怪獣娘トロピカルアイランド開拓記   作:照喜名 是空

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ニューレムリアの休日

えー、三か月の謹慎になりました。そりゃそうだわ。

っていうか言い訳で『もう疲れちゃってェ……完全にワケ解んなくなっちゃってェ』っていったらみんなから『エレナ、お前もう休め』って言われたからさ。

 

うおーっ!休みだーっ!ヒャッホーッ!

寝よう!冬のナマズのように寝よう!

三日くらいほぼ寝てたよ。時々起きてトイレ行って、部屋の壁についてるムール貝を殻ごとつまんで寝てたような気がする。

 

「あー……よく寝た!カーッ!」

「ママだいじょうぶ?」

 

長女のマツリだ。リスナーちゃんに似てタコっぽい。

でももうちょい人間型で、リアル頭身スプラトゥーンって感じの子だ。

そっかもう小学生くらいか……早いなー……そっか。

子供たちの一番かわいい時を仕事に費やしちまった……

 

「大丈夫。たぶん」

「ご飯置いとくから……ゆっくり休んでね」

「ありがとう……背のびた?」

「ちょっとね」

 

若干のよそよそしさを感じる……

エミネムさんの言ってたスーパースターの暮らしで子供から忘れ去られるってこれかあ……

私はカプセル型の水中ヒートクッカーにストローを入れて飲む。

これは私の発明品でスゲーシンプルな奴だ。

鍋2つをカプセル型に連結して、中に水中ヒーターぶち込んだ水中オーブンだ。

魚や貝と調味料をぶち込んで電気通せばスープができるわけ。

 

「おいしいなあ……これマツリが作ったの?」

「ナツミがママにって」

「そっか。後でお礼言いに行くね。マツリもありがとう」

「うん。あのねママ」

「どしたん?」

「犬飼っていい……?」

「うーん、ほかのママたちとも話してからでいい?」

「うん」

 

マツリはするっと窓から泳いで海面に向かう。

うーん、水中でたなびくJK制服。うん、うまくできたなこの服。

 

「じゃ、また……学校行くから」

「ああ、ありがと」

 

私はカプセルクッカーを持ちながら、水中の部屋を見る……

LEDランタン、水中ハンモック、鑑賞用に置いた発光イソギンチャクアビス。

あと食い物の包み紙とか食器とか脱いだ服とか……片付けよう。今日は……

 

私は1週間はマジでゆっくり休んだ。

ゆっくり寝て起きて、図書館行って本読んだり。船上でギター弾いたり。

ジャムールとリスナーとスケベしたりマッサージしあったり。

屋台で買い食いしたり、ゲーセンで遊んだり……

 

犬?船上じゃさすがに可哀そうって話になって海岸の学校で飼おうってことになった。

柴犬みたいな毛の短いタヌキみたいな奴が来た。

うーん、癒される……

 

「ベンジーかわいいね!お手!すごーい!」

「いやー、飼ってみるとかわいいな。癒されるよ……」

 

学校に寄ってみて犬をモフる。名前?なんか私がつけていいんだって。

椎名林檎の歌から名付けたよ。いいよね丸の内サディスティック。

 

「でしょー?家にもなんかいればなあ」

 

マツリはまだ何かペットを飼う気があるらしい……

 

「いやあでも、水中で泳げてモフモフしてるっつったら……アシカかペンギンじゃん。あれは寒い所の生き物だしなあ……」

「寒いってよくわかんないな」

「氷は冷たいじゃん。ああいう感じが海でも陸でも全部そうな感じだよ」

「ふーん。連れてきちゃダメ?」

「最悪ペンギンとかにとってはここは暑すぎて死ぬかも」

「死んじゃうの……?」

 

わりとショックだったらしい。

でもまあこういう所から違う他者への理解が出ると思うから。

 

「たぶん。だいたいの動物は私たちより弱いから。優しくしてあげるんだぞ?」

「うん」

 

そーいえば、ハワイあたりにもペンギンいたような気がする。

ちょっと調べようかな。

へー、アシカもアザラシも熱帯にいる種類あるんだ。絶滅危惧リスト入りだけど。

今もまだいんのかなあ?アビスのおやつになってるんじゃねえの?

夕食のときにそれを話したのがいけなかった。

 

「おいウソだろ!?取ってきちゃったのアザラシ!?ハワイから!?ホワイ!?」

「ハハハ!こんな狭い町で終わる気はないからな私は!マツリにプレゼントだ!」

 

こいつは次女のハナビ。冒険心とうぬぼれが強い奴だ。

リスナーに一番近い体形でタッパでかくて麗人ぽいけど全然落ち着きがない。

また冒険と称して遠出したな!?

お前らハワイまで行ってきたの?ウソだろ……

 

「やめろよ~!外国でなんかあったら助けられないんだぞ!?」

「ハーッハッハ!だから冒険のし甲斐がある!リスク無くして何が冒険か!」

「そーいうことはペットの面倒くらい自分で見れるようになってから言え!」

 

鉄拳制裁だ!指導ォ!

おいなんでペンギンまでいる……勘弁してくれよ~!

まー環境がどうだこうだ言うやつはもう物理的にいねえけど。

 

「そもそも誰も言わないからいいけど領海侵犯て本来わりと重い罪だからな!?やめろよ本当に!せめて大人をつれていけ……!なーもうさぁ……!なんかあったら私は悲しいよ……」

 

もう抱きしめるしかない……!

心配されて抱きしめられるとマジでいたたまれないからな。

 

「わ、わるかった……ごめんなさい」

「冒険するなってんじゃねえんだ。ちゃんとしろ!相談とか連絡とか!登山だって登る前には電話入れるもんだからな!?」

「はい……」

 

 

そのへん法律どうしよ、と思って役所行ったらなんかもう私は市長下ろされてた。

なんか『代表』とかいう立憲君主的な謎の役職になってた。

コヴナントの象徴的な……?これ出世なの?左遷なの?

 

「ご心配には及びませんよ『代表』。引継ぎはゆっくりしてもらえばいいですし、今の所業務は問題なく回ってますから。わからないところが出たときだけ聞きに行きますよ」

 

こいつはチェシャ。悪ガキたちの一人で比較的真面目だけど野心強い奴だ。

なんなら成績はめっちゃよかったし、頭が回る方だと思う。

見た目はアメフラシタイプ。まな板だけど足が長くてケツがデカい。

あー、やられたね。クーデターだね。まあいいけど。

 

「あー、まあ。いいよ別に。お前がちゃんとうまくやれるなら、それでいいんだ。そもそも私一人でなんでも担うの疲れたしね」

「まさにその通りです。今やコヴナントの行政は人間との合議制になりつつあります。そもそも誰も彼も政治をあなた一人に投げて好き勝手していたのが私には理解できません」

「あんときは人手が足りなかったからね。しかたないよ」

 

真面目でやる気はあるんだよこいつ。その分お堅いからうまくやれんのかなって心配だけど。

 

「まー、私が言えた事じゃないけど、詐欺師にだけは気をつけな?人間だっていい奴ばかりじゃないっていうか悪気無くだましてくるからな?それに殺し合いになったらあっちの方がマジで容赦ないからな?」

「……もちろん、肝に銘じておきますよ」

「あと『王様』と鬼司令にはちゃんと相談しな?すごく良くしてくれてるからさ」

 

なんかお母さん味が出てしまうな。やっぱ心配だからさ……

 

「ええまあ……大丈夫ですよ」

「あと私が『王様』から聞いた警句をお前にも伝えておく。『国家同士に友人はいない』マジで頼むぞ?騙されたり早まったりするなよ?」

 

これを言うという事は、同じ役目を託すってことだ。頼むぞ……!

 

「とても、大きな意味がある言葉ですね……ええ、警句は忘れません」

 

大丈夫かこれ?まあなんか……労わられる側になっちゃったな……

私まだ3歳なんだけど!?こいつだって1歳何か月だよ!?大丈夫?本当に……?

 

「まあ……まあなんかあったら私が頭下げるからさ……そういう時は頼ってね本当に。そのための『代表』って神輿(みこし)なんだから」

「あなたはまたそういう……そうならないための市長です。任せてください」

「うん、頼むわ」

 

そういえば、こいつむかし私を性的に襲ってきた集団の一人だった気がする。

 

「まあ、つらかったら前みたいに部屋来な?私みたいにヤケクソになるなよ」

「……そういうのは、ずるいですよ。あの時のことは反省してますし、若気の至りというやつです」

 

そうは言いながらも私の胸と尻チラチラ見てるのわかるぞ。

かわいいやつめ~!性欲と承認欲求がグングンわきますよ!

 

「半年前じゃねえか。まあ、頑張ろうな」

「はい!」

 

まあ……任せられるんなら、それでいいんだ。

もともと何で私一人がこんなんしなきゃいけねえんだと思ってたからな。

頼りになるやつが増えてよかったよ。

どこまで書こう?

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  • もうちっとだけ続くんじゃ
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