その時に、迅真はここが部屋の中だったことに気付いた。

 

「あ~っと、邪魔したか?」

 

 閃鬼が少し動揺したような声で言う。迅真は、

 

「いや、問題ない。俺が遊んでただけだし、たぶんお前が来なかったらルーミアがヤバかっただろうしな」

 

と軽く答える。閃鬼は、そうか。とだけ答えて、早く外に出て来るように迅真に伝えると、さっさと行ってしまう。閃鬼が行った後、ルーミアを離して座り、

 

「ルーミア?大丈夫か?」

 

と声をかける。すると、ルーミアがふるふると震えだす。それを見た迅真が、ヤバい、からかいすぎた…!と思うと同時にルーミアが牙をむいて襲い掛かってくる。それを迅真は避ける事が出来ず。ガブリッという効果音が付きそうなくらい勢いよくルーミアは迅真の頭にかぶりつくのだった。

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