AIに諸々丸投げしてFFT世界にプレインズウォーカーを放り込んでみる 作:あーぷ
◆ ◆ ◆
(プロンプト34:削除)
◆強引な転移と、なし崩しのエスタ行き
フェイは、オヴェリアの揺れる瞳に「押せばいけそうだ」と、プレインズウォーカー特有の(あるいは単に彼個人の)直感で判断した。彼女が明確な返事をする前に、彼は悪戯っぽく笑うと、有無を言わさずその華奢な手を取った。
「まあ、細かいことはエスタに着いてから考えればいいさ! 百聞は一見に如かず、だ!」
「え、ちょ、フェイ様!? ま、待ってくだ……!」
オヴェリアが抗議の声を上げる間もなく、フェイは素早く青マナを練り、《引き揚げ/Withdraw》の呪文を起動させた。彼女の視界がぐにゃりと歪み、次の瞬間、立っていたのは文化院の自室ではなく、アウルムの霊気拠点図書館の奥、薄暗く埃っぽい書庫の一角だった。
目の前には、以前エスタへの「お試し滞在」や「異世界見聞」の際に何度か使われ、今ではフェイによって厳重に封印されていたはずの次元門が、再び青白い光を放ち、安定した渦を描いていた。
「さあ、行こうか!」フェイは、オヴェリアの手を引いたまま、躊躇なく門へと歩き出す。
「ふぇ、フェイ様、これは……一体!? わ、私、まだ心の準備が……それに、先ほどの『私』は……!?」オヴェリアは、状況の急変に頭が追いつかず、必死に抵抗しようとする。
「大丈夫、クローンは今頃、文化院長として完璧に書類仕事でもこなしてるって。プログラムは万全だ」フェイは、彼女の不安などどこ吹く風といった様子で、次元門の輝きの中へと彼女を強引に、しかし優しく引っ張り込んだ。
◆未来都市での変身
再び視界が開けた時、オヴェリアはエスタの、フェイが購入した高台の一軒家のモダンなリビングルームに立っていた。大きな窓の外には、息をのむような未来都市のパノラマが広がっている。
「さて、と。まずはその王女様然としたドレスじゃ、さすがにこの街では目立つからね。着替えようか」
フェイはそう言うと、どこからともなく数着の衣服を取り出した。それらは、彼がアウルムのファクトリーでデザイン・製造させたものか、あるいはエスタのブティックで事前に購入しておいたものだろう。シンプルだが洗練されたデザインのワンピース、活動的だがエレガントなパンツスタイル、軽やかな素材のジャケットなど、イヴァリースではまず見ることのない現代的な装いがずらずらと宙を浮かんでいる。
オヴェリアは、戸惑いながらも、フェイに促されるままにその中の一着――柔らかなスカイブルーの、動きやすいが上品なシルエットのワンピース――を選び、別室で着替えた。
鏡の前に立った彼女は、そこに映る自分の姿に息をのんだ。いつも着ている、どこか古風で重々しいドレスとは全く違う、軽やかで洗練された服装。フェイが「ついでに」と手渡した、ささやかなイヤリングとネックレスが、彼女の白い肌に映えている。髪も、フェイが魔法で軽くウェーブをかけ、ハーフアップに結い上げてくれた。
それは、イヴァリースの王女オヴェリア・アトカーシャではなく、どこにでもいる(とまでは言えないが)、魅力的な20代の都会的な女性の姿だった。
彼女自身、その変貌ぶりに驚き、頬をかすかに染めた。元々の整った顔立ちと白い肌は、現代的なファッションによって、より一層その美しさを際立たせている。
リビングに戻ると、フェイは彼女の姿を見て、満足そうに口笛を吹いた。「うん、やっぱり君は美人だな。そういう格好もよく似合う。さあ、準備はできた。エスタの街へ繰り出そうじゃないか!」
◆振り回されながらも、開かれる心
最初は、フェイの強引なペースに戸惑うばかりだった。彼に手を引かれるまま、浮遊式の公共交通機関に乗り、きらびやかなホログラム広告が溢れる大通りを歩き、天を突くような展望タワーに登った。
目にするもの、耳にするもの、その全てが、彼女の知るイヴァリースとはかけ離れていて、久々のエスタにただただ圧倒された。フェイは、そんな彼女の様子を面白がりながら、時に適当な解説を加え、時に冗談を言ってからかった。
昼食は、ガラス張りの開放的なカフェテラスで、見たこともないようなカラフルなサンドイッチと、泡立つ不思議な飲み物を注文した。最初は緊張でこわばっていたオヴェリアも、エスタの新鮮な空気と、フェイの(相変わらず無茶苦茶だが)どこか憎めない態度に、少しずつ心が解れていくのを感じた。
午後は、空中庭園を散策したり、最新技術を展示するミュージアム――フェイは「退屈だ」と早々に出てしまった(※:オイ!)が、オヴェリアは興味深く見学した――を訪れたりした。フェイは、彼女が何かに興味を示すと、すぐにそれを(概ね強引なやり口で)手配したり、詳しく(大抵は彼の脚色入りで)説明したりした。
彼の行動は予測不可能で、常に振り回される形になったが、不思議と不快ではなかった。むしろ、その奔放さが、普段抑圧されている彼女の心を解放していくかのようだった。
夕食は、夜景が一望できる高層レストランの個室だった。眼下には宝石をちりばめたようなエスタの街が広がり、見た目も美しい料理が次々と運ばれてくる。
最初は緊張してフォークとナイフの使い方もぎこちなかったオヴェリアだが、フェイがワインを(「これはアルコール度数の低い、ジュースみたいなもんだ」と嘘をついて)勧め、彼女がそれを少し口にすると、頬がほんのりと上気し、堰を切ったようにおしゃべりになった。
「まあ、フェイ様! このお料理、なんて美味しいのでしょう! イヴァリースでは食べたことのない味ですわ!」「あの空飛ぶ乗り物は、どういう仕組みで動いているのですか?」「エスタの人々は、皆あのような格好をしているのですか?」
彼女は、子供のように目を輝かせ、次から次へと質問を浴びせかけた。フェイは、そんな彼女の姿を微笑ましく眺めながら、一つ一つ丁寧に(しかし信憑性はかなり適当に)答えていく。
食事を終え、レストランのバルコニーで二人きり、夜風に吹かれながら街の灯りを眺めていると、オヴェリアはふと呟いた。
「……なんだか、夢のようですわ。私が、こんなところにいて、こんなに自由に……笑っているなんて」
その横顔は、アウルムに来た当初の、どこか影のある表情とは全く違っていた。そこには、王女という重荷を一時的に忘れ、一人の女性として、純粋に新しい世界を楽しんでいる、晴れやかな笑顔があった。
フェイに振り回され、強引に連れてこられたエスタの街だったが、それは彼女にとって、かけがえのない心の解放と、新たな自分を発見する一日となったのだった。
フェイは、そんな彼女の横顔を黙って見つめていたが、やがてニヤリと笑って言った。「夢じゃないさ、オヴェリア。君が望めば、こういう時間は、またいつでも作れる」
その言葉が、本気なのか、いつもの気まぐれなのか、オヴェリアにはまだ判断がつかなかったが、それでも彼女の心は、温かいもので満たされていくのを感じた。
――次の指示を待ってください。
◆ ◆ ◆
(プロンプト35:削除)
◆
夜景の美しさに夢見心地で呟いたオヴェリアに、フェイは穏やかな視線を向けたまま、静かに言った。
「たまにはこういう息抜きも良いもんだろう。君は真面目な人だからね、きっと知らず知らずのうちに色々なものを溜め込んでいる」
彼は、エスタのきらめく街の灯りから彼女へと視線を戻し、少しだけ真剣な眼差しで続けた。
「前に、君には『自分のため』って話をしたけれど、あれも、もしかしたら君にとっては新しい『呪い』みたいになりつつある気がするんだ。おかしな話だがね、『自分らしくあろう』とか、『自分のやりたいことを見つけよう』っていう意思、それ自体が凝り固まって、いつの間にか自分を縛る重荷になるというのも、まあ、良くある話だ」
オヴェリアは、フェイの言葉にハッとした。確かに、アウルムに来て、フェイに背中を押されて以来、「自分の意志」で行動することを意識してきた。それは大きな喜びであり、成長でもあったが、同時に「何かを見つけなければならない」「自分の足で立たねばならない」という、新たなプレッシャーを感じていたのも事実だったからだ。
「……呪い、ですか……? 私が、自分らしくあろうとすることが……」
彼女の声には、戸惑いが滲んだ。
「そうさ。生真面目な君は、きっと『自分らしさ』を追求することにすら、完璧を求めてしまうんだろう」フェイは、まるで彼女の心を見透かすように言った。
「だから、ときどきこうやって、全部忘れてハメを外すのもいい。肩の力を抜いて、ただ楽しいと思うことをすればいいんだ。何なら、君が気になるやつを、君から誘ってみたらどうだ? 信用できる相手なら、別に次元門を使ってこっち(エスタ)に一緒に遊びに来てもいい。クローンの代役だって、頼まれればまた用意しよう」
「き、気になる方など……!」オヴェリアは、思わず顔を赤らめて俯いた。
その脳裏には、ラムザの誠実な顔や、アルマの懐かしい表情、アグリアスの凛々しい横顔。あるいはアリシアやラヴィアンの屈託のない笑顔や、フェイから部下として引き継いだ勇士たちの姿が浮かんだのかもしれないが、それを口に出すことはできなかった。
フェイは、そんな彼女の反応を面白そうに眺めながら、悪戯っぽく笑った。
「おっと、これは失言だったかな? まあ、とにかく、君が『息抜きしたいな』とか『誰かとここに来たいな』と思った時には、私に言えばいい。ああ、もちろん、毎日代役よこせとか、ファクトリーの全能力を使って私専用の遊園地を作れとか、そういう無茶を言ったら、私はヘソを曲げてアウルムの奥に引きこもるから、そこは気をつけるように」
彼は、最後に優しく付け加えた。「……まあ、君ともそれなりに長い付き合いになるからね。今更そこらへん、私が釘を刺さなくても、君はちゃんと弁えているとは思うけどね」
フェイの言葉は、いつものように軽薄で、時に無神経な響きもあったが、その根底には、オヴェリアに対する深い理解と、彼なりの不器用な信頼が感じられた。
「フェイ様……」オヴェリアは、顔を上げた。頬はまだ少し赤らんでいたが、その表情は、先ほどまでの緊張から解き放たれ、どこか吹っ切れたように晴れやかだった。
「……いつも、私のことを見守ってくださって……そして、お優しいのですね。ありがとうございます」
彼女は、エスタの夜景に再び目を向けた。きらめく光の一つ一つが、まるで彼女の心に灯った小さな希望のように見えた。
「ハメを外すのも……誰かを誘うのも……今の私には、まだ少し勇気が必要かもしれません」彼女は、少し恥ずかしそうに、しかし確かな声で言った。
「でも、フェイ様のおっしゃる通り、もっと自分の心に素直に、肩の力を抜いて、良いのかもしれませんわね。……少し、考えてみます。私が本当にしたいこと、そして、私が一緒にいたいと心から思える人のことを……」
その言葉は、具体的な行動を約束するものではなかったが、彼女がフェイの言葉を受け止め、新たな可能性に向けて、また一歩踏み出そうとしていることを示していた。
フェイは、そんな彼女の成長を、満足そうに見守るのだった。
――次の指示を待ってください。
◆ ◆ ◆
(プロンプト36:削除)
◆
フェイの意外なほど優しい言葉に、オヴェリアの心は温かいもので満たされ、未来への漠然とした不安が、確かな希望へと変わり始めていた。彼女は、自分の心と、そしてイヴァリースの未来と、真剣に向き合ってみようと、静かに決意を固めた。
しかし、そんな彼女の感動を、フェイはいつもの調子で、あっさりと現実に引き戻した。
「まあ、考えるのは結構だし、勇気を蓄えるのもいいが」彼は、急に雑な発言モードに切り替わった。「しかしオヴェリア、君もとっくに二十歳を過ぎたろう? そういう悠長なことを言っていていい年代なのかねえ。例によって君らの世界(イヴァリース)の文化的規範は、私は良く分からんし、細かく理解するつもりもないけども」
「と、とっくに……」オヴェリアは、自分の年齢を改めて指摘され、少しドキリとした。確かに、イヴァリースの貴族女性であれば、とうに結婚していてもおかしくない年齢だ。
フェイは、そんな彼女の内心などお構いなしに、さらにデリカシーのない言葉を続けた。「まあ、いきなり男を捕まえに行くというのも、君にはリスクが高いか。だいたい、いくら私が相手だったからって、さっきみたいに慣れない酒なんかを勧められるまま馬鹿正直に飲むようじゃ、そのまま『お持ち帰り』されても文句は言えんぞ?」
「……お、お持ち帰りぃ!?」オヴェリアは、その直接的で下世話な言葉の意味を理解した瞬間、顔がカッと熱くなり、真っ赤になった。
立っていたバルコニーの手すりを、思わず強く握りしめる。フェイが何を言っているのか、信じられないという表情だ。
「そ、そのような……! わ、わたしは、決してそのような軽率なことは……!」彼女は、しどろもどろに抗議しようとするが、フェイは聞く耳を持たない。
「だから、だ。いきなり本番はハードルが高い。まずは同性の、そうだな、アリシアあたりで『普通のお友達付き合い』の練習をしてみるのが良いんじゃないか? あの娘さんなら、知的好奇心が旺盛だから、『エスタの最新技術や文化を一緒に調査研究しない?』とか適当なことを言えば、ホイホイ釣れるだろう」
アリシアを「釣る」という表現にも、オヴェリアは眉をひそめた。
「……フェイ様っ!!」ついに、彼女の堪忍袋の緒が切れたかのように、鋭い声が出た。「先ほどから、一体何を、おっしゃっているのですか! 年齢だの、お持ち帰りだの、アリシアを練習台にするだの……! さすがに、それは……あまりにも不躾で、下品ですわ!」
彼女は、羞恥と怒りで肩を震わせている。しかし、フェイはそんな彼女の剣幕を、どこ吹く風といった様子で眺めているだけだ。
オヴェリアは、この男の無神経さと、自分の常識が全く通用しないことに、もはや怒りを通り越して、一種の脱力感すら覚えていた。
「……もう、フェイ様のおっしゃることは、いつもいつも突拍子もなくて……私には、ついていけません……」彼女は、深いため息とともに、弱々しく呟いた。今日のデートで芽生え始めた、彼への新たな信頼感が、ガラガラと音を立てて崩れていくような気さえした。
だが、それでも彼女は、この異世界のプレインズウォーカーが、決して悪意からこれらの言葉を口にしているわけではない(たぶん)ということ、そして、彼の言うことの根底には、彼なりの歪んだ形ではあるが、自分を心配し、自立させようという思いがあるらしいことも、これまでの付き合いで薄々とは理解していた。
だからこそ、本気で彼を拒絶することもできず、ただただ振り回されるしかないのだった。
エスタの美しい夜景は、そんな二人のちぐはぐな会話を、何も言わずにただ照らし続けていた。
――次の指示を待ってください。