初代皇帝は何を見る 作:アウグストゥス
「逃げろ」
「何ですって?」
ローマにあるとある建物の一室で、男女が向かい合って話していた。
「今、逃げろと聞こえたんだけど?」
女の名はクレオパトラ七世。ローマに捕らえられ、古代エジプト最後のファラオとして処刑を待つ身であった。
「そのように言った。聡明なる女王ならばこの程度聞き取れると思っていたのだが」
男の名はオクタウィアヌス。ローマの執政官であり、非常大権を持つ男。
そして―――――――
「聞こえましたよ。聞こえてなお、信じられないと言っているのです。政敵である妾を逃がすなど」
クレオパトラ率いるエジプトを打ち破った者である。
「ああ、そうだ。人払いも済ませてある」
「何故そんなことをするのですか!?貴方はエジプトを墜とし、アントニウスを死に追いやったというのに!」
クレオパトラは声を荒げる。恋人であるカエサルを暗殺で喪い、夫であるアントニウスも先の戦争で喪った。せめてファラオの誇りとして自害をと考えていたのに目の前の男は逃げろというのだ。
「貴公が義父上の愛した女であった……それだけだ」
オクタウィアヌスは淡々と告げる。
「傍使えの者には荷物を持たせて私の私兵を護衛に付けて裏門で待機させている。ローマを出るまでなら安全だ」
傍使えのことも告げられ、少し冷静になったクレオパトラは言葉を繋ぐ。
「妾の処刑はどうするのです」
「貴公と背格好の似た人形を魔術で操り、燃やす。衆目には燃やすところのみを見せればいい」
全ての準備を終えているオクタウィアヌスにクレオパトラは頷くしかなかった。
「分かり……ました……しかし!アントニウスの件は許しませんからね!」
そう言って屋敷の裏口に向かうクレオパトラの背を見てオクタウィアヌスは溜め息をついた。
「これで義弟……カエサリオンとも合流できるだろう」
一人になった部屋で空に浮かぶ月を見上げる。
「これまで長かったな……義父上の悲願を成し遂げられる。それに……」
手に持ったワインを一口飲んでから言葉を続ける。
「貴公に……義母上に自害は似合わぬからな」
彼は、カエサルの妻であるカルプルニアだけでなくクレオパトラのことも義母だと認識していた。
「かつて義父上と共に訪れたエジプトで、義母上が私に向けた母性は本物であった。義母上は覚えてないやも知れぬが……な」
目を瞑れば、15歳と既に青年であった自分に、僅か6歳しか年の差がないにもかかわらず、母の様に、姉の様に振る舞うかつてのクレオパトラの姿が浮かんでくる。
「義母上よ、義弟よ、どうかその生に神祖ロムルスの祝福あれ」
そうして彼は月へ向けて杯を掲げ、グイと飲み干した。
史実との相違点Ⅰ
母であるアティアがルキウスと再婚したときに付いて行かず、カエサルに引き取られていること。
性格は史実で言われるような物腰優雅、あと地味に病弱属性です。
多分続きません
セプテムの後、アウグストゥスを何処に入れるか
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ハロウィン・カムバック!
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神聖円卓領域キャメロット
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冠位時間神殿のみ
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冠位時間神殿の後、アトランティス
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冠位時間神殿の後、オリュンポス
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螺旋証明世界リリムハーロット
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セプテムで完結
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全部やれ