AIに諸々丸投げしてFFT世界にプレインズウォーカーを放り込んでみる   作:あーぷ

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孵化計画/Hatching Plans

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

(プロンプト15:削除)

 

 

 

 ◆新たなる門とイヴァリースの静寂

 

 

 フェイの研究室での集中作業は、実を結んだ。彼の目の前のコンソールには、原生次元アウルムを中心として、新たに安定した複数の次元座標への道筋が示されていた。

 

 それは、彼が知る他の『ファイナルファンタジー』世界へと繋がる、仮設の次元門だった。

 

「よし、これで開通確認は完了だ」彼は満足げに呟いた。「とはいえ、いきなり乗り込むのは準備不足だし、何より物事には順序ってものがある。しばらくは、この世界の安定と、イヴァリース支援計画の進捗を見守るとしよう」

 

 

 

 彼は研究室を出ると、手始めにイヴァリースの現状を把握することにした。オーボンヌ修道院近くに設置した次元門を通り、再びイヴァリースの大地に立つ。

 

 彼は周囲の青マナを自身に引き寄せ、《研ぎすまされた知覚/Heightened Awareness》の呪文を詠唱した。彼の感覚が、イヴァリース全土を覆うマナの流れと同調し、大きな出来事の気配や、人々の感情のうねりを捉え始める。

 

(ふむ……ディリータの動きは完全に消えたな。命に別状はないはずだが、何処いったんだろう。オヴェリア王女の誘拐失敗と失踪は、ラーグ公とゴルターナ公、双方の陣営に混乱と憶測をもたらしている。だが、決定的な衝突には至っていない。ラムザは……相変わらず、霊気拠点で迷いながらも働いている。そして……ガフガリオンの食料支援の影響が大きいな。各地の民衆の不満がある程度解消され、貴族たちも食料という新たな『利権』を前に、迂闊には動けないでいる。予想以上に、状況は膠着しているようだ。これなら、当面は放っておいても問題なさそうだな)

 

 大雑把な現状把握に納得したフェイは、再び次元門を通り、アウルムの霊気拠点へと戻った。

 

 

 

 ◆図書館の王女と地球の美術史

 

 

 彼は、気まぐれに図書館へと足を向けた。そこでは、アリシアが《歯車の文書管理人》を相手に、異次元の古文書と格闘していたが、その奥の閲覧スペースで、オヴェリア王女が大きな本を熱心に読んでいる姿が目に入った。

 

 フェイが近づいてみると、それは彼がかつて地球から持ち込んだ、美術史に関する大判のテキストだった。もちろん、オヴェリアは日本語を読むことはできない。だが、彼女はそこに収められた豊富な図版――洞窟壁画から始まり、古代文明の彫刻、中世の宗教画、ルネサンスの傑作、そして近代の風景画や印象派の作品まで――を、食い入るように見つめ、その移り変わりに心を奪われているようだった。

 

 

 

「面白い本を見つけたようだね、王女殿下」フェイが声をかけると、オヴェリアは顔を上げた。

 

「まあ、フェイ様! この本は……本当に素晴らしいですわ。私たちの知らない、たくさんの絵画が……時代と共に、これほどまでに姿を変えていくなんて……」

 

「これは地球という、また別の次元の芸術の歴史なんだ」フェイは彼女の隣に座り、ページを指し示しながら説明した。「昔は君たちの世界と同じように、神様や聖人を描くのが主だったんだが、時代が進むにつれて、王様や貴族の肖像画、彼らの城や美しい風景画が主流になっていった。そして、ルネサンスという時代を経て、技術も考え方も大きく変わった。しまいには、見たままを描くだけじゃなく、光や色の『印象』そのものを捉えようとする画家たちも現れたんだよ」

 

 フェイは提案した。「イヴァリースの絵画にも、きっと長い歴史があるんだろう? それを辿って、こうして歴史的に整理してみるのも、面白い研究になるかもしれないね」

 

 オヴェリアの顔がぱっと輝いた。「イヴァリースの絵画を! それは……とても素敵です! ぜひ、やってみたいですわ!」しかし、その輝きはすぐに曇った。「ですが、私には……オーボンヌの書庫にある写本や絵画を見るくらいしか……それらを全て正確に書き写すなど、とても私一人では……」彼女はしょんぼりと俯いた。

 

 

 

 ◆新しい『魔法』との出会い

 

 

 フェイは、彼女の落ち込みを見て、あることに気づいた。

 

(あ、そっか。この世界には、写真を撮って複製するという概念がないのか)

 

 

 

「王女殿下、いいものがある」彼は研究室から、少し古いが頑丈なタブレット端末を持ってきた。「これは、『写し鏡』のようなものだが、少し違うんだ」

 

 彼はタブレットの電源を入れ、カメラアプリを起動した。そして、驚くオヴェリアに向けてシャッターを切った。画面には、彼女の驚いた顔が鮮明に映し出された。

 

「まあ!」

 

「これは『写真』という技術だ」フェイはタブレットをオヴェリアに手渡した。「見たものを、光を使って、そのままの姿で『記録』することができるんだ。さあ、試してみて」

 

 オヴェリアは、恐る恐るタブレットを受け取った。フェイに教わりながら、彼女はカメラをラヴィアンに向け、番狼に向け、本棚に向け、そしてシャッターボタンを押した。画面に、見たままの光景が次々と画像として保存されていく。触れると拡大でき、何度でも見返すことができる。それは、彼女が知るどんな魔法よりも直接的で、そして衝撃的な体験だった。

 

「こ、これは……! まるで、時間を止めて、その瞬間を切り取ったようですわ!」彼女の声は感動に震えていた。「これがあれば、オーボンヌの壁画も、古い写本の挿絵も、ステンドグラスの光も……その姿のまま、正確に記録することができます!」

 

 

 

 ◆王女の決意

 

 

 彼女の瞳に、これまでにない強い光が宿った。彼女はタブレットを胸に抱きしめ、フェイに向き直った。

 

「フェイ様! 私は……私は、この『写真』という魔法を使って、イヴァリースの失われつつあるかもしれない芸術や、文化、歴史を記録したいです!」彼女の声には、確かな意志がこもっていた。

 

「オーボンヌ修道院だけでなく、もしお許しいただけるなら、他の古い教会や、忘れられた遺跡にも足を運び、その姿を未来へと繋げたいのです。それは、きっと未来のイヴァリースにとって、大切な宝になるはずです。そして、私自身も、ただ守られているだけでなく、何か、私のなすべきことを見つけたいのです! どうか、フェイ様。私に、その機会をいただけないでしょうか?」

 

 それは、もはや庇護されるだけのか弱い王女ではなかった。自分のなすべきことを見つけ、それに向かって進もうとする、一人の人間の決意だった。

 

 

 

 フェイは、彼女の変貌を目の当たりにして、心から感心した。(ほう、ただのお姫様じゃなかったな。これは面白い。実に面白い)

 

「もちろんだとも、オヴェリア殿下」彼は満面の笑みで応えた。「君のやりたいことが、そんなに素晴らしいことなら、私が協力しない理由はない。オーボンヌへの門はいつでも使えるようにしておこう。他の場所へ行きたいなら、安全を確認した上で、私が同行するか、あるいは信頼できる護衛をつけて、どこへでも行けるように手配するよ。君の『研究』を、全力でサポートさせてもらう」

 

 オヴェリアは、フェイの言葉に、目に涙を浮かべながら、深く、深く頭を下げた。

 

 彼女のイヴァリースでの運命は、まだ定かではない。だが、この異世界で、彼女は自分自身の足で歩むべき道を、確かに見つけ出したのだった。

 

 

 

 ――次の指示を待ってください。

 

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

(プロンプト16:削除)

 

 

 

 ◆芸術オタクと現実の王女

 

 

 オヴェリアが、未知の技術である『写真』に夢中になり、新たな目標を見つけて生き生きとし始めた様子を見て、フェイは満足感を覚えていた。

 

 だが同時に、彼はふと、彼女の『現実』について考えを巡らせていた。この純粋な少女が、イヴァリースという複雑怪奇な世界に戻った時、果たして幸せになれるのだろうか、と。

 

 考え事をしながら霊気拠点内を歩いていた彼は、食料支援部の本部――拠点2の一角に設けられたオフィス――へと足を向けた。そこでは、アグリアスが山のような書類(イヴァリース各地からの報告書や、輸送計画書、貴族への手紙の下書きなどだ)に埋もれ、やつれた顔でペンを走らせていた。聖騎士としての凛々しさは影を潜め、目の下にはくっきりとしたクマが刻まれている。

 

 

 

「うわ、ひどい顔。せっかくの美人が台無しだ」

 

 フェイのデリカシーのない声に、アグリアスは顔を上げ、忌々しげに彼を睨みつけた。文句を言う間もなく、フェイは彼女に向かって軽く手をかざした。

 

「《みなぎる活力/Vitalize》」

 

 緑色の温かい光が、アグリアスの体をふわりと包み込んだ。次の瞬間、彼女を苛んでいた疲労感や肩こり、頭痛が嘘のように霧散し、体の奥底から力がみなぎってくるのを感じた。原生次元アウルムの濃密な緑マナによって増幅された回復魔法は、イヴァリースにおける高位回復魔法であるケアルガすら凌駕する効果を発揮したのだ。

 

「な、何を……!?」アグリアスは、突然の変化に驚き、戸惑った。体は軽くなったが、気分は晴れない。

 

 

 

「感謝する、フェイ殿……」彼女は、釈然としないものを感じつつも、礼を述べた。だが、その声には感謝よりも、この男の予測不能な行動への警戒心の方が色濃く滲んでいた。「……だが、もう少し、人の状況を顧みるという配慮をだな……」

 

「いやいや、元気な方が仕事も捗るだろう?」フェイは全く気にせず、書類の山の一部にひょいと腰掛けた。「それはそうと、アグリアス。君に少し相談がある。オヴェリア王女のことだ」

 

 アグリアスは、眉をひそめてペンを置いた。「王女殿下が、何か?」

 

「彼女の今後の身の振り方についてさ」フェイは、まるで他人のゴシップでも話すかのように言った。「君たちの世界では、オリナス王子が王位継承者の最右翼なんだろう? あの戦乱の世じゃ、やっぱり男子の方が重んじられる。そうなると、オヴェリア王女の立場ってのは、はっきり言って、有力者が自分の権威を高めるための『トロフィー』にしかならないんじゃないかな?」

 

 

 

「な、何を不敬なことを!」アグリアスは怒りに顔を赤らめ、立ち上がった。「王女殿下を物のように扱うなど、許しませんぞ!」

 

「不敬? だが、事実だろう?」フェイの視線は冷徹だった。「建前を抜きにして考えてみろ。誰かが彼女と結婚すれば、そいつは王位を主張する大義名分を得る。北天騎士団も、南天騎士団も、あるいはラーグ公もゴルターナ公も、喉から手が出るほど欲しい『飾り』だ。だが、実権は彼女ではなく、その配偶者が握る。彼女は神輿として担がれるだけで、自分の意志で何かを決めることなどできはしない」

 

 フェイは、さらに残酷な可能性を口にした。「そして、その配偶者が、自分と彼女の間に生まれた子供の地位を固めた時、王家の血を濃く引く彼女自身は、どうなる? 邪魔な存在になるんじゃないか? 運が良ければ修道院に幽閉されて一生を終える。悪ければ……まあ、言わなくても分かるだろう。そんな未来が、本当に彼女のためになると、君は本気で思うのか?」

 

 

 

 アグリアスの顔から血の気が引いた。フェイの言葉は、不遜で、無礼で、聞くに堪えないものだった。だが、彼女も貴族社会の、そして権力闘争の非情さを知っていた。彼の指摘が、恐ろしいほどに現実の可能性を突いていることを、認めざるを得なかった。

 

 王女を守るはずの自分が、結局は彼女をそのような悲劇的な運命へと導く手助けをすることになるのかもしれない。その考えが、彼女の心を締め付けた。

 

「だが」フェイは、そんな彼女の葛藤を見透かすように言った。「幸いなことに、彼女は今ここにいる。イヴァリースのしがらみから、一時的にだが解放されている。そして、私という、まあ、ちょっと規格外なバックアップもいる。やろうと思えば、普通なら考えられないような選択肢だって作り出せるかもしれないね」

 

 彼は立ち上がり、アグリアスの目をまっすぐに見つめた。「彼女の今後について、もうちょっと真剣に考えてみても良いんじゃないかな。ただイヴァリースに戻して、どこぞの馬の骨とも知れぬ(あるいは、よく知っている腹黒い)貴族と政略結婚させるだけが、唯一の道じゃないはずだ。幸い、彼女も最近、やりたいこと――イヴァリースの芸術やら何やらを記録する、なんていう実にアカデミックなこと――を見つけて、生き生きしているようだし。君は、騎士としてではなく、一人の人間として、オヴェリアにどうなってほしい?」

 

 

 

 アグリアスは唇を噛みしめた。

 

 フェイの言葉が、彼女の心の奥底を揺さぶる。彼女は護衛騎士だ。王家の決定に、王女の運命に、口を出す立場にはない。それは重々承知している。

 

 だが、オヴェリアの、あの純粋な笑顔と、最近見せるようになった人らしい熱意を思い出すと、彼女をただの『トロフィー』として終わらせたくないという気持ちが、強く込み上げてきた。

 

 

 

「……私は、ただの護衛騎士です」彼女は、まず自分の立場を表明した。声がわずかに震えている。「王女殿下の御身分や、ご将来について、私が口を挟むべきことでは……ありません」

 

 しかし、彼女は続けた。その瞳には、未だ迷いつつも、葛藤をねじ伏せた決然とした気配が滲んでいた。

 

「ですが……! もし、王女殿下が、ご自身の意志で、ご自身の幸せを選べる道があるのであれば……そして、それがイヴァリースの民にとっても、不幸を招かない道なのであれば……私は、そのために我が身を捧げる覚悟があります!」

 

 彼女はフェイを睨みつけるように見つめた。「フェイ殿、貴殿には……本当に、そのようなことが可能なのですか? 王女殿下を、目の前に横たわる悲劇的な運命から、救い出すことが……」

 

 その問いかけには、疑念よりも、かすかな、しかし確かな希望が込められていた。彼女は、この得体の知れない異世界の魔術師を、王女の未来に深く関わらせる可能性を、考え始めていた。

 

 

 

 ――次の指示を待ってください。

 

 

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