東方種変録   作:大神 龍

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 今回は鯖袋さんの『東方幽雲学園』より『木部 尭斗』君です!

 よろしくお願いします!(`・ω・´)ゞ


第六十九話 コラボ 2‐6‐1

「ふわぁ……ねみぃ…寝るか」

 

 ぶつぶつと言っている迅真は現在何所か分からない森の中にいた。

 

 なんでこうなったか。それはつい数時間前に遡る。

 

 迅真は最近日課になってる雪かきに精を出していると、上空から大量の雪が落ちて来たのである。いつもの迅真ならここで反射なりテレポートなり魔法なりで脱出するのだが、その時は前日香が風邪で寝込んでる時にやったイタズラの報復をくらって一晩寝てなかった。そのせいで迅真は反応することが出来ず雪に押しつぶされたのだ。

 

 目を覚ますとそこは真っ白な森。一応ちらほらと緑も見えたりしているので完全とは言えないが。そして、そこから眠気と戦いながら探索し、現在に至る。

 

「ったく…香の奴、なんで目覚まし時計を5分置きに鳴らすかなぁ……しかも意味分からない所は俺にしか聞こえてない所だよな…近くで寝てたルーミアが全く反応しないし、一体どんな原理なんだっつの」

 

 愚痴をこぼしながら適当に落ちてた枯れ枝を拾い集め、一気に乾燥させると雪を魔法で一部取り除いてそこに乾燥させた枝を組んで焚火をする。

 

「はぁ……あったけぇ…寝ても問題ないよな…盗られても困るモノなんて何も持ってないし」

 

 え、服は?と思うかもしれないが、これが能力で意外とどうにかなってしまうのだ。万能だなオイ。それに、バッグも家の中に置きっぱなしなので手ぶらだからこんなにのんびりしてられるのだった。

 

「ふわぁ…おやすみ」

 

 誰も居ない森の中、迅真は目を閉じるのだった。

 

 

 * * *

 

 

「―――ぃ…ぉ……ぉ…ろ!…でね……めだ……」

 

 誰かが体をゆすりながら声をかけている。

 

「…な……い……るか?…いじょ………らへ……をし…!!」

 

 うるさいな。と思い迅真は目を開ける。

 

「お、目を開けた!大丈夫か!?こんな所で眠ったら死ぬぞ!!」

 

「は…?いや、んなの知ってるよ。つか、後1時間寝かせてくれ。でないと頭が働かない…」

 

「いやだから駄目だって!!分かってないじゃん!!起ーーきーーろーー!!」

 

「……ぅがあ!!詠唱略!『火炎球(ファイアボール)』!!」

 

 迅真は即座に火球を生み出すと、自分の近くに持ってくる。

 

「はぁ、これで寒さは解決だな?んで、お前は?」

 

 彼は学生服を着ていることから学生である事が分かる。ただ、この時代に学生服などある訳無い。という事はやっぱり紫が原因だろう。そして、自分がここに居るのも紫が原因。

 

「(あいつは今度会ったら本気で叩く)」

 

 メラッと燃える殺意の炎。だが、それを何とか抑え込み、返答を待つ。

 

「俺は木部(きべ) 尭斗(あきと)だ。よろしくな」

 

「あぁ、俺は薙浪迅真だ。こっちこそよろしく」

 

 自己紹介を終えた後、迅真は大きくあくびをし、

 

「んで、寝ていいか?」

 

「いやだから寝たら死んじゃうだろって」

 

 中々頑固な奴だな。と思いつつ迅真が言葉を続けようとした時――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ズガァァンッッ!!という轟音と共に背後の木々が吹き飛ぶ。

 

 咄嗟に迅真が振り返ると、そこには巨大なイノシシがいた。

 

「……なぁ木部。ちょっと手伝って貰うが良いか?」

 

「尭斗で良い。で、なんだ?」

 

「あのイノシシをぶっ飛ばす。ストレス溜まってるし食料にもなるしな…」

 

「了解」

 

 瞬間、迅真は炎を纏う。

 

「さぁ、行くぞ」

 

 迅真はそう言うとイノシシに走りだし、大きく跳ぶと空中で何度か縦に回転し、

 

「『火竜の鉤爪』!!」

 

 ドガァッ!!と音を立て炎を纏った踵落としでイノシシの巨体を揺らす。

 

「尭斗!」

 

「おう!破刃『龍黑(りゅうこく)』!!断裂『鳳仙花(ホウセンカ)』!」

 

 尭斗の最初の宣言で鞘付きの漆黒の刃をした日本刀がどこからか出現する。そして、二つ目の宣言で一度大きな斬撃を生み出し、直後それよりも速い小さな斬撃を生み出して最初の斬撃へと当てて斬撃が分散しイノシシに襲い掛かる。

 

 それらはすべて着弾し雪が舞い上がりイノシシが隠れる。

 

「っとと。この前の熊より行動が読みやすいから余裕だな」

 

「熊?何かあったのか?」

 

「あ~…まぁな。あの熊はちょっと異常だった。そのうち口から何か、こう、レーザー的なのを出しても違和感が無いくらい強かった」

 

「なんだそりゃ?」

 

「いや、本当にそんな感じの化けもんだったんだよ……あれはまだ一人じゃ挑む勇気起きないわ…」

 

 遠い目をしてそう言う迅真に尭斗は何とも言い難い表情になるが、直後雪煙が晴れ恐ろしいほどの速度で『奴』は迫る。

 

「っ!!」

 

 迅真は即座に逃げようとした瞬間足元の雪に足を取られ転びそうになり、持ちこたえようとした所をイノシシに吹き飛ばされる。

 

 尭斗は雪に足を取られることなく何とかその場を離れたが、イノシシが通ると同時に吹き荒れた暴風に飛ばされて木に思い切り叩きつけられる。

 

 イノシシに飛ばされた迅真は空中で何とか体勢を立て直し地面に着地しようとし――――

 

 

 

 

 

 

 

――――瞬時に方向転換し再度迫ってきたイノシシに突き飛ばされる。

 

 ドッ!ガッ!ズドッ!バキィッ!!と何本も木を砕きながら迅真は飛ばされ、やがて背中を強く打ちつけて迅真は止まる。

 

「ゲホッガハッ!!ケフッケフッ…っつ~……骨が何本か逝ったな…内臓もいくつか…回復に大体1分って所…ゴホッゴホッ…はぁ…『ケアルガ』」

 

 魔法を発動すると同時に外傷はほとんど回復し、大きな裂傷なども小さな切り傷ほどにまで治った。だが、やはり体内までは回復できず、体の節々が悲鳴を上げている。

 

「ッてて…まぁ、これでもう少し戦える…」

 

 呟きながら迅真は立ち上がろうとするが、あと少しという所で身体から力が抜ける。

 

「ったく……動けよ…まだ倒れてる訳にはいかねぇっつの…!」

 

「いや、休んどけって」

 

 いつからそこにいたのか、尭斗が隣に立ってた。

 

「……じゃあ、頼む。10秒持ちこたえてくれればどうにか出来る」

 

「分かった」

 

 そして『奴』は向かい来る。

 

 尭斗は居合の型を取る。

 

 龍黑が焔を纏う。

 

 『奴』が目の前に来る。

 

 尭斗はカチャッと刀を鳴らし、

 

(かすみ)紅二重(べにふたえ)!!」

 

 ゴゥァッ!!と空気を燃やす音と共にイノシシの鼻っ面に叩きつけられる龍黑。

 

 それはガィンッッ!!という硬い音がして弾かれ、それと同時にイノシシの行動が一瞬止まり、直後尭斗はもう一方の手に持っていた焔を纏った鞘を全力で叩き上げる。

 

 ドゴッ!!という音がしイノシシの巨体が若干上方へとずれ――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「助かった」

 

 下からイノシシを突き上げるように大地が盛り上がりイノシシを打ち宙へと飛ばすと、上空からダーインスレイヴを携えた迅真が落ちてくる。

 

焔刃(えんじん)陽炎(かげろう)』」

 

 瞬間、迅真からイノシシを通り地面に向かって一直線に空気の揺らぎが見え――――

 

 

――――ゴォッ!!という燃焼音が響き、先ほど空気が揺らいだ場所をなぞるように炎が通り、イノシシは揺らぎの線の場所を一直線に断ち切られている。

 

 ズドォンッ!と音を立ててイノシシは地面に落ちる。

 

「なんだ…今の…」

 

 尭斗は思わず呟き、こちらへと歩いてくる迅真を見る。

 

「さてと。もう何か眠気も覚めちゃったし、帰るかな」

 

「は?帰るって何所に?」

 

「そりゃ、家にだろ」

 

 迅真はそう言いダーインスレイヴをしまうと、スキマを開く。

 

「尭斗。お前も来いよ」

 

「え、良いのか?」

 

「当たり前だ。一応命の恩人で間違ってはいないからな。お礼したいし」

 

 そう言って迅真はスキマの中へと入って行く。

 

 尭斗はそのスキマに対して何とも言い難い表情になるが、諦めて入って行く。

 

 

 

 

 

 

「あ。回収しとかないとな」

 

 ひょっこりと迅真は顔だけをスキマから出しイノシシの死体を回収する。

 

 

 * * *

 

 

 家の前にたどり着くと、香がぶっ倒れていた。

 

 どうしたんだろうか?と思い迅真が近づくと、

 

「じ、迅真…!?お前…生きてたのか…!?」

 

「は?」

 

 気の抜けた声で思わずそう声を漏らした。

 

「なにがあったんだ?」

 

「いや…その、数時間前に雪が落ちる様な音がして出てみたらお前がいなくて…そしたらルーミアが新たに落ちて来たであろう雪をぶっ飛ばして、んでお前がいなくて、腹いせに俺を殴ってお前を探しに行った…グフッ…」

 

 どうやら迅真が寝てた裏でルーミアが暴れていたようだった。

 

「んで、肝心のルーミアは?」

 

「まだ帰って来ない」

 

「そうか…んじゃもう少しそこに倒れてルーミアの帰りを待ってろよ~」

 

 容赦なく香を踏みつけて家の中に入る。

 

 あまりの展開について行けない尭斗が混乱していると、

 

「ほれ。早く入って来いよ。そこのは無視して良いから」

 

「え~……」

 

 こんな事が日常なのだろうか…とか尭斗は考えたが、すぐに考えを振り払って香を踏まない様に家の中に入る。

 

「さてと。とりあえず適当なところに座れよ」

 

「お、おぅ」

 

 迅真は奥の方の椅子に座り、尭斗は迅真の正面の椅子に座る。

 

「にしても、学生かぁ…懐かしいな……」

 

「ん?迅真は何年生きてるんだ?」

 

「ん~……何年だろ。取りあえずとっくに学生越えて転生前ので言えば定年退職はもう迎えてるだろうな」

 

「60は優に超えてるのか……」

 

「まぁな。つか、本当に学生とか懐かしいな。真面な学生生活送ってないけど」

 

「は?どういうことだ?」

 

「いやぁ…俺の能力は生まれた時からずっとあったからな。変な科学者連中に狙われるんだよ」

 

「科学者って……」

 

「もちろん『ソッチ』系のな。しかも変に武装してるもんだから銃撃とか普通にある。たまに爆弾とか放り投げられるけどそこは俺のその時の友人たちがどうにかしてたからな」

 

「なんつうか…友人も凄そうだな…」

 

「そりゃそうだ。ダーインスレイヴもこのバッグも友人の手作りさ。おかげでこのチート性能。しかもこれでもう一声欲しいな…とか言ってたし…あいつら、ほんと何考えてんのか…」

 

「ハハハ……」

 

「おっと。話が脱線したな。んで、お礼をしたいから聞きたいことがあるんだが…学生って事は部活とかやってるよな?何部?」

 

「……あ~……それは、探偵部と新聞部だ」

 

「ふぅん…?中々面白そうだな…探偵部か…あ!じゃあこれをやろう」

 

 迅真はそう言うとバッグの中からあるモノを取り出し机の上に置く。

 

「……カメラ…か?」

 

 そう、それはカメラ。

 

「あぁ、そうだ。けど、ただのカメラじゃないんだなこれが。なんと能力強化されてるんだ」

 

「強化?」

 

「そう。しかも『お前それダメだろ』って奴」

 

「は…?」

 

「気になるその性能…それは――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――透視機能だ!!」

 

 ゴスッ!!と音を立てて迅真を殴った尭斗は悪くない。

 

「ってて。んだよ。別に殴る必要ないだろうが」

 

「いや、今の発言はどうしても殴らなくちゃならない気がした」

 

「なんだそりゃ。とりあえず、これには透視機能が付いてる。もちろん物体の透視も出来るぞ?壁を透かしたりとか、衣服をすか」

 

 ゴガッ!!と勢い良く殴られ迅真は仰け反る。

 

「っつ~……なんだよ、ロマンだろうが」

 

「いや、だからそれは言っちゃダメな気がしてな。うん。大丈夫。続けてくれ」

 

「……何かまた殴られる気がするけど、まぁいい。んで、これの透視機能は更に優秀でな?過去を見る事も出来るんだ」

 

「え…?」

 

「まぁ、普通驚くよな。もちろん時間も自分で設定できる。だからこの能力は新聞部としても、探偵部としても使えると思うぞ」

 

「うわぁ…でも、その分デメリットは付くんだろ?」

 

「まぁな。とは言っても、一回の使用に充電の80%使う位だな。あぁ、それと、充電方法は霊力、妖力、魔力のいずれかだ。ちなみに一個のバッテリーに二種類以上の力が混ざると使えなくなるから注意しろよ。例を挙げるとすれば霊力と妖力を一緒にいれたりとかだな。ついでに一回の充電に一時間かかるからな」

 

「霊力で一時間…それ、相当な量が必要にならないか?」

 

「む?そうでもないけど……あぁ、ごめんごめん。そうか。前提を忘れてた。これはあくまでも一分間に小さな弾幕を生み出す計算で一時間だ。だからこれを基に逆算すれば数分で満タンにすることもできるぞ」

 

「ふぅん?そうか……」

 

「んで、オマケでそのバッテリーの予備を3個渡しておこう。最初から入ってるのを含めこれで4個あるからな」

 

「あぁ、ありがとう」

 

 そう言って迅真が追加で出したバッテリー含めカメラを受け取る。

 

「あ。肝心な使い方を言ってなかったな。カメラの映像が出る右上を見てくれ。そこに切り替える所があるだろ?それが右から二番目の時は普通の写真を撮るモード。一番右側が撮った写真を見るモード。そして、左から二番目が透視モード。一番左が過去を撮るモード。過去の時間設定はバッテリーに込められてる力を追加で流し込むと設定が出て来るからそこで設定すればいい」

 

「なるほど…」

 

 興味深そうに尭斗は貰ったカメラを見つめる。

 

「さてと。一応帰れるが、どうする?泊まって行くか?」

 

「ん~……いや、もう帰るよ。これで泊まって実はこっちの世界に居る間も時間が進んでて遅刻しましただとやばいからな」

 

「そりゃそうか。んじゃ、またな。もしかしたら俺がそっちに行くかもしれないけど」

 

 笑いながら迅真はスキマを開く。

 

「それは……まぁ、あんまり期待しないで待ってるよ」

 

 そう言って尭斗はスキマの中へと入って行く。

 

「おう。じゃあな」

 

 迅真は手を振り、見送る。

 

 

 * * *

 

 

 ガチャリッ!と玄関が開き、ルーミアが迅真に向かって飛びつく。

 

「うぉっ!?る、ルーミア!?」

 

「よかったぁ~…生きてたぁ……」

 

 今にも泣きそうな表情でそう言うルーミアに思わず迅真は黙り込むが、すぐに迅真は気を取り直し、

 

「大丈夫だから。俺は死なねぇよ」

 

「……分かった。それで、何所に居たの?」

 

「あぁ、それな。よく分からない森の中に飛ばされたんだ。ついでにそこででけぇイノシシに襲われてな?――――」

 

「そうなの?大丈夫だった?――――」

 

 

 

 

 二人はしばらく会話をし続けるのだった。




 その…なんか尭斗君が目立ってないような気がしますね…ご、ごめんなさい!!<(_ _)>

 迅真の渡したカメラはどう見てもアブナイ道具ですね…正直これ以外思いつかなかったんです…許してください…<(_ _)>

 木部君…危険だと思ったら迷わず捨てるんだぞ。ちゃんと粉々にしてからね。でないと悪用されちゃうからな(゚Д゚;)

 では、鯖袋さんありがとうございました!(`・ω・´)ゞ

 次回はHartmannさんとのコラボですよろしくお願いします!(`・ω・´)ゞ
















 活動報告にてやっている最中にも関わらずコラボ募集中なり…締め切りは11月30日です。興味がありましたらどうぞ(≧▽≦)
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