東方種変録   作:大神 龍

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第九十一話 コラボ PM9:00

 掃除をしているが、中々落ちない汚れとは、意外とあるものだ。

 

「むむむ…中々落ちません…!!」

 

 葉が苦戦しているのは、油汚れ。皿の端っこの部分がどうしても取れないのだ。

 

「むぐぐ…とれ…ないっ!」

 

「私がやろうか?」

 

「うぅ…お願いします」

 

 葉は諦め、素直にホワイトに渡す。

 

「これくらいの汚れならすぐに――――…あれ?…あれれ!?…お、落ちない…!?」

 

 洗剤足りないんじゃないの?と思うかもしれないが、足りてる。結構泡だらけなのだ。

 

「うぎぎ…こうなったら妖力を使って…!」

 

「す、ストップ!それはやめた方が良いです!!」

 

 最悪皿を傷つけかけない!と思った葉は、全力で止めにかかる。

 

「ふふん!私に任せると良いわ!!」

 

 ドヤッ!と胸を張るしろま。ホワイトは少し考えた後、

 

「任せる」

 

「了解!頑張るぞ~!」

 

 しろまに皿が渡り、しろまは頑張って油汚れを取ろうとする。

 

「ふっ…くっ……ありゃ?………」

 

「ちょ、ちょっとしろまさん!?何をしようとしてるんです!?」

 

「何って、この油汚れを吹き飛ばすの!魔法で一発ドカーンとね!!」

 

「「ダメーッ!!」」

 

 魔法を放つ寸前で何とか葉とホワイトが止めに入り、どうにか魔法の一撃は阻止できたのだった。

 

「…諦めましょうか」

 

「そうね。諦めましょう」

 

「ぬぐぐ…」

 

 しろまが納得いっていないようだが、とりあえずその皿は泡の中に沈めておくのだった。

 

 

 * * *

 

 

 そして、そんな中、うしろでは正月飾りを作っている。

 

「はぁ…やっと注連縄完成です」

 

「しかし…これを取り付けるのか?」

 

「難しいと思うんだが?」

 

「そもそもどこにつけるんだよ」

 

「…どこにしましょうか」

 

 大の大人5人分に等しい長さの注連縄。太さは閃鬼が両手を広げたのより少し大きいくらい。

 

「…いや、置けなくはないか。じゃあ俺はこれをやっておくよ」

 

「あ、閃鬼さん、お願いします」

 

 そういって、閃鬼は注連縄を一人で運んでいく。

 

「……すごい力だな」

 

「そうですね…」

 

「恐ろしいな」

 

 三人はそれぞれ、閃鬼に敬意を示すのだった。

 

 

 * * *

 

 

「で、何を作るんだ?」

 

「さっきのシチューやカレーが残ってるのでそれを煮てやり過ごします」

 

「やり過ごすのか」

 

「やり過ごします。まぁ、それ以外にも色々料理しようかと」

 

「なるほどな…」

 

「まぁ、見ていてください」

 

「了解」

 

 二人しかいないキッチンで、グツグツとシチューとカレーが煮える音だけが響く…

 

 

 * * *

 

 

「肉発見!!狩猟を始める!!」

 

 ひゃっほーう!!といった感じで、途中からテンションのおかしくなってきた優は目の前に居るシカに突撃する。

 

 ザクザクと一撃でぶった切ってくその様は、かなり恐ろしいものである。

 

「それにしても、さっきの狐、なんだったんだろうな…妙な気配がしたし…普通の狐じゃなかったのは確かだな」

 

 先ほどの刀に乗ってきた狐がどうも気がかりなようだった。

 

 

 * * *

 

 

「……釣れないな……」

 

 ボソリと呟く絶。その隣にある籠には、十数匹の魚。

 

「これで足りるか…?いや、たぶん足りないよなぁ……」

 

 はぁ、とため息を吐き、絶は釣りを続ける。

 

「全く。こんなに釣れて足りないという日が来るなんて思わなかった」

 

 絶はそういうと、またつりに没頭するのだった。

 

 

 * * *

 

 

「キノコ♪キノコ♪らんらんら~ん♪」

 

 すごい楽しそうに絆はキノコを採取する。

 

「これ、なんでしょう?」

 

 そういう絆の前にあるのは、周りのキノコの何倍もあるキノコ。

 

「…おいしい…かな?」

 

 そう思った絆は、武器を手にキノコへと向かうのだった――――。

 

 

 * * *

 

 

 そして、探索に出た二人は、ある場所で全力採取をしていた。

 

「ソバの実群生地キター!」

 

「年越しと言ったらソバですよ!!ソバ!!」

 

 やったー!といった感じでソバの実を採っていく。

 

「これだけあればどれだけ食えるかな…?」

 

「一人一口は余裕ですね!」

 

「それ、無いって事じゃね?」

 

「…そうですね」

 

 その事実に気づき、一瞬硬直した後、

 

「いや、全力で採れば20人前くらいはいける!!」

 

「ですね!!」

 

 うぉーーーーー!!と言い出しそうなくらい気合の入った動きで二人はそばを採取していくのだった。

 

 

 * * *

 

 

「――――で、結局何を買うんだ?」

 

「えっと、とりあえずその月光花は買うとして、後は光草。それとその髪飾りで」

 

「了解。隆文は?」

 

「その木の種を買おう」

 

「これか。いいのか?こんなので」

 

「あぁ、それで構わない。その木に実るものが気になるからな」

 

「分かった。じゃ、この浄化の実がなる木な。これは――――で、孤狼のほうは――――だ」

 

「うぐっ、意外と値を張るな…」

 

「それくらいの価値はあるからな。隆文も分かったか?」

 

「あぁ、これでいいだろう?」

 

「確かに。孤狼は?」

 

「くっ…分かった。これで大丈夫なはずだ」

 

「ん。確かに。じゃあ持って行っていいぞ」

 

「あぁ…想像以上の出費だった…」

 

「こ~ろ~?大丈夫?」

 

「あ、あぁ…稲荷様。大丈夫ですよ。はい」

 

「ふぅ。慣れないことはするもんじゃないな」

 

 孤狼と稲荷様の姿を見ながら、香はそう呟くのだった。

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