東方種変録   作:大神 龍

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 コラボ第四弾!絶君との戦闘回です。意外にも長くなってしまった。本当はもう少しやりたいなって思うけど、そこは自重しました。まぁ、それでもいつもの二倍近くはありますが。

 ではどうぞ!


第三十三話 コラボ 1‐1‐4

 先に動いたのは、珍しい事に迅真。瞬時に霊力銃を右手、妖力銃を左手に生成すると即座に発砲する。

 

 絶は突然の事にも拘わらず、その場から一歩も動かずに頭を右に傾ける。すると、先ほどまで絶の頭があった所を迅真の弾丸が通り過ぎて行く。

 

「頭は狙いすぎたか。当てるつもりなら胴体だな……」

 

 迅真はそう呟くと即座に次の弾丸の照準を定める。絶はもちろんそのまま撃たれ続けるつもりがある訳無く、霊剣を生み出すと迅真へと向かう。

 

 絶が動くと同時に迅真は再び発砲する。その二つの弾丸を絶は霊剣で断ち切る。

 

「へぇ?弾丸を断ち切るのか。こりゃ一筋縄じゃ行かないな。もういくつか武器を使うことを考えるか……」

 

 言いながら迅魔はもう二発撃つと銃の形状を変え、短剣にする。そして、変えると同時に絶に向けて投げる。絶はまず二発の弾丸を最小限の動きで避けると、続く二本の短刀を叩き落とす。

 

 迅真は素早く妖力の短剣を生成すると、短刀を叩き落としている絶の足元――――影に投げつける。そして、その短剣は絶の影のある地面に刺さった。すると突然、絶が動かなく――――否、動けなくなった。

 

「金縛り……いや、影を利用してるって事は影縛りか?」

 

「ご名答。っと、何俺は親切に答えてるんだ馬鹿が」

 

 迅真が自分の失態に気付いて自分自身を叱ったと同時、バンッ!という音と主に短剣が弾け飛ぶ。

 

「チッ!呪具が破壊されたら確かに効果は消えるか……なら」

 

 そう呟くと同時にダーインスレイヴを生成して、言葉を紡ぐ。

 

 絶は拘束が解けると同時に迅真のすぐ近くまで移動し、そして、

 

「『無音―(そう)―』」

 

 音も無く、絶の剣が振るわれる。瞬時にダーインスレイヴを盾にし、防御する。直後、三回衝撃が走る。迅真は即座に絶の足元の地面を槍へと変化させて絶を襲わせるが、絶はそれを片っ端から切り伏せて乗り切る。と、絶が地面に気を取られている隙に迅真は全力で後退して、

 

「『炎霊滅鬼衝(ルーン・フレイア)』!!!!!」

 

 叫ぶと同時、一本の炎の槍が生成されて絶へと向かって放たれて、ゴォォォォッッ!!という音と共に絶はその炎に飲み込まれる。

 

「チィッ!馬鹿げた威力じゃねぇか。腕が少し痺れるとは思わなかった……しかし、たぶん今の魔法じゃ死なねぇよなぁ……」

 

 迅真が頬を引きつらせながらそう呟くと、ブワッッ!と、突然風が発生する。

 

「『霊圧』……さすがに直撃するかとひやひやしたが、ギリギリ間に合った」

 

 爆炎の中からゆらり、と立ち上がる絶の姿が確認できる。

 

「あぁ、やっぱりそうなるよな。はぁ、じゃあ第二ラウンドと行こうか」

 

 迅真はそう言うと、持っていたダーインスレイヴを絶へと向け、言葉を紡ぎ始める。

 

 絶はにやりと笑い、一言、

 

「『無音―境界斬―』」

 

 そう呟き、剣を横に振るう。その斬撃に音は無く、()つ見えない。

 

 迅真はその斬撃に対し、剣を下から上へと切り上げ、発生した風圧で相殺しようとする。迅真が放った斬撃も音が無かったが、辺りの細かい砂などを舞い上げながら進むため視認が可能だった。

 

 そして、スパァァァァァンッッ!!という炸裂音を発しながら双方の斬撃は霧散してしまう。直後、迅真は持ち上げた剣を振りかざし、

 

「『地撃崩斬(ブレードハウト)』!」

 

 叫ぶと同時に地面を衝撃波が走る。絶はその攻撃を目の前にし、一切躊躇わずに迅真へ向かって一直線に進む。そして、立ち塞がる衝撃波を目前にした瞬間、

 

「『無音―龍脈―』」

 

 迅真と似ているが、これまた音の無い衝撃が地面を走り、共に当たって相殺される。

 

「遠距離じゃダメってことな。じゃあお望み通り近接挑んでやるよ!」

 

 迅真はそう叫ぶと、ダーインスレイヴを水平に持ち、絶へと向かう。絶は素早く居合の姿勢に入ると、

 

「『無音―回廊―』」

 

 音の無い無数の斬撃が迫る。迅真はその斬撃に怯むことなく突撃する。そして、絶の斬撃が迅真に触れると同時、その斬撃は全て反射される。

 

 絶はそれを見た瞬間、迅真から逃げようとするが、もうすでに目の前にいるうえ、先ほどまで走っていた勢いもあり、止まれない。絶はその状況を理解するよりも早く体を動かし、迅真から離れるのではなく、逆に近づき、紙一重ですれ違う。

 

 一瞬。絶は見た。迅真がダーインスレイヴを右手一本で持ち、左手に妖力銃を生成したことを。そして、それが今まさに放たれようとしていることに。

 

 妖力銃に発砲音は無い。その引き金が引かれると同時、絶は霊剣を構え、

 

「『無音―蝶蜂(ちょうほう)』!!」

 

 甘い匂いがすると同時、横一文字に剣が振るわれ、妖力弾が断ち切られる。

 

 だが、絶は突然の事に一瞬忘れていた。自分が迅真を避けた理由を。なぜ避けなくてはならなかったのかを。それに気付いた時にはもう遅い。絶は最後まで自身の霊剣を振るい切り、直後、その全ての力が絶自身へと返っていく。

 

「っ!!『霊圧』……!!!」

 

 絶が言うと同時に霊力の壁が発生する。しかし、斬撃を消し切ることは出来ず、絶に当たりかける。が、数瞬の差で後から放った霊圧が斬撃よりも速く、絶の事を吹き飛ばす。そのおかげで絶は外傷の無いまま迅真から離れることに成功する。絶は着地すると同時に一瞬安心し、

 

「まだ終わりじゃねぇぞ?」

 

 その言葉で背筋が凍る。絶はほとんど直感で前方に体を投げ出す。直後、ズガンッ!という破壊音と共に、数瞬前まで絶がいた所が砕け散る。

 

 そして、迅真は更に畳み掛けるように、先ほどまで紡いでいた呪文の最後の一言を言う、

 

「『青魔烈弾波(ブラム・ブレイザー)』」

 

 直後、迅真の正面から青い光が生まれ、絶へ向かって直進する。絶は瞬時に避けようとするが、範囲が広く、左腕が消し飛ぶ。

 

「グッ!『無音―紅刀―』!」

 

 絶が言うと同時に絶の霊剣が紅く光り出す。絶はそのまま迅真に切りかかり、迅真はそれに対し振り下ろしていたダーインスレイヴを持ち上げることで防御する。

 

 ガキィンッッ!という金属どうしがぶつかる甲高い音がして、迅真と絶は拮抗する。

 

 ガンッ!ガンッ!ガンッ!と、更に5、6回剣が衝突する。直後、迅真はダーインスレイヴを右手一本で持ち、絶の剣と打ち合いながら左手で妖力銃を生成し、その上呪文を唱え始める。そして、迅真は生成した銃を、打ち合いで互いの剣が弾かれた一瞬の隙に二発撃ちこむ。

 

 絶はその弾丸をバク転で回避。そして、着地と同時に前へと飛び、霊剣を構え、

 

「『無音―爪―』!」

 

 剣を振りかざす。迅真はすぐさまダーインスレイヴを盾の様にかざし防御の姿勢になり、直後に呪文を唱え切る。

 

「『爆風弾(ブラム・ガッシュ)』!!」

 

 言い放つと同時、風が矢のような形になり、絶へと向かっていく。絶は前へと飛んだ勢いを消す事ができず、正面からその矢に突っ込んでいく。そして、矢が絶に当たると同時にその矢は無数の鎌鼬(かまいたち)へと変化し、絶の身体を切り刻む。

 

 体中から血を流しながらも絶は技を止めず、剣を振り切る。ガガガンッ!と連続でダーインスレイヴに衝撃を与え、迅真は一瞬揺らぎ、ダーインスレイヴの盾が外れ、絶が見た光景は――――

 

 

 

 

 

 

 絶の額に照準を合わせている迅真の生成した妖力銃だった。

 

 もう絶には躱すだけの策は無い。迅真はそう確信し、妖力銃の引き金を引き、絶を葬る弾丸を射出する。

 

 

 

 

 が、その弾丸は絶の額を打ち抜かない。その弾丸は絶の頭上を通り過ぎて行き、絶は『左手』に持っていたもう一本の霊剣で迅真の心臓を確実に貫く。

 

「ガハッ……!く……そ……っ!俺の負けかぁ……」

 

 迅真はそう言い、貫かれた部分を見ながら倒れ――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な~ンてな!お前の負けだよ!絶!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 突如として迅真の姿が掻き消え、ドスッ!と生々しい音が響き、絶の心臓部が貫かれる。

 

「んな…?クソッ、嘘だろ…?俺の負け……かよ?」

 

 絶はそう言い残し、光となって消えていく。

 

「あぁ、お前の負けだ。まぁ、さすがに左手が再生してるとは思わなかったけどな」

 

 迅真はそう言うと、結界を断ち切るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「最後のアレ……一体なんだったんだ?」

 

 結界を出ると絶がぶつぶつと呟いている。

 

「あぁ、最後のヤツな。アレは刺される寸前にテレポート+身代わりで躱した。まぁ、『ダブル』って技だけど……それはどうでも良いな。とりあえず、楽しかったよ。またいつか戦おうぜ」

 

「あぁ、またいつか、な。その時は負けないぞ?」

 

「おう。それは楽しみだ。じゃあ、お前を元の世界に戻すぞ」

 

「あぁ、やっぱりこの世界は別世界だったか。道理で見たことのない奴らがいるわけだ。連れて来たのは紫あたりか?」

 

「いや、俺だ」

 

「お前が原因か!っておい待て唐突に落とすな!!!…」

 

 絶が犯人を知ると同時に、その犯人は絶をスキマ送りにするのだった。

 

「ふぅ。今日はギリギリ勝てたけど、たぶんあいつ本気じゃない……よな。次は勝てる気がしないわ~……最初に能力を見て封じておかなきゃ勝てなかったな……なんだよ、『感覚を絶やす程度の能力』って……名前からして無双能力じゃねぇか。それにしても、次に会うとき絶が怒ってなきゃいいな……戦闘に細工したからなぁ。まぁ、怒ってないことを祈るか」

 

 迅真はそう呟きながらのんびりと、ルーミア達の元へと帰っていくのだった。




 絶君、すまない。二番煎じだが許してくれ。やっぱりこれ以外思いつかなかったんだ。咲き人様も本当に申し訳ない。能力がよく分からないからって封印したのはやり過ぎでした……しかもその上で勝たしてしまった……本当にすいません。絶君の能力使ってる状態の戦闘はどうかそちらでお願いいたします。私には絶君の能力がよく分からなくてこうなっちゃいました。どうかそちらで迅真の事をぶちのめしてやってください。そりゃもうボロボロに。

 とにかく、咲き人様。今回のコラボは自分的には楽しく書かせていただきましたが、二人とも倒してしまったのは誠に申し訳ない。この復讐は上記した通り、そちらで袋叩きにしてやってください。今回は本当にありがとうございました!
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