第四次聖杯戦争をリリスと勝ち抜きたい欲 作:みっか
とある民家にて、一人の男が居る
彼の名は雨生龍之介、生粋の殺人鬼である
ふらりと立ち寄った民家にて、実家の蔵で見つけた怪しげな魔導書を試していた
とはいえ本気で信じているわけではなく、初めての殺人からかれこれ4年、気の向くままに各地をふらふらしながら芸術を作り上げて来たものの、最近はマンネリ気味なのだった
マンネリを打破するためにも、たまにはオカルトに行くのも悪くない。これもまた、誰かの芸術だ
そんな彼の行動、思考は、到底常人に理解できるものでなく、まさに歩く災害、今日標的となった一家にとってはまさに悪夢だ
今もこうして、悪魔召喚かなにかの生贄として、両足の健を切られ後ろ手を縛られ、ただ絶望の中でその悪魔の儀式を眺めている女にとっては、間違いなく過去最悪の日だろう
とはいえそんな彼女にとっては幸運なことに、彼はこの後死ぬこととなる
「みったせみったせみったせみったせみったせ…」
魔導書を片手に書かれた詠唱をそのまま読む男
片手でナイフを手慰みにしつつ、どこかつまらなそうに唄う姿は、はたして生贄の女からはどう見えているのか
「…われは常世全ての悪を…あー、しくもの?えー、なんじ…ん?」
おや、と魔導書の内容に疑問を持つ
「されど汝はその目を狂乱に曇らせ侍るべし?汝、狂乱の…えー、檻に囚われしもの、我はー、その鎖をたぐるもの…?」
ヘエ、追加詠唱とかあるのか
狂乱…いいねぇ、COOLだ、これで行こう
「汝三大の言霊を纏う七天。抑止の輪より来たれー、えー、天秤の守り手よ!」
…何も起こらない
「あー、やっぱりダメかー、残念、お姉さん!」
「や、やめ…」
「
せっかくお腹に居るのを連れてきたのに、と拗ねた子供のように呟く
別に生贄は誰でもよかった、どこかの家の子供でも良かった
だが夫と思しき男が、女の腹を庇うようにする動作を見てふと興味が湧いたのだ
───もしかして、オクサンって妊娠してるの?
やっぱ一人より二人の方が
だから連れてきた、でも無駄だったか
「大丈夫だって!お腹の子供もちゃんと芸術作品にしてあげるから、安心して」
そう優しく声をかけ、さっそく取り掛かろうと首に胸元に突き刺したその時
戯れに描いた魔法陣が、光を発した
「…ん?ナニコレ」
光は勢いを増していき、目を閉じていても眩く感じるほどの光を放ったかと思えば、次第に落ち着き、ヒトの形を取り始める
「オー、もしかして
COOL!最っっっ高にCOOLだ!これだよこれ!マンネリを打破するキッカケはさ!
初めて人のはらわたを見た時くらい興奮している、この出会いが人生を大きく変える気がする!
恋する乙女のように頬を赤らめ、その魔法陣の真ん中に立つ女を見た
巨大な一対の角、人がまるまる1人、2人は入りそうな巨大な翼、そして人間離れした翡翠色の瞳、怪物のような爪
これこそ
「アンタが
「…貴方が私のマスターのようですね」
「?」
「はぁ…非常に不愉快です、このような下衆が、私に似てると?…まぁ、死んでください」
一閃、無造作に振るわれた爪が龍之介の肩から腰にかけてナナメに通り抜ける
たぶんそうだった、早すぎて見えなかったが
「ハハ、ハ…?」
一泊置いて熱が走る。頭が追いつかない
血が、血が出て…
「オイ、オイ…オイ…!カミサマよォ…!」
「…?」
「こんな…こんなキレイなモン…こんなとこに隠すなんて…性格悪いぜ…!?」
臓物、内臓、彼はそれらに目がなかった
初めて殺人をした日、友人でもあった彼女の臓物を見て彼は純粋に「美しい」そう感じたのだ
「あぁ…ホンットにキレイ…キレ…イ…」
男が背中から倒れ込む、おおよそまともな人間であれば理解できぬような突然の死
だが、そんな状況でありながら彼の顔は満面の笑みが浮かんでいた
最期、今際の際、彼は彼の人生において最も美しいものを知ることができたのだから
「…はぁ?…本当に…なんでこんな気持ち悪い存在に召喚されたのでしょうか…」
そう、彼の詠唱は英霊召喚であり、魔法陣もぐちゃぐちゃ、詠唱も途切れ途切れ、魔力も足りない、そんなむちゃくちゃな召喚であった
であるのにも関わらず召喚が成功したのはきっと…
「彼女、ですかね?」
母の力であろう世界中を見渡しても、母の力は強いものだ。懸命に誰かに助けを求め、祈ったのだろうか
…血があまりに出すぎている。まだ微かに息はあるようだが…これは、助からない
「…ご愁傷さまです…これで合ってるんでしょうか」
彼女の生きていた時代であれば良くあること
子を孕んだ母が、死ぬ。よくあることだったのだ
されど召喚されたこの時代においては、この上ない悲劇、生前において死をもたらす存在であった彼女であっても、このようなクズに、戯れで殺された女は…
「…ままなりませんね」
だが、その死を覚えておく義務は、彼女にはある
忘れることなき怪物ではあるが、それでも死を忘れまいとすることこそ、彼女にとっては大切なことなのだ
さて、とはいえずっとこの場にいる訳にもいかない。マスターは死に、魔力も不足している。このままではどれだけ節約しても3分もすれば魔力不足で消滅してしまうだろう
彼女のクラスはバーサーカー、バーサーカーの特徴としては莫大な魔力消費がある、彼女も例に漏れず……マスターが魔術師的には出来損ないなのでステータスが非常に低く、若干エコではあるが……燃費が悪い、大食らいなのだ
「困りましたねぇ…私もせめて戦いの中で敗退したいのですが…」
このような最期はまさに恥だろう、マスターが殺人趣味の豚野郎で嫌だったから殺して、そのまま退去。いや恥でもないか
「…ん?近くに魔術師の気配が……サーヴァントも居なさそうですし…野良の魔術師でしょうか?それにしてはやけに魔力量が…いえ、これは賭けるしかありませんね」
願わくば、まともなマスターを…
できれば快楽殺人とかしないマスターを…!
本当に!どうか!お願いします!
魂喰いだけはしたくない彼女としては、まぁ最悪ここで敗退でもいいか…と言った感じではあったが、ちょっぴり期待しつつ、その魔力の元に向かうのであった
話は変わり、時間も半日ほど前に戻る
冬木市の隣の市に、魔術師の家庭があった
とはいえ言ってしまえば木っ端のゴミ一族、昔はそれなりに名前が知られていたのだが…
この家は死霊魔術について研究をしているのだが、つい先代、現当主である男の母にあたる女性が当主をやっていた時代に大ヤラカシがあり、危うくその代で途絶える、という大騒ぎになった
簡単に言えば、魔術師でありながら自己都合最優先である
その女(当時16歳)は恋煩いであった
しかも惚れた相手に対し尽くすタイプで、これまで従順だったがゆえに、突然の反抗に彼女の両親はどうしたものかとあたふたしていた
当時魔術回路移植済みである
当時の現当主たる父よりもずっと才能に溢れ、努力家で、真面目で、優等生だったために、早めに当主の座を渡したのだが…そんな彼女が…恋煩いである
相手は未だ武士の真似事をやっている10個近く年上の男、当時日中戦争真っ只中である
まさに「事実は小説よりも奇なり」と言った感じのドラマが展開され、10年にも渡るゴタゴタの末、なんやかんや血は保ったのだが…そのアレコレで魔術回路が消失
当時0歳の双子2人を遺して女が男を刺し、その後2人で焼身自殺である。魔術回路は燃えました。魔術的な炎を使って遺体すら残らないように燃えるのやめてくれんかな…!!!
本当に困り果てたのは女の両親、とりあえずその子供2人を育てたものの、これがまぁ可愛い母に似た見た目の、優秀で見目麗しい女の子と、平凡な男の子
結局トラウマから男の子を当主にしたのだが、これだけでは終わらない
女の母親…つまり曾祖母がオカルトにドハマりである
可愛い孫と触れ合ううちに娘への愛情が再燃、あの子は今も生きているはずだと復活の儀式を行う
幸い孫はどちらもまともで止めようとはしたものの、最近祖父が亡くなり精神が不安定なのも理解できるし、そしてなによりお世話になりすぎた年老いた祖母(この子達にとって)のお願いは断り切れず…
まさかの
正気か?そんなわけがない
渋々…ほんっっっとうに渋々子供を作った2人であったが、その行為にドハマりし…
というのは余談か?
転生じゃ〜転生じゃ〜と、色々な
曾祖母はオカルト、祖母は恋煩い、母は双子近親相姦、終わってんなぁこの家系
そんな一族の期待の新星、兄と姉を持つ3人目の子供である俺こそが、廻灰流(カイバラナガレ)である
つまり何が言いたいかって?お家騒動はクソ、ということです
…姉の様子はどうなのか、だって?
…最近父親に熱い視線向けてるよ…もう終わりだよこの家、助けて爺ちゃん
ちなみに一応次男となるこの「
その死体に、異なる世界からの魂である、俺が宿ったのである
ちなみに記憶はおよそ全て引き継いでる。さっきの歴史は戒めの意味を込めてこのようなことをしないように、と父が教えてくれたもので…
はい、ということでね、明らかな厄ネタですね
「待てナガレ!詳しく調べさせろ!」
「イヤッイヤッ、イヤッ!」
「本当に大丈夫か!?やっぱり一度死んで頭がおかしくなってるんじゃないか!?詳しく調べさせろ!!!」
「イヤーッ!」
絶賛逃走中である。史上最悪の死霊使いハンターから逃げ切れ!
鳥も獣も追ってくるよ♡やったね♡やめろやめてくれ、その術は俺に効く
でも大丈夫、俺には転生の時にズッ友になった根源くんが居るから…!
レッツプ〇キュア!コネクト根源!
根源接続者ってコト!?!?!?!?
厄ネタじゃないですか!!!!!!!!!!!!!!
魔術回路だの魔術師だの、そりゃFate時空ですよね!!知ってた!!!!!
「ここまで逃げれば大丈夫か…?」
野を越え山を越え、ウン時間文字通り走り通した俺の膝はなんかめちゃくちゃ元気である
こんげんの ちからって すげー!
永遠に魔力が溢れ出てくるぜ!げへへ
永遠…?今お前…永遠って行ったのか…?(
とはいえお昼頃に転生し、今はすっかり草木も眠る丑三つ時、である
てか…どこですのん?ここ…
根源くん?Hey根源くん!現在地を教えて
A.冬木市です
はえー、便利、さすがは根源くんd…ちょっと待った
聖杯戦争の舞台で、死人が当たり前に出て英霊が跋扈する人外魔境。
第四次聖杯戦争では文字通り大災害が発生した物語で、確か1990年代の出来事のはず
「第五次が確か2004年の出来事で、その10年前だから…」
おっけー根源くん、今年は何年?(白目)
A.1994年ですね、この土地にサーヴァントの気配が7騎あります
ぬわーーーーーっ!!
これからこの街は…消失する!(しない)
まぁいいや(爆速切り替え)
まずはぐれの魔術師(未成年)を巻き込むなんてそんな酷いこと、
とりあえず目下の目標としては、サーヴァントと関わらない、マスターと関わらない、そこら辺の人を催眠する、金出させてどこか遠くに…
そうだな…マレーシア…クアンタンがいい…
そこに本拠を置いて、ただの流れ人(ナガレだけに)として、新しい人生を…
「すみません…そこの魔術師の方…」
アイエー!何やつ!?
ペロッこれは…サーヴァント!?
A.そうです
そうだったのか…
…ん?ちょっと待って、この人よく見たら…!
「高名な魔術師の方とお見受けします、もしよろしければ…私のマスターとなって、聖杯戦争を戦って頂けませんか?」
「あっはい」
「本当ですか!?」
「ん?」
「ありがとうございます!それでは契約を…」
「
やばいこの女の人おっぱいおっきい
何も聞いてなかった
ついに始まる聖杯戦争!サーヴァントもついに7騎出揃いました!さて、聖杯を手に入れるのは一体誰なのか!
なんか聖杯戦争の主目的である「根源への到達」、既に果たしてる人居ますね