東方種変録   作:大神 龍

66 / 127
 今回はHated Jackさんの『紅き狼は幻想を喰らう』より『ウルフ・ホワイト』ちゃんです!

 それと、迅真の挿絵もいただきました!

【挿絵表示】

 ありがとうございます!

 さて、それでは本編です。

 よろしくお願いします!(`・ω・´)


第六十五話 コラボ 2‐3‐1

 夏が終わり、秋に変わった。向日葵たちもすでに枯れ、いつの間にか全て撤去されており、全て菊に変わっていた。しかも地味に菊の種類が変わって行ったりしている。不思議だ。

 

 一面の菊畑を見るのが初めての迅真は、屋根の上に乗ってぼんやりと眺めていた。さすがに向日葵ほどの高さは無いため、若干見下ろすような感じになったのは仕方ない。

 

 日も傾き、太陽の朱い光に照らされてる菊畑。

 

 そして、迅真は結局未だに捕まらない紫の居場所を考えながら、小腹が空いたので具無しのおにぎりをもぐもぐと食っていた。

 

「ここに居たのね」

 

 そんな声と共に背後から抱きつかれる。驚いて迅真はおにぎりを取り落しかけるがなんとか耐える。

 

「びっくりしたな。思わず落とすところだったじゃねぇか」

 

「別に取り落しても私が地面に着く前にとって食べちゃうから問題ないわ」

 

「オイ」

 

 ぺちっと音を立てながら迅真の手がルーミアの額を叩く。

 

「むぅ、叩くことないじゃない」

 

「人の飯を掻っ攫おうとする奴に文句は言わせないぞ。まぁ別にいいけどさ……」

 

 はぁ、とため息を吐き、迅真は食いかけのおにぎりを背後のルーミアに差し出す。

 

「え、他のはもうないの?」

 

「これが最後の一個だ。いらないならそれでいいぞ。俺が食う」

 

「あ。じゃあ貰うわね」

 

 そう言ってルーミアは迅真の手に乗っているおにぎりをパクリッと食べる。

 

「んぐんぐ。ゴクッ。ふぅ。ご馳走様でした」

 

「お粗末様。というか、ルーミアはなんで俺を探してたんだ?」

 

「え?えっと~……あぁ、思い出したわ。確か花畑に誰かいるから見て来てくれって香が言ってたわ。たぶんまた紫の仕業ね」

 

「あ~…だろうな。にしても、今度は誰を連れて来たんだ?」

 

「さぁね?」

 

 フフフ。と笑うルーミアに迅真は苦笑いをする。

 

「はぁ、まぁいいけどさ。それに、やっと『アレ』も完成したから俺も呼ぼうと思ってたところだからな。そいつを探しに行くか」

 

 アレ?とルーミアが聞こうとするも、スルリと蛇の様にルーミアの腕から逃げると闇の翼を出して上空へと飛び立つ。

 

「ったく。紫も構って欲しいならそう言えばいいのに。まぁそれ相応の罰は下すがな」

 

 キリッとした表情で言う迅真。と、下に見慣れないモノを発見する。

 

「あぁ、今回は雰囲気的に俺の目的の世界と同じ世界の奴なのか」

 

 そう呟くと、迅真は地上に向かって落下し、地面に着く直前で大きく羽ばたき、霊力などで盾を作り風を全て上空へを動かし着地する。うっかり花を風で吹き飛ばして香に助走付けたグーをくらいたくないからだ。

 

 地面に降り立つと、迅真は上空から見つけた白いケモ耳と尻尾を生やした少女を再度見つけ、

 

「さて。初対面だな。おーい!花を傷つけるなよー!変なのがお前の事を全力でぶっ飛ばしに来るぞー!」

 

 と言うと、少女はビクッ!としてこちらを振り返る。

 

 そして、迅真を見つけたのか、こちらに向かって歩いてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――ちょっとそこに生えてた雑草の花を踏んじゃったりしながら。

 

 

 

 直後、どこからともなく現れた香が少女にアッパーをくらわし、少女は5秒ほど宙を舞って周りに花の無い草原に落ちるのだった。

 

 

「……なぁ、草は良いのか?」

 

「俺が許さないのは花を踏む奴だけだ。草は踏まれれば強くなるが、花はそれに含まれないからな」

 

「あぁ、そう」

 

 人を殺せそうなほどの殺意の籠った目で見られ、思わず目を逸らしながら迅真はそう答えるのだった。

 

 

 * * *

 

 

 その後、迅真は気絶してしまった少女を背負い、なぜか香に説教されながら家に戻る。その頃には日は沈み辺りはだんだんと黒に染まって行く。

 

「あぁ、なんか酷い目に会った。なんで俺は植物の良さを香に延々と聞かされないといけないんだよ。あいつが面倒臭がってた紫の地味な嫌がらせを取り除きに行ったって言うのに……」

 

「あはは。それは悲惨だったわね」

 

 家に帰った後、屋根の上へルーミアを盾にして少女を背負ったまま逃げ込んだ迅真は、空を見上げながらそう呟く。

 

「それで、その子が今回の被害者?」

 

 現在迅真に膝枕をされてる少女を恨めしそうな目で見つつルーミアは聞く。

 

「あぁ、そうだ。気配的に俺にこのナイフをくれた奴のいる世界だからこいつにお返しの品を持って行ってもらう事にしよう」

 

 迅真はバッグからグリップが黒色で赤い狼のエンブレムの入っているキーホルダーが付いたナイフを取り出す。

 

「ふぅん。それのお返しねぇ……あぁ、アレの事かしら」

 

 ルーミアがお返しの正体に思い至った所で気絶していた白い少女が意識を取り戻す。

 

「ぅん…?あ、あれ?ここは?」

 

「起きたか。おはよう。まぁもう夜だけどな」

 

「おはよう。で、ここは?」

 

 少女は首を傾げながら問う。

 

「ここは香の家。お前をぶっ飛ばした奴の家って言った方が分かりやすいかもな」

 

「あぁ、なるほど……」

 

 そう言うと少女は立ち上がり振り返って迅真達を見ると、

 

「自己紹介してなかったね。私はウルフ・ホワイト。よろしく」

 

「薙浪迅真だ。よろしく頼む」

 

「えっと、迅真は私の世界に来たんだよね?」

 

「あぁ、行った。その時にナイフを貰ったからそのお返しをしないとと思ってな。色々アイテムを作ったんだ」

 

「ふぅん?そうなんだ。ねぇねぇ。ちょっと貴方と戦ってみたくなったんだけど、良いかな?」

 

「……あぁ、問題ない。戦闘法は普通にルール無用の戦闘で良いか?」

 

「それでいいよ。じゃあここじゃやりにくいから下に降りてるね」

 

「おぅ。結界を張るからちょっと待っててくれ。発動と同時に始めていいぞ」

 

 迅真の言葉を聞きながらウルフは屋根から飛び降りる。

 

「ねぇ迅真。ここで結界を張ったら香の怒りを買ったりしない?」

 

「…………あ」

 

 ルーミアの指摘に迅真はヤバい。と言いたそうな表情をするが、すぐに爽やかな表情になると、

 

「なんとかなるさ!」

 

「あぁ、諦めたのね」

 

 呆れた様な表情でルーミアは流す。

 

「んじゃ行って来るぜ」

 

「えぇ、行ってらっしゃい。今度はちゃんと勝つのよ?」

 

「善処はする」

 

 言いながら迅真はいつもの様に札を取り出し、先ほど取り出したナイフで自分の手を浅く切って札に血を染み込ませると上空に投げ、

 

「さぁ、戦闘開始だ…!!」




 あぁぁ、ついに香の被害者が出てしまった……

 それに、ホワイトちゃんの口調があまりにも不安すぎて震えが止まらないです(((( ゚Д゚))))ガクガクブルブル

 さて、では次回もよろしくお願いします!(`・ω・´)ゞ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。