東方種変録   作:大神 龍

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第七十四話

「で、私は何をすれば?」

 

 紫の呟きは至極もっともである。なんせ、何をするかすら言われていないのだから。

 

「あぁ、それな。別に難しい事じゃないって。ただ、結界を維持する妖力量が莫大なだけだって」

 

「いやいや、さすがに無理ですわ。だって、かなりの広範囲なのでしょう?なら、私じゃ役不足です」

 

「ま、そんなの分かり切ってるよ。とりあえず今のお前がどれくらい出来るのか見て見たかっただけなんだが、そこまで否定するならそんな成長してないだろうな」

 

「……分かりました。そこまで言うのでしたら私がやります。それで、何をするつもりだったんですか?」

 

「おう。ここら一帯をちょっと世界からずらして異世界に似た様な場所に変えようとしてたんだ。んで、それをお前に手伝って貰おうとな。能力でカバーするのは辛いだろ?」

 

「いいえ。私だって迅真さんに置いて行かれた後もしっかり修行したので出来ます!目にもの見せてくれます!」

 

「へぇ…?そうかそうか。じゃあやってみろよ。お前が成長したかどうか見てやるぜ」

 

「はい!しっかり見ててくださいよ!?」

 

 口調が若干怒っているように聞こえるが、表情自体はとても晴れやかで、嬉しいという感情が隠し切れていなかった。

 

「まず、どこからどこまでですか?」

 

「あぁ、さっきの場所から、妖怪の山の向こう側までを直径とした円だ」

 

「分かりました。じゃあ始めますよ」

 

 そう言うと、紫は妖力を指先へと集め、円を描くようにその場で一回転する。迅真は瞬時に当たったら邪魔するな。と気付き、更に高く飛ぶ。

 

 妖力の輪はそのまま大きく広がり、迅真の指定した範囲で止まると、淡く光りだし、地面へ向けて垂直に光を放つ。

 

「『仮想と現実の境界を曖昧』に」

 

 空気が少し変わる。まるで閉鎖された空間のような感じだ。おそらく、今ので隔離が出来たのだろう。

 

「終わりました。これでいいですか?」

 

 予想通り、完成していたらしい。試しに地面に降りてみると、少しだけ雰囲気が違う。まるでいつも使っている結界の中の様な感覚。ということは、大丈夫なようだ。

 

 再び飛翔し、紫の元まで戻ると、

 

「まぁ、これで十分だな。維持できるか?」

 

「はい。この規模ですと、1年は何とか」

 

「そうか。じゃあ一か月、頼むぞ」

 

「分かりました」

 

「ちなみに、その状態で別の仕事もしてもらうからな」

 

「はい!…え?」

 

 予想できていただろうに。

 

 そんな事を思い迅真は香の家に戻るのだった。

 

 

 * * *

 

 

「ただいま~。オイ香。ちょっと聞きたいんだけど良いか?」

 

「ん?なんだよ」

 

 椅子に座ってのんびりしていた香は不思議そうな表情で迅真を見る。

 

「いや、そういや能力を知らなかったなって思ってさ」

 

 香の正面の椅子に座りながら迅真は言う。

 

「あぁ、なるほど。そういう事か。俺の能力は『植物を生み出す能力』だ。実在するものから仮想までより取り見取りだ。マンドラゴラもマンイーターも作れるぞ。成長にちょっと時間がかかるけどな」

 

「ふぅん?意外と使える能力だな。って、この前の野菜とかもその能力で生み出してたのか?」

 

「まぁな。基本、種しか生み出せないけど、一部の野菜は何か種じゃなくて本体が出てくるけどな。イチゴとか。種が多すぎるのとか、小さすぎるのとかはそんな感じ。コケ類はまだ出した事無いから知らんがな」

 

「なるほどな。ちなみに、俺の能力は――――」

 

「――――『あらゆる生物の力を使う能力』。ルーミアから聞かされた。だからそこは言わなくても大丈夫だ」

 

「そうか。ならいいや――――って、今思ったんだけど、その能力で椅子って作れなかったのか?」

 

「はぁ?そんなの…………あ」

 

「…出来るんだな。まぁ今更どうでも良いけどさ。でさ、その能力でちょっとやってもらいたいことがあるんだが」

 

「なんだ?」

 

「ちょっとお前の畑も使うんだけど――――」

 

 迅真はそうやって本題へと入る。

 

 

 * * *

 

 

 香へ依頼した後、迅真は結界内にある湖に出向いていた。少し調査するためだ。

 

「…面倒だから入るか。『翔封界(レイ・ウィング)』『明り(ライティング)』」

 

 呪文を唱え、迅真は湖に飛び込む。

 

 飛び込んだにも関わらず、迅真は全く濡れない。なぜか。それは迅真を風の結界が包んで水を弾いているからだ。

 

「さてと。じゃあ調査しますかね」

 

 そう言うと、迅真は行動を始める。

 

 調査の内容はこの湖に生息している生物の確認だ。イベントで重要で、ここが使えないと少し困る。

 

 と、考えながら調査した感じ、表面上には淡水魚だった。まぁ、湖なのだから当たり前なのだが。

 

 やっぱり少し手を加える必要があるかな。と思いながらも下の方へと潜って行くと、チラリと変なものが見えた。

 

「…太刀魚?」

 

 そう呟くと同時に空洞に放り出される。

 

「っ!?」

 

 突然の事に驚くが、辺りを見渡すと、光源がある事に気付く。

 

「上は水…下も水…だが、あの光。潜ってた時には見えなかったぞ?」

 

 疑問に思いながら壁際に行くと、壁が淡い光を放っている事に気付く。

 

「…魔法?でも、魔力は感じない…って事は結界か。でもなんでこんな結界を張ったんだろうか…まぁ良いか。それよりも下の方の水はちょっと違うのかなっと」

 

 迅真はそう言いながらまた水の中に入り、探ってみる。

 

「…海洋生物って事は、ここは海水なのか。まぁ、これだけ分かれば十分だな。戻るか」

 

 そう言うと、迅真はテレポートで湖の外に出ると、

 

「やることもやったし、後は2週間のんびり待って閃鬼の所に行くだけだな」

 

 と呟き、のんびりと歩いて帰るのだった。




 あぁ…まだ、コラボ、3話しか、終わってない、のよ…(;´Д`)

 か、書ききれるだろうか…(;´Д`)
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