Le Voyage dans la Lune   作:mikami_kiel

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会議の後、アレクセイとピエール両名はそれぞれの担当となる開発事業を進めていた。

今回はアレクセイの方を見ていこう。


ロケット開発

パリでの学術会議の後、まずアレクセイはロケット開発を加速させていた。潤沢な資金援助と機会提供によりその開発速度は今までと比べ物にならない程加速していった。

 

まずR-7系列にあたるソユーズロケットの後継モデルとなるN-2ロケットのスケールモデルの開発が成功した。名称は「ノヴィ・ミールロケット」である。

 

ノヴィ・ミール、つまり新世界ロケットの構造説明をしよう。

 

まず第一段ロケットに装着されている4つのロケットユニットはソユーズ以来のクラスターロケット方式を継承しておりN-1ロケットの第一弾に採用されたものを改良した「NRK-12M」を採用。これを切り離し可能のロケットユニット1つあたりに7基以上を採用。それを4ユニット装備している。このロケットユニットのみで初期加速を行う。燃焼時間は3分からでありこれにより高度50km以上まで上昇する。

 

その後ロケットユニットは切り離されるが、続いてその中央にあった第一段ロケットが点火されさらなる加速と高度上昇を実行する。

 

燃焼時間は120秒からであるとか。

燃焼終了後は切り離しを実行し第二段ロケットが点火される。こちらは60秒程度だ。

 

第二段ロケットの燃焼終了後は同じく切り離しが行われ第三段ロケットが登場する。しかし第三段ロケットに関しては加速上昇用というよりか軌道修正用に近いため全力燃焼はしない。

 

なお、単純な衛星軌道への人工物投入の場合高度にもよるが4つのロケットユニットと第一段ロケットを一気に燃焼させ飛翔する方法もあるようだ。

 

かなりの大推力であるためにその軌道投入能力も高く低軌道へ25トン以上、月周回軌道へは10トン以上である。

 

これを開発し終えたとき。アレクセイはこういったという。

 

「まさに今日は歴史を作ったのだ。偉大なる一日なのだ!この勢いでN-2ロケットも開発せねばなるまい!」と....

 

実際にノヴィ・ミールロケットは複数回の試射の後運用が開始されていて世界中でかなり重宝されているようだ。

 

また、新型宇宙ステーションの建造に関しても主にノヴィ・ミールロケットが使用されている。

なお、蛇足にはなるが同時に日本でもノヴィ・ミールロケットの技術を参考に開発されたH4A1大型ロケットやアメリカで同様に開発されたタイタン4ロケットを用いてそれぞれ打ち上げ事業を行っているそうだ。

 

ノヴィ・ミールロケットが運用され始めて初めての大仕事となったのは同ロケットの完成から一ヶ月したあとに完成されたノーチラス宇宙船の打ち上げであった。この事業はアメリカの月面着陸やガガーリンの宇宙飛行になぞらえて「成功すれば宇宙開発史にとって重要な出来事となる」と大宣伝されていたのだ。

 

ノーチラス宇宙船を搭載したノヴィ・ミールロケットはロシア連邦肝いりで識別名称として”8K72KG”というものが採用された。

これは明らかにボストークロケットとボストーク、そしてガガーリンを意識したものでどれだけ大きい期待が寄せられているかすぐわかる...そんな名称であった。

 

当ロケットは諸調整の後某年3月16日に打ち上げられた。開発当初から噂されていた不具合などはロケットの完成までに克服されており、宇宙船の方も同様のため比較的何事もなく打ち上げが成功した。

 

その様子は世界中へと放送されており、世界がその大偉業に狂喜乱舞したことだろう。

 

ノーチラス宇宙船はノヴィ・ミール”8K72KG”ロケットにより予定の軌道である高度425km以上に投入され、規定の手順で宇宙船がロケットから切り離されロケット本体はISS(国際宇宙ステーション)との衝突を避けるため軌道変更用の小ロケット/スラスターを吹かせて徐々に宇宙船から離れていく...

 

ノーチラス宇宙船の同乗者の一人であるアレクセイは宇宙船から外の景色を見て、やはりこう呟いた。

 

「地球は青かった。だが黒騎士はいなかった。」

 

雄大な母なる星、地球を見てはやはり「青い」と思うのも無理はない。そしてアレクセイが宇宙に取り憑かれた原因の一つらしい「ブラックナイト衛星」という都市伝説上の物体がなかったことに少々落胆したようだ。

 

宇宙船はその後も悠々と地球の周りを回っており、数回ほど国際宇宙ステーションの近傍地点を通過したという。

その際、宇宙ステーション側より宇宙飛行士数名がノーチラス宇宙船に来訪してその新技術を存分に学び感じたそう。この宇宙船で月まで行くと聞いたときには大層驚いていた、とアレクセイは後に回想する。

 

このノヴィ・ミールロケットを用いたノーチラス宇宙船の試験の成功をもって本来のN-2ロケットの開発とノーチラス宇宙船のさらなる改良が進められることとなった。

 

いざ月へ向かうとなると大変な事業となるが、それだけにかなり価値のある事業でもあるのだ。

 

さぁ、様々な困難を乗り越えて月世界へ旅行に行こう!

 

To be Continued…

     to space…

 




短編集の第2話目となります。

会話シーンはほぼなく、語り口調中心となっています。説明したいことが多すぎた...と、そう思うような話ですね。

次はノーチラス宇宙船とピエールに付いて描いた話を投稿予定ですので、お楽しみに!
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