シレンの目の前には筋骨隆々の大男が立っている。その男の背中には悪魔の羽がついている。そして、その横には同じようにの羽を生やした女が立っている。異空間を作ったのは女のほうだ。
「これがあの事件の生き残り?思ってたよりひ弱そうね。それに仲間も居ないようだから簡単に殺せちゃいそうね。仲間が居たとしてもこの異空間には誰一人入ってくる事は出来ないわ?無理に介入でもすればその介入者は爆発に巻き込まれそのまま死ぬんだけどね~」
「これでお前は死あるのみだな。そうだ、最後に一つ言い残す事は無いか?慈悲深い俺が聞いてやろう」
シレンはクスクスと笑い出す
「死あるのみ?最後に言い残す事は無いか?笑わせんなよ?それはお前じゃないのか?それに俺の仲間はそんなに貧弱じゃないんでな」
パキパキィ パリーンッ!
「よっと!あんな急に爆発が起きるなんて思わなかったよ。たく、俺が鬼じゃなかったら死んでたぜ」
女は驚きの顔をしている。それもそうだ。ショウの身体には傷一つ見当たらないのだショウは二人を見てこう言った。
「ああ、こいつが、あの犯人か、、そこの女も仲間みたいだな。こいつが異空間をつくったのか、、まあいい、あれ位の術式を作れるんだ!相当強いんだろ?」
「ショウ、落ち着け。俺が男をやる、お前は女を足止めしてくれ」
そして目の前から男と女が消える。そう俺達の背後に回ったのだ。俺とショウは同時に攻撃を避け離れる。
「なあ、知ってるか?俺は父さんと同じ能力だって事、そして俺の力がどんな物かをお前は、何も知らないんだ。本当の力を!」
男はショウ以上に力も素早さも格上だ。一撃の重さが半端ない。攻撃を回避だけで精一杯だ。その時だ、後ろから魔術系の攻撃を受ける。
「ぐあっ!」
体勢が崩れた瞬間、男は間髪入れずに攻撃する。一発一発が重過ぎて五発程度で身体がボロボロになっている。
「ふん、口ほどにもないようだな。まあいい、そこで仲間がやられる姿を見ているんだな。仲間が死んだ後、お前もその後を追わせてやる」
シレンは立ち上がる。それは何事もなかったかのように、そして攻撃態勢に入る。
「まだ、立ち上がるか、、ならば貴様から殺してやろう!!」
男の打撃がシレンの鳩尾にクリーンヒットする。だがシレンは身動き一つしない。何も衝撃がなかったかのように、喋りだす。
「やっぱ、こんなもんか。それにしても
男はその場を離脱するがシレンは男以上の速さで先回りし顔面に打撃を食らわせる。それに気付いた女がシレンに火球を放つがすべて魔術で相殺される。
「これはこれは、
女は気配を察知するが時すでに遅し、ショウの直突きが鳩尾に入る。だが耐久力がなかったのだろうか拳が身体を貫通する!貫通した場所からは大量の血そして臓器がべちょべちょとあふれ出す。シレンはそれを見てこう言った。
「だから言ったのに油断大敵ですよ。まあ、そうなってしまっては意味がありませんがね」
シレンの足元に女が倒れこむ。そこには目、耳、鼻、口から血を垂れ流しながらシレンに懇願している。「助けて」と。だがシレンはそれを見てあざ笑った。そして女の四肢を切り離す。
女は叫ぶ。男はこちらへ向かってくる。シレンは女を持ち上げ男の打撃を防ぐ。女からはもう女ではない声が出ている。ぐちょぐちょと溜まっていた臓器がまたあふれ出す。女は白目を剥き出しにしてビクビクと痙攣しながら死んでいる。
「あ~あ、壊れたよ。もう使い物にはならないか。どうだい?仲間が無残に殺される姿は?まあ、少なくとも彼女は関係無かったんだけどさ。仕方ないよな?あんたの女で仲間だったんだ。それに俺達はお前らを殺すぐらいの勢いなんだ。それも覚悟の上だろ?」
「お前は化け物か!?何なんだ!正体を言え!」
化け物、、少なくともそれは違うな
「化け物?いや、違う!俺は悪魔だ!」
俺は今はもう人間でも堕天使でもない!悪魔になるんだ!さあ、もっとだ!お前を壊してやる!
シレンは男を蹴り上げショウが後ろから頭に突きを入れる。男はよろよろと立ち上がる。シレンとショウに怯えているのだろう。
「そう、怯えるな。俺達はあんたを殺しはしない。これの一撃で最後だ。これで持ちこたえれればあんたの勝ちだ」
そう言うとシレンは赤い籠手を出現させる。
「き、貴様!それは、、
「おおっと、勘違いすんな。これも俺の能力でな。さっきの攻撃の強さ、防御の硬さ、素早さ、そして魔力の強さはさっき戦っていた、リアス嬢の部下の
これが最後の一撃だ!!
「これが、父さんと母さんのそしてみんなの想いだぁぁぁぁぁぁ!」
シレンの一撃が男の顔面を捉える、、そして男が吹き飛びそして壁に激突し衝撃が強かったのだろうか異空間が崩れ始める
パラパラッ、、、
男は白目を剥き泡を吹き出しながら痙攣し気絶している。その時だ、、男を何者かが拘束する。そして何人かの男が拘束した男を魔方陣でもどこかに飛ばした。
そして、紅髪の男がシレンの目の前に現れる。
「君がこの男を倒してくれたのかな?」
「ええ、もう一人女が居たのですが、非常に脆く死んでしまいました。そして今日は娘さんをあのように侮辱した事そしてパーティーをぶち壊しにしてしまった事をお詫び申し上げます。サーゼクス・ルシファー様」
サーゼクスはシレンの目の前まで歩み寄り
「顔を上げなさい。君が生きているとはね、、大きくなったね。今まで元気にしていたかい?」
「ええ、4~5ヶ月までは人間として生きていました。それがあの男によって終わりましてね。今では人生が180度変わりましてね、、俺は天界にある母のお墓に手を合わせに行ってあそこに今座り込んで寝てしまっているショウとも出会って、やっと男を見つけて昔の出来事を全部知って、、これで俺の目的は後一つ、、父のお墓に手を合わせる事です。どこにあるかご存知ですか?」
サーゼクスは知っているから着いてきなさいと言いシレンを案内する。ショウは待合室に運ばれて行った。
「これが、、父のお墓ですか」
「ああ、これがお墓だ。遺骨は見つからなかった。すまなかった」
そっか、遺骨は無いのか。でもお墓だけでも合って良かった。こうやって手を合わせる事が出来るんだからさ
その墓にはシレンの父の名前が記されていた
「フェイリ・ディエル」
「フェイリ・ディエル、、これが父の名前ですか、、父さん、これが喋るのは初めてだね。父さんが守った命はここまで強くなったよ。やっと、ここまで来れたよ。でも、もう二人は居ないんだよね。悲しいな、、会話が出来ないなんて、、思い出も無いから」
シレンの目から涙が溢れ出す。寂しさそして家族が居ない悲しさが涙の理由だろう。
「シレン君、今は悲しいかも知れない。だが君の両親は君がここで立ち止まる事を望んではいないよ」
「そうですね。父さん、俺を育ててくれてそして守ってくれてありがとう」
そしてシレンは歩き出す。父の墓を背に向けて
~2日後~
「今日までありがとうございました。本当にお世話になりました」
「そうだ、シレン君、ショウ君、君達はこれからどうするんだい?なにか宛があるのかい?」
シレンは首を横に振る。ショウも同じだ
「いえ、それはまったく無いんですよね。高校も途中で中退してしまったわけですが」
「そうだ。だったら、君達に良い話があるんだが聞いてみるかい?決めるのは君達だ」
そして二人は話を聞いてみる。
「・・・と言うことだがどうする?」
「まあ、目的も無く過ごすよりも」
「目的をもって過ごした方が良いしな。俺は賛成します。シレンは?」
「それじゃあ、その話お受けしますよ」
~そのまた2日後~
その日兵藤一誠はいつも通りの生活を送っていた。いつもの学校、いつもの風景、だけど一つ違う事がある。それは今日この駒王学園に転校生が来るそうなのだ。それも2年生で二人もだ。男子は女子が転校してきたんだと期待したが、、その夢は儚く散った、二人とも男子生徒だからだ。
「じゃあ、紹介するわね。入ってきてもいいわよ」
先生の合図と共に転校生は入室してくる
「失礼します」
その男子生徒に一誠は見覚えがあった。それは5日前に出会った。青年だった
「じゃあ、自己紹介をしてくれる?」
「はい、どうも、今日からお世話になります。龍守シレンと申します」
シレンは微笑を全員に向けた