普通に叡智でズボラで普通に強いお姉さんがプロガンのパイロットは駄目ですか?   作:単眼駄猪介

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後で色々ガバッてたのを見て直すのは困難なので、とりあえずレナからの褒め言葉と感謝バフで微強化入った事にしたい疲労状態で書いてたアホ作者です。
早速ガバやらかしても初代の内容は終わらせたい作者です。
でもよく見たら別にそこまで描写してないなって修正してもあんま変わらない事に気付いて俺の心に羞恥心なアホです。

そんな訳で次こそはガバらないように初投稿です。
一応、劇場版をベースにしてますがTV版の内容もブチ込むかも。



第3話 ハローアメリカ

 

ガルマ・ザビの攻撃から時間は経ち、現在ホワイトベースはジオンの監視を受けながら移動を続けていた。

そしてホワイトベースの艦長室で、ブライトとレナがガンダムの戦闘映像を鑑賞しながら談義していた。

 

「天才、か」

 

「そうとしか言えねぇだろ。アタシにアレを思い付けって言われても絶対思い付かない」

 

映像に映るのはジャンプを駆使してドップを撃ち落としていくガンダムの姿。

時折切り替わってガンダムのカメラがとらえた映像も流れるが、一ヶ月も戦っていない少年にこんな事ができるなど、天才以外の言葉があるはずも無い。

 

「ですが、おだでて彼を調子付けるのは良くないでしょう。油断や気の緩みで死んだら、私はテム大尉に顔向けできません」

 

「それはアタシだって同じさ。でもこのまま戦意を喪失したままってのもこれからの戦いを考えると避けたい事態だ。少なくともアタシ一人じゃシャアに勝てねぇ」

 

二人の話の中心はアムロだった。

サイド7からずっとガンダムのパイロットを担当してきた民間人の子供だが、大部隊による攻撃から帰還したアムロは次の日にはリュウが燃え尽き症候群*1にかかって完全に戦意を喪失して機械いじりをしていたアムロを彼の自室で発見したのだ。

まあ、度重なる戦闘でゆっくり休憩や熟睡なんて一つもありはしなかったのだ。

軽度の睡眠障害も患っているらしく、流石に艦長代理のブライト相談しなければならないと、レナはこうしてブライトと話しているわけである。

 

「いざという時は引っ叩いてやる気を起こすのも手か…本当は、後輩のアンタにやらせたくないんだけどな」

 

「ハハハッ……不良軍人だの大人ガキ大将と士官学校時代の貴方の悪名を考えれば、そんな事を言う貴方の事が今も夢じゃないか疑ってますよ」

 

「コノヤロ、アタシの黒歴史を掘り返すな」

 

ブライトの脇を軽く小突くレナ。

突かれて呻くがそれはそうと、と話をそらすブライト。

 

「レナ中尉も敵への肉薄が素早いですね。フィールドモーター*2のおかげでしょうか…?」

 

「流体パルス、しかも戦争初期からあるザクII*3と連邦の最新鋭機で比べるのはちょっと酷だろうが、まあ圧倒的にガンダムの性能のおかげだな」

 

「それだけなんでしょうか…」

 

普通は軍人としての教育で唯一の武器である銃で殺す事を無自覚に執着、それとも怠惰故だろうか?

とにかく銃で倒そうとしがちである。

特に歩兵として、スナイパーとして最優秀と評価されたレナ・ウルレドもそんな癖が染み付いてしまっている筈だが……

そんな考えを張り巡らせるブライトだが、パイロットが本職ではない自分に分かるはずもない、と途中で思考をやめた。

 

「しかし、いつの間にか中尉とは…軍曹から偉い出世ですね」

 

「連邦で史上初のモビルスーツを任される以上、軍曹では外聞が悪いってワッケイン司令が繰り上げたんだよ。おかげで尉官の教科書放り込まれてまた勉強漬けで嫌な話さ」

 

ブライトの話題の変更で階級の話になり、レナは嫌な記憶を思い出し苦虫を噛み潰したような顔をする。

同年代の男をほぼ同じ身長とはいえ、筋力で劣る女性でありながら襲いかかる男をぶん殴っては放り投げ、金玉を蹴り上げては顔面にラリアットをくらわせ、止めに入った教官にジャーマンスープレックスをかました暴君が実に落ち着いた雰囲気になったな……と、かつて傍観者として見ていた頃の光景が思い浮かぶブライト。

しかも嫌なものを渡されても放棄せず、しっかり覚えた辺り宇宙で何があったのか気になるブライトだったが、聞いたらボコられそうなので聞くことはしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アムロ・レイにとって、レナ・ウルレドは姉とも母親とも感じる女性だった。

他に例えるのなら、太陽のような人とでも言うべきか。

憧れや初恋などではなく、アムロはレナに母性を感じた。

だからこそなのか、レナからの褒め言葉は彼が思っている以上に心が報われていた。

だからからか、次の戦闘では無自覚に力が入っていた。

けれども、それだけで戦場に立ち続けれるほど甘い場所ではない。

ふと、アムロは考えてしまった。

仮にこのまま戦い続けて、自分は何を得られるのか。

最近はろくに寝れていないのに、そんな生活がずっと続くのでは?

それに気づいてしまったアムロは、元々内向的だった性格もあって戦う事に意味を見出せなくなった。

 

 

そんな彼の元に、レナがやって来た。

 

「レナさん…」

 

「辛気臭い顔だな。でもまあ、お前はよく頑張ってたよ。うん」

 

そう慰めながらアムロに近付くレナ。

しかし、どこかその姿にアムロは警戒心を抱く。

直感的にそう感じたのは、なんとなく既視感があったからだろうか。

具体的に例えるなら、親の言いつけを密かに破ってそれがバレた時のような――

 

「歯ぁ食いしばれ」

 

「えっ?ヴッ!?」

 

バシンッ、と平手打ちがアムロの頬にクリーンヒット。

ぶたれても尚、困惑するアムロにレナはこう吐き捨てる。

 

「次に会う時、そのしけた面してたらもう一回なぐんぞ」

 

「な、なんで。なんで僕をぶつんです…?」

 

痛みで目尻に涙を滲み出しているアムロは、思ったことをそのままレナに問うがレナは答えずに部屋から出る。

部屋から出る間際、レナのボソッとこぼした言葉をアムロは聞き逃さなかった。

 

「腑抜けてるんじゃねえか…」

 

腑抜けている、そう言った彼女にアムロは機械弄りに持っていたドライバーを落とす。

自分が腑抜けている?

腑抜けさせたのは十分な休みもくれないブライトじゃないか。

コア・ファイターによる連絡艇の件だって、リュウさんではなく自分にやらせたじゃないか。

そんな黒い感情がアムロの中で巡り回る。

そうなっても当然ではあるが、彼は誰かに言う事なく溜め込んでいるのだからキレても相手は困惑するか逆上したとしか感じないだろう。

アムロは一人、静かに怒りを飲み込むのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方で、レナは思わずアムロを打ってしまった事を悔やんでいた。

本当なら彼の本音や溜め込んでいる感情を吐き出させるものなのに、彼女はアムロのヤケクソになって投げ出したような顔に思わずカッとなったのだ。

 

「昔っから変わんねぇな。気に入らねぇと手を出すとこは…」

 

自分への苛立ちに地団駄を踏みそうになるが、辛うじてそうなっていないのは艦内をひたすら歩いて考えを纏めさせないようにしているからだ。

 

「あっ、レナさん!下着ちゃんと洗いに出してください!凄い臭かったですよ!?」

 

そんな折に、アムロの友人であるフラウ・ボゥと遭遇する。

艦内の清掃や食事の用意、洗濯など非力な少女でもこなせる業務を与えられている彼女と鉢合わせたレナはフラウの下着の件について問い詰められ目をそらす。

 

「す、すまねぇ…」

 

いかにも怒ってます、という顔のフラウの表情に素直に謝るしかないレナ。

世話焼きな性格らしく、レナはそんな少女を好ましい人物だとは思っているがそれはそれとしてこうして怒りながら問い詰められるのは、母親に怒られるような感覚を感じて苦手意識を持っている。

 

「レナ中尉も女の子なんですから、ズボラでもせめて下着くらいちゃんと洗いに出してくださいね!?」

 

「はい……」

 

まだ15、6の少女に怒られる20歳の女性。

レナを知っているルナツーの面々が見たら笑う光景だろうが、レナにとっては幸いにしてそんな人物は当然ながらここにいないリード中尉しかいない。

 

 

 

 

ちなみに士官学校時代、洗濯に出し忘れて物置やベッドの奥に潜り込んだ彼女の下着や衣服にキノコが生えてたりしたという眉唾物の噂があったりする。

 

もし、フラウがそんな話を聞けばすぐにレナの士官室に向かい大掃除が始まるかもしれないが今回は聞いていないのでそんなことは起きなかった。

 

……まあ、そう遠くない未来ではあるだろうが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
原作においては本作の時期よりもう少し後であるが、戦士としての心を持っていないアムロは次第に精神的に疲弊し、軽く睡眠障害にもなっている。そこで例の名シーンでアムロは奮起する

*2
要は小型モーターで動かす関節構造である。一年戦争時のジオン機には流体パルスが用いられており、フィールドモーターと比べると整備面と安全性で劣る

*3
ザクと呼称されるモビルスーツの正式名称。GQではザクである模様だが、正史ではザクIIの親であるザクⅠが存在する





キリが良いので短めになりました。
この後、ブライトにもぶたれるんだから実質3回もぶたれるアムロ君カワイソ…

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