第一話人の意思ってなんなんだ
ショウを開放した日から二日が経ったある日の夜 俺とショウは冥界を旅するために話をしていた。それはショウの家族を殺した悪魔と俺の両親を殺した悪魔が同一人物かもしれないという線が浮上していたのだ。
「そうか、それなら探す手間も時間も短くなる」
「だが、冥界は広大だ。どんな奴が殺したのか分からない、それ以前に今、生きているかもわからない。雲を掴むような話だな」
ゼオルが言うのも一理あるがそんな事言ってられない。俺は行くしかないとゼオルとショウに言う。だがもっと説得しなければいけない人が天上院に二人居る。まずはマザーだ。少し面倒だけどマザーなら説得すれば承諾してくれるだろう。そしてもう一人俺が冥界に行く事を拒み続ける人が居る。エリアさんだ。
「そうだな。まずあの人をどうにかしないとな、さっきお前が話してたら怒鳴りながら拒んでたよな。」
「だから、考えたんだ。俺、天上院を抜けるんだ。もうここには戻っては来ないよ」
もう、そうするしかない。もし逆恨みされて皆に被害が遭ってはならないから。もう皆は俺とは関係の無いただの部外者になる。赤の他人だ。俺はこれから放浪人ってわけだ。
「本当に良いのか?ずっと生きてきた、大切な思い出の場所なんだろ?それでも良いのか」
「ゼオル、仕方のない事さ。そうでもしなければ皆に迷惑が掛かるからな。もうマザーには言ってあるよ。エリアさんには言えないよ。だから置手紙を書いたんだよ」
そして俺は机に置手紙を置き俺達は部屋を出る。門を抜け俺は一礼し歩き出す。
明け方~天上院~
「マ、マザー!シ、シレン君が居なくなってます!こんな置手紙が置かれてました」
「そうですか、行ってしまいましたか。あの子も旅立ったのですね。」
「マザー!何を言ってるんです!早くシレン君を探さないと!」
私は急いで外に出ようとするとマザーが静止させる。そしてマザーは私に語りかける
「シレンを探してどうするんです?連れて帰ってくるのですか?」
「そうです!だって冥界なんて危ない所に行かせれる訳がありません!」
「では貴方はその置手紙を読んでも尚、追いかけるのですか?」
私は置手紙を開き読み始める。
「これを読んでる頃には俺は居なくなっているでしょうね」
「エリアさんへ 突然、居なくなってごめんなさい。俺はこれから冥界に行って来ます確か、俺が冥界に行く事をすごく拒んでましたね。あんな危険な場所には行かせませんってお母さんみたいな事言って許してくれませんでしたよね。確かに冥界は危険かもしれない、でも冥界も現世みたいに平和な世界ですよ。それに俺は悪魔を殺してしまった。いつかその仲間が俺を探しに来るかもしれない。その時になってもし俺が居れば皆が襲われるかもしれない。そうなっても俺は全員を助けられない。自分勝手かもしれないけどもう俺は天上院にはもう戻れません。最後にこんな置手紙でごめんなさい。本当は目の前でさようならって笑ってお別れしたかった。俺は天上院が大好きで皆が大好きだ。エリアさんも大好きだった。だからこれからも元気で過ごしていってくださいね。今までありがとうございました。 シレンより」
「シ、レン、く、ん うう」
「シレンは確かに自分勝手な行動をしました。だけどそれは私達を守るために悲しいのを我慢して天上院を去ったのです。私達が出来る事はシレンが無事に居られるように祈ることです。それしかできないのです」
私は分かってた、いつかシレン君が居なくなってしまう事、それでもやっぱり悲しいよ。こんな、こんな形で別れるなんて嫌だよ!
「そうでした。シレン君が貴方にこれを渡してくれと、、」
それはオルゴールと指輪だった。
「このオルゴールと指輪、、シ、レン、くん、ありがとう!!」
一方その頃
今頃、もう置手紙読んでる頃だろうな。マザー渡してくれたかな。あんな別れ方辛いだろうな。でもこれで良かったんだ。
「シレン、どうした?なんで空を見上げている?」
「いや、もう、夜が明けてるんだなって」
俺達はとある学園の目の前に居る。
ー私立駒王学園ー
なぜ、俺達がここに居るのかと言うとこの学園からおかしな気配がするのだ。大きな力が感じられる。
「んじゃあ、ちょっと空間殴ってみるからどいてくれ!」
「空間を殴る!?どうやって!」
「まあ、見てろ!」
ショウは構える。そして大きく踏み込み一気に放ったのだ。すると空間が揺れ殴った場所が割れ始める。
「やっぱりな。思ったとおり、異空間が作られていたとはな」
「ショウ、お前なんでそんなに勘が鋭いんだ?」
するとショウが説明し始めた。
「そういえば言ってなかったな。俺は一応「鬼」なんだよ。父さんが鬼で母さんは天使だったわけ、俺ら鬼は普通よりも勘が鋭くて戦闘経験も豊富なんだ。」
「だから、あんなに強かったのか。納得納得!」
そんな時、ドオォォォン!
「なんだ!?中から爆発音が聞こえたぞ!?よっと!」
俺は空間の割れ目から中に入る。それに続いてショウも飛び込む。俺達はここが何なのか探るため気配を消しながら捜索していたが、ある女達に見つかってしまった。
「お前達は誰だ!なぜここに侵入している!」
「さあ、迷ってしまって出口を探しているんですが見つからないんですよ~」
スンッ!頬を何かが掠める。ああ、これは話は無用って合図か、それとここから早急に立ち去れって事か。するとショウが女を一撃で落とす。俺はそれに便乗するように力を解放し女を掴み蹴りを入れ顔面を殴りつける。すると女達は光に包まれ消えてしまった。すると何処からとも無く声が聞こえる。
「ライザー・フェニックスさまの「
フェニックス?
「おい、シレン!アレ見てみろ!」
そこ居たのはボロボロの青年とその男を庇う紅髪の女、そして近くに金髪の男が立っていた。あの金髪男がライザーで紅髪の女がリアス、じゃああのボロボロの青年は誰だ?そして見続けていると光に包まれ三人は消えてしまった。多分、女のチームが負けてしまったのだろう。俺達が異空間を出ようとすると後ろには気配も感じさせず女性がそこに居たのだ。俺はすぐに分かった。さっきの奴らより何十倍も強いって事に。
「貴方達は何をされているのです?」
「ああ、俺らはただの傍観者だ。戦いを見ていた。だが先ほど女に襲われて倒しちまったがな。なあ、貴方に聞きたい。先ほどの戦いはなんだったんだ?この戦いの意味はなんだ?」
女は歩み寄る。ショウが何かを察知したのだろう。女に向かって走り出し戦いを挑むが力の差は歴然だった。ショウは赤子のようにあやされ倒された。
「まずは、貴方達が何なのか教えてもらいましょう。」
「うむ、それでは教えてやるとするか」
女は驚いているようだ。それは先ほどまで温厚な青年がドスの利いた低い声に変わったのだから。ゼオルが一時的に俺の身体を乗っ取り戦いを始めたのだ。ゼオルは女を圧倒する。それもそのはずゼオルの力は俺やショウでは足元にも及ばないほどの強さだからな。
「そこの女よ、、いや、グレイフィア・ルキフグスよ。お前は元気なようだな。そうだ、旦那は元気にしているのか?」
「あ、貴方はもう死んだはずではなかったのですか」
おっと?なんだこの展開は、それにしてもゼオルが女の事を名前で呼んだぞ!?どういう関係だ?」
「それはそうと、ふむ、娘も大きくなったのだな、あのフェニックスの息子も見ない間にでかくなったが、これはどういう事だ。なぜあやつらが「レーティングゲーム」で争っているのだ?」
グレイフィアさんは俺達に説明を始めた。
話はこのレーティングゲームが開催される十日前に遡る。そしてこの話にはもっと時間が遡る。現在の冥界いや悪魔界はおかしくなっているらしい。確か戦争が昔にありその戦争により純潔の血を持った悪魔達が大勢犠牲になったそうだ。戦争は終わったが堕天使と神とも拮抗状態、奴らとの小さな小競り合いでも純潔の悪魔達は死んでいる。先の戦争により「七十二柱」も半数も残っていない。だから後世に純潔の悪魔が残るようにフェニックス家のライザーとグレモリー家のリアスを結婚させようとした。グレモリー家がリアスの代で潰えるかもしれないからそれを恐れての事だったらしい。だけどリアスは結婚を拒んだ。まあ、そりゃそうなるって話だよな。それを見かねての「レーティングゲーム」だったらしい。リアスが勝てば結婚は破談だが負ければ結婚しなければいけないという博打みたいなもんだったらしい。そして負けた。
「そんな事があったとはな。」
「そりゃあもう決まった事だ。どうしようもない」
二人はこう言っているが俺は聞きたいことがあったんだ。
「なあ、その結婚に娘さんの意思は無かったんだよな?それに反対してたんだよな?ならどうして考えてやら無かったんだ、悪魔界が危ういだの!純潔の悪魔が居ないだの!そんな事で自由を奪うってのかよ!?」
「それは家の総意でもあり旦那様の意思でもあります」
そこに娘の意思は関係ないってかよ!するとゼオルが提案をしてきた。あの青年の所へ行ってみないかとそしてリアス・グレモリーに会いに行ってみるかと
「それじゃあ、一つ聞かせてくれ。その婚約パーティーはいつあるんだ?」
二日後に婚約パーティーが行われるらしい。それなら時間は十分すぎるほどにあるな。
「それじゃあ、俺らはこれで御暇するぜ。また二日後に会おう。」
「待って下さい!貴方はあの事件の、、」
「ええ、あの事件の生き残りそして息子だよ」
シュイン
「シレンこれからどうするんだ?」
「ああ、ある男の夢の中さ」