東方種変録   作:大神 龍

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 今回はHartmannさんの『東方模倣録』より『神童 レイ』君です!

 よろしくお願いします!(`・ω・´)ゞ


第七十話 コラボ 2‐7‐1

 久しぶりに太陽が出て香が狂喜乱舞したのが前回の遭難事件から一週間後の事。

 

 別に得は無いのだが、香的には太陽が嬉しかったのだろう。ただ、溶け始めた雪を見て硬直したが。

 

「クソ…!クソ…!!喜ぶ前に雪かきするべきだった…!!」

 

 現在は屋根の上で必死に雪かきをする香と迅真。

 

「全く。馬鹿かお前は」

 

「う、うるせぇ!!ほっとけ!!」

 

 屋根の上の溶けた雪がすぐに凍り始め、それを香は泣きながら砕いて遠くへと飛ばす。

 

「はぁ…それにしても、なんでこんな早く凍り始めたんだ?」

 

「そりゃ寒いからだろ」

 

「そんなもんかなぁ…」

 

 迅真の疑問に投げやりに香が答える。迅真はその答えに納得いかないような表情をするが、まぁ良しとする。

 

「さて。んじゃもう終わったから俺は先に戻ってるわ」

 

「はっ!?え、もう!?」

 

 香が驚いてる間に迅真はさっさと屋根から降りて行く。正直溶けて凍ったんだから蒸発するまで暖めてしまえば問題ない。

 

「……まぁ、こんな日に紫が襲ってこない訳無いよな」

 

 そう呟き、突然現れた気配に向かって歩き出す。

 

 

 * * *

 

 

 家からちょっと離れた森の中に迅真はその人物を発見する。

 

「……学生服…?いや、まぁ前回は学生だったけど…え、連続?」

 

 その人物は学生服を着ている少年のようだった。

 

 少し予想外な状況に迅真は気の抜けたような声を出す。

 

「…とりあえずどう考えても迷子な雰囲気を出してるから声をかけるか」

 

 なんで忙しいはずの学生を拉致ってくるかなぁ…で思い、まぁ紫だから仕方ないか。と考え直す迅真。

 

「お~い。大丈夫か~」

 

 迅真が声をかけると、彼は迅真に気付き、こちらへと歩いて来る。

 

 遠目では気付かなかったが、迅真より身長が高く、見上げる形になる。髪は少し短めの左に寄せたアシンメトリーで、色は金髪で、その中に黒が混ざっているような色だ。目の色は茶色をしていた。

 

 髪の色はそれで良いのか?とも思ったが、たぶん某プリン色の髪をした友達が少ないとか言ってる奴と同じ理由なのかな。と勝手に解釈する。

 

「えと、迷子で合ってるか?」

 

「そうだけど…あんたは?」

 

「あぁ、薙浪迅真だ。一応人間だぞ」

 

「いや、それは見れば分かるけど…」

 

「残念ながらそう思わない奴がいるんだよ……俺を怪物扱いするのがさぁ…」

 

「その……なんか、すまない」

 

「なんでお前が謝るんだ…って、お前の名前は?」

 

「あぁ、俺は神童(しんどう) レイだ。よろしく」

 

「おう。よろしく」

 

 そう言って握手をし、迅真は気付く。

 

「(これ…絶対何か来るパターンだ)」

 

 そう思い、今度は一体何が…?と若干楽しそうに考え――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――アオーーーーォォォォン!!」

 

 遠吠えが聞こえ、戦慄する。

 

「なんだ…?」

 

「これは…狼…か。しかも最近の感じからすると―――」

 

 言い終わる前に木々の倒れる音が辺りに響く。

 

「……やばいかも…なぁ、お前、ちゃんと戦闘できる?」

 

「え、スペルカードは持ってるけど…」

 

「いや、実践。生死をかけた戦いだ」

 

「あ~……一応は」

 

「じゃあ次に能力。俺の能力はありとあらゆる生物の力を使う能力だ」

 

「俺の能力は模倣する程度の能力だ」

 

「なるほど…了解。んじゃその能力全力活用してくれ。でないと最悪…死ぬぞ」

 

「は?そんな化け物が来るのか!?」

 

「まぁ、最近の流れ的に―――」

 

 直後レイの背後の木々が()()()()()()()。比喩ではなく、事実だ。

 

「…ほら、敵のお出ましだ…!」

 

 それは、見上げるほどにでかい狼。一体なぜ今日までこの巨体を見なかったのかと疑問に思うが、それは前回のイノシシにも言える。だから気にしたら負けなのだ。

 

 ふと、目が合う。瞬間世界が一瞬停止する。

 

 体が動かない。

 

 呼吸も止まる。

 

 鼓動が早くなる。

 

 だが、それでも二人はその狼の瞳から目を逸らせない。

 

 ゾワリッ!と背筋に寒いモノが走ると同時に体は自由になり、瞬間、視認できない速度の一撃が飛来する。

 

 音は無かった。ただ前足が振り下ろされただけ。

 

 それだけで周囲に爆風が吹き荒れ、数瞬遅れて轟音が鳴り響く。

 

「ッ!!」

 

「ッア…!?」

 

 二人は暴風に飛ばされるが、即座に空中で体勢を立て直し着地する。

 

「行くぞ!」

 

「おぅ!」

 

 迅真は瞬時に闇を纏いダーインスレイヴを生成し突撃する。

 

 レイは霊力を纏い、構えると突撃する。

 

「ガゥァッ!!」

 

 小さな唸り声にも似た声が聞こえると同時に先ほどの足と反対の足でまるで虫を払うかのような動きで振るわれる。

 

 迅真はその瞬間足を地面につけると、

 

「『光化静翔(テーマソング)』」

 

 一瞬で姿を消し、足の攻撃範囲内から脱出する。

 

「ぅおっ!!」

 

 レイは即座にスキマを開くとその場から脱出する。

 

 迅真は先ほどの一撃を回避すると即座に避けた足に向かってダーインスレイヴを振り下ろす。

 

 しかし、ガキィンッ!!と、まるで金属にでもぶつかったような感触が手から伝わる。

 

「んなっ…!?」

 

 あまりの硬さに驚きを隠せず数瞬動きが止まり、直後勢いよく戻ってくる足に吹き飛ばされる。

 

「っらぁ!!」

 

 ブゥンッ!と音を立ててスキマから勢いよく飛び出したレイは狼の額に踵落としを決める。が、狼はビクともしない。

 

「嘘だろ…!!」

 

 レイは迅真と同じようにまるで金属の塊を蹴ったような痺れる感覚に驚くが、迅真の二の舞になる寸前でスキマの中へと逃げ込む。

 

 少し離れた森の中、迅真は木に寄り掛かるようにしていた。

 

「ケホッケホッ…っつ~…最近こうやってぶっ倒れてるのが多い様な……ハァ……『ケアルガ』『リジェネ』…引き出して効果を表す魔法ってこれが最高位なんだよなぁ…おかげで完全回復が出来ないし…使い勝手が微妙だ」

 

 呟いていると、迅真の真横にスキマが出来てそこからレイが出てくる。

 

「おぉ…無事か?」

 

「なんとか。てか、何アレ。すごい硬いんだけど」

 

「あぁ…それな。俺も思った。まぁ、倒せなくはないだろうが……ちょっときついな。てか、そこまでして倒す必要もないし、別に逃げても良いんだが……いや、でもやっぱり倒したいな。『殺害』じゃなく『討伐』な。んじゃ『プロテガ』『ストンラスキン』『【二重】バリア』『【二重】ブレイダ』『【二重】フェイダ』『ヘイスガ』『バブル』『リレイズ』『メディカラ』『リフレッシュ』」

 

 次々とかけられていく魔法。レイはかけられる度に自分の性能が上がって行くことがなんとなく分かり、軽く動いてみると格段に上がっているのだと自覚する。しかも、先ほど消費した霊力や体力も凄い速度で回復していく。

 

「よし。これで数発は堪えられるだろ。んじゃ行くぜ」

 

「了解」

 

 迅真は軽い足取りで狼へと歩きだし、レイは回復する力を無駄にしない為にスキマを使い狼の上空まで移動する。

 

「さて、さっきのお返しと行こうか。『光化静翔(テーマソング)』『言葉使い【逆説】』」

 

 迅真は瞬時に光の速度に達すると、一瞬にして狼の足元へと迫り、ダーインスレイヴを振るう。

 

「恐ろしいほどに硬い――――

 

 先ほどと同じようにダーインスレイヴは弾かれ―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――『だからこそ』斬れる」

 

 ゾンッ!!と重みのある力強い一撃で狼の足は少し斬れるだけで、大したダメージは与えられない。

 

「(クソッ!そもそもの長さが足りないか…!!)」

 

 迅真は数瞬考えるが、反撃に気付きテレポートをする。

 

 直後狼の腹部を下から極太のレーザーが襲い掛かる。

 

 狼は気付けず、それを受けるが、そのレーザーは狼にダメージを与えるにはまだ弱い。

 

「アオォォォーーーーンッ!!」

 

 その遠吠えはテレポートした直後の迅真、スキマから出ていたレイの聴覚に留まらず全身の骨に響き渡る。

 

「ッアァ!?」

 

「グゥッ…!!」

 

 ただの声。それにもかかわらず全身に鈍い痛みが走る。

 

 迅真は瞬時に音を反射させ無効化するが、レイは耳を抑えても響く轟音に動けなくなっていた。

 

「レイっ!!」

 

 迅真は再度テレポートをし、レイに近寄ると、その肩に手を触れる。

 

 瞬間、レイにダメージを与えていた轟音は消え去る。

 

「ふぅ。間に合ったか…」

 

「今、何をしたんだ…?」

 

「あぁ、それはな、音の振動に同じ振動をぶつけて相殺してんだ。ま、コツさえ掴めばお前だって出来るはずだぞ?」

 

 笑顔を浮かべながらそう言うが、瞬時に迅真は表情を硬くし、

 

「ちょっとでかい技使うからそれまであいつの足止め、頼めるか?」

 

「…難しいが…やってみる」

 

「よし、任せた」

 

「おう。任せろ」

 

 二人は言い終わるとすぐにその場を離れる。

 

 

――――黄昏よりも昏き存在(もの)――――

 

 

 迅真の詠唱が始まる。

 

 レイは狼の目の前へと飛び出ると、冷気を操り大量の氷柱を作りだし一斉に放つ。

 

 

――――血の流れよりも赤き存在(もの)――――

 

 

 しかし、氷柱は狼の眼前で粉々に砕け散る。

 

 直後吹き抜ける突風。おそらく前足で払ったのだろう。しかも感知できないほどの速度で。

 

 

――――時間(とき)の流れに埋もれし偉大なる汝の名において――――

 

 

 瞬時にレイは別の技を放つ。

 

 それは複数の大きい光弾で、フワフワと宙を飛ぶ。

 

 狼はその光が気に喰わないらしく、低いうなり声を上げる。

 

 

――――我ここに闇に誓わん――――

 

 

 レイはその光弾を一斉に狼にぶつける。

 

 ドゴゴゴッ!と音を立てて連続で狼に衝突し、その巨体が微かによろめいた気がする。

 

 

――――我らが前に立ち塞がりし全ての愚かなるものに――――

 

 

 強い光が消えると、そこには軽い傷を額に受けた狼が力強い目でレイを睨む。

 

「ッ!!」

 

 

――――我と汝が力もて等しく滅びを与えんことを――――

 

 

 レイが反撃を危惧してスキマの中へと逃げ込むと同時、

 

 

 

 

「『竜破斬(ドラグ・スレイブ)』!!」

 

 

 

 

 直後、狼を飲み込まんと極大の獄炎が発生する。

 

「―――――――ッ!!」

 

 言葉にならないような声を上げて狼は頭としっぽ以外を飲み込まれる。

 

「ハァ…ハァ…なんだよ、あの爆発…」

 

 少し離れた所にスキマを開きそこから出て来ながらレイは呟く。

 

「魔法。しかも伝説級のな」

 

 いつの間にそこにいたのか、迅真は未だに真剣な表情で狼が居た場所を睨む。

 

 そう、()()場所である。

 

 爆発が晴れると同時に奴は姿を消したのだ。

 

「…狼は?」

 

「おそらく逃げた。だから一応攻略完了だ」

 

「そうか…よかった。これ以上はさすがに無理」

 

 ハァァァァァ……と大きなため息を吐き、レイはうなだれる。

 

「お疲れ。んじゃ帰るか」

 

「あぁ…って、どこに?」

 

「ん?あぁ、俺の今住んでる所。俺の家ではないけどな」

 

 レイは首を傾げるが、迅真はそれ以上答える気は無いようで、レイに回復魔法をかけて歩いて行く。

 

「ちょ、待てよ~」

 

 レイは置いて行かれそうになり追いかけるのだった。

 

 

 * * *

 

 

 いつもの通りの家を見て、やっと帰って来れた…と思う迅真。正直1時間も経ってないのだが、狼の印象が強すぎる。

 

 玄関を開け、中に入ると、誰も居ない。

 

「アレ?何で誰も居ないんだ?」

 

「いや、知らないけど…」

 

 後ろからレイが言うが、それは分かってる。

 

「ま、すぐに帰ってくるだろ」

 

 結局迅真は適当なところで考える事をやめ、とりあえず椅子に座る。

 

「とりあえず座ろうぜ。家の中でまで立ち話はどうかと思うからな」

 

「それもそうか。んじゃお邪魔します」

 

 レイは家の中へと入り、迅真と向かい合う位置に置いてあるイスに座る。

 

「さてと。じゃあコレ、お礼の品な」

 

 そう言って迅真は机の上に二つのブレスレットを置く。

 

「これは?」

 

「まず、お前から見て右が霊力増加のブレスレット。と言っても、付けてれば発動するんじゃなくて、お前の霊力の1%を込めると50%にして返すだけだけどな。回復アイテムみたいなものだ。んで、左のが身体能力増強のブレスレットだ。これも霊力を込めて発動する。効果は名前の通り全身体能力の向上。重ねて物理ダメージを一定量無効化だ。ちなみに霊力とかも防げるぞ。ダメージだけな」

 

「ん?じゃあ身体能力増強は肉体ダメージの無効化って事か?」

 

「そんな感じだ。だから精神に直接響く攻撃は全部通すから注意な。まぁそんな事する奴なんてそうそういないだろうけども。で、霊力増加の方だけど、これは別に霊力に限った事じゃない。妖力や魔力でも増加できるからな」

 

「なるほど…っていうか、これ増加じゃなくて回復じゃないのか?」

 

「あ~……そうか。そうだな。増加じゃなくて回復か…じゃあ、回復の方で誤解があると困るから言っておくけど、それが回復できるのは一日一回だからな。正確には24時間に一回。回復力はさっき言った通りだ。他に質問は?」

 

「ん~……今のところは特にないな。じゃ、ありがたく貰っておくよ」

 

 そう言ってレイはブレスレットを取る。

 

「よし。んじゃ、どうするか。今すぐでも帰れるが…」

 

「そうだな…いや、帰る事にするよ。霊夢が心配してるだろうしな」

 

「そうか。じゃあ、またいつか」

 

 迅真はそう言ってスキマを開く。

 

「あぁ、またいつかな」

 

 レイはスキマの中へと入って行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……マジであいつらどこ行ったんだろ…まぁ良いか」

 

 机に突っ伏し、迅真はルーミア達が帰ってくるまでぼーっとしているのだった。




 なんだこの狼…!あれだけ身体能力と回復力強化したのに二人の全力で逃げただけだと…!?嘘みたいだろ?あいつ、まだ変身を二つ残してるんだぜ…?(゚Д゚;)

 はい。すいません。レイ君があまり目立ってなかった感じがします。次はもっとコラボしてくださった方が目立つようにせねば……

 ブレスレットの説明がまだ足りないようでしたら言ってください。メールを送らせていただきますので(`・ω・´)ゞ

 では、Hartmannさんありがとうございました!(`・ω・´)ゞ

 次回はマロマロン大帝さんとのコラボです!よろしくお願いします!(`・ω・´)ゞ













 まだまだコラボ募集してますよ!なんとか企画倒れにならなそうなので安心してください!ではではヾ(≧▽≦)ノ
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