死神代行のIS戦記   作:ピヨ麿

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今回から臨海学校編に入ります。

久々の登場のあいつや、最近原作に出てきたあいつ等色々出る予定なので、気長にお待ちください。絶対にエタったりはしません。


臨海学校編
9.have a nightmare at midday


イギリス国内にある最大の研究所『BISL』。ここでは日夜ブルー・ティアーズから送られてくるデータの分析や、それを基にしたBT二号機『サイレント・ゼフィルス』の開発に勤しんでいた。同じEUであるドイツからは若干遅れているものの、着実に研究は進み、近日中にはサイレント・ゼフィルスを発表する予定()()()

 

とある組織に襲撃された研究所は、あちらこちらで火が噴き、僅かに残った機械類からは火花が散っている。

所属している職員の大半が骨を砕かれ、肉を焼かれ、臓物を撒き散らし、その命を皆例外無く散らしていた。

そして、数少ない生き残りは

 

 

「は、ははっ……」

 

「た、たすけ――」

 

 

大虐殺を一人で行った仮面を着けた女を前に、最早乾いた笑いしか出てこない。見せしめのように行われた破壊に、迎撃に出たIS操縦者を一瞬で葬り去った光景を見ていたからこそ、その男は抵抗は無意味だと悟っていた。近くにいた別の研究員は自身の命惜しさに必死に命乞いをしているが、

 

 

ぐしゃっ、

 

 

と、黄金色の鎧に包まれた足に、道端に生えている雑草のように頭部を踏み潰された。

 

 

『あら? あなたは逃げないのかしら?』

 

「……逃げたところでどうせ殺されるんだ。なら、するだけ無駄だろ」

 

 

生気の無い眼でそう告げる男。それを見定めるかのように見、

 

 

『……あなたなら実験に丁度いいかもしれないわね』

 

「……?」

 

 

次の瞬間にはその全身を炎に包まれていた。

 

 

「あああアアアア゛ア゛ア゛ッッ!!??」

 

 

全身を焼かれながら男は『何故一思いに殺ってくれないのか』と考えていた。

 

 

『ボス、お願いします』

 

 

その言葉が言い終わるのと同時期に、叫び回っていた男の様子が一変する。

顔に白い泥のようなものが纏わり付いていき、暫くしてそれは固形化し完全な仮面となった。

しかし、変化はそれだけではなく、胸の位置には黒い穴が開き、炎で焼かれたはずの肌の色は病的なまでに白くなっている。

 

 

『ふむ。やはり通常時よりも(ホロウ)の侵食は早い、か』

 

 

その変化を見ても微塵も驚かずに、ただ事前の予測が合っていたのを確かめるかのように呟く。

そして、男だったものは理性の無い凶暴性を纏わせているものの、目の前にいる女へと襲い掛かる様子は無い。

 

 

『さて、後はもう一つの仕事を達すればこの任務は完了ね』

 

 

呟きながら視線を向けるのは、他と同じく破壊されている研究所の一画。ただし、()()()を壊さないよう威力を抑えて攻撃していた為、冷静であれば狙いに気付いたかもしれない。

尤も、仮に気付いたとしても彼らに抵抗する術は無いのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはようございます、兄様!」

 

「おはようございます、お兄様」

 

「おう。おはよう」

 

 

部屋を出た一護に毎朝決まって挨拶をする妹分二人。そして、

 

 

「……おはよ~……お兄さん……zzz」

 

「ならその手に持ってる枕は置いて来いよ」

 

「……むーりぃ……」

 

 

さゆかのルームメイトである金髪の少女、ルナ・エルジェーベトが眠た気に体をフラフラ揺らしながら近付き、遂には一護に寄り掛かって二度寝へと突入する。

 

 

「はぁ……」

 

 

溜息を吐いた一護は彼女を優しく背負う――ことはなく、重い荷物を運ぶかのように乱暴に肩に背負う。

 

 

「……この光景だけ見たら完全に誘拐犯だな」

 

 

自嘲気味に一護がそう呟くと、

 

 

「!!」

 

 

丁度部屋から出て来た理子が、小さな少女を担いでいる一護の姿を目撃する。

 

 

「ゆ、誘か――」

 

 

と叫ぼうとしたところで、ラウラとさゆかが動く。

 

 

「それ以上言ったら」

 

「表を歩けないようにしてあげます」

 

「ご、ごめんなさい! ちょっとした冗談だったんです!!」

 

 

 

 

 

 

一護達は、朝食を取るべく食堂へ来ていた。

 

 

「あら。朝から女の子を侍らせるなんて、いいご身分ね」

 

「おはようございます、一護さん。それと会長、後で校舎裏に来てください。少しお話したいことがあります」

 

「嘘は言ってないわよ私!?」

 

「ええ。ですが、今の発言は上級生として、人の上に立つ者としての言葉では無かったので」

 

「ちょっ、勘弁してよ! もう(うつほ)の説教は受けたくないわ!」

 

 

(うつほ)からどこか恐怖を感じさせる笑みを向けられた楯無を見て、

 

 

「そんなに怒るなよ。楯無だって悪気があった訳じゃねえし、俺も気にしてねえからよ」

 

「一護さんがそう仰るなら……」

 

「うぅ……。何だか久しぶりに優しくされた気がするわ……あなたには辛辣に当たっていたっていうのに……!」

 

 

流石に憐れに思った一護が優しさを見せたことにより、九割のムチと一割のアメの関係が出来上がる。その結果、

 

 

(って、ちょっと待つのよ楯無! 少し優しくされただけで気を許しては、暗部の当主の名折れよ! それに、これじゃ私チョロ過ぎるじゃない!)

 

 

意気込み新たに、楯無は一護の方を見る。

 

 

(……そういえば、今までは気にして無かったけど、一護君って目付きの悪さを除けば随分と整った顔立ちをしてるのよね。加えて、相当鍛え抜かれた肉体。性格も悪くはない。書類仕事なんかはこれから仕込めばいいわけだし、色々と分からないところがあるとはいえ、楯無の相手としては申し分ないわね……。って! 何で彼を私のけ、結婚相手にしなきゃいけないのよ! 確かにカッコいいけど! あ、でも、近付いて探るっていうのはいい案かもしれないわね。となると、どうやって近付くかだけど……)

 

 

「……楯無の奴、どうしたんだ? 顔真っ赤にしたと思ったら、今度は神妙な顔して何か考え込んでるし……」

 

「気にしなくていいよ。姉さんはこういう人だから」

 

「って言ってもよ……」

 

 

(彼は妹好きみたいだし、妹キャラで行く? ちょうど私は年下だし。あーでもそれはめちゃくちゃ恥ずかしいわ……)

 

 

「……何故か俺のイメージが悪くなるようなことを考えてる気がするんだが」

 

「え? 黒崎君って人からのイメージ気にしてるの……?」

 

 

簪は驚いていた。一応年上とはいえ、同級生に――呼び方は違えど――兄と呼ばれている現状を受け入れている一護が、周りからの評価を気にしていることを。

 

 

「まぁ、私は周りからどう思われていようと黒崎君から離れるつもりはないから」

 

「あー……で、あいつはいつまでああやってんだ?」

 

 

一護の視線は未だにうんうんと唸っている楯無へと移る。

 

 

「放っといたら多分始業時間までやってると思う」

 

「一護さん、ご安心を。私が責任を持って引っ張っていきますので」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつもよりもどこか機嫌が良さそうな表情をした織斑千冬がホームルームで、

 

 

「さて。来週の臨海学校が終わった翌週には一学期期末試験が始まるわけだが、それに関していくつか連絡しておくことがある。まずは黒崎。お前は一般科目の試験免除だ」

 

 

そう告げると、途端にクラス中から非難の声が上がる。

 

 

「黒崎君だけズル~イ!」

 

「お兄さんだからですか!? それともお兄様だからですか!?」

 

「それ……どっちも同じだよ……」

 

「シャルロットさん? 大丈夫ですか?」

 

「ま、まぁ、何とか……」

 

「それは良かったです。貴女がいないとツッコミがいませんから」

 

「え? 心配してるのそこ?」

 

 

珍しく寝坊し遅刻しかけたところをISを使って間に合わせたシャルロットだったが、運悪く織斑千冬に見つかり、その場で一緒だった織斑一夏と共に(本人は相当に手加減しているつもりの)出席簿アタックを喰らい倒れた。

その為、クラス中のボケが飽和状態になり収拾がつかなくなっている中、普段なら怒声を飛ばすはずの織斑千冬は

 

 

「お前達、まだ説明の途中だ。騒ぐのは後にして、今は静かにしろ」

 

 

機嫌を悪くするでも無く、ただ穏やかに教師としての職務を全うしている。

 

 

「黒崎は元々高校二年までの課程を修了している。わざわざ試験を受け直す必要は無いだろう。

そして、ISの実技試験に関してだが、一般生徒は基礎的な動作を、国家代表及び代表候補生、企業代表、二人の男性操縦者は教師と試合をし、その結果を成績とする」

 

「……おい、まさか……」

 

 

千冬の言葉にあることが思い至った一護は、顔がひきつっている。それを見て千冬はニヤリと笑い

 

 

「国家代表の更識と、それと同等の実力を持つであろう黒崎の相手は私がすることとなった」

 

「何でアンタなんだよ! 絶対自分の為だろ!」

 

「何を言う。お前達の試験を出来るのが私しかいないというだけだ。それと……」

 

「うおっ!? 危ね――ッ!」

 

 

投げられたチョークを指で挟んで止めるも、第二射が死角から迫り直撃する。

 

 

「~~~ッ!!」

 

「教師に対しその言葉遣いは何だ。敬語を使えとは言わんが、もう少し丁寧な言葉を使え」

 

「……はい」

 

 

 

 

 

 

「お兄様、大丈夫ですか?」

 

「……あァ、大丈夫だ」

 

 

額を擦りながら、さゆかに返事を返す。

 

 

「けど、一護も運が無いよな。まさか試験で千冬姉と戦うことになるなんて」

 

「……目ェ付けられた時点で、いつかはこうなるって分かってたけどな」

 

「頑張ってください! 兄様!」

 

「……おう」

 

 

ラウラからキラキラと期待した目で見られては、流石に不甲斐無い試合を見せる訳にはいかない。それに、理由付けの為に戦うことになったであろう楯無の方が、ある意味可哀想だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

唐突だが、人生とは理不尽の連続である。

如何に他と隔絶した力を持つ者であっても、逃れられない運命というものもあり、必死にもがいてもそれが結果に結びつくとは限らない。

そう……

 

 

「わたくし、今日はお弁当を作ってきましたの。よろしければ、皆さんも一緒にどうですか?」

 

『!?』

 

 

何者も、理不尽な脅威(セシリアの料理)からは逃れられない。

 

 

「あー……俺達は今日食堂で食べるって約束してっから。あの一番高いやつ。だから、悪ィけど織斑達だけで食べてくれ。俺らのことは気にしなくていい」

 

 

傍に来ていたラウラとさゆかの頭に手を乗せて言う。金銭面に余裕があるわけではないが、自身の命に比べれば安いものだと、判断したのだろう。

 

 

「一護お前逃げる気だな!」

 

「逃げる? お前は何を言ってんだ。俺はただ、自分の護りたいもんを護り抜くだけだ」

 

「格好良いこと言ってるけど、それって俺を見捨てるってことだよな!?」

 

「お二人とも……何をおっしゃっているんですの? 早くしませんと、お昼休みが終わってしまいますわよ?」

 

 

そう言いながら、オルコットは高く積み上がった弁当箱を取り出す。

 

 

「今日はつい張り切り過ぎてこんなにも作ってしまいましたの。よろしければクラスの皆さんも召し上がってください」

 

『いえ結構です!!』

 

 

彼女の問い掛けに、クラス一同が声を揃えて答える。彼女達も知っているのだ、料理のヤバさを。特に、ルームメイトである子は……

 

 

「……そういえば、今日具合が悪くて休みって言ってたけど、もしかして……」

 

「!! 急いで連絡取って生存確認して!!」

 

 

クラス中が慌ただしくなり、ほとんどの者が教室を去っていく。オルコットと同室ということは、それだけアレを食する可能性が高いということ。そして、最近体調が優れないと言っていたこともあり、無事かどうかを早急に確認する必要があった。なので、料理から逃げる為に教室から逃げ出した訳ではない。

 

 

「よし。俺たちも――」

 

「よろしければ黒崎さんもいかがですか? 確か、余裕がないと仰っていましたよね?」

 

「……くそっ!」

 

 

不用意な己の言動を悔やむ一護。逃げ道をどんどんと無くしていき、遂には

 

 

「黒崎君、お昼食べに行こう?」

 

 

この時ばかりは、簪に何故来たのかと問い詰めたい一護だった。

 

 

 

 

 

 

「さあ皆さん。召し上がってください」

 

 

屋上にて。本来ならば和気藹々と昼食を楽しむはずだが、目の前に置かれた弁当箱という現実が、場の空気最悪なモノにしていた。

 

 

「(……ねぇ、黒崎君。オルコットさんの料理ってそんなに酷いの?)」

 

「(あァ……)」

 

 

以前食べたモノならば一護もここまでの反応はしなかった。だが、目の前のモノからは、何故か死の危険を感じ取っていた。

 

 

(けど、俺達が何とかするしかねェんだ。それに、飯食って死ぬとか何の冗談だよ)

 

「織斑。俺達で何とかするぞ」

 

「ああ。まぁ、これ食って死ぬわけじゃないんだし。お茶とか飲みながら食べれば大丈夫だろ」

 

((((あ、何かダメな気がする))))

 

 

言動に不安を感じつつ、まずは無難であるサンドイッチを手に取り、齧る。

 

 

「……見た目の割にべちゃべちゃしてて、けど時折ゴリッって感触がある。甘味と辛味と苦味の喧嘩に渋味が乱入してきた感じで味わいは」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

呼んでる。

 

呼んでるんだ。聞こえる。

 

――…きて……い、…様!

 

立てよ。

 

立て。俺が

 

――お願…、……開けて

 

俺が

 

俺が護――――

 

――一護っ!

 

 

 

 

 

 

「!」

 

 

聞こえてきた声に応えるように、意識を覚醒させると共に上半身を起き上がらせる一護。

 

 

「俺は確か……」

 

 

直前に何をしていたのかを思い出し、次いで口腔内の違和感に気付き、せき込む。

 

 

「何だこれ……口ン中がイガイガする……」

 

「黒崎君、大丈夫? 私のこと、分かる?」

 

「簪だろ?」

 

 

一護の後ろで不安そうに声をかけてくる簪に返事をした後、

 

 

「兄様!」

 

「大丈夫ですか!?」

 

 

必死の形相でラウラとさゆかが駆け寄って来る。

 

 

「ああ。口の中がまだ変だけどな」

 

 

簪に手渡されたお茶を飲みながら答える。

 

 

「そうですか……。では私は奴を成敗してきます。行くぞ! さゆか!」

 

「ええ!」

 

 

勢いよく飛び出した先、そこには

 

 

「フーッ! フーッ!」

 

「ごめんなさい! ごめんなさい!」

 

「り、鈴! 気持ちは分かるけどちょっとは落ち着いてよ!」

 

 

怒りで我を忘れ唸り声を上げる鈴音、そんな彼女を羽交い絞めで必死に抑えるシャルロット、ただただ謝るセシリア。そして、少し離れた場所には未だに目覚めない織斑一夏と、何故か倒れ伏している篠ノ之箒とルナ。

 

 

「黒崎君……本当に大丈夫?」

 

「そんな何度も聞くなよ。口以外に違和感はねェよ」

 

 

心配し過ぎだ、と続けようとしたところで潤んでいる簪の瞳に気付く。普通ではありえないこととはいえ、心配させたのは事実。今にも泣き出しそうな顔をしている簪の頭をくしゃっと撫でる。と、

 

 

「ん? 浦原さんからか」

 

 

携帯が振動し、その相手を確認すると同時に通話に出る。

 

 

「浦原さん、どうし――」

 

『黒崎さん。一瞬ですがとてつもなく大きな霊圧を放っていたみたいっスけど、何かあったんスか?』

 

「えっと、俺もよく分かってねェんだよ……。簪に代わるから、直接聞いてくれ」

 

 

そう言い、簪へ携帯を手渡す。

 

 

「お電話代わりました。あの、信じられないかもしれないんですけど――」

 

 

簪から語られたことは、一護と浦原を絶句させるに足る内容だった。

曰く、『料理に化学で使う薬品が使われていた』とのこと。

 

 

「『…………』」

 

「えっと、黒崎君が倒れて暫くしたら(ホロウ)の霊圧が溢れ出てきてたんですけど、呼びかけていたらそれも止まって、同時に黒崎君が起き上がったんです」

 

『では、今はもう問題は無いんスね?』

 

「あ、はい」

 

 

トラブルが一応解決したことを知った浦原は通話を切る。このトラブルの原因は今袋叩きにされそうなのだが。

 

 

「さて……それじゃあ」

 

 

携帯を一護に返した簪は、徐に立ち上がり、被告人の下へと近寄る。

 

 

「オルコットさん、大丈夫?」

 

「さ、更識さん……?」

 

 

この場で最も怖いと感じていたのは簪だ。激情をまき散らすラウラ達と異なり、簪はただ一護の心配をしていた。その一護が目を覚ました今、彼女がどういう行動を取るのか分からず、微笑を湛えているのと相まって比にならない恐怖を煽っていた。

 

 

「安心して。私は簡単に暴力に訴えたりはしないから」

 

「ほ、本当ですの?」

 

「うん」

 

 

左手を差し出され、怯えながらその手を取る。

 

 

「だけど、このことは織斑先生にきちんと報告しておくから」

 

 

一転、その微笑は悪魔の微笑みに変わる。手を握る力も強く、逃がさないように込められる。

 

 

「そ、それだけはご勘弁を!!」

 

「大丈夫。当然国には報告しないし、多分一回あの世を見るだけで済むから」

 

「それは死んでいるじゃないですか!?」

 

 

余談だが、彼女のルームメイト――アーニャは、無事に生きている。幾度も実食させられたせいで耐性が出来ていたそうだ。

そして、

 

 

「オレハダレダ?」

 

 

起き上がった織斑一夏は、機械のような丸い目でそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日も暮れ、各々夕食を取ったり、大浴場に行っている頃。彼女はとある部屋を目指していた。件の二人はそれぞれシャワーを浴びており、邪魔をされる可能性は少ない。そして、部屋の主とも打ち解けており、今が好機とみた彼女は以前から計画していたことをこの日実行に移した。

 

 

(あの人は確実に私たちの……。だから、今……!)

 

 

誰にも見られないように部屋に着き、くすねていた予備の合鍵を使い部屋の中へと入る。

 

 

(巻き込みたくは無かった。だけど、私たちの夢のために……ごめんなさい)

 

 

手首に付けた腕輪を一撫でし、彼女は決意を固め、動く。自身の目的のために。




今回出てきたオリキャラのルナ・エルジェーベトは金髪ロリです。情報は随時公開していきます。

この子はあるキャラを参考にしているので、気付く人は気付くと思います。ですが、ネタバレ防止のために感想欄に書くのは止めてください。メッセージで送る分には全然OKですから。

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