怪獣娘トロピカルアイランド開拓記   作:照喜名 是空

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脳内掲示板

仲間集めの旅……といってもどうすっかなあ~!

近くによれば共鳴でわかるんだろうけど、人間から隠れながら探すって言ってもなあ……

そう思いながら南へ向けて海岸線をバイクで走る。

 

とりあえず、仲間を集めたら南の島にいくつもりだ。

いやだって、北国とかよりましだろ……?食い物だって多いだろうし。

そんなことを思いながら黒いアメリカンバイクを走らせる。

 

おっ!これは共鳴の感じだ!そう思った瞬間、頭の中に文字列が浮かんだ。

 

プラウダ:初めに言葉ありき

 

なにこれ?

共鳴を利用してそんなんもできるの!?脳内掲示板?

 

プラウダ:聞こえるかな?私はプラウダ。人型のアビスだ。

プラウダ:エレナはたぶん聞こえてると思う。

プラウダ∶強く言葉を思い浮かべながら共鳴を発する感じだ。

プラウダ:できれば返事をしてほしい。

 

私はバイクを止めて、やってみることにした。

こう……心臓の辺りを意識して……こうか?

 

エレナ:こうか?

 

マジでできたよ……

なにこれ私の身体にこんな機能あったの?

まだまだ分かんねえことだらけだなー。

 

プラウダ:よかった。聞こえてたんだね。私の言葉はちゃんと伝わってるかな?

エレナ:伝わってると思うよ。スゲーなこんなんできたの私たち。

プラウダ:私も驚いてるよ。

エレナ:あんたも!?

 

お前も驚いてるのかよ!?まあ……便利だからいいか。

これなら寂しくないとちょっと思ってしまったのがイヤだ。

 

エレナ:まあいいや……便利だから助かるわ。これで仲間集め捗りそうだな。

プラウダ:そうだね、勧誘合戦になると思うけど。

ジャガーノート:なんだてめえらは!!あたしの頭の中でしゃべんな!!

 

うお、さっそく新人来たよ……まあびっくりするよね。私もびっくりした。

 

プラウダ:はじめまして。私たちはたぶん同じ種族だ。人の形をしたアビス。

ジャガーノート:ヒト!?ひとってなんだ。

プラウダ:これが人だよ。「画像添付」

エレナ:画像添付もできるのかよ!?スゲーなこれ。これこないだ言ってた育ててくれたおじいさん?

プラウダ:そうだよ。ジャガーノート、私たちは仲間だ。人の形をしてるが、人じゃない。助け合おう。

ジャガーノート:……私たちは何かわかるのか?私たちは人間じゃないのか?

 

おっ、ちょっと対話できる感じになったな。

 

プラウダ:アビス、と人間たちは呼んでいる。こういう生き物を見ただろう?「画像添付」「画像添付」

ジャガーノート:ああ。これと私たちは同じなのか?

プラウダ:少なくとも人間たちはそう思っている。

 

画像はヘラジカやグリズリーくらいあるドラゴンぽいのや、狼っぽいの。

それからかなり長めにプラウダによるアビスと既存生態系の違いと戦いの歴史が語られた。

 

2010年ごろからマリアナ海溝あたりで発生。

2020年にはミニサイズの怪獣みたいなのが地上進出。

調べたら既存の生物とはまるっきり違う遺伝子に細胞構造。

しかも、私たちのご先祖は破壊の限りを尽くしたらしい。

人間に大人気のパンダちゃんもライオンもご先祖の昼飯になったようだ。

そこから2030年までには人類のほとんどがシェルターにこもるようになり、アビス細胞移植兵士がアビスを狩るようになって……

 

エレナ:で、私たちが生まれたってわけ。

ジャガーノート:……わかった。つまりあたしを生んだ奴らが人間を食ったからあたしは人間の敵になってるんだな?

エレナ:あー……もう人間に会っちゃった?

ジャガーノート:あのパンパンいうヤツでなんか投げられた。小さい石みたいな奴だ。

プラウダ:銃だねたぶんそれは。どうやって言葉を覚えたんだい?

ジャガーノート:あいつらの住処で会話を聞いてたら覚えた。私の名前も。

プラウダ:そうか。なら手を組もう。助け合って人間から身を守りたいんだ。わかっただろう?人間とは共存できない。すべて滅ぼそう。

エレナ:いや、逃げねえか?とりあえず南の島で集まって頭数増やして……人間と交渉しよう。全員ぶっ殺すのが無理なのはもうわかってるだろ。

 

しばらくの間があって、ジャガーノートから返信があった。

 

ジャガーノート:考えさせてくれ。とりあえず、あんたらはそれぞれどこで落ち合うんだ?

エレナ:南の島だよ。ボルネオあたりは基地が壊滅してるはずだから、しばらくあったけえ所でのんびりできるぞ。「画像添付」

プラウダ:私はまずはアメリカ大陸の西海岸に行こうと思う。そこから南米の東海岸に出るつもりだ。「世界地図」

 

アルゼンチンの南の端!?もう南極圏じゃん。

お前スゲエ所に行くな!?世界の果てか……

まあ隠れ住むならそういう所だよな。

 

ジャガーノート:どっちも世界の果てじゃねえか!どうやって行くんだよ!?

エレナ:いや……泳いで?私ら海から来た生き物だし、私はなんかサメっぽいからいけると思う。

プラウダ:なんとか船を操縦してみせるさ。陸伝いにいけば最短で済む。

ジャガーノート:正気かよお前ら!?

ジャガーノート:……あたしはここがどこかもわからねえ。近い方に行く。あとこんなにしょっちゅうしゃべりかけてくんな。

エレナ:はいよ。

プラウダ:では、そちらが落ち着いたときにまた連絡してくれ。

 

便利だか不便だかわからねえなこの掲示板。

まあ後で色々試したらミュート機能とかあったわ。

私らの身体本当にどうなってんだよ!?

どこまで書こう?

  • このまま一気に行こうぜ!
  • もうちっとだけ続くんじゃ
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