Le Voyage dans la Lune 作:mikami_kiel
20xx年、某日。フランスはパリの某建物...ここでは十名近い学者だとかが集まって会議をしているようだ。
「この困難と思われているときにこそ、月へ行くための研究を行うのは大事だ!なんとかしてそれを考え、政府へ提唱するための集まりがこれなのだ」
そう話すのはその部屋の一番奥中央に座っているフランスロケット・宇宙船工学者のピエール・ローザだ。彼はあくなき探求心を宇宙へと向けており。特に月面着陸に関してとても強い熱意を持っているようだ。
「私はこのためにノーチラスという名前の宇宙船を開発した。アポロ宇宙船やその月着陸船をもとに改良をしてある。各部の強度強化に加え最新型の制御用システムとコンピューターコンプレックスを搭載している...これを使用した仮想シミュレーションではかなり高い着陸成功率を叩き出している。」
ピエールがそう豪語するほどの宇宙船と月着陸船を用いるのはいいが、果たしてロケットの方はどうするのだろうか?そんな疑問を素直にぶつけた人がいる。
「しかしだな。君のその宇宙船のスペックを見たが重量はベースとなったものより何割か増えているだろう。宇宙船だけで飛んでいくわけじゃないんだから打ち上げロケットについても考えねばならん。違うか?」
そういうのはロシアのロケット工学者であるアレクセイ・イワノビッチ・パヴロフ。彼も宇宙への探究心が高いがどちらかというと空想的なものが多い。またロケット工学者であるが人工衛星なども含めた「幅広い研究」を行っていることでも有名で、軍事衛星としてはポリウス衛星以来の対衛星レーザー兵器であったりそれの設計を応用したGLONASSに代わりうる全地球測位衛星システムに使用する通信衛星などである。
一方でロケット開発も行っており、現在サターンⅤロケット以上の搭載能力を目指して開発中の超大型ロケット「N-2」がある。これは先代にあたる「N-1ロケット」をベースに信頼性などを改善した上で推力等を強化することによりより高い搭載能力を目指したものである。
しかし技術的ハードルが高く、更に設計通りの打ち上げ試験用ロケットは未だ詳細設計段階に入ったばかりで、一応の試験用ロケットの製造の目処がたっているが...という段階であった。
なお、蛇足にはなるが同氏は早期の試験開始を要求されたため苦肉の策としてN-2ロケットのスケールモデルを設計。
こちらは形状的にはソユーズと似たような配置のクラスターロケットを使用している。設計思想的には同国のエネルギアと似たようなもので大重量物の打ち上げ用ロケットであり、その能力は初期型では低軌道へ25トン以上、静止移行起動へは5トン以上だとか。
「それはそうだが....じゃあ他に何がある?サターンⅤ以上のスペックじゃないと確かに運搬ができないが...」
「そんなときこそ、私のN-2ロケットを使えば良い。月軌道に50トン以上を送り込めると保証しよう。そのために必要なのは研究機会と資金の提供だが...」
ピエールとアレクセイがお互いそう話し合い、なかなか結論が出ていない中一人の男が口を開く...
「資金は私の方から提供しましょう。その代わり、もし月面着陸のミッションをするときは私を入れてもらいます」
そう話すのはかなりやり手の実業家であり、大富豪とも言われる「ヴィクトル・アドルフィーナ・ヨハン・グラーフ・フォン・ハノーファー」であった。彼女はドイツ出身の貴族でもありドイツで「ホルスタイン=スペースカンパニー」を基軸に多種多様な企業を保有していて影響力も大きい。
彼女もまた、あるアニメから宇宙に魅せられた人物の一人であるのでこういう提言をしたようだ。
彼女が一度資金提供をするとなるとその支援力は強烈であり、また手厚いとの噂でもある。
「それはありがたい。人類にとって幸せな未来を築くためにも是非協力をお願いしたいと思っている。なるべく早くN-2ロケット計画にまつわる計画書類をすべて提出するので是非一度目を通しておいてほしい」
「私からも、ロケットが完成するまでにノーチラス宇宙船を改良したい。そのための資金も出していただけると。。。」
「もちろんだとも。宇宙技術を開発していき、ゆくゆくは月に居住環境を整え、そこを足がかりにほか惑星にも足を伸ばさないといけないからね。...そのための強力であるならば私は全力を持って対応する。任せたまえ」
アレクセイ、ピエールがそれぞれヴィクトルに支援を依頼し、ヴィクトルはそれに力強く答えていく。
そう、人類を宇宙へ送り出す技術を開発するためにという信念があるのだ。また、ヴィクトルは密かに「月旅行を身近に」という野望を持っておりそのためにもこうやって大きい支援が必要だと認識しているのだ。
彼らの「月面着陸の成功」という野望は果たして成功するのだろうか。無事に打ち上げまで持っていけるのだろうか。
それはまだ、このときは誰にもわかっていなかった...
初めての短編集を予定しており、ゆったりと更新して行ければと思います。
なお、原作および構想元はジョルジュ・メルエス氏監督の月世界旅行(1902年)で本作はその二次創作に当たります。
拙い文章ですが、ぜひ一読していたけると私としては次への励みとなります...!
評価はできれば良いので、ぜひ見に来てください...!
では、また次作で会いましょう...!