【BGM】という個性の可能性 作:匿名ゴボウ
「…」
「かっちゃん! このゴミ大き過ぎない!?」
「あぁん!? キチンとお前に合わせたわクソが!」
「クルージングボート丸々一個なんだけど!?」*1
何やってんのアレ。すげえ。
いや暫く見ないうちにめちゃ強化されてない? 何? 素でOFAしようとしてる? おいクソナード両脇に金庫抱えんなお前。
てか勝己お前なんか【爆破】範囲…腕全体になってね? 気のせい? 今肘爆破させてから直接鉄骨殴り割ってなかった? おいボンバーマンしれっと鉄板数枚まとめて爆散すんな。出久に飛び散ってんぞ。*2
いやーちょっと待って? アイツら儂より強くねー? 明らかに中学生の範疇じゃねえだろ実力。今の出久でも多分並のプロヒーローよか強いぞ。勝己に至ってはなんだあれ。なんだあの変態起動。空中飛び回って残像できてんじゃねえか。
えぇ…と俺がドン引きしながら眺めていると、不意に出久が足を止めた。*3
「あぁ? んだ出久、へばったんか」
「いや…」
勝己の問いに曖昧な返事をして出久がキョロキョロと見渡す。俺のいる方向を見る頻度が多い、バレたか?
「…あっ」
「あ?」
「あそこ背音くんいた」
とこっち指差す出久。やっぱバレてんじゃーん。勝己もやっほー。
手を小さく振りながら砂浜に降りてくる俺に出久と遅れて勝己が駆け寄る。
「…ん」
「珍しいね! 学校外で会うなんて!」
「背音オメー、親がうるさくて外に出られないんじゃねえのかよ」
「あれウソ」
「えぇ!?」
「あぁ!?」
ここでしれっと嘘を暴露する俺氏。勝己ブチギレで草。
「オマ…オ…オマエェ!?」
「かっちゃんずっと信じてて心配してたもんね…僕もだけど」
「…個性鍛えてた」
そう呟くと、え? って感じで二人が惚ける。
「え?」
「は?」
「?」
すっとぼけて首を傾げる。すると勝己が爆発した。物理的に。
「聞いてねェぞ背音ン!!」
「ぼ、僕も聞いてないよそんなの!? どんなの!? どんな個性なの!?」
草。急にわちゃわちゃし出したんだけどこの二人。
「【BGM】って個性」
「【BGM】ゥ?」
「【BGM】…Back Ground Music…直訳で背景音楽だね。つまり音の個性?」
「ん」
身体から常時発しているモスキート音のHzを大幅に下げて、dBを少しだけ上げる。すると俺の身体からキィィン…という音が鳴り続ける。
「ぐぅぉぉおおお!!?」
「ちょ、とめ…止めて一旦!?」
なんだい一体。鳴らしてって言ったり止めてって言ったり。*4
「ンのボケェ!」
「落ち着いてかっちゃん!? 背音君前からこういう人でしょ!?」
おいどういう意味だ出久。俺は確かに出会い頭に肩パンしたりステルス駆使して膝カックンしたり教科書の偉人の写真に落書きして全部オールマイト風にしたが*5そう言われる筋合いはないぞ。*6
「GRRR…」
「か、かっちゃんがハウンドドッグみたいになってる!」
「どうどう」
「GRAAAAAAAAAッッ!!!」
「それ以上刺激しないで背音君ンンン!!?」
はい。勝己君が大人しくなるまで数分掛かりました。先生悲しいです。
「ンで、モスキート音鳴らすだけかよ。使えねえじゃねえか」
「ちょ、かっちゃん!?」
「うっせェ。どっちにしろ音鳴らすだけなら機械でも使えば良い話だ。没個性じゃねえか」
「それはそう」
頷く。しかし俺の個性の本領はそれじゃない。でも今教えるのはなんか気が乗らないから、シンプルに個性の利便性について話す事とする。
「超音波で治療できる」
「あン?」
「音の反響で暗い場所でも正確な空間把握ができる」
「え、凄い便利だ」
「最悪突っ込んで大音量で超音波流して自爆できる」
「おいソレ絶対すんなよ」
「なにより」
「なにより?」
「ネズミ、ゴキブリなどの害虫害獣を駆除できる」
「「死ぬほど便利!?」」
仲良いかよお前ら。
「おいソレウチで使え!ババアが食材買い込むからネズミもゴキも増えてんだ!」
「それ言ったらウチもなんだけど! お願い! もうお母さんの悲鳴で肝冷やすの嫌なんだよ!」
え何、食いつき凄いんだけど。ちょっとショック。
「やだ」
「お願いだ背音君ンンン!!!」
この後滅茶苦茶追っ払った。
「…」
気配を“殺す”。
ただのかくれんぼ感覚で行っていたこの感覚を、
視線の先には師範である本部先生。道着一つで森の開けた場所に一人立ち、目を瞑って精神統一をしている。
個性を用いない。普段流している音波でさえ消して、完全なる無を再現する。
____________。
キィン! という音が響く。
「…!」
防がれた。
頭上からの身体の捻りと武器の重さを利用した三節棍での一撃が完全に受け止められ、空中で硬直する。
「防がれることを前提で動きなさい」
三節棍を掴まれ、引き寄せられる。即座に手放し、袖の中に仕舞い込んでいた鎖分銅を放つ。
「武器の選択に迷いがないのは悪くない」
奪われた三節棍で絡め取られる。また引き寄せられる。
服の中で固定していた鎖を外し、鎖分銅を切り離す。
暗具の達人相手に距離を取るのは悪手。距離を詰め、逆の袖に入れておいた刃を潰した短剣で襲い掛かる。
「が、良くもない」
突然顎に衝撃が走る。
視界がぐるりと上方向に向き、空を向く。その勢いを利用して後方に一回転して体勢を整える。
師範は三節棍を束ねたまま掲げている。恐らくアレで顎を跳ね上げられた。
痛む顎をさすりながら、片手で背中から折り畳み式の巨大な鉤爪型の手裏剣を取り出す。
「ほう、それは見たことがないな」
当然だ。これは俺が
手裏剣を展開すると、二対の刃が広がる。
これこそNARUTOに着想…及びリスペクトを得た武器。その名も…
「風魔手裏剣…影風車」*7
「ふむ…手裏剣の火力の無さを大きさでカバーし、持ち運びにくさを折り畳み式にする事で半減させ、尚且つ折り畳み時も武器になるような構造にさせているのか。なるほど、中々有用な暗具を考えたな」
メリットデメリット全部言われたんだが???
いや、しかし最後の仕掛けには流石に気付いていないみたいだ。
俺は影風車を振りかぶり、思い切り投げ付けた。
腕力によって軽い手裏剣と変わらない回転速度で師範に向かう影風車。
しかし、手裏剣とは違い重さによって回転での軌道変化ができない為、師範にあっさりと回避される。
「しかし重量によって手裏剣の利点である軌道変化ができないのは欠点だな。だが当たれば一撃必殺になり得る良い暗具だと…」
ピンッ___ブチッ。
あっ。
陰風車は一瞬だけの《停滞》の挙動を見せた後に、減速しながら何処かへと飛んでいった。
「…」
「…」
…。
「糸はやめておきなさい。切れるし脆い」
「…はい」
締まらなかったなァ…新武器出したのに…チクショー…。
というわけでリザルトです。*8
折角新武器出したのにガバって無くしちゃった話とは関係ありませんが、色々とむしゃくしゃしたので雄英高校入学試験一ヶ月前時点でのリザルトを発表致します。*9
なんかもう面倒臭いんでパパッと箇条書きで出しますね☆*10
変身時間___10分2秒。
タイムオーバーのリスク___気合いで耐えれる。
総合変身時間(気絶するまでのリミット)___約30分。
持久力___釈迦院御坂遊歩道を余裕で五往復できる程度。
個性の練度___Hz桁数三桁単位まで調節可能。
指向性の安定化。
指向性を持たせた音波で金庫を爆砕。
合気道___50%渋川。
本部流柔術___免許皆伝まであと一歩。
美容___完全無敵の完璧で究極の男の娘☆。
はい。*11
あと別に不満があるわけじゃありませんが最近出久と勝己に避けられてる感じがしてイライラしてます。*12
今度見かけたら不意打ちヘッドロック掛けよ。*13
今更ながら原作との乖離点〜!
緑谷出久___中学生時点でOFA継承可能。雄英高校入試試験時点ではオールマイトから既にOFAを継承しており、フルカウル修得済み。許容パーセンテージは18%となっている。
主人公に対する感想「かっちゃんと同じく仲の良い大切な幼馴染。一緒にいると静かな雰囲気で落ち着ける。それはそれとして不用意なボディタッチは心臓に悪いのでやめろください」
爆豪勝己___【手脚の爆破】が可能。手だけで習得していた三次元戦闘がより高速化し、爆破箇所が増えたことにより純粋な破壊力やスピードが上昇している。【クラスター】への発想は未だ行き着いていないが、直感的にまだ個性に上があると
主人公に対する感想「数年間騙して楽しかったか? なんで出久じゃなくて俺に悪戯すンだよ。俺の教科書オールマイトだらけにしやがって(その上クオリティ高くて余計腹立つ)。久々に外で会って衝撃の事実を聞かされ続けた。没個性だと馬鹿にしつつも有用性はあるし、本人の足運びが一般人のそれではないので油断はできない。出久と同じく大事な友達」
ヒロアカ完結したという事でほんの少しだけモチベが上がりましたんで、とりあえず投稿。四ヶ月以上もサボってたってマジ?
自分の惰性と自分の思い通りにいかない環境が我が活力を奪っていくんですわ。それを我慢して楽しく小説を書ける他の作者様方のつよつよ精神が欲しいっす。
次回までまた空くと思います。それまで悶々としながらお楽しみにしておいてください。