東方種変録   作:大神 龍

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第五十六話

 迅真は振り下ろされた拳を咄嗟に受け止めようと手を出す。しかし、迅真の力を遥かに超える力で、受け止める事はかなわず顔にめり込む。

 

 そして迅真は勢いよく地面に当たり何度かバウンドして止まる。

 

「迅真!」

 

「あの程度じゃやられないんだろう?お前の『愛しい奴』ってのは。それが分かってるなら遠慮なく追撃だ」

 

 男は吹き飛んだ迅真に瞬時に近づくと、迅真の事を踏みつぶそうと足を上げ振り下ろす。

 

 当たる寸前に迅真は消え、彼の一撃は地面にめり込み、地面に亀裂が入りその場にクレーターが出来る。

 

 男は消えた事に一瞬驚くが、すぐさま左拳を自身の真上に振りかぶる。普通に考えればまず当たるはずの無い虚空への一撃。だが、その直後、メキィッ!と骨の軋む様な音と拳から伝わる硬い感触。その数瞬後にその物体は弾き飛ばされる。

 

「グボァッ!!ゲホッゲホッ……クソッ、なんでばれたんだよ…!」

 

「気配があったし、見た感じお前こういう不意打ち好きそうだったしな。正直、あの程度の攻撃なら五感を塞いだって分かるぞ」

 

「グッ……本物の化け物じゃねぇか」

 

「……言ってろ」

 

 男は足元に転がる石を拾い上げると、迅真に向かって投げ飛ばす。それは音速を超えた速度で迫る。が、

 

「反射ァ!!」

 

 迅真に当たると同時にその数倍の速度で男に向かって跳ね返る。

 

「フン。くだらない攻撃だな」

 

 不敵は表情の彼は、返ってくる石を蹴り砕く(・・・・)

 

「んな…!?」

 

 思わず呆然とする迅真をあざ笑うかのように男は距離を詰め、拳を振るう。

 

 ハッ!と迅真は我に返るが、男の攻撃を避けようとはせず、むしろ拳に頭突きする勢いで頭を振る。

 

 そして、拳は迅真の額にぶつかり――――

 

 

 

 ――――そのまま迅真は吹き飛ばされる。

 

「ッア!?……な、なんでだ?反射はしてたはず…!」

 

「原作通りだ馬鹿野郎。木原神拳って言えばわかるか?」

 

「…!お前、俺と同じってのはそういう事かよ。てめぇ、転生者だな?しかも時間軸的に俺の前後か」

 

「今更か。はぁ、何かそんなに骨のあるやつじゃないッポイな。これなら宵闇と殴り合ってる方がまだやりがいがある。未だに攻略できないけどな」

 

「……むかつくやつ。良いぜ。少し本気を見せてやる」

 

「粋がるんじゃねぇよ雑魚が。せめて俺に一撃でも当ててみろってんだ」

 

 男の挑発にイラッと来た迅真は、両手を地面に当てる。

 

 瞬間男の地面は沼の様になり、男は足首まで埋まる。その直後、その周りの地面が紅く染まり急激に熱を持つ。

 

「…マグマって所か。舐められたもんだな。この程度で俺が膝をつくって思われてるのは」

 

「うるせぇ。これからが本番だっつの」

 

 迅真の声と同時にマグマは男に覆いかぶさる。が、ドンッ!という音と共にマグマは吹き飛び、ついでに足を飲み込んでいた地面も無くなり、ただでさえへこんでいた地面がさらにへこむ。

 

 しかし、マグマを払った男を待ち受けていたのは無数の炎の矢。そして、迅真が開いた右手を握ると同時に男に向かって矢は収束していく。

 

 そして、ボンッ!という音と共に完全に収束した炎の矢は弾けて消える。

 

 さすがに火傷の一つでも負っているはずだと迅真は思うが、炎の中から現れた男は迅真の想像を裏切り、服も含めて全くの無傷である。

 

「うそ………だろ………?」

 

「この程度の炎、ぬるすぎる。俺を焼きたいなら最低限地獄の業火くらいは持ってくるんだな。それでも軽傷くらいだろうがな」

 

「クソ…!なら喰らい尽くしてやる!『闇よりいでし魔なる剣よ。戦乱を呼びて我が敵に死を与えよ。その肉を刃へと。その魂を力へと。全てを喰らいて混沌へと還す美しき刃と化せ』ダーインスレイヴ第二封印、王の顎門(アギト)解放。捕食を許可する!」

 

 ダーインスレイヴの鞘が抜けると同時、気圧、酸素濃度が低くなり、体が軽くなる。

 

 男はその剣を見てにやりと笑う。迅真は瞬時に男に詰め寄ると、剣を振るう。

 

 男は迅真が剣を振るうと同時にスッと前へ出て息がかかるほどの距離に詰め寄る。これによって迅真は剣を振るえなくなり、驚きによって思考が止まる。

 

 その瞬間を狙った様に男はボディーブローをかます。

 

 見事に鳩尾に入ったその一撃は、迅真の意識を薄れさせるには十分すぎた。男はボディーブローをしたのとは反対の腕で迅真の頭を掴み、地面に叩きつける。

 

「ッッ!!」

 

 声にならない悲鳴を上げる迅真。しかしその意識は落ちない。それを認識した男は迅真をもう一度待ちあげると、容赦なくもう一度叩きつけようと腕を振り下ろす。

 

 だが、その瞬間腹部の感覚が消え失せる。突然の事に男は驚き迅真を遠くに投げ飛ばすと、自身の腹部を確認する。そこには迅真の手にあったはずのダーインスレイヴが刺さっており、その上彼の事を捕食しながらゆっくりと下に落ちて行く。

 

 それに気付くと同時ダーインスレイヴの取っ手を掴み、逆に下に振り下ろすことで剣を取り除く。

 

 が、剣を取り除くと同時に男は体から力が抜けたかのように崩れ落ちる。しかしそれでも彼は最後の力を振り絞ってダーインスレイヴを迅真に向かって投げ飛ばす。

 

 だが、ダーインスレイヴは迅真に当たることなく途中で噴き出した闇に飲み込まれたのだった。

 

「……俺の負けか」

 

 男が光となっていく様をみて、迅真はボロボロの状態で言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺の、勝ちだああああぁぁぁぁ!!!!!!!」




コラボに参加してくださった

咲き人さん

reiraさん

hated jackさん

音無仁さん

霊魂扇龍さん

鯖袋さん

Hartmannさん

よろしくお願いします!精一杯頑張らせていただきますよぅ!(`・ω・´)バリバリッ

あ、それと、コラボが始まるまでもう少しかかります。はい。なので始まるまでは募集してますよ~。気軽に参加してください(*'▽')

 それにしても、最後が強引過ぎた気がしてならない(-_-;)
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