周りは暗い空間その中に一人立ち尽くす自分が居る。目の前には自分の何倍もの大きさのドラゴンがいたのだ。俺は夢でも見ているのだろうか?御伽話やファンタジーの世界の中でしか居ないはずのドラゴンが目の前にいるのだ。そしてドラゴンは喋りかけてきた
「貴様が我の新しい主か?」
俺が新しいお前の主?何言ってやがる!さっきの悪魔といい目の前のドラゴンといいなんなんだよ!どうかしちまったのかよ俺は!ドラゴンは俺の考えている事を読んだかのように語りかけてくる
「貴様がおかしくなったわけではない、我は元々お前の中に存在していた者だ そしてあの悪魔の男も本物だ」
「どういう事だよ!悪魔もあんたも本当に存在するって事かよ!」
なんだって俺なんだよ。他に俺みたいな人間は何万といるのに!
「貴様は知らないだろうが悪魔の子だぞ?そして悪魔の子であると同時に堕天使の子でもあるのだ」
俺が悪魔の子供?それと同時に堕天使の子供だって?全然頭がついていかない。俺は捨てられた子供じゃなかったのかよ!
「一体!一体なんなんだよ!俺は悪魔でも天使でもない!人間なんだ!俺は龍守シレンだ!」
「ほほう、その眼差し親と同じものだな!ならお前にも問うとしよう」
そしてドラゴンは問うてきた
「貴様は今、死が目前にある。その死に抗う覚悟はあるのか?その抗う力を何に使う?答えを聞こう」
俺は、俺は!
「俺は死に抗ってやるよ!そして抗う力で守られるべき者を守ってやるよ!俺は決められた運命にも抗ってやる!」
ふん、他愛もなかったな。力も覚醒しないガキを殺しても何も無いがな。男は歩いていた。その身を黒の装束で隠しながら、だが男はあるものに呼び止められる。
そこには先ほど自分の目の前で息絶えたはずの青年が立っていたのだ。
「貴様!さっき殺したはずだが!?」
そして青年は歩みだす。静かにそして殺気を纏って近づいてくる。
「くっ!」
男は守りを固める、だがそれは意味をなさなかった。青年は男が守りを固める頃には男の背後に背を向け立っていたのだ。
「ぐあっ!」
男は身体中から血を吹き上げ膝から崩れ落ちる。青年は男の死を静かに見届ける。青年は目を開けたまま死を迎えた男の目を閉ざす。青年は男に言葉をかけた。
「あんたに恨みは無いが人間としての人生を終わらされた昔の俺が恨んでいるんでね。そいつとあんたに俺を抹殺をするように命令したボスを恨むんだな」
そして青年は歩き始めた、皆の元へ帰るために
俺は戻ってきた。いつもの自分の家に、、だけどそこに居たのはマザーと見知らぬ人達が俺を出迎えた。そういえばゼオルが言っていたな。もし天上院に帰れば俺の力を感知した天使が居るはずだと。
え?ゼオルって誰だって?あ、言って無かったですね。ゼオルって言うのはさっきのドラゴンの事で俺の中に居るから何時でも喋る事ができるがゼオルが寝ている時は喋れないんだ。ゼオルの言う通りになっていた。
「大勢なお出迎えですね、マザー」
「待っていましたよ。お入りなさい」
俺はマザーに案内され教会に案内された。そして話が始まった。それは俺の両親についての事だった。そして俺が何故人間として生きているのか、この話で分かるのだろうか
「マザー、一つだけ聞かせてください。何故、俺は悪魔と堕天使の間に生まれたのですか?何故、俺の両親はここに居ないのですか?」
「シレン、それは今から説明します。その前に貴方はどのようにしてあの悪魔を退治したのですか?」
俺はマザーに見せた。悪魔をどのように退治したのか。
「マザー、俺はこの力であの悪魔を倒したんだ。」
マザー、同席していたエリアさんそして天界からの使者も皆が驚きを隠せなかった。それもそうだ、皆が見ているのは俺ではあるが堕天したほの暗い天使の羽を出現させているのだから そして俺の手には血で固まった剣を持っているのだから。
「まさか、シレン貴方は、、悪魔を殺めたのですか!?」
「マザー、貴方の言うとおりです。俺、、いや私は悪魔を殺めてしまいました。そして自分は貴方の話を聞いた後一度天界に行きたいと思っています。」
マザーは俺が天界に行きたいと言うと首を横に振った。理由は聞かなくても分かっている。俺が悪魔でもあるのだから。
「シレン、貴方には今まで黙っていましたがもう隠す事は出来ませんね。」
「私の両親が今、どうなっているのか教えてはもらえないでしょうか」
「シレン、率直に言います。貴方の両親はもう死んでいます。」
その時、俺は分かっていた。分かっていたはずなのに涙が溢れてくる、どんなにどんなに堪えようとしても決壊したダムのように溢れだす
「そして、何故貴方がここに居るのか、それをお話しますね」
それは今から五十年ほど昔に遡る。父が母とと恋に落ちた。だが悪魔と天使だ。母は悪魔に恋をしたことにより堕ちてしまい堕天した。父も仲間から裏切り者と呼ばれ続けた。
そして二人は駆け落ちを決意した。そして二人は隠れ家でひっそりと暮らしていた。そんなある日、二人に子供が出来たのだ。二人は喜んだ。そして俺が生まれた。二人は俺が生まれた事に大喜びしたようだ。そして幸せな生活が続くかと思われたがそれはすぐに壊されてしまった。
ある日、いつものように過ごしていると悪魔達が家を襲撃してきたのだ。父は悪魔達を抑えていたが多勢に無勢である。一体の悪魔が俺を殺そうとした。母は身を挺して俺を助けた。だが母はそのせいで命を落とした。父は悪魔達を全て相殺したのだがほとんどの力を使いきった父は襲撃犯の黒幕にあっさりとやられてしまったのだ。父は最後に俺を人間界に飛ばしたのだ。悪魔達からの手を逃れさせるために。
「そして、今日に至るのですか」
そんな事が起こっていたなんて、思いもしなかったよ。
「シレン、これから貴方の中から悪魔の力を浄化します。ですから、、」
「待ってください。」
俺はマザーの言葉を遮った。
「悪魔の力を浄化しないでいただけますか?」
「何故です。悪魔の力を浄化しなければ貴方は一生苦労するのですよ!」
一生って俺はそんなこと思わない。それに悪魔の力を浄化しようがしまいがどっちにしても苦労するのは同じだ。それに俺は思う
「浄化してしまったら父との繋がりがなくなってしまいそうだから浄化しなくてもいいですよ。それに俺は今の事実を受け止めてるから心配は無用ですよ。」
「シレン君、、」
エリアさんは悲しそうな顔をしている。俺はエリアさんに向かってこう言った。
「エリアさん、確かに俺はこんな事になっちゃったけど大丈夫だよ。」
そしてマザーに俺はもう一度お願いする。
「マザー、天界に行かせてください。俺は母のお墓に手を合わせたいのです」
マザーは使者達と話をしている。そして話が終わったのだろうかこちらへ向き直した
「それでは、着いてきなさい。」
そして扉の前に立つ。これが天界へ行くための扉なのだろうか。そして俺は扉をくぐるととあるところへ出てきた。そこには光が降り注いで明るかったのだ。そこには一つのお墓がある。
「これが母のお墓ですか。」
そのお墓には母の名前が刻まれていた 「フェイリ・シェリル」
「母さん、俺を産んでくれてありがとう。俺を庇ってくれてありがとう 俺はこんなに大きくなったよ。」
その時、周りが暖かくなった。それは抱かれているような暖かさだ。
「母さん、俺は母さん達を殺した奴らを探して聞いてくるよ。殺した理由を そしてまた戻ってくるから。」
使者の人がこちらへ来る
「シレン君、時間だ。戻ろう」
俺は戻ろうとする。だが何処からか嫌な気配がする。禍々しいそして憎悪に包まれた気配が
「なあ、ゼオル。お前は俺の
「気配がするのだろ?俺はお前の神器だ。好きにしろ」
フォォン!
「シレン君、君は、、」
そこにはシレンはもう居なかった