東方種変録   作:大神 龍

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 コラボ編は前回で一回終わって、今回からまた平常運転で行きますぜ☆

 それと、朝起きた瞬間「か、体が動かない…!」って状況に陥るという。一体私が何をしたというんだ!


第三十四話

 時間は少し遡り、閃鬼の家に本格的に住み始めてから5日ほど経った時の事。

 

 

 

 それは朝食を食べ終わって数分した時の事である。

 

「……風呂、作るかな」

 

 迅真はそう、ボソリと呟いた。実は閃鬼の家に風呂は無く、ここ数日風呂に入っていないのだ。そして、迅真がその事に考えていると、ルーミアがスタスタとやってきて、

 

「どうしたの?」

 

と聞いてくる。迅真はルーミアの方を見つつ、

 

「いや、風呂を作ろうかなって思ってさ。ほら、ちゃんと家に住んでるんだから体をきれいにするくらいはしたいじゃんか」

 

「確かにね。でも、お風呂を作るって言ったって、どうやって?」

 

「それはまぁ色々とな。とりあえず、閃鬼に作っていいか確認を取らないとだな~……」

 

 

 

「――――って感じの事があってな。で良いか?」

 

 今迅真は、なぜか勇儀に拉致られていった閃鬼を探しだし、先ほどの風呂の件を相談していた。ちなみに、閃鬼は拉致していった勇儀の家にいたが、犯人である勇儀はなぜか不在だった。

 

「風呂ねぇ……まぁ、確かに家に欲しかったしな。作っていいぞ」

 

「ん、ありがとよ。取り合えず材料とか探して来るから閃鬼には風呂を作っていい場所を考えておいてくれ」

 

「それは良いけど……なぁ、俺の事は助けてくれないのか?」

 

「助けるって、何を?」

 

「お前、本気で言ってるのか?」

 

「いや、俺の目の前には女みたいな男が両手足を縛られて寝かされているだけだが?」

 

「十分わかってるじゃねぇか!いや俺は女みたいな男じゃねぇ!!」

 

「はいはい。分かった分かった。まぁ、助けないけどな」

 

「お前ホント悪魔みたいな奴だよなッ!」

 

「今更何を?最初からそんな感じだったろうが」

 

「もういいよ…!というか、これ以上俺の心を折に来るんじゃねぇ!!ルーミアさんも何か言ってくださいよォ!」

 

「いやいや。私は迅真の味方よ?期待しても無駄、無駄、無駄ぁ!諦めて勇儀にやられてなさい」

 

「えぇぇぇ~……そんな馬鹿な!俺の味方はいない……だと!?」

 

「すまんな閃鬼。俺はこれから用事があるんだ。って事で俺は帰らせてもらう」

 

「ふざけるなぁぁぁ!!!」

 

 しかし、彼の心の叫びは、誰にも届かないのであった。南無三。

 

 

 

 さて、閃鬼を生贄にしてきた迅真はまず川を探すことにした。

 

「ん~……せめて川の場所くらいは聞くべきだったかなぁっと……」

 

 迅真がそう呟きながらぼんやりと歩いていると、何かが目の前を通る。

 

「……水?いきなりなんで?」

 

 そう言って迅真が水が飛んできた方向を見ると、そこにはなにも居ない。

 

「……行ってみるか」

 

 迅真はそう言うと同時に水の飛んできた森の中へと入って行き、ルーミアもその後ろを歩いて行く。

 

 

 

 しばらく進むと森を抜け、広い川が辺り一面に広がる。

 

「やっと見つけた。けど、ここまでかなり距離があったんだが、やっぱりさっきの水は何だったんだ?」

 

「気のせいだったんじゃないの?」

 

「ん~、やっぱりそうかなぁ……」

 

 勘違いだったのかもしれないな、と迅真が考え直そうとした瞬間、迅真の右足を何者かが掴む。

 

「…へ?」

 

 迅真がそう間抜けな声を出すと同時、恐ろしい力で水の中に引き込まれそうになる。迅真は咄嗟の事に驚きながらも素早く自分の周りの地面を隆起させて自分を引きずり込もうとしていた人物を地上へと引きずり出す。

 

「ひゅい!?」

 

 その奇声は引きずり出された人物が発した声。その人物は15、6歳くらいの見た目をしており、青い髪を紅い球が付いている髪留めを使ってサイドで結んでいた。瞳の色も青く、服装は水色。その姿は水の中に潜っていたら全くと言っていいほど見分けがつかないだろう。

 

「……意外と大物が釣れたな」

 

「いや釣られそうになってたのは迅真だよ!?」

 

 先ほど迅真が地面を隆起させた時に巻き込まれたルーミアが突っ込む。すると、

 

「うぅ……まさか地面がいきなり盛り上がるとは思わなかったよ……きゅう」

 

 そう呟き、迅真によって地上へと引きずり出された憐れな少女はそのまま気絶してしまうのだった。

 

「……え、気絶したんだけど、これはどうすればいいわけ?」

 

「私に聞かないでよ!その処理は迅真の仕事でしょ!?」

 

「そんなポジションだったのか俺!初めて知ったわ!」

 

 初めて知る自分の立ち位置。どうやらルーミアの中では気絶した人物の介抱は迅真の役目のようだった。

 

「むぅ、仕方ない。ここはルーミアを巻き込んだことを反省して俺がどうにかすることにしよう」

 

 迅真はそう言うと今しがた気絶してしまった少女を抱え、地面を元に戻す。

 

「さて。こいつをどうにかしなくちゃいけないんだが……ここから出来るだけ動かないのが好ましいよなぁ……」

 

「迅真がそうするなら良いけど、じゃあどこでその子が起きるのを待つの?」

 

「そこだよなぁ……まぁ、ここで良いや。っていうか、そうするなら地面を元に戻す必要なかったじゃねぇか」

 

「いやいやいや。迅真?さっきの地面は川の中にあったからドロドロだったよ?」

 

「む。じゃあ良いか。とりあえず川から少し離れた所でこいつが起きるまで休憩な」

 

「了解であります!」

 

「大変よろしい返事だ」

 

と、そこまで言って、迅真はふと疑問を覚える。

 

「って、そんな返事どこで覚えたんだよ」

 

「え?迅真の鞄の中にあった本に書いてあったよ?」

 

「え、お前、文字読めたのか?」

 

「むぅ。さてはバカにしてるね!?文字位読めるわよ!」

 

「そ、そうか。いや、俺が聞いたのはそう言う意味じゃなかったんだが……まぁ良いか」

 

 迅真が思っていたのは、どうして現代文字を読めたのか。という事だったのだが、ルーミアのドヤ顔を見て、何かどうでも良くなってしまうのだった。




 あ、そういえば、先週からもう一作投稿し始めました。ただ、そっちの方が続くのかは不安。
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