東方種変録   作:大神 龍

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 コラボ3回目!今回も咲き人様の『東方二重録』からの参加!『絶』君です!

 ではどうぞ!


第三十二話 コラボ 1‐1‐3

 紫が異世界から人をつれて来た日から一週間後の事。最近にしては珍しく閃鬼が家にいたので、つい先日弟子になった紫と手合せをしてもらっていた。もちろん迅真特製の結界の中で。

 

 今更だが、この結界の中の事は外から確認することは一応できる。ただ、それをするのは少し面倒なため、いつもはギャラリーごと結界の中に入れるのだが、その日は少し別の事をする予定があったためわざわざ入らずとも見れるようにしていた。

 

「あ~……そろそろかなぁ……」

 

「迅真、どうしたの?」

 

 迅真が三日ほど前に適当に作り上げて閃鬼の家の前に設置した自作の長椅子で横になってると、ルーミアがやってきて、迅真の顔を覗き込みながら聞く。

 

「ルーミアか。ちょうどいい所に来たな。ほれ、ここに座れ」

 

 迅真は体を起こして座ると自分の太ももの辺りを叩く。ルーミアは少し疑問に思いつつも、言われた通りに迅真の上に座る。

 

「うあぁ~……癒されるわぁ~…」

 

 ルーミアの頭の上に頭を乗っけてだらしない表情になった迅真は、ルーミアの事を抱きしめて、幸せオーラを全開にしていた。すると、

 

「おい迅真。そんな事をしてるくらいならお前が稽古をつけてやれよ。っつか、やる事とやらは終わったのか?」

 

と、声をかけられる。迅真は少し不機嫌そうな表情になると、声の主である閃鬼を見る。

 

「なんだよ、もう終わったのか?」

 

「あぁ、終わったさ。ったく、いつもの事だがお前らを見てるとなんかイラッとするな……」

 

「それは知らん。で、結果はやっぱり閃鬼の勝ちか?」

 

「そうだよ。あいつはそこで伸びてる」

 

 閃鬼が指さす方を見ると、そこには確かにうつ伏せになって倒れている紫がいた。

 

「はぁ、だらしないな。閃鬼に勝てないようじゃ俺には一生勝てないぞ?」

 

「オイコラそれはどういう意味だコノヤロウ」

 

「言葉通りだ。後、閃鬼、もう少し下がってくれ。具体的には後十歩位」

 

 閃鬼が迅真の言葉にキレかけてると、迅真は閃鬼にそう言って下がらせようとする。閃鬼は突然の事に少し不思議に思ったが、とりあえず言われた通りに下がる。すると、突如として閃鬼の真上にスキマが開き、誰かが落ちてくる。

 

「ちょっっ!」

 

 閃鬼はそれに気付くと同時、咄嗟に後ろに下がってた勢いを利用してその人物との衝突を避ける。落ちてきた人物はスキマから出て来たと同時に受け身の体勢を取ると、ほとんど音を立てずに着地する。落ちてきた人物は、長く黒い髪を持った人物だった。雰囲気的に女性ではなく、男で、なぜか右目を瞑っていた。

 

「チッ。閃鬼、そこは避ける所じゃないだろうが」

 

「ふざけんじゃねぇ!!何考えてんだてめぇ!」

 

「全くだ。そこの奴にダメージを与えるために俺を利用するな」

 

 迅真が舌打ちをして文句を言うと、閃鬼と落ちてきた人物の両方から反論される。

 

「まぁ、閃鬼が無事だったのは不満しかないが、すまなかったな。別にお前を利用する気は……無かったからな」

 

「その間が気になるんだが?」

 

「気にすんな。したらお前の記憶を消さなくてはいけなくなってしまう」

 

 紫の事をスキマを使って自分の横に落としつつ、迅真はそう言う。

 

「っと、そうだ。お前の名前は?」

 

「普通は尋ねた方が先に言うものじゃないのか?」

 

「それもそうだな。俺の名前は薙浪迅真。気軽に迅真って呼べ。別にそれ以外でも良いが、出来れば迅真にしてくれ」

 

「わかった。俺の名前は(ぜつ)だ」

 

「絶か。よろしく頼むよ」

 

 二人が自己紹介をすると、なぜかピリピリと肌を差すような少し息苦しい空気になる。

 

「……迅真、少し苦しいんだけど」

 

「ん?あぁ、ごめんなルーミア。つい強そうな奴だったから力が入っちまって」

 

 ルーミアが抗議の声を上げると、先ほどまでの空気はどこかへと消えていく。

 

「それと、謝ったついでに、ちょっと降りてもらっていいか?」

 

「ん、分かった」

 

 迅真のお願いに短く返事をすると、ルーミアは迅真の上から降りる。

 

「オイ紫。起きろ」

 

 迅真がそう言って伸びている紫に軽くチョップをすると、うぅ…という呻き声と共に紫が目を覚ます。

 

「起きたならそのイスにしっかり座って俺とこいつの戦ってるのを見とけ」

 

「おい待て迅真。いつ俺がお前と戦うなんて言ったんだ?」

 

 迅真がさも今から戦うと言わんばかりの口調で言うと、絶から抗議の声が上がる。

 

「なんだ?戦わないのか?俺はもう戦うつもりだったんだけどな」

 

「まぁ、かまわんが……お前、紫とどういう関係だ?」

 

「は?師弟の関係だけど?」

 

「そうか。いやなに、こっちの話だ。気にしないでくれ」

 

「なに?お前、なんか紫とあったのか?まぁ、こっちの世界のこいつとは違う奴だろうが」

 

「だからこっちの話だと言ってるだろうが。とにかく、もうその話はするな」

 

「分かったよ。って事で、閃鬼もそこで見学な」

 

「はいはい。分かったよ。俺も少し疲れたし休みたかったところなんだ。ちょうどいい口実が出来たという事にしておくよ」

 

「ぶつぶつ言ってないでさっさと座れ。今ならルーミアの横に座れるぞ。ただし、少しでも変な事をしたらお前をバラバラに切り刻んで灰も残さず燃やし尽くしてやるから覚悟しとけよ」

 

「しねぇよ!!つか、目が笑ってないんだが!?」

 

「……なぁ、戦うんじゃないのか?」

 

 迅真が薄ら笑い(ただし目は笑っていない)を浮かべて閃鬼を脅迫して、閃鬼が顔を真っ青にして反論しているなか、絶は迅真に突っ込む。迅真は絶の方を向きつつ、いつもの結界札を取り出す。

 

「あぁ、すまんすまん。じゃあ、始めるか。今から結界を張るから、それから出たら負けな。結界の外に出る条件は死亡か降参。後者の場合は意思表示をすれば自動的に結界の外に飛ばされる。前者の場合は、死亡判定を一定量の出血、または特定部位のダメージが一定数を超えた場合とする。ちなみに、結界の外に飛ばされた時に中で負った全ての傷は完全回復するからな。体力的な意味も含めて。ただ、精神的な疲れまではどうしようもない。精神的ダメージはなかった事に出来るがな。良いか?」

 

 言いながら迅真は指先を闇で切り、血を染み込ませる。

 

「あぁ、大体わかった。さっさと始めよう」

 

「オーケー。じゃあ行くぜ?」

 

 そう言って迅真は結界札を宙へと投げるのだった。




 何か……どこかで見たことあるような終わり方をしているような…?

 まぁそんな事は気にせず次回も頑張ります!
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