東方種変録   作:大神 龍

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第四十話

 振り下ろされた、自身の十倍を優に超える巨大な拳に対して、二メートル超の大剣片手に突っ込む迅真。

 

 そして、その二つの武器が衝突すると同時、

 

 

 

 

 

 ザンッッ!!!!!!という切断音。拳から鮮血が吹き出し、辺りを赤く染める。

 

 

 

 

 

「いったぁ!!なんなんだよその剣はぁ!」

 

「ダーインスレイヴだ。覚えとけ。じゃあまた後でな」

 

 言うと同時、萃香の姿が元の大きさに戻り、ダーインスレイヴの腹で横なぎにし、遠方へと吹き飛ばされる。

 

 そして、跳躍した勢いが止まったと同時、下から数本のナイフが飛来してくる。

 

「(恂覇か!なら――――!)」

 

 迅真は中断をいくらか繰り返しつつ唱えていた呪文を唱えきり、

 

「『空断壁(エア・ヴァルム)』!!!」

 

 直後風の壁が生まれ、飛来した全てのナイフを撃ち落した。

 

「まぁ、来るとは思ってたしな。何にしても、対応できてよかったっと」

 

 闇で翼を構築し、フワリと地面に降り立つ迅真。直後、前方から数十のナイフ。後方から同じく数十の岩石が降り注ぐ。

 

 迅真はそれを一瞥しニヤリと笑うと、左手を真上にあげ、握る。直後地面が隆起しナイフを打ち上げ、背後の岩石群は影の刃が切り刻んで消滅させる。

 

 そして、岩石を切り刻んだ際に発生した土煙が晴れると同時、閃鬼が迅真の懐に潜り込み、全力で殴り上げ、更に上空からは勇義が回転しながら落ちてくる。

 

 迅真はそれを確認すると同時、ダーインスレイヴを盾にして閃鬼の攻撃を防――――

 

「っ!?」

 

 閃鬼の拳がダーインスレイヴに当たると同時、ダーインスレイヴは持てないほどの高熱を放ち始め、迅真は咄嗟にダーインスレイヴから手を離す。

 

 迅真はすかさず距離を取ろうとするが、閃鬼達の追撃がそれを許さない。

 

 閃鬼は二撃拳を放ち、回し蹴りをする。迅真はその全てをかわし、地面を隆起させて閃鬼を閉じ込め、その檻の上を走り抜ける。

 

 そして、飛び越えた直後、なぜか今まで落ちて来ていなかった勇儀が迅真の脳天に踵落としを食らわせる。数瞬の間に迅真はそれに気づき、影の刃で防御。が、その防御を砕いて勇儀の一撃が迅真に届く。ギリギリ迅真は腕を交差させて防御したためある程度威力を軽減させ、

 

「ッぁ…!」

 

 ズドンッッ!!という音とともに地面に叩き落される。

 

 だが迅真に休む暇を与えず勇儀は地面に着地すると同時に迅真を踏みつけるために足を上げ、その瞬間に迅真は勇儀に足払いを掛けよろけたと同時に勢いよく起き上がりサマーソルトキックをし、吹き飛ばす。

 

「ダラッシャアアァァァァァ!!!!!」

 

 その叫び声が聞こえると同時、迅真の背後にあった大地の檻が爆砕する。

 

「ハハッ!!やっぱりその程度の檻じゃあ満足できないよなぁ!閃鬼ぃ!」

 

 迅真はそう言うと同時影の刃を放ち、閃鬼の背後から数千の霊、妖、魔力製の武具を射出。

 

 だがしかし、閃鬼は前から迫る影の刃の内回避出来るモノは全て回避し、回避出来ぬモノは打ち砕き、背後から迫る武具は裏拳で破壊する。

 

「お前、やっぱりつえぇじゃねぇか。なんで四天王最弱やってんだ?」

 

「そのまんまだよ。俺はあの人達に勝てない。だから最弱なんだ」

 

「そうか。じゃあもう少し待ってろ。一対一(サシ)で戦ってやる」

 

「そうしたいならもう一度俺を吹き飛ばしてからにしな、迅真!」

 

 叫ぶと同時に閃鬼は回し蹴りをする。迅真はそれに合わせ同じように回し蹴り。

 

 お互いの足はぶつかり合い、共に弾かれる。

 

 迅真はすぐにダーインスレイヴを振り下ろす。閃鬼はそれに対し両手を交差させる。瞬間、迅真はダーインスレイヴから手を離し両手を握りがら空きになっている閃鬼の胸元に手を置き、

 

六王銃(ロクオウガン)!!」

 

 ドゥン!!という音と共に閃鬼の身体は吹き飛ばされていく。

 

「しばらくそこで寝てろ。全員ぶっ倒してからテメエと戦ってやる」

 

 迅真がそう呟いた瞬間、背後から迫る全力の一撃。だが、迅真は素早く落ちて行こうとしているダーインスレイヴを掴み後ろに回して防御する。

 

「次は鳳花か。じゃあ行くぜ?」

 

 瞬間迅真の姿は消え、迅真を襲撃した鳳花の背後に回ると、ダーインスレイヴを振り下ろし叩き斬る。鳳花はその刃が振り下ろされるより早く動き躱すと、足払いをして転ばそうとするが、変形した台地が鳳花の動きを止め、向きを修正されたダーインスレイヴによって断ち切られ――――

 

「させはしない」

 

 横から現れた恂覇によってダーインスレイヴは軌道を逸らされ空を裂く。

 

 迅真は素早く刃を反転し絢覇を斬り上げる。しかしその斬撃はひらりと交わされ、至近距離でナイフを投げる。

 

 瞬時に迅真はスキマを開きナイフがその中に入ったのを確認すると絢覇の真上にもう一つ開きそこから落とす。

 

 だがそのナイフは絢覇ではなく拘束を破壊した鳳花によって叩き落とされる。

 

 直後迅真はダーインスレイヴで二人を横薙ぎにし、両断する。その寸前、背後から重い一撃が刺さる。

 

「ガ……ッ!!」

 

 体の芯を突き抜ける強い衝撃に思わず仰け反りダーインスレイヴを手放しかけるが、すぐに掴み直し再び二人を断ち切ろうとするが、すでに二人は射程範囲外まで逃げていた。

 

 迅真は深追いをやめ、背後から攻撃を仕掛けた人物にダーインスレイヴを振るう。しかし当たった感触は無く、ただ虚空を裂くだけだった。

 

「……ク、クククク……ハハハハハハッ!!!!!良いぜ良いぜ良いなぁおい!!最高に盛り上がって来たじゃァねぇか!!!こんな戦いは久しぶりだ!!本気で相手をしてやるぜ!!」

 

 高笑いをしつつ迅真はダーインスレイヴを高く振り上げ、正面に立っている二人に向かって飛び掛かっていく。

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