幻想郷を支配?…いや無理だろ   作:KAGENARI

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第14話 戦闘終結

「俺が合わせる。騎兵ちゃんの全力を叩きつけろ」

「了解っ!」

 

返答と同時に騎兵ちゃんの乗馬が八雲藍に向け突進、俺も高速飛行で追随する。当然の様に迎撃の弾幕を展開されるが、騎兵ちゃんは騎兵刀(サーベル)で突撃の妨げになる弾だけ打ち払い猛進する。俺はそのすぐ後方から雷撃魔法を無詠唱で乱発することで乗馬の突進を援護しつつ、一瞬の隙を逃さぬよう拳銃(ベレッタ)を八雲藍が意識できるように構える。

 

「軍馬を社殿に乗り込ませるわけにもいかない、情けはかけんぞ」

 

そう言葉を紡ぐと同時に、少将を葬ったレーザーに似た光線を騎兵ちゃんの乗馬に向け4連射する。だが騎兵ちゃんもとっくに覚悟を決めており…!

 

「はっ!」

「む?」

「そこだ!!」

 

騎兵刀(サーベル)を投擲しつつ乗馬から飛び立ち、俺と並んで飛行魔法で突撃を続行!どうやら神社の損傷は徹底的に避けたいらしく、光弾を集中させて騎兵刀(サーベル)を撃ち落としている。つまり実弾なら回避しない可能性があると踏んで俺も眉間と心臓、腹部を最速の3連射で狙う!!

 

「わたしだって!」

「いい連携だ、もっと多い数だったら神社の被弾までは止められなかっただろう」

 

乗馬が倒れ伏したことも意識せずに、俺に続けて騎兵ちゃんも拳銃(ベレッタ)を連射!しかしだいぶ距離を詰めているにもかかわらず、正確無比な迎撃弾で俺と騎兵ちゃん双方の銃弾はあっさり撃ち落とされる。それでもここまで距離を詰められたなら!!

 

「近距離電撃魔法」

「風よ吹き飛ばせ!!」

 

威力重視の魔法を二人がかりで同時に放ち、近距離で残弾を撃ち切る!!当たらないなら近付けばいい、威力も至近の方が上がる!

だが、それは相手も同じことで。

 

「ここまでだ。

 お前たちを捨て駒にした者は、我々が責任をもって始末しよう」

「―――!!」

「あ…」

 

袖に入れたままの両手を初めて出させた、その点だけは健闘できた証拠だろう。

だが、その右手による手刀の一閃で俺の首は体から転がり落ち。声も出せぬまま最期に入った視界には、左手から放たれた閃光の中に消える騎兵ちゃんの姿が入っており。

そのまま俺の意識は闇に落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…間に合わなかったようね」

「くっそお…先に霊夢と話すべきだったぜ」

「つまらんな、こうも簡単に片付くとはね」

 

博麗神社に着く前に、アリスの拾った反応が急速に消えていったらしい。なにより一度萃香が巨大化してたのは私でも見えたからな…そのタイミングで私も慌てて滅多に使わない探知魔法を広げたんだが…一番強力な反応一つだけ残して、中佐に似た魔力反応が消滅していったぜ。

 

だがレミリアもここまで飛んできた以上引き返す気はないらしく、博麗神社まで足を延ばす気はあるようだった。だから3人揃って博麗神社境内に降り立ったわけだが。

 

「何よこんな時間にあんたらは。あの変な奴らに関わってたわけ?」

 

戦闘は終えてるがまだ一人無力化して残してるからだろうな。まだ異変解決モードの霊夢で突っかかってきたぜ。

だが今に関しては霊夢より話を知ってるだろう奴が、珍しく出向いてる。だから私は霊夢じゃなく紫に聞くことにした。

 

「おい紫、さっきまで暴れてた中に中佐って男がいなかったか?」

「っ!」

「…そういうことか。彼はすでに住民と接触していたのだな」

「藍が相手してくれてた彼のことかしら?」

「はい、援護に回った騎兵が中佐さんと呼んでいたので間違いないかと」

 

その言葉にダルマにされて地面に放り出されてる女が軽く反応し、藍も踏み込んだ言葉を返してきた。

そして紫は相変わらず余計なことを私らに知らせる気はないらしく。

 

「それじゃ藍から聞きなさいな。私は総司令官の()()から情報を引き出す仕事が残ってるから」

「はい、お任せください紫様」

「待て八雲紫、聞きたいことは山ほどある」

 

そうレミリアが実力行使で紫を引き留めようと動いたが一瞬遅く、スキマを開いてダルマ女と紫だけ逃げやがった。相変わらず逃げ足の速いやつだぜ…!

 

「中佐と交戦し討ち果たしたのは私だ。だが私も彼に対していくつか違和感を覚えてな…話を聞かせてもらえるか?」

「…そう。惜しいけれどここを襲撃した以上、仕方ないわね。

魔理沙、私は聞いていくわ。どうするの?」

 

討ち果たした………か。

…ほんと、残念だぜ。

 

「…私も聞いてくぜ。最初に見つけたのは私だしな」

「そうね、ここまで出向いて収獲無しは癪だわ。聞けるだけの話は聞かせてもらうわよ」

 

私も頷いてレミリアもそのつもりらしい。まあとりあえず…私が持っててももう意味がないのを押し付けちまうか。

 

「とりあえず、これを渡せば私たちがどこまで知ってるのかわかるよな?」

「…成程な。中佐が人間ではないことを理解できていたことに関しては、魔理沙たちが噛んでいたと」

「私は無関係よ。話は先に聞いているけれど、私は軍人将棋って初めて聞いたボードゲームに興味があってここに来ただけだわ」

「私を無視するなんていい度胸…と言いたいけど。なに?私より先に動いてたの魔理沙は」

「午後に私が報告した拳銃も中佐の仲間のモノだったのよ。先にというより同時多発した異変になるようね」

「橙!」

 

私が持ち歩いてた軍人将棋の駒を全部藍に差し出すと、そこまではあっちも理解できていることがわかった。そのまますべての駒を受け取ると、藍が一声かけてその式神がすぐ隣に出てくる。

 

「なんでしょうか藍さま?」

「魔理沙から回収した分だ。足りないのはどの駒だ?」

「確認しますね、ちょっと待ってください!

あうんー!一度数えるよー!」

「はいっ!今戻ります」

「藍様、こちらを」

「む、湖にも落ちていたのか。ご苦労、玄」

「では失礼しますぞ」

 

どうやら核だった駒を橙とあうんに集めさせてたみたいだな。ひっさしぶりに昔霊夢を背中に乗せてた亀まで出て来て駒を渡してるあたり、それなりの人数で突っ込んだわけか。

ってか、先にこれ言っておかねえと。

 

「藍、私と中佐で片付けた中で少尉の駒は慧音に預けっぱなしだぜ。一つでいいから証拠品として置いてけって言われてな」

「そうか、報告に感謝しよう。橙、どうだ?」

「藍さま、全部で24枚あります!

足りないのは、大将・中佐・中尉・少尉・騎兵・軍旗・地雷が1駒ずつです」

「何?

騎兵の片割れを見つけたのはどちらだ?」

「あ、私です」

「中佐と騎兵は社殿前で私が同時に討っている。中佐以外の6駒は紫様が確認した数から逆算するとここには無い、社殿近辺を橙と共にもう一度よく探せ」

「はいっ!」「わかりました!」

「上海、蓬莱。あの二人を手伝いなさい」

\シャンハーイ/\ホラーイ/

「助かる。礼を言っておこう」

 

そう元気よく返して橙とあうんが社殿の方へ駆け、その後ろにアリスの人形2体が付いて行った。

…中佐の駒は私がもらおうと思ったが、今すぐはちょっと難しいかもな。

 

「魔理沙の持ってきた駒を含めても、少なくとも4駒はまだ残っているはずだ。この4駒で片方分の数は揃う…軍旗と地雷は階級ではない点を考慮すれば、まだ移動できる可能性があるのは中尉と騎兵だな」

「待て、軽く聞いたが飛行機の駒もあるのだろう?タンクはともかく飛行機を模した魔力物質であれば、私がここに向かう途中で視認できていないのはおかしい。どういうことだ?」

「ヒコーキの駒は紫様と私、加えて隠岐奈様とその二童子で出現した直後に撃墜している。知識を持った状態で幻想郷に移住したレミリアはともかく、他の住民にはまだ存在を広めたくない外界の建造物だからな。時間としては今日の朝方になる」

「は?紫も藍もなんで私にその話をしてないのよ」

「ヒコーキ以外の兵器、タンクと地雷なら目撃されても問題ないと判断したからだ。霊夢に隠したのではなく、一般住民に対して隠した。これで納得できるな?」

「戦車が良くてヒコーキ?はなんで駄目なのよ」

「霊夢は里香を覚えているか?彼女によって戦車の存在は人里の住民にもそれなりに知られているから目撃されても問題ない。だが飛行機はまだ人里に情報が回っていないからだ」

「…気に入らないけど、まあいいわ。

私はまだ聞かなきゃ駄目?どうせ紫が連れてったのもいるんだし、後でまた話すなら無駄な時間だわ。お茶でも飲みたいんだけど、萃香はさっさと飲んでるし」

「そうだな、後で紫様からの話をしっかり聞くなら構わない。

ただ一つだけ先に確認する、霊夢が戦った中に回復魔法の使い手はいたか?」

「はあ?

…少なくとも私は見てないわね。もういいでしょ、私は先に休むわよ」

「ああ。お疲れ様、霊夢」

 

それだけ言って霊夢はさっさと帰って行ったぜ。まあ、余計な口を挟まれるよりはいいか。

 

「…腑に落ちないわ。飛行機なんて駒としても戦力としても有用なイメージがあるのだけど。

たしか飛行機に勝てる駒は将官だけって言ってたわよね?」

「ええ、私もレミリアに同感ね。戦力の使い方が下手としか思えない…このあたりどうなのかしら?」

「そこも含めて紫様が総司令官に尋問している。私だけでなく紫様もヒコーキの駒の使い方は不自然に感じ、その理由に見当が付かなかったのでな」

「それなら紫に期待するしかないぜ。

でも藍が今の時点でそう言うってことは、中佐たちの裏にいる黒幕の手がかりはまだ何も無いってことか」

「そういうことだ―――紫様、どうかしましたか?」

 

話の途中で藍が紫の名前を出したと思ったら、念話か何かしてたらしい。早速情報を引き出せたみたいだぜ。

 

「軍旗と地雷の位置を引き出せたそうだ。私はこれからその処理に向かうが、どうする?」

「…私は藍についてくぜ。中佐のことをもう少し聞いておきたいからな」

「私は帰る。八雲紫がまだ尋問中なら大したことは聞けないだろうしね。

後で詳細を話しに来い。なんならお前の式神あたりでも構わん」

「それなら私が聞いてから紅魔館に行ってあげるわ。パチュリーに確認したいことが少しあるのよ。

藍が回収した後ここに戻るのなら、中佐の駒探しを手伝っておくけれど」

「頼んでいいかアリス?橙だけでなくあうんにも情報を渡しておきたいからな、一度はここに戻る」

「ならいいわよ。魔理沙、さっさと回収して来てちょうだい」

「ああ、行ってくるぜ。藍、案内頼む」

「そうだな。人形遣い、どうせ来るならもう一人麻雀を打てる者を連れてこい。私と美鈴に付き合え、話のついでにな」

「…私はそれほど交友関係が広くないのだけど。

まあいいわ、心当たりには聞いておく」

 

こういうことになって一度解散することになったぜ。

…中佐の仇は藍だが、仇討ちするべき相手は別にいる。黒幕を探し出さねえとな…!

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