小賢しミラ子の借り物競走【完結】   作:帝都造営

31 / 64
第31R 4回京都6日目11R

 

 クロノジェネシスにとって、ヒシミラクルはちょっと……わりと……すごく変わり者の先輩である。

 

 

 努力は怠らない。ただしマイペースの範疇で。

 自己分析は正確。ただし周りと比較する形で。

 

 

 そして目標は控えめなくらいに堅実で、そのゴールは明確――――「歴史に名を残す」なんて(かなりフンワリした)到達点(ゴール)を掲げて走っている自分とは大違い。

 

 

 

 そんな彼女が、菊花賞に登録した。

 かなりきわどい抽選を突破して枠番を割り当てられた。

 

 

「(私は間違いなく、歴史の一幕を目にしようとしている)」

 

 

 それはクロノジェネシスにとってもはや確信だった。

 はわぁ~今年どころか一生分の運勢使っちゃったかも! なんて言っていた彼女の姿はない。

 新品の匂いだねぇ~、なんて言いながら勝負服の梱包を解いていた彼女はもう存在しない。

 

 ここにはひとり――――G1の大舞台に挑む競走ウマ娘がいる。

 

 

「クロノちゃん」

「はっ、はい」

 

 裏返りそうな声をなんとか抑える。

 走りもしないのに心臓がドクドクと脈打っている。

 

 分の悪い勝負なんてものじゃない。

 客観的なポジティブ要素なんてほとんどない。

 

 それでも、彼女は。ヒシミラクルは。

 

「……ごめ、手が震えちゃってさ。ホックつかないや」

 

 にこりと、すこしだけ()()()()()笑みで。

 

「お手伝いします。喜んで」

 

 

 


URA日本中央ウマ娘競走会

 菊花賞 GI

10月20日(日) 15:20発走

京都11R 芝外3000m 右回り

 

出 走 者 一 覧

1

00

1

00

サンキューマッマ14番人気・先・・

― ― ― ― ― ― ―3-1-3-12

00

2

00

ヒシミラクル10番人気・・差追

― ― ― ― 注 ― ―3-1-1-4

2

00

3

00

シズカナルフワフワ5番人気・先差・

△ ― ― ― ▲ ― ―3-0-1-3

00

4

00

ヘリオスポイント17番人気逃先・・

― ― ― ― ― ― ―2-1-1-6

3

00

5

00

メインアタッカー18番人気・先・・

― ― ― ― ― ― ―2-1-0-3

00

6

00

ノーリーズン1番人気・先差・

◎ 〇 ◎ ◎ 〇 △ ―3-1-0-2

4

00

7

00

スローナガシノ16番人気・・・追

― ― ― ― ☆ ― ―3-2-1-5

00

8

00

ダンツストロベリー9番人気・先差・

― ― ― △ ― ― ―3-3-1-2

5

00

9

00

インターナショナル8番人気・先差・

― ◎ ― ― ― ― ―2-1-1-1

00

10

00

カワノサンシェード7番人気・・差・

― △ ― ― ― ― ―2-2-1-4

6

00

11

00

サーベルオレ11番人気・先・・

― ― ― ― ― ― ▲2-1-2-4

00

12

00

ローザスリングエン4番人気逃・・・

☆ ― 〇 ▲ △ ― ―4-1-1-3

7

00

13

00

ブルドンコイントス13番人気・先差・

― ― ― ― ― ― 〇2-1-0-3

00

14

00

テラストリーム3番人気逃先・・

▲ ― ▲ ― ◎ ▲ ◎3-3-0-8

00

15

00

ハイカブリガール15番人気逃先差・

― ― ― ― ― ― ―3-0-1-3

8

00

16

00

キングオブジェンガ6番人気逃先・・

― 注 ― ― ― 〇 ―4-0-0-3

00

17

00

ネルネルアルゼンチ12番人気逃先・・

― ▲ ― ― ― ― ―2-2-1-3

00

18

00

マキシマムフワフワ2番人気・先差・

〇 ― △ 〇 ― ◎ △2-1-1-0

ウマ

出 走 者 名

人 気

脚 質

全 戦 績

記 者 予 想

逃先差追

1-2-3-外

 

 

 

 

 

1

1

サンキューマッマ

14番人気

・先・・

3-1-3-12

― ― ― ― ― ― ―

2

ヒシミラクル

10番人気

・・差追

3-1-1-4

― ― ― ― 注 ― ―

2

3

シズカナルフワフワ

5番人気

・先差・

3-0-1-3

△ ― ― ― ▲ ― ―

4

ヘリオスポイント

17番人気

逃先・・

2-1-1-6

― ― ― ― ― ― ―

3

5

メインアタッカー

18番人気

・先・・

2-1-0-3

― ― ― ― ― ― ―

6

ノーリーズン

1番人気

・先差・

3-1-0-2

◎ 〇 ◎ ◎ 〇 △ ―

4

7

スローナガシノ

16番人気

・・・追

3-2-1-5

― ― ― ― ☆ ― ―

8

ダンツストロベリー

9番人気

・先差・

3-3-1-2

― ― ― △ ― ― ―

5

9

インターナショナル

8番人気

・先差・

2-1-1-1

― ◎ ― ― ― ― ―

10

カワノサンシェード

7番人気

・・差・

2-2-1-4

― △ ― ― ― ― ―

6

11

サーベルオレ

11番人気

・先・・

2-1-2-4

― ― ― ― ― ― ▲

12

ローザスリングエン

4番人気

逃・・・

4-1-1-3

☆ ― 〇 ▲ △ ― ―

7

13

ブルドンコイントス

13番人気

・先差・

2-1-0-3

― ― ― ― ― ― 〇

14

テラストリーム

3番人気

逃先・・

3-3-0-8

▲ ― ▲ ― ◎ ▲ ◎

15

ハイカブリガール

15番人気

逃先差・

3-0-1-3

― ― ― ― ― ― ―

8

16

キングオブジェンガ

6番人気

逃先・・

4-0-0-3

― 注 ― ― ― 〇 ―

17

ネルネルアルゼンチ

12番人気

逃先・・

2-2-1-3

― ▲ ― ― ― ― ―

18

マキシマムフワフワ

2番人気

・先差・

2-1-1-0

〇 ― △ 〇 ― ◎ △


 

 

 

 

 

 京都レース場。パドック。

 スタンド越しに聞こえるのはわずかな歓声。

 番組表に基づくなら、今はちょうど京都10Rが発走したところ。

 

 もっとも今日に限っては、レースを無視してでもパドックに居座る観客は多い。

 

「トレーナー」

 

 そこで声をかけられた男、名義貸しチーム〈クエーサー〉のトレーナー。

 彼が振り返った視線の先には……サングラスに帽子、真っ黒なウィッグに尻尾隠しカバンまで備えた教え子の姿。

 

「徹底してるな」

 

 ゆえに、トレーナーも彼女の名前は呼ばなかった。

 彼女の配慮に、水を差さないように。

 

「今日はミラクルが主役でしょう? ()()()()()黒子になってあげる」

「『ハートリーレターの友達(ライバル)』が霞まないように?」

 

 トレーナーの問いに、沈黙をもって肯定とするサングラスの教え子。

 教え子の競走名は、アーモンドアイという。

 

「それで、ミラクルの調子はどうなのかしら」

「どうだろうな」

 

 それは担当トレーナーとしてはどうなの?

 そんなアーモンドアイの視線に、トレーナーは肩を竦める。

 

「本人は『かんしゃく』と言っていたからな。明確に勝つヴィジョンがあるとは……」

「――――いえ。ミラクルさんは勝ちます」

 

 割り込んできた声。

 

「クロノジェネシス学生。ヒシミラクルの帯同ご苦労さん」

「いえ。こちらこそ貴重な機会を頂きありがとうございました」

 

 やけに大げさなお礼をするクロノジェネシス。

 彼女はかみしめるように、まだ無人のパドックを眺める。

 

「……私、これまで『ドラマ』としての想いしか知らなかったんですね」

 

 

 ウマ娘は想いを背負って走る。

 

 それは例えば、難病の子供に捧げられた勝利の栄光。

 それは例えば、災厄に悩む世間を励ますような三冠。

 

 

 ――――背負うモノが大きければ大きいほど、その軌跡(はしり)は輝く。

 

 

「レースは歴史。レース場は物語が紡がれる劇場……」

 

 でも、当事者でなければ。

 それは『ドラマ』にすぎません。

 

 クロノジェネシスが拳を握る。

 悔しそうに唇を結ぶ。

 

「ミラクルさんに、かける言葉が見つかりませんでした」

「そうか」

 

 トレーナーはそれだけ言って、パドックを見つめる。

 隣で静かに祈るカレンブーケドールの背に、手を添えて。

 

 

「全バ無事に走りきるのを、見届けよう」

 

 

 

 


 

 

 

 

 唾を飲み込んだら、ノドの奥がイガイガする。

 

 

「……3000メートル、かぁ」

 

 誤魔化すように口にした言葉で、分かりきっていた事実が突きつけられる。

 当たり前なんだけれど、こんな長距離走ったことないんだよなぁ……。

 

 周りを見るのがやめられない。

 ゲート前に待機しているウマ娘たち。私以外の17人。

 

 たしか私と同じ3勝クラスは、全部で3人だっけ?

 抽選対象になった3勝クラスが8人って聞いたから、もう50%以上の確率は引いちゃってるんだよね。これだけでもかなーりミラクル。

 

「(それにしても、うわぁ……)」

 

 みんな自信ありそうだなぁ……神戸新聞杯で見た顔もいっぱい。

 クリスエスちゃんは天皇賞を目指すとかでいないけれど、別にクリスエスちゃんがいなくても順位が一個繰り上がるくらいしか意味ないんじゃ?

 

 スターターに係員さんが登っていく。

 あー、やば。始まっちゃう感じ?

 

 発走を報せる赤旗が振られて。ファンファーレと手拍子が聞こえて。

 そうだよね。これは始まっちゃうやつだ。

 

「ゲートインお願いしまぁーす」

「ゲートイーン……」

 

 係員さんたちがゲート入りを促す。

 今日の私は1枠2番。かなりの内枠。

 

 あ~やば。いつもどおり狭いよゲート。

 前の扉は閉まっていて、後ろの扉がガチャンと閉められる。

 

 周りの音が聞こえなくなってきて、大きくなっていくのは心臓の音。

 えこれマジで私の心音? 3000メートルどころか0メートル地点でバクバクいってる。

 

 うわ、本当に始まるんだ。

 あとどれくらいかな。

 外枠のゲート入りが終わったらだよね。

 

 あーやば。血の気引いてきた。今度は逆に心臓とまりそー……。

 静かになって、静かに音が引いていって…………。

 

「(たぶん、そろそろ)」

 

 

ガコンッ

 

 

 始まった。

 ゲートが開く、目の前に広がる秋の空。

 パッと一斉に飛び出す18人。

 

 目の前にはすぐ第3コーナー。やっぱり今回も先頭(ハナ)を狙ってくる⑫ローザスリングエンが外側からやってくる。スタート直後の坂道もなんのその、前に出て外からスッと入ってくる。

 陸上競技と違ってレーン分けされていないレースは常に最内枠の奪い合いだ。次から次へと逃げ先行のウマ娘がインコース狙いでやってきて、たちまち私の前に壁が作られる。

 

 京都レース場の第3コーナーはガクッと下り坂。意識しなくてもペースが速くなりそうだけれど……ここで全体に見えない急ブレーキがかけられる。

 序盤も序盤、ここでハイペースになろうって子はいないよね。

 

 第3コーナーと比べたら信じられないくらいに緩やかな第4コーナー。

 逃げ集団が気持ち加速、釣られる先行。でも私はそのまま、そのまま……内枠(②の)有利は捨てず、体勢を維持。

 

 そしてスタンド前。お客さんたちの大歓声。

 もちろん私を呼ぶ声なんて聞こえない。

 

 ハートちゃん、観に来てくれてるかな。

 お父さんお母さんからは「ついたよ!」ってLANE来てたけれど、混雑してるお店の列に引っかかってくれていないかな。

 

 だってさ、私いまヒドい顔してると思うんよ。

 

 

『一番人気不在の菊花賞となりました1回目のホームストレッチ先頭は⑫ローザスリングエン2バ身開いて④、⑮、⑪の内に⑤メインアタッカー……――――』

 

 

 直線が、目の前の壁をゆっくり引き延ばしていく。

 逃げと先行が分離して、バラバラになっていく差し集団の後ろに私。

 

 うーん。いくら内枠有利ていってもこのままじゃ間に合わなそー。

 てか差し集団にペースメーカいる感じかな?

 

 第1コーナーに差し掛かる。

 全体が迷うように緩やかなペースになっていく。

 

 なにが正解か、なんて。

 たぶん、誰も分かっていない。

 

 ここにいる全員が芝3000に何が求められるのかよく分かってない。

 だったらきっと、考えたら負けだ。

 

「(覚悟決めろっ! わたし!)」

 

 脚を一回し、ぐんと加速するのと同時に身体に降り掛かる遠心力。

 それをそのままに、身体1個分外に持ち出す。

 

『⑱マキシマムフワフワの後ろ⑬から詰まって⑧ダンツストロベリー外に②ヒシミラクル前に出る』

 

 第2コーナー。内ラチの向こう側に見えるのは先頭集団。

 後ろに一瞬視線を向ければ、わずかに見える差し追い込み集団。

 

『その後ろ⑨インターナショナル⑦スローナガシノ⑩カワノサンシェードとなっております。先頭に戻りましてローザスリングエン快走だ向こう正面……――――』

 

 

 ――――ヒシミラクルは典型的な長距離走者(ステイヤー)だ。

 ――――じゃあ私の距離適正って何メートルなんです?

 ――――わからない。

 

 

 わからないなら、やってみるしかない。

 向こう正面で、前へと進出。

 

 

『三角まえの坂にバ群が縮まるローザスリングエン先頭ハイカブリガール追走サーベルオレ前に出るかその後ろにどうやらテラストリームにサンキューマッマとネルネルアルゼンチ、大きく前に出たヒシミラクル掛かったか』

 

 そうだよ。私はいま焦って(掛かって)るんだ。

 なんとかしてここで勝たなきゃって必死なんだ。

 

 だって、ハートちゃんはもうすぐ学園を辞めちゃう。

 チームメイトでも、同級生ですらなくなって。

 本当に私と違う世界の子になっちゃう。

 

 ひとり、ふたり、さんにんと追い抜いたところで、坂が終わる。

 ここから第3コーナー、急カーブに下り勾配。京都レース場の淀の坂。

 

 あー……追い抜きやすいところが終わっちゃった。

 まだ逃げどころか先行も追い抜けてないんだけれど。

 

 流石にこの差は開きすぎ……?

 いっそのこと第3コーナーで仕掛けるべき?

 

 いやいや! 落ち着けー?

 どう考えても速すぎだから。すでに結構脚使っちゃってるから。

 

 まあ、脚使わなくても坂道で加速できると踏んで、こんな早仕掛けしてるんだけれど……。

 

 ――――3戦目のあがりが34.9秒ですね。

 

 

 ……いや、てか私。めっちゃ遅いんだよなぁ。

 ここで呑気にしてて、勝てるわきゃない。

 

 じゃあ、どうするの?

 脚使っちゃってるのに?

 第3コーナーは下り坂なのに?

 

 

 ――――勇気と蛮勇は違うんだよぉ?

 

 

 そうだよ。そんなことロンも言ってたっけ。

 てか、それを無視して〈クエーサー〉の扉を開いたんだよね。わたしってば。

 

 

 ――――骨は拾ったげる!

 

 

 でも、ハートちゃんも、ロンも。ついてきてくれた。

 

 

 ――――なんかミラ子楽しそうだねぇ。

 ――――順応してるねー。

 

 

 2人だって、全然チームに馴染んでたのに。

 

 

『⑫ローザスリングエンここまでか14ッ! ⑭テラストリーム仕掛ける先頭へ!』

 

 ええい、ままよ!

 

『ヒシミラクル続くカワノサンシェード! 後続も一斉に動きます四角大詰めだ!』

 

 

 コーナーを曲がりきる。

 最後の直線が、大歓声のスタンドが!

 

 

 ――――その僅かにむこう、背中が見える。

 

 

『テラストリーム! テラストリーム最初に突っ込んできた半バ身ヒシミラクルとカワノサンシェード、ローザスリングエン沈む外からシズカナルフワフワ!』

 

 

 あと、半バ身。

 

 

「かっ――――」

 

 

 その背中が、あんまりに遠くて。

 息が詰まって。

 

 ――――レースに真摯に向き合えないものに、最終直線での粘りは出ない。

 

 いつか聞いたトレーナーさんの言葉が、甦る。

 

 

『外からスローナガシノいっきにまくる、まくる!』

「きたきたナガシノ!」「うわ誰だよお前ッ!?」

『テラストリームまだ残す栄光まで300メートル!』

「テラストそのまま!そのままッ!」「ミラ子ッ!」

『ヒシミラクルは伸びるかッ、カワノサンシェードこない!』

「差せッ!」「残せ!」「変なの、変なのキタキタキタ!」

「ローザスッ!ローザス差し返せ差し返せ!」「いけいけ!」

「フワフワもう少し!もう一息!」「テラスト!」「頼む!」

 

 

 

 ああ、すごいなぁ。

 これがG1レースなんだ。

 

 レースのことばっかり考えて、毎日欠かさずトレーニングをして。

 それをずっと積み重ねてきたウマ娘たちが集まる、トゥインクル・シリーズの最高峰。

 

 

 ――――私らさ、このまま立ち止まるのだけはダメだよ。

 

 ――――……え、やば。勝った感じ全然しない。ドッキリ?

 

 ――――いやいやいやっ、勝ってる、勝ってるってホラ!

 

 

 私も、いっぱい努力してきたんだよ。

 ハートちゃんもロンも、努力してきたんだよ。

 

 でも、ああ。

 あとちょっとが、こんなに遠い。

 

 

 ――――レースにおける主体性のなさ。

 

 

 やっぱ、まわりに合わせすぎたかなぁ。

 

 

 ――――G1(ここ)まで上がってこい。

 

 

 あーあ、買いかぶりだよ。私が私に買い被り。

 ハートちゃんの同級生をG1ウマ娘にするなんて言っちゃってさ。

 

 本気でトゥインクル・シリーズの頂点(てっぺん)にいけると思ってるの?

 

 

 

 ――――いけるさ、どこまでも。

 

 

 

 うん、そうだよ。

 それでも私は、私に期待したんだ。

 

 トレセン学園の普通にくらいにならいけるって、いこうって。

 

 踏み込んで、蹴り出して。

 少しでも、一歩でも。前に。

 

 先頭めがけて、背中を追い抜いて。

 

『ヒシミラクル、スローナガシノ並ぶッ!』

 

 隣にウマ娘の、気配がして。

 ああこれは――――差されちゃうかな、なんて。けど。

 

 

「ミラ子っ!」「ミラクル!」「ミラクルさん!」

「最後までやりきれ、ヒシミラクル」

 

 

 ほんの少し、ちょっとだけ。

 前に出られた、ような気がした。

 

 

 

 

 

 

『ヒシミラクルかっ、ヒシミラクル! いま1着でゴール……!』

 

 

 

 

 

 

 

 




私の蹄跡
『菊花賞のベストショット』

こっちがトロフィー授与式の時ので。ほら、見て下さいガッチガチでしょ?
初めての重賞制覇だったもので。緊張しまくっちゃって。

だから、やっぱり想い出の一枚はこっち。
実はコレ、ネットの拾いものなんですけれど(笑)

競走が終わってすぐのウイナーズサークル。そうそう、この真ん中のが私。
で私をもみくちゃにしてくれてるのが、短距離のハートリーレター()()と障害競走のビロンギングス()()――――私のライバルで。わたしの友達なんです。

ヒシミラクル(■■■■■・元競走ウマ娘

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