東方種変録   作:大神 龍

7 / 127
明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!
それと、結局戦闘描写は入れることにしました。


第七話

 先に動いたのは、諏訪子だった。

 

 神奈子までの距離を一瞬で詰め、素早く右拳を放つ。しかし、神奈子はそれに反応し、左側に動くことで拳をかわし、そのまま反撃の蹴りを放つ。諏訪子は反撃されるのを予想していたのか、いつの間にか土の壁が神奈子と諏訪子の間に作られていた。そして、神奈子の蹴りは、その壁にぶつかる。

 

 蹴りは壁によって防がれた。――――そう諏訪子が思った瞬間、神奈子の蹴りが壁を砕いた。そして、そのことに反応しきれなかった諏訪子は、そのまま蹴られる。が、やはり壁に当たったことでいくらか威力は落ちていたのか、諏訪子がその攻撃を耐えきる。

 

「っと、意外にも耐えるもんだねぇ」

 

「このくらいの攻撃は耐えられないとダメだと思うけど?」

 

「それもそうか……では、次はこっちから行くぞ」

 

 神奈子はそう言うと、諏訪子に右拳で殴りかかる。諏訪子はそれを少しかがむことで回避する。が、神奈子はまるでそれを読んでいたように、素早く拳を引き、右足で諏訪子に蹴りを入れる。それに諏訪子は一瞬驚いたような顔をしたが、次の瞬間、諏訪子の姿が消える。そのことに驚いた神奈子は動きを止めてしまう。その直後、背後から衝撃が走る。反射的に神奈子が振り返ると、目の前には今まさに自分の顔に迫ってくる足。咄嗟に神奈子は顔を交差させた腕で防ぐ。ドゴッ!という音と共に衝撃が神奈子の腕に走る。その衝撃で、後ろに飛ぶ――――のではなく、思いっきりのけ反り、そのまま地面に倒れ込んでしまう。

 

 すると、いつの間にか諏訪子の手には鉄製の輪のようなものがあり、それを投げてくる。神奈子はそれを横に転がることで避け、そのまま起き上がる。鉄の輪は、地面に当たると、不自然な軌道を描いて諏訪子の元に返って行く。

 

「中々やるね……これなら私ももう少し本気を出せそうだね……」

 

 直後、神奈子が、御柱ッ!と叫ぶ。すると、神奈子の背後から、四つの六角形の柱が現れ、神奈子の隣に来ると、そこに留まる。そして、神奈子が手を横に振るうと、その柱が諏訪子に向かって飛んでくる。

 

 諏訪子は一瞬目を見開くが、すぐさまその攻撃に対応する。

 

 一発目の御柱は右へ回避。すぐに二発目の御柱が飛んでくる。それは少ししゃがんで避ける。次の御柱は少し下に来ていたので、跳躍して回避。最後の御柱は、跳躍の勢いをそのままに、御柱の上に軽く手を付き、御柱の上を転がるように避け、その回転速度のまま神奈子に鉄の輪を投げ、そのまま神奈子の上まで飛んでいき、蹴りを入れる。

 

 神奈子は、鉄の輪を最小限の動きで回避し、諏訪子の蹴りを避けず、右手の人差し指をクイッと自分の方へ動かす。諏訪子はそれに気付かずに動きを止めないでいると、不意に後ろから攻撃を受ける。ズドンッ!という音と共に、諏訪子の身体は更に上空へと吹き飛ばされる。すぐさま空中で体勢を整えるが、その目の前には四本の御柱が今まさに襲い掛かろうとしている。

 

「うぁぁ!」

 

 さすがに諏訪子もそれは避けきれずに当たってしまう。一撃一撃がとても重く、四回当たっただけでも相当なダメージだった。しかし、諏訪子はなんとか耐えきり、再び神奈子に向かっていく。その間に何度も御柱が向かって来たが、何とか回避しきり、再び神奈子に接近する。

 

 すると、諏訪子はその距離で懐から鉄の輪を出す。先ほど攻撃をくらった時に鉄の輪を回収できなかったが、どうやらまだ持っていたようだ。そして、その鉄の輪を神奈子に投げる。この距離ではさすがに神奈子も避けきれず、腕を使って頭を守るように防御する。その時に神奈子は目の前に手があり、周りが見えなくなっていた。

 

 鉄の輪が当たった所は、サクッ!と切れて血が出るが、神奈子はそんな事は気にせずに素早く防御を解いて攻撃をしようとする。が、目の前には誰も居ない。先ほどと同じように後ろに回ったのかと思い後ろに振り向くときに、蹴りを入れながら振り向く。

 

 しかし、振り向いた所にも誰も居なく、攻撃は(むな)しく(くう)を裂く。直後、後ろから攻撃を受ける。神奈子は一瞬驚いて思考が止まってしまうが、素早く後ろに攻撃をしようと振り向く――――その時、ザクッ!という音がし、神奈子の足が浅く斬れる。それによって神奈子は一瞬パニックになるが、飛んできたものが鉄の輪であることが分かり、自分を落ち着かせる。と、その時に諏訪子の顔を見ると、口がにやりと笑ったように見えたと同時に、再びザクリ!と、今度は腕を浅く斬られる。

 

 なぜ斬られたのか全く分からない神奈子は、諏訪子と一回距離を取ろうと後ろへ下がる。しかし、それがいけなかった。神奈子が後ろに下がると同時に、神奈子の後ろの地面が隆起し、背中に当たる。

 

 カハッ!と、神奈子の肺の中から空気がほとんど出て、その衝撃で一瞬目の前が暗くなる。

 

 神奈子が攻撃をくらった直後、諏訪子は前に出て、地面を隆起させ追い打ちをかけ、止めと言わんばかりにさっき返ってきた四つの鉄の輪を神奈子に投げ、更に自分自身も直接攻撃を仕掛けに行く。そして、神奈子が地面に当たった瞬間、諏訪子は勝った!と思ってしまった。その直後である。

 

 いきなり神奈子の後ろから御柱が二本現れ、鉄の輪を弾き、諏訪子に向かって来る。すぐさま諏訪子は回避しようとその場で一瞬ブレーキをかけた。その直後に、背後から重い重い一撃をくらう。そして、その攻撃をしてきたものに弾き飛ばされなかったため、その物体の速度のまま移動し、目の前からは御柱が向かって来る。そして――――

 

 

 

 ドパァァァァン!!!と、盛大な衝突音がし、勝敗は決した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。