拝啓。
お父さん、お母さん、兄貴、妹。
あなたたちの自慢の家族、大和です。オレは今、30歳も目前ですが、とある田舎町に引っ越してきました。手ぶらですが。なんと住むことになった家が神社なんですよ。しばらくそこで居候させてもらうことになって。しかも家主が良い人なんですよ。オレはここから第二の人生を歩みます。
敬具。
「おい、霊夢! 文々。新聞でお前の噂が出回ってるぞ! デカいカラスを匿ってるんだってな!」
「はぁ。なんの噂よ、それ。てか、玄関から入ってきなさい」
オレが居候させてもらってる神社の家主、霊夢さんとこたつに入っていたところ魔女のような恰好をした子が勢いよく中に入ってきた。
「なぁ。デッカいカラス、私に見せてくれよ~」
「カラスじゃないけど黒くて大きくて匿ってるのならソコにいるわよ」
「え? って人間!? しかも男だ! 」
「大和です」こちらを見て驚く金髪の子に挨拶
「誰だお前! 」
「大和です」
「霊夢との関係は何だ?!」
「ん~。ペットと飼い主」
「え、それはどっちが?」
「オレが」
「お前が?」
「ペット」
「お前がペットなんか──い! 」
やはり田舎は良いな。人ん家に勝手に入ってきて騒げるなんて。久しぶりに商談以外で人と話すぜ.
「まぁ、いいや。私は霧雨魔理沙」と言いながらこたつに入ってきた。
そういや、そろそろ仕事の時間だ。若い子たちには楽しく談笑してもらってオレは仕事に戻ろう。
「おいお前、どこにいくんだ?」
こたつから出るとき魔理沙さんがたずねてきた。
「仕事だね」
「霊夢。さっきお前、コイツを匿ってるって言ったよな?」
「いったわね」
「でもコイツ仕事するみたいだぜ」
「そうみたいね」
「外に出さない方が良いんじゃないか?」
「まあいいでしょ」
「お前、自分の仕事が減るから言ってるだけだろ」
息の合った会話を聞きながら博麗神社の境内に行き、掃除を始める。
掃除するのは落ち葉だけではない。泥などの汚れもブラシで磨き上げてゆく。境内を美しく保つことで神様が過ごしやすい空間を作るのだ。そういえば、ここって何の神が祭られてるんだろう。
いやいや、掃除に熱中しすぎてもう周りは真っ暗だ。というか真っ赤だ。
……え? 真っ赤? これどういう状況? 霧かなぁ~。
いつの間にか魔理沙さんも霊夢さんもいなくなっていた。
どうやら掃除を初めて相当時間が経ってしまっていたようだ。
しかもいつの間にか湖の方まで来てしまっていた。本当に熱中すると我を忘れてやっちゃうんだよな。いやどうしよう。帰り方がわからないぞ。
そう思い、周りをきょろきょろと見渡していると、突然バゴーンと大きな音がした。
そうだ、野次馬しに行こう。