普通に叡智でズボラで普通に強いお姉さんがプロガンのパイロットは駄目ですか?   作:単眼駄猪介

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夏に入って来て入社も3ヶ月。
肉体労働なお仕事とシャドバとGジェネとメガニケとウマ娘で執筆に回す余裕がないっピ

ガバが酷くなってしまったらごめんなさい。



第7話 ランバ・ラル

 

ホワイトベースの機関部を応急処置で修復し現在、太平洋を飛んでいるホワイトベースは現在、ジオンの唯一大気圏内で飛行可能な戦艦【ザンジバル級*1】に追われていた。

一般的に想像されるような翼付きのロケット機をずんぐりめに巨大化させたようなデザインで、船首付近に頬のように配置された超大型ミサイル【Jミサイル】が特徴的だ。

そんな艦にいるのは、青い巨星と呼ばれた男がいた。

 

「あれが木馬か…」

 

彼の名はランバ・ラル。

髭を蓄えたいかにも老兵といった風貌だが、見た目に反して年齢は35歳とまだ若い。

そんな彼の横に付き従う女性はクラウレ・ハモン。

ランバ・ラルの内縁の妻かつ軍人ではないが、ラルの部下たちからは同等の敬意を払われている。

その事から分かる通り、ハモンもまたラルに負けない度胸の持ち主という事だろう。

 

「ガルマ様の仇討ち……あの赤い彗星でさえ仕留めきれない相手…」

 

そんな彼女であるが、流石にかの赤い彗星であっても損害を被るしかなかった敵に不安を覚えていた。

不安がるハモンにラルは不敵な笑みを浮かべて彼女を元気づける。

 

「あまり不安になり過ぎるな、ハモン。なに、これさえ終われば部下達にもお前にも楽をさせてやれるのだからな」

 

ラル隊は上官であるドズル・ザビ中将からの使命を帯びて、ホワイトベースにガルマの仇討ちをしようとしているのだ。

完全にドズルの私情による命令ではあったが、弔い合戦は古今東西形はどうあれ戦場ではありふれたもの。

ラルは前線から引いた身である為、本国での生活は苦しい。

故に今回のドズルからの命令はラルにとっては一攫千金のチャンスだった。

とはいえ、ホワイトベースへの攻撃は時間制限付きだ。

元々はザンジバルに積載されているコムサイの輸送が今回の任。

ホワイトベースと遭遇し砲撃戦で多少のダメージは与えたが、時間が来れば即座に撤退しなければならない。

ラルにとっては、実の所これは前哨戦にしか過ぎないのだ。

 

 

 

 

 

 

一方でザンジバルに追跡されていると既に察知していたホワイトベースは、パイロットにいつでも出られるよう待機させていた。

とはいえ、エンジン不調のホワイトベースにいつまでも無理をさせ続ける訳にはいかない。

それに先程の交戦でエンジン部にまた被弾し、致命傷ではないものの飛行が難しくなりつつあった。

苦肉の策品としてブライトは暗雲の中に突っ込むように指示する。

 

「これで撒けるかは分からんが、やるしかあるまい…」

 

ホワイトベースが雷鳴轟く暗雲に突っ込み、それにザンジバルも続く。

暗雲に突っ込んだ瞬間、ホワイトベースとザンジバルを盛大に迎えたのは船体の至近距離で通り過ぎる(イカズチ)だった。

 

「あなた!連邦の新兵器かしら…!?」

 

「落ち着けハモン。これは地球で起きる雷という自然現象だった筈だ」

 

地球の自然現象を知らないコロニー育ちのハモンが雷の音に怯え、ラルに抱き着く。

ラルはそんな彼女に冷静にその正体を教えるが、その姿はイチャついているようにしか見えない。

まあ、彼らの周りにいるのはそんな二人の幸せを祈る者ばかりなので止める者は誰もいないし、むしろそんな事をすれば袋叩きの半殺しにされるだろう。

 

 

そんな一方で、ホワイトベース側は同じくコロニー育ちのサイド7の避難民や徴兵が激しく鳴り響く雷とホワイトベースを激しく揺らす風に軽く混乱していた。

軽く、で済んだのはブライトが即座に艦内にアナウンスをしたおかげがあるからだろう。

 

「安心してください!これは雷というものです。地球での自然現象です!」

 

そうはいっても、地球の自然現象を知らないコロニーで育った幼い子供や大人は激しく光り、ゴロゴロと鳴り続ける雷に怯えるしかない。

 

「ひぇー!?」

 

「ジオンの新兵器…!?」

 

その幼い子供であるキッカ達は、爆音で鳴る雷にビビったり泣き始めたりしてしまう。

フラウもコロニー育ち故に地球の雷の存在を知らず、思わず身を竦めてしまう。

 

「大丈夫だぞぉ!ホワイトベースは頑丈だからな。音だけは派手なイカレ野郎なんてガン飛ばして無視すりゃ良いんだ」

 

「レナ中尉、何を言っているのか意味が分からない」

 

自然現象にガン飛ばしてどうするんだ、とブライトは日頃の疲労からバカ真面目にツッコミを入れる。

そんな彼を見てレナは艦長席からブライトを引きずり下ろす。

 

「な、なにを!?」

 

「休んでこい!戻るまでアタシが見とくから」

 

「やり方ってもんがあるでしょう…」

 

実際、身長はレナの方が若干高いため降ろされる途中に首の襟を掴まれてブライトはちょっとむせたりしている。

とはいえ、彼女からの配慮は非常にありがたく、ブライトはレナに多少の愚痴をボヤきながらエレベーターで艦橋から自室に向かう。

それを見送ったレナは苦笑いを浮かべる。

 

「仮に佐官になっても艦長席だけはアタシはごめんだな…」

 

ブライトの気質もあるだろうが、常に気を張りながらクルーへの配慮や指示を出すのをバカ真面目にやろうとしたら、自分ではすぐにキャパオーバーで停止するだろうと想像する。

 

「本当に大丈夫なんですか?ジオンの新兵器だったりしたら…」

 

見たくもない出来事を妄想するのをレナは切り上げ、フラウからの質問に答える。

 

「大丈夫さ。仮に当たっても頑丈なホワイトベースには軽い火傷にしかならねぇさ」

 

安心させるようにそう断言するレナ。

だが、艦長席に座るレナの後ろに見下ろすような形となった索敵担当達が補足する。

 

「当たりどころが悪いとは落ちるけどね」

 

「おいおい!そこは思っても黙っとかなきゃ駄目だろぉ」

 

割とピンチな状況にも関わらず、艦橋内は笑いに包まれる。

フラウと子供達以外は連邦軍人な故に地球生まれが多い。

割と素性が知れないセイラ・マスでさえ若干驚いていたのに、ほとんど動じず軽口を叩きあうレナ達に、フラウは地球の人は逞しいんだな、と思うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、ホワイトベースは海上にある岩陰に隠れやり過ごそうとするが白い艦体はやはり目立ち過ぎた。

それを見越して既にモビルスーツの戦闘準備自体は完了させていたが。

そこそこ広い岩肌の無人島にて、ホワイトベース隊はランバ・ラルと対峙する事になった。

 

「レナ!アムロが新兵によくかかるやつになっちまった!」

 

「いつかはと思ってたが、今か…!」

 

今の今まで出撃準備に取り掛かっていなかったアムロ。

瞳に力がなく、どこか気怠そうな完全にやる気のないようなその姿に更衣室の前でレナは肩を揺さぶる。

 

「おいおい、ここでPTSD*2はマズイぞアムロ!」

 

「あう…大丈夫ですよ…」

 

戦意は確かにあるようだが、思考がボヤケているのか妙に間延びて気怠そうな口調になっているアムロにレナはリュウにアムロを押し付ける。

 

「リュウ!アムロはガンダムに押し込んでおけ!荒療治しかねぇ!アタシはホワイトベースの指揮を取らんと不味いだろ?」

 

「分かった。ホワイトベースは頼むぞレナ」

 

アムロの処遇は荒療治。

ガンダムに押し込んで出撃させるというゴリ押しだが、パイロットスーツには着替えているのだ。

後は発破をかけるだけであると判断したレナはリュウに頼みつつ、歩兵時代に見ていた指揮官の指揮を記憶を辿りながら思い出そうとする。

 

「考えることが多すぎるんだよ、指揮官は…!」

 

そう漏らすレナは、熟睡してしまったブライトが早く起きてくる事を祈りつつ艦橋で指揮を取るために再び来た道を戻るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

カタパルトで無理矢理射出されたガンダムとアムロは、着地の衝撃で意識をある程度明瞭化させる。

まだ力無い瞳には変わりないが、手はしっかりと操縦桿に握られていた。

 

「あ、あれは…」

 

雷雲の中を駆け抜ける雷を背景に、ジオンの新兵器【グフ*3】が姿を現す。

その後ろにはザク2機が付き従い、青い機体(グフ)がまさにリーダー機であることを示唆していた。

 

「アムロ、気を付けろ!ジオンの新型だ!」

 

ガンタンクに乗ったリュウが砲撃手のハヤトに攻撃を任せながら移動してくる。

ガンキャノンに乗るカイは射撃精度を高める為に、岩山に手をかけて四つん這いの形で砲撃を始めていた。

 

「ちょ、ちょこまかと!」

 

カイはザクを狙うが相手の技量が高いのか掠りもせず、冷や汗をかく。

これまでの相手とは明らかに実力が違う。

そう感じせざるを得なかった。

 

「砲撃手!味方に当てるなよ!死にそうになったら援護の一発をぶち込むだけでいいんだ!」

 

ホワイトベースはエンジンの不調で動けないため、砲撃も控えめだった。

とはいえ、ガンタンクやガンキャノンを仕留めるべく動こうとしたザクに砲撃を叩き込み下がらせる事で最低限の援護は達成していた。

 

 

 

一方、アムロは崖から飛び降りてきたグフにバルカンで牽制しつつ、ハイパーバズーカでグフを撃破しようとするがグフのシールドに防がれた上でグフの手首から放たれた鞭状の武器【ヒートロッド】に絡め取られ、電流を流されたバズーカが破壊される。

感電を防ぐためにガンダムは素早くバズーカを手放しシールドでバズーカの爆発から身を守るが、その間に着地したグフが再びヒートロッドを振るう。

 

「こ、この!」

 

咄嗟にシールドを投げてヒートロッドを弾いてガンダムへの攻撃を止めるアムロ。

完全に意識が戦闘に向き、その目には気力に満ちている。

スラスターを吹かしてグフに急接近、からのビームサーベルの抜刀で斬り捨てようとするがグフのパイロット、ランバ・ラルはシールドを振り下ろそうとしたガンダムの右腕に置いて防ぐ。

 

「うっ…!?」

 

「ザクとは違うのだよ、ザクとは!」

 

ラルの台詞の直後、グフが蹴りをガンダムにかまして吹き飛ばす。

シャアとは別ベクトルでの強者に、アムロは思わず感嘆する。

 

「つ、強い!」

 

そんなアムロに対してグフのフィンガーバルカンが火を吹き、ガンダムに襲いかかる。

ガンダムも回避をしつつ頭部のバルカンでグフが近付けないように牽制する。

 

お互いに容易に近付けられない状況で、ラルの方に通信が入る。

 

「あなた、時間です」

 

「む、了解だ。全機、撤退だ。お手並みは見れたのだ。これで十分だ」

 

ハモンの報告にラルは部下のザク2機にも撤退指示を伝え、ホワイトベースから離れていく。

逃がすかとホワイトベースとガンキャノンらが砲撃を浴びせようとするが、ザンジバルからの投光器とミサイルによる撤退の援護で目潰しされた間にまんまと逃げられるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
後年には鹵獲されたものや回収され連邦に試験運用されている。またザンジバルⅡという改修型もあり、こちらはカタパルトの増設等が施されている。その一方でザンジバル級は飛行や大気圏突入能力、ブースターがあれば重力圏からの離脱こそできるものの、その為に長大な滑走路や専用の格納庫が必要となるので宇宙運用メインの方が良い艦

*2
正式名称は心的外傷後ストレス障害。戦闘に人の命の駆け引きを見たりしたりするとよくかかる精神的な病。勿論、これは日常生活においても起きる可能性は十分にあり、交通事故や何かしらの事件でそういった障害を負うことがある。雑に言えばトラウマである

*3
型式番号MS-07B。MS-06ザクⅡをベースに陸戦用かつ対MS機体として開発されており、ガンキャノンの砲撃をある程度防ぐ防御力やザクとは比べ物にならないパワーを持つ。が、武装が汎用性に欠けており、射撃武装に至っては貧弱と言わざるを得ない、完全に熟練パイロット、エースパイロット向けの機体となっている。誰だよ、フィンガーバルカン作った奴。指から撃てても装弾数や左手自体が使えねぇじゃねえか。まあそんな訳で改良型である【グフ・カスタム】が戦時中に爆誕するのであった





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