AIに諸々丸投げしてFFT世界にプレインズウォーカーを放り込んでみる 作:あーぷ
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(プロンプト37:削除)
◆純粋培養への指摘と、姫君の新たな課題
フェイは、オヴェリアの真っ赤になった顔と抗議の言葉を、ケラケラと笑い飛ばした。その笑い声は、エスタのきらびやかな夜景の中で、どこか場違いなほど屈託がなかった。
「ははは! いやあ、君は本当に純粋培養だなあ、オヴェリア。まさしく籠の中の姫君だ」彼は、楽しそうに言った。
「どこの世界の支配者層だって、ちょっとプライベートの仮面を剥いで、その裏側に足を踏み込んでみれば、皆さん結構、品がないもんだぜ? 事によると、貴族的な義務とは縁が無いはずの中流家庭のほうが、よっぽど外面はご丁寧だったりする。なにせ、彼らは上流階級の、あくまで『表層だけ』を見て、それを一生懸命模倣しようとする傾向があるからな。本物のお偉方は、実は大して気にもしていなかったりするのにさ」
オヴェリアは、フェイのあまりにも明け透けで、どこかシニカルかつスノッブな物言いに、言葉を失った。
「ま、お持ち帰りだのなんだのっていう、下世話な話の二つは冗談みたいなもんだが」フェイは、悪戯っぽく片目をつぶった。「アリシアを『練習台』にすること自体は、私は割と真面目に検討した方がいいと思っているよ」
「練習台だなんて、そんな……!」オヴェリアは再び抗議しようとしたが、フェイはそれを手で制した。
「いいかい? ダンスだって、最初は先生や、気心の知れた相手と組んで練習するだろう? いきなり夜会で、見ず知らずの、それも手練れの相手と踊ろうとしたら、足を踏んづけまくって、恥をかくだけだ。人間関係だって似たようなもんだよ。彼女だって、エスタに来ること自体は喜ぶはずだ。知的好奇心の塊みたいな娘だからな。君は『お友達付き合い』の練習ができて、彼女は異世界の知識が得られる。互いに得があるんだから、これは積極的にGOサインを出すべきだ」
フェイは、少しだけ真剣な表情になり、オヴェリアの目を見つめた。
「君の真面目さは美徳だ。それは間違いない。だが、率直に言って、それは時として『頭が硬い』とも言える。新しい考え方や、常識から外れた行動を、最初から『駄目なこと』だと決めつけてしまう傾向がある。そこのところは、明らかに君が改善すべき点だ。……もう、子供って年でもないのだし」
最後の「子供云々」という言葉は、それまでの軽薄な響きとは異なり、確かな重みを持ってオヴェリアの心に突き刺さった。
彼女は、フェイの言葉に、顔を俯かせた。純粋培養、支配者層の正体、アリシアを練習台に、そして、頭が硬い、子供じゃない――。一つ一つの言葉が、彼女のプライドを半端に傷つけ、同時に、彼女の弱点を大雑把に抉り出していた。
悔しかった。自分が、そんなにも世間知らずで、融通の利かない人間だと思われていることが。そして何より、フェイの指摘が、どこかで自分の本質を突いていると認めざるを得ないことが、一番悔しかった。
だが、彼女はもう、ただ傷ついて塞ぎ込むだけの少女ではなかった。アウルムに来てからの様々な経験、フェイとの出会い、そして自分自身の「野望」を見つけたことは、彼女の中に確かな変化をもたらしていた。
彼女は、ゆっくりと顔を上げた。その瞳には、またしても僅かに涙が滲んでいたが、そこには強い意志の光が宿っていた。
「……わたしは……子供では、ありません」
震える声だったが、その言葉ははっきりとしていた。
「頭が硬い、というご指摘も……否定は、できません。そうあるべきだと教えられてきたことが、以前は私の全てでしたから……」彼女は、自分の胸に手を当てた。
「ですが……変わりたいと、思っています。もっと、柔軟に……もっと、自分の心に素直に……そして、フェイ様がおっしゃるように……誰かと、本当の意味で心を通わせられるようになりたい、と」
彼女は、深呼吸を一つした。
「アリシアを……『練習台』と呼ぶのは、やはり抵抗があります。彼女は、私にとって護衛であると同時に、大切な友人ですから」彼女は、はっきりと言った。「ですが……彼女を、エスタにお誘いして、一緒にこの素晴らしい街を見て回るということは……それは、とても素敵なことのように思えます。彼女も、きっと喜んでくれるでしょう」
その言葉は、フェイの無茶な提案を、彼女なりに咀嚼し、自分自身の意志として昇華させたものだった。それは、小さな、しかし確かな一歩だった。
フェイは、そんな彼女の言葉を聞いて、満足そうに、しかし少しだけ意外そうな顔で、静かに頷いた。
――次の指示を待ってください。
◆ ◆ ◆
更に3年経過させてください。3年後、20代も半ばを過ぎたオヴェリアは、果たしてどうなっていますか?
◆三年の歳月と王女の変貌
フェイが、オヴェリアに「頭の硬さ」と「子供ではない」という、彼なりの辛辣なエールを送ってから、さらに三年の月日が流れた。その間、フェイは例によってアウルムとエスタを拠点としつつも、他の様々な次元へと興味の赴くままに旅をし、イヴァリースにはほとんど顔を出していなかった。
オヴェリアとの連絡も、聖石「レオ」のペンダントを通じた、時折の、そして大抵は彼女からの他愛のない通信のみとなっていた。
そんなある日、フェイは本当に久しぶりに、気まぐれにイヴァリースの首都、その一画に位置する王立文化院へと足を運んだ。彼が最後にオヴェリアに会ったのは、エスタの夜景を見下ろすバルコニーだった。あの時、彼女はまだ20代の前半。
文化院長室の扉をノックもせずに開けると(彼のそういうところは全く変わっていなかった)、そこには、窓から差し込む柔らかな光の中で、分厚い古文書と格闘している一人の女性の姿があった。
それがオヴェリア・アトカーシャだと気づくのに、フェイは一瞬の間を要した。
彼女は、かつてのどこか頼りなげな少女の面影を完全に脱し、20代も半ばを過ぎつつある、落ち着きと知性を湛えた美しい女性へと成長していた。
肩まで伸びた髪は緩やかにまとめられ、動きやすいが洗練されたデザインのローブを身にまとっている。その表情は真剣で、古文書の文字を追う瞳には、深い探求心と、自らの仕事に対する確かな自信が宿っていた。
「やあ、オヴェリア院長。ご健勝かな?」
フェイの不躾な声に、彼女はゆっくりと顔を上げた。その瞳がフェイを捉えると、驚きと、そしてすぐに温かい歓迎の色を浮かべた。
「フェイ様! なんという……本当にお久しぶりですわ!」彼女は立ち上がり、かつてのような慌てふためいた様子はなく、落ち着いた物腰で彼に近づいた。「まさか、今日お見えになるとは。ご連絡くだされば、お出迎えいたしましたのに」
その声のトーン、言葉遣い、そして佇まいは、明らかに以前とは異なっていた。そこには、守られるべき「王女殿下」ではなく、一つの組織を率いる「文化院長」としての風格があった。
「いや、なに、気まぐれでね」フェイは彼女の変貌ぶりを興味深そうに観察しながら言った。「君こそ、ずいぶんと変わったじゃないか。良い意味でね。あの時の、エスタのバルコニーで泣きべそかいてたお嬢さんとは別人みたいだ」
オヴェリアは、その言葉に少し頬を赤らめたが、すぐに悪戯っぽく微笑んだ。「あら、フェイ様。わたくしは、あの日、泣きべそなどかいておりませんでしたが? それはフェイ様の記憶違いではございませんか?」
軽口を叩き返す余裕。そして、その笑顔には、かつての翳りはない。
「それに、フェイ様こそ、全くお変わりありませんのね。まるで、三年の月日など存在しなかったかのようですわ」
「プレインズウォーカーは、時間の流れ方がちょっと特殊でね」フェイは肩をすくめた。「それで、どうだい? アリシアを『練習台』にした『お友達付き合い』の成果はあったかな?」
フェイのデリカシーのない質問にも、オヴェリアはもはや動じなかった。
彼女はくすりと笑うと、「アリシアとは、今ではかけがえのない親友であり、研究のパートナーですわ。彼女とは、エスタだけでなく、フェイ様が以前話してくださった、他のいくつかの次元の文献についても、夜通し語り合うこともありますのよ。彼女の知的好奇心と行動力には、いつも助けられています」
彼女の言葉からは、アリシアとの間に築かれた深い信頼関係がうかがえた。フェイが冗談めかして言った「練習台」という言葉は、結果的に、彼女に本当の友情を育むきっかけを与えたのかもしれない。
「それは良かった」フェイは頷いた。「君の『頭の硬さ』も、少しは柔らかくなったかな?」
「ふふ、どうでしょう?」オヴェリアは、窓の外に広がる首都の風景に目をやった。「少なくとも、自分の意見を述べたり、誰かに助けを求めたりすることに、以前ほど躊躇はしなくなりました。そして、『王女だからこうあらねばならない』という考えに、以前ほど縛られてもいないつもりです。これも全て、フェイ様があの時、私に『子供ではない』と、そしてもっと前、『我がままを言っていい』と、おっしゃってくださったおかげですわ」
彼女の表情には、感謝と共に、確かな自負が浮かんでいた。
「『イヴァリース芸術記録』の編纂も、ようやく先日、第四巻が完成いたしました。今では、イヴァリース各地の貴族や教会だけでなく、他国の学術院からも問い合わせが来るようになりまして……」彼女は、少し誇らしげに、しかし謙虚に語った。
フェイは、彼女の成長ぶりに目を見張った。かつて、自分の存在意義に悩み、未来に怯えていた少女は、今や自分の足で立ち、自分の言葉で語り、そして自分の手で未来を切り開こうとしていた。
(なるほどな……)フェイは内心で呟いた。(人間ってのは、きっかけさえあれば、こうも変われるものなのか。面白いもんだ)
「それは、素晴らしい成果だな、オヴェリア」フェイは、素直に称賛の言葉を口にした。「君は、私がいなくても、ちゃんと自分の道を見つけて、力強く歩んでいるようだ。安心したよ」
その言葉は、彼の本心だった。
了