東方種変録   作:大神 龍

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第三話

 迅真は諏訪子に連れられ、のんびりと村の中を歩き、その後ろをルーミアがテクテクとついてくる。

 

 村に入ってから諏訪子に挨拶してくる村人たちがたくさんいるのだが、迅真には皆、少し怖がっているように見えた。もちろん、そんな感じが全くなく、満面の笑みで挨拶をしてくる人もいる。

 

 そんな感じに迅真は村の人々を見ながら、諏訪子について行ったら、とんでもない段数のある階段の前に来た。その階段を見た迅真は、

 

「なぁ、ここを上るのか?」

 

「うん、そうだよ?」

 

 そう言いながら諏訪子は階段を上って行く。迅真とルーミアは、諦めたように階段を上って行く。

 

 しばらく進むと、社が見え始めた。

 

「あそこか?」

 

と、迅真は無意識に呟く。それを聞きとった諏訪子は、

 

「そう、あそこだよ」

 

 

 

 その後、神社の中にある居間に上がると、諏訪子がこっちを向いて座ったので、迅真も座る。その左にルーミアが座る。

 

「ふぅ、とりあえず、改めて自己紹介するね。私は諏訪子。この神社の神様だよ」

 

「なるほど……神様か。もしかしてお前って……いや、なんでもない」

 

と、迅真は何かを言おうとしてやめる。

 

「さて、さっきも言ったが、俺は薙浪迅真だ。一応言っておくが人間だぞ?んで、こいつは――――」

 

「ルーミアだよ。よろしく~」

 

「――――で、なんか質問はあるか?」

 

 そう迅真が言うと、諏訪子が、

 

「じゃあ、迅真、何か隠してない?」

 

と言うと、迅真は少し黙る。そして、

 

「――――言わなきゃダメか?」

 

「ダメ」

 

「……はぁ、わかった。言うよ」

 

と、迅真は溜息をついてから、

 

「俺は能力を持ってるんだ。名前もあるが……まぁ、教えてもいいか。言っておくが、誰にも言うなよ?」

 

 そう迅真は念押しして、言う。

 

「能力名は、ありとあらゆる生物の力を使う能力だ。ちなみに、実際に存在しているものだけでなく、架空の生物も含むぞ。まぁ、架空の生物はいくつかの制限があるけどな。後、体も変えたり出来る。けど、体を変えても特に力が上がるわけでもないから意味ないんだけどな。それと、特定の人物を思い浮かべて付与すると、その人物の力をそのまま使うことができる。俺みたいな特殊な能力もな。後、アイテムを創り出したりも出来る。これに関してはある程度その生物とそのアイテムに関係が無いといけないんだけどな」

 

と、迅真は言う。それを聞いた諏訪子は、

 

「なにその能力……異常過ぎない?」

 

「まぁ、それは俺も思う。仕方ねぇよ。これ、生まれつきだからさ。で?何か他に聞きたいことはあるか?」

 

と、迅真は若干疲れた感じに言う。

 

「うん、実はこれが一番重要なんだけど……」

 

 そう言う諏訪子の顔は、真剣そのものだった。

 

「なんだ?」

 

 微かに不安を感じながら、諏訪子の言葉を待つ。

 

「それはね――――」

 

 思わずゴクリとツバを飲む迅真。そして、諏訪子が口を開く――――!

 

 

 

「料理が出来るかどうかだよ!!」

 

 

 

「――――は?」

 

 思わずそう言ってしまった迅真。しかし、諏訪子自身は冗談を言っているつもりがな

いのか。やはり真剣な表情のままである。

 

「料理が出来るかって……いや、出来なくは無いけども……なんで?」

 

 迅真は、想定外すぎることを言われて思わず顔を引きつらせながら聞く。

 

「それは……できれば言いたくないなぁ~……なんて」

 

と、諏訪子は目を逸らしながら言う。それを見た迅真は、ハッ!と、何かに気付いたような顔をし、

 

「あぁ、お前、もしや苦手か?」

 

「…………」

 

 どうやらヤバいことを言ったみたいだ。と、迅真は思った。それもそのはず。なぜなら、諏訪子の目から光が無くなって、何か嫌な感じのする雰囲気を醸し出しはじめたからだ。その空気に気圧されて、冷や汗が止まらなくなってきた迅真。何か話題を変えなくちゃいけないな……と思いながらも何も思いつかず、どんどん顔色が悪くなる。

 

 すると、ルーミアが

 

「ねぇ迅真ぁ」

 

と、現在進行形で血の気が失せていっている迅真に話しかける。そして、迅真が震えながらもルーミアの方を向くと、

 

「お腹減った~」

 

「…………」

 

 普通このタイミングで言うか?空気読もうぜ?と迅真は思いながらも、

 

「――――諏訪子。台所借りても良いか?出来れば食材も欲しいんだが」

 

と聞く。こいつもこいつで空気が読めてない気もするが、突っ込んだら負けだ。

 

「別に良いよ。うん。あ、場所は向こうだからね」

 

 諏訪子はそう言うが、その声は何所か機械的だった気もする。

 

「じゃ、なんか作ってくる」

 

と迅真は言うと、台所に向かう。

 

 

 

 台所に着くと、迅真は、

 

「ふぅ、何か疲れる自己紹介だったな……っと、そんな事呟いている場合じゃないか。さっさと何か作って持っていくか」

 

 そう言って、まず食材を見て、料理を始める――――。

 

 

 

 しばらくして台所から出て来た迅真は、二つの茶碗を持って来た。

 

「残念ながらこんなものしか作れなかったよ……」

 

 そう言って、迅真はいつの間にか置かれていたちゃぶ台(であってるはず)の上に置く。その茶碗の中に入っていたのは、卵かけごはん。理由は、材料的にこれしかなかった。しかも、台所には大量にあった謎の生ゴミ。

 

 まぁ、そんな事は頭の隅に捨てといて、それを見た諏訪子は、にやりと笑い、小さくガッツポーズをとる。何やってんだ?こいつ。とか思いながら、迅真はどーぞ。といい、座る。

 

 それを聞いて、食べ始めたルーミアと諏訪子。ルーミアは笑顔で食べ始め、諏訪子は一口食べて半泣きになってから、物凄い速度で食べる。

 

 食べ終わった後、ルーミアは満面の笑み、諏訪子はちゃぶ台に突っ伏(つっぷ)しているというよく分からない現状。まぁ、二人とも(というより、主にルーミアが)満足そうなので、良しとする迅真。

 

 

 

 そして、迅真はこの神社の料理係となるのだった。




なんか諏訪子様に料理できない設定が出来ちゃった……どうしてこうなった?
そして、今更古代スタートを後悔してます……。
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