『ライモンシティ 病院』
奏「・・・また来たよ、お父さん。」
奏「新しいお花買ってきたから、ここに飾っておくね?前に飾っておいた花もまだ元気だから、並べて置こうかな・・・」
奏「・・・そうなると花瓶が足りなくなるか、看護師さんに相談しなくちゃ。」
奏「あ、そうだ、実は今日のお花はいつもと違うのを選んだんだけど・・・喜んでくれるかな?」
奏「最近、色々あって凄い綺麗なポケモンと知り合ってね。そのポケモン・・・モルガンに選ぶの手伝って貰ったんだ。」
奏「・・・うん、大丈夫。忘れてないよ。」
奏「新しい知り合いができても私のすべきことは覚えてる。」
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奏「・・・お父、さん」
奏「いつ・・・また目を覚ましてくれるのかは、もう私には分からないけれど。」
奏「私がお父さんを、こんな風にしちゃったのは私だから。命をかけて責任をとらないと。」
奏「・・・お父さんが託してくれた思いは、私が叶えて、償うから。」
奏「お父さんのおかげで、今日も生きていく、から。」
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『ライモンシティ 大通り』
虹夏「はぁぁぁぁ・・・夏ももう終わってるはずなのに、あっつ~~」
モルガン「はぁ・・・なぜ私がこのような」
虹夏「うっさい!働かざる者食うべからず!美味しい食事にありつきたかったらポケモンの膂力活かして荷物運びしろ~?」
モルガン「・・・それは私の「攻」がEであることを知った上での発言ですか?」
確かにモルガンの、ゆったりとした袖の内側に隠されている細い腕だとちょっと重い荷物程度でもなんか折れちゃいそうなのはわかる。箸より重い物持ったことないとか普通に言ってそうとか思ったり。ちなみに私はヘッドフォンより重いものは持てない。
奏「あれ?でもそういえば物を浮かせる能力とかモルガンも使おうと思えば使えるとか言ってたような・・・確か自分の体より重いものだって簡単に浮遊状態にさせられるとか何とか、テレキネシスだとかなんとか」
モルガン「奏、労力というものはたとえ少量でも無駄にすべきでないのですよ。たとえテレキネシスと同種の力によって重量自体が軽減されていても、テレキネシスをうったという消費が発生するのですから」
用事を終えた私は伊地知さんに言われるがまま、連れだって近くのスーパーマーケットまで駆り出されていた。ちなみに家で待っている気だったモルガンも当然のようにかり出されている
ただそれにしてもあっつい・・・溶けてアイスになっちゃう・・・もう季節はすっかり夏を過ぎて、紅葉なんかも見られる季節が近づいてきているのに、地面はジリジリと太陽に焦がされ、今日は半袖の人と何人もすれ違うような温暖な機構だった。
虹夏「ほんっと、最近は地味にあっつい日が続いてインドア派的には嫌だね~・・・って、あれ?何か奏ちゃんそこまで汗かいて無い?」
奏「あれ?確かに最初家のドアを開けたときは、一歩目を踏み出すのに全身を奮い立たせなきゃいけなかったけど・・・出てみればそうでもなかったかも。」
モルガン「ええ、それは当たり前でしょう」
と、隣を見上げれば得意げに笑みを浮かべるモルガンの姿。そういえば家を出て、お父さんの病院に行くまでは暑くてたまらなかったのに、合流してモルガンの隣に立って歩き始めてからは少しマシになったような?それにモルガンは優雅に歩いて
モルガン「『みずのはどう』をうまく調整して涼しい空気を循環させていましたから。流石に自然の道理に真っ向から逆らいきれるわけではありませんでしたが」
奏「ああ、道理で・・・でも少しマシになってたんだ・・・ありがとう。」
それでもアイスになって溶ける光景と三途の川見えてくるレベルだったけどね・・・別に私が普段引きこもってばかりで、体温調節がドへたくそなのは関係ないと思う。多分。そこまで。
ともあれ、何でかはわからないけれど嬉しそうなモルガンにそういうことを言って水を差すのは・・・うん、やめとこう。なんかムッとなって今度は本当にアイスにさせられてもおかしくないし。実際ありがたいことに、伊地知さんよりも汗はかいてないみたい、あれ?
虹夏「あの~、モルガン陛下?もしかしなくてもあたしはひんやりとか。そんな感じ全くなかったんですけど・・・」
モルガン「ああ、大変な非礼を詫びますが私の『みずのはどう』は二人乗りなのですよ。申し訳ありませんが術者である私と流石に庇護対象である奏を入れては、私の技能ではとてもでは全く無いですが厳しいものがあると言わせていただきます」
虹夏「だとしてもわざの効果対象的には一人相手だろうよ!?」
モルガン「あと私が汗をかいていないのは『みずのはどう』も勿論ありますが地面から僅かに浮いているからですね。妖精としての力で、こう、上手く」
奏「モ、モルガン?流石に私たちだけ、とかはその、あまり気持ちよくないから、伊地知さんにもかけてあげてね?」
モルガン「ふむ・・・奏が言うのであれば」
虹夏「はぁ・・・奏ちゃんは本当に優しいなぁ、本当に!本当に!」
・・・にぎやかだなぁ。いつも買い物とか、必要な物買いにい行くってなっても一人だったから。環境音から刺激を得られないのはもったいないけど・・・二人の声も悪くないかも。
二人の芯の通った跳ねるような声と、綺麗と月並みな感想しか浮かばない透き通った声を聞いていると。なんだか、それも良いなって思ってる自分に少し驚きつつもぼんやりと頭の中でイメージを広げていると。
モルガン「・・・奏?どうかしたのですか?」
奏「あ・・・う、ううん、何でもないよ。ちょっと考え事してただけ」
EDMの世界に浸っていた私の目の前に、差し出されたのはモルガンの白い左手。
モルガン「分散したら流石に出力は落ちますので、より私に近づいた方が恩恵を受けやすくなるかと。あとあまりぼんやりされたり、勝手に溶けられると置いていってしまいそうで怖いので」
虹夏「はぁ~」
先ほどまで炎天下の中にいたのに、相変わらずひんやりとした手をとる。正に妖精のような儚さを体現したその手のひらは、細身ながらもこちらから握ればしっかりと握り返してくれた。
モルガン「では、エスコートはお願いしますね」
奏「その流れでエスコートは私なんだ・・・」
まぁ最もな話、モルガンは目的地の場所を知らないからナビゲーションするのは私と伊地知さんしかいないのは仕方ないのだけれども、なんというか。
そうしていつもはない会話に思いのほか没頭しつつも3人で通りを歩いているそんな最中。
ーーーーーーーふと、視界の端っこで、伊地知さんとも違う、精巧に作られたように光が揺れる金色の髪の毛が映った。
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奏「・・・ん?」
?「ねぇねぇねぇ!そこのお姉さんたち☆」
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そして気がつけばその持ち主は私たちの目の前に。手を後ろに組んで、上半身を僅かに傾けた・・・いわゆるあざとさを全開にした媚び媚びのポーズで明らかにこちらを向いて話しかけてきた。
クリクリとした目に紫紺の瞳を煌めかせ、どこか制服のような、胸元に大きなリボンを携えた赤い装束を存分に着こなしている目の前の謎の少女。おそらくポケモンだとは思うが、もし人間だったら
奏「・・・えっと、お姉さんたちって私たちの事?」
?「そーそー、他に候補なんていないもん☆あなたたち、み~んな目立ってキラキラしてるし、そこの銀髪でちょっと頼りない感じのお姉さんとか特に、なんかすっごく惹かれるってゆーか、そんなに頼りなさそうなのに!」
奏「・・・えっと、それは私の事?」
モルガン「ええまぁ、頼りない銀の髪を持つ少女といえば」
?「世界でイチバンかわいい私には流石に及ばないけど、それでもかなり上の方って感じ☆」
虹夏「・・・んん?」
モルガン「・・・ほう」
奏「モ、モルガン、まぁまぁまぁ落ち着いてその黒いオーラはしまって」
一瞬で見知らぬ可愛いポケモンに険悪な雰囲気を容赦なくぶつけるモルガン。しかしその目の前のポケモンは全く意に介した様子も無く、私たちよりも低い身長を存分に活かした上目遣いで返事をする間もなく畳みかけてくる。
カリオストロ「私、世界でイチバンかわいくて、天才で、超絶美少女ポケモンのカリオストロ☆」
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/i! .ィ {/⌒ マ// ∧ ◎謎の美少女?ポケモン カリオストロ
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カリオストロ「ねぇねぇおねーさん達にお願い!『ポケモンコンテスト会場』に案内して欲しいの!どんなランクでもどんな部門でも無双しちゃうから良いケド、『かわいさ』部門があれば特に嬉しいかな、ねっ♪ねっ♪大都会イッシュ地方の、それも中心都市ならあるでしょ?」
コンテスト会場?それって確かイッシュ地方には・・・