東方種変録   作:大神 龍

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 前回に引き続き『大神 漣』君とのコラボです。

 ではどうぞ!


第三十一話 コラボ 1‐1‐2

 数瞬の差で漣が速く動く。漣は腰の辺りで構えていた霊剣を居合の要領で素早く振り、斬りつける。

 

 遅れて動き出した迅真は上へと上げていた腕をすぐさま振り下ろし、闇を纏わせて霊剣を弾くことで無力化させる。そして、瞬時にしてダーインスレイヴを生成する。

 

「っはは!良いな、その速度。それに剣の威力も申し分ない。じゃあ次はこっちからだ…!」

 

 迅真の言葉を聞いた途端、漣に嫌な予感が走る。即座にその場から下がると、直後音も無く地面が振り下ろされた剣により爆発したかのように吹き飛ぶ。

 

「んなっ!?音が聞こえなかった!?嘘だろ?俺と絶以外にも使えるのか…?」

 

「考察してる場合か?すぐさま避けねぇとお前の首がすっ飛ぶぞ!!」

 

 漣が呟いた言葉をかき消すように割れた地面の欠片の全てが飛来する。迅真の手によって飛ばされた土塊が。

 

 漣は突然の事に固まりかけるが、瞬時に頭を切り替えて回避できるものは最小限で避け、不可能なものは断ち切って避ける。そして、一際大きい土塊を霊剣を振り下ろして断ち切ると、その奥に迅真の姿があった。

 

 迅真は土塊の裏から現れると持っていた剣を振り下ろす。漣は素早く霊剣を地面に刺し、

 

「『無音―龍脈―』!!」

 

 音は無く、空間が歪んだように見える斬撃が生まれる。迅真はその斬撃を躱すのではなく、思いっきり剣を振り下ろす事で断ち切る。

 

 斬撃を破壊されると同時に漣は霊剣を引き抜くと迅真に向かって投げつけ、後ろに下がり霊剣をもう一本創り出す。

 

 投げられた霊剣は迅真に触れる前に槍の形をした闇に弾かれ、あられもない方向へと飛ばされて霧散する。

 

「『無音―境界斬―』!!」

 

 漣は剣を振ると、先ほどと同じように音の無い斬撃が飛ぶ。そして、更に畳み掛けるように漣は円を描くように剣を振り、

 

「『無音―球―』!!」

 

 円状の斬撃が飛来する。迅真はにやりと笑うと、剣を振り上げる。それによって発生した風圧は漣が生み出した斬撃の一つをかき消す。そして、円の形をした斬撃は地面を隆起させて防ぐ。しかし、斬撃の威力は迅真が想像していた以上に強く、地面を断ち切って進んでくる。

 

 漣は迅真が地面を隆起させた瞬間から迅真に向かって走り出しており、隆起した地面を斬撃が断ち切っていくのに気付いた迅真が横に避けると同時にその方向へと移動し、切りかかる。

 

 迅真は剣を使って守るには時間が足りないと瞬時に悟り、左腕に闇を纏わせて防御する。

 

 ガキンッ!という音がし、漣の剣と迅真の腕が拮抗する。どちらも負けじと押し合うが、突然、迅真の姿が消える。

 

 あまりにも唐突だったので漣はすぐさま対応できず体勢を崩す。直後、漣の耳に後ろから微かな風切り音が聞こえた。素早く漣がその方向へと振り向くと、剣を振りかぶっている迅真の姿があり、咄嗟に連が剣を向けるとガンッ!!という鈍い音が鳴り、再び迅真と漣の力が拮抗する。

 

「クソッ…!『無音―紅刀(くれないがたな)―』!!」

 

 漣がそう叫ぶと同時に霊剣は紅く染まり、漣の力が飛躍的に上がる。そして、ゆっくりとだが漣の方が迅真の事を押しはじめ、ついには跳ね上げる。

 

 剣を跳ね上げられた迅真は無防備で、今なら確実に倒せる。しかし、漣は追撃するのではなく、即座にその場を離れる。

 

 直後。無数の闇の槍が先ほどまで漣のいた場所、または追撃の際に来るであろう場所を貫く。数瞬逃げるのが遅れていたらおそらく漣は槍に貫かれ息絶えていた事だろう。

 

「ふぅん?今のを避けるのか。これはさすがにお前の事を甘く見過ぎていたな。どこで気付いた?」

 

「そりゃ分かりやすく笑みを浮かべてたら気付くさ」

 

「だよなぁ……やっぱり油断すると頬が緩んじまう。これもどうにかしないとなぁ」

 

 迅真が悩み始めた瞬間、漣は迅真に向かって走り出し、剣を振る。

 

「『無音―(そう)―』!!」

 

 油断しきっている迅真に確実に当たる音の無い3つの斬撃。しかし、その攻撃は直後に迅真が投げつけたダーインスレイヴによって無効化される。

 

「まだだ。まだ速く動けるだろう?もっともっと速く動け!俺の反応速度を越えろ!何よりも速く早く動き、何よりも強い力で俺の頭を破壊しろ!首を掻っ切れ!心臓を貫け!戦いはこれからだ!さぁ!ハリー!ハリーハリー!ハリーハリーハリー!!」

 

 迅真は狂気的な笑みを浮かべ、右手に霊力で生成した銃。左手には妖力で生成した銃を持ち、漣に照準を合わせる。

 

「『無音―境界斬―』!!」

 

 迅真の変貌に漣は反射的に斬撃を放つ。迅真は二つの銃を一度ずつ漣に向かって撃ち、軽い足取りで横に移動し、斬撃の射程範囲から抜け出したうえでもう二発ずつ撃つ。

 

 最初の二発は漣の生み出していた斬撃によってかき消されたが、残りの四発は漣に向かって音速を遥かに超えたで突き進んでくる。

 

「っ…!『霊圧』!!!」

 

 漣が叫ぶと同時、霊力で構築された壁のようなモノが出現し、妖力で生成されていた二発(・・)がその壁によって消える。消滅しなかった霊力で作られていた弾丸は、正確に漣の右肩と左膝に着弾する。

 

 弾丸は体内では止まらず、そのまま漣の身体を貫いて行く。数瞬遅れて恐ろしいほどの痛みが漣の身体を駆け抜ける。

 

 漣は想像を超えた激痛に加え、筋肉をいくらか切断されて右腕が動かない。左足は感覚が残っているが、思い通りに動かすことは難しいと悟る。

 

「ガハッ……はぁ、はぁ、……迅真。次で終わらせるぞ」

 

「む。そうか。仕方ない。お前はまだ人間の域だからな。今日の遊びはこれまでとしよう。さぁ、全力でかかって来い!」

 

「……『無音―我龍戦永斬(がりゅうせんえいざん)―』!!」

 

 漣の身体が紅く染まる。迅真は両手の銃を構えて漣の行動を待つ。

 

 数瞬の静寂の後、何の前触れもなく漣は前進し、迅真は構えていた銃の引き金を引く――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だ~~~~クソッ!負けた!」

 

 苛立ち交じりにそう言うのは、漣。さすがにあの怪我では迅真の銃を躱し切ることは出来ず、もう少しで迅真に刃が当たるという所で脳天を撃ち抜かれて結界の外に飛ばされてしまったのだ。

 

「ハハハ。お前は良くやった方だ。正直あんなに動けるとは思わなかったよ」

 

 そう言いながら迅真は結界から出てくる。

 

「お前はこれからもっと強くなるさ。俺が保証してやる。だから、次会う時までには能力が使えるようになってろよ」

 

「なんだ。気付いてたのか?」

 

「あぁ。戦闘開始位からな。お前に能力はあるはずなのに、行使しようとする気配が無かったからな。まぁ、ワザと使ってないのかとも思ったが、雰囲気的に使えないと思ったからカマかけてみた。お前の言い方から察するに使えないみたいだがな」

 

「まぁ、確かにあるみたいなんだが、あいつが教えてくれないからな……次に会う時までに使えるようになってる事を祈っててくれ」

 

「ククク。期待してるぞ。っと、お前の能力の話はここまでとして、だ。戦利品だ。どれか一つ持って行け」

 

 迅真はそういうと、鞄の中からいくつかの札、宝石、武具などを漣の前へと出す。

 

「俺としては武器を持って行ってもらいたいんだが、何を持って行っても構わないさ。まぁ、お前がこの先ずっと霊剣を使うっていうなら、たぶん萃香が難敵だな。とりあえず、何を選ぶ?」

 

「ん~……そうだな。これはなんだ?」

 

 漣が悩みながら手に取ったのは、手のひらにすっぽり収まるくらいの紅い宝石だった。

 

「あぁ、それは一週間前くらいに作ったドーピング剤的なものだ。それに霊力とか妖力とかを込めると、込めた力が数倍に膨れ上がる代物だよ。それでいいのか?」

 

 数秒悩んだ後、

 

「あぁ、これでいいよ。別に何か欲しいってわけじゃなかったからな」

 

「そうか。じゃあ、そろそろお前を向こうに返すぞ」

 

「わかった。じゃあな。次までには能力を使えるようにして来るさ。その時はお前を絶対倒すからな。覚悟しておけよ」

 

「おう。楽しみに待ってることにするさ」

 

 迅真が漣の足元に手をかざすと、漣の真下にスキマが開き、漣が落ちていく。

 

「ちょ、お前、ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

 

「達者でな~」

 

 迅真は顔色を真っ青に変えて落ちていく漣を笑顔で見送ると、今まで黙って見ていた紫に説教をしに歩いていくのだった。




 漣君……すまない。倒しちゃったのもそうだけど、あれ以外の送還方法を思いつかなかったんだ。

 それと、あのドーピング宝石(仮名)は、使う機会がなかったらポイしちゃってください。使うとしたら一度きりの使い捨てですのでそこの所よろしくです。まぁ、ポイが妥当な所かな?

 さて、漣君は終わったので、次回はその師匠をお呼びせねば。ってことで咲き人様。次回もよろしくお願いします。(;一_一)
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