怪獣娘トロピカルアイランド開拓記   作:照喜名 是空

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コラボ

明神からメールはあったよ。こんな感じだ。

 

title:出演どう?

from:明神カズマ

やあ、明神カズマだよ。君がコヴナントの代表であってるかな?

動画見てくれた?今度のコラボの話なんだけど、プランAとプランBがあってさ。

プランAはまあ、当たり障りない話して、今後とも仲良くやっていきましょうってやつ。

トークテーマとかはこっちで用意しとくから気楽にやってよ。

プランBは、もし君たちが僕と日本に戦いを挑みたいなら、その場で宣戦布告しちゃいなよ。その場合は台本おくってね。

どうせならド派手で楽しい脚本がいいな。

とりあえず3日以内くらいに届いたかどうかだけでも返事してくれないと、次の動画撮っちゃうかも。

じゃあよろしくね!

 

こんなんだよ……軽すぎて怖いわ。

とりあえず速攻でみんなに共有して……まあ、こんなんだけど結論は決まっててさ。

今から無視するわけにもすぐに宣戦布告するわけにもいかねえだろ。

プランAでオファーを受けるしかねえ……

もちろん戦争になったら『プランA?なんのことですかね』ととぼける構えだ。

このタイミングで素直に宣戦布告するわけないじゃん。

 

日程詰めて、トークテーマとかのざっくりした流れを確認して収録することになったよ。

2画面で対談する感じだ。

気が重いな~!でも録画でよかった。生だとなんかあった時取り返しがつかねえからな。

さすがにあんなことあったら学習するよ。

よく寝て正気を養っておこう。

 

 

当日、私は半袖Yシャツにしましまネクタイ、灰色の筒スカートのいつもの「公式スタイル」でいくことにした。

うわ~、嫌な緊張があるよ。

 

「はい!というわけでね。今日は特別ゲストをお呼びしててさ。今話題のコヴナント代表と広報官のお二人をお招きしてまーす。どうぞっ」

 

出番か……ロビーもなんかあったときのストップ役でいるけど、こいつで本当に大丈夫?

 

こんにちは(スラマップタン)!ブルネイ連邦ニューレムリア市広報のロビーです。で、こちらが……」

はじめまして(スラマッブルクナラン)。ニューレムリアのコヴナント代表、エレナ・リーヴェルです」

「はーいよろしくお願いします!明神カズマと……」

「タマモです」

 

効果音でドンドンパフパフがリアルタイムで入ってる……

凝ってるのがおちょくられてる感あるよね。

 

「いや~日本語うまいね!エレナさんは日本育ちなんだっけ?」

「最初に私を育ててくれた人は日本人でしたね」

 

しばらくしょうもないトークを繰り広げ、明神がパッとモニター上に文字を出した。

 

「じゃ、そろそろトークテーマに入ろっか!まず第一弾はお互いの生活を知るってことで、双方で暮らしぶりのショートPVを作ってみました!わー!」

「今回はニューレムリア市の全面監修で作りまして、この間みたいな変なのはないっす。まあ大雑把にこういう暮らしっすよっていう」

「いいねー。じゃあさっそく見ていこうか!VTRいこう!」

 

なんか……うちの街の観光ムービーみたいなの始まった。

そーいえばロビーがなんか撮影してたし、ニューレムリア市のロゴとか認可出したね。

あれも渦巻き模様なんだけど。

 

『ニューレムリア市。現存する世界唯一の水中都市、コヴナントと人が共存する南の島の暮らしぶりをご紹介します』

 

なんか謎にさわやかなBGMがかかってる。こういうBGMってなんなんだろうね。

おっ、上空からのドローン撮影で桟橋とイカダ、水上家屋で構成された海上部分が映ってるね。

海が真っ青で砂浜も真っ白でいいかんじに撮れてる。いやこれいいの?軍事的に。

 

『ニューレムリアはこのように海上、海中、港湾部、ジャングルで街が構成されています。海上でもお店とかがあって、結構文化的です』

 

海上部分の桟橋をロビーが自撮りしながら歩いて、木造のカフェや食堂、雑貨店の品ぞろえとかを見せる。

 

『港にはこうしてゲームセンターや図書館、学校もあります。ネットはこうしてそれぞれの施設で時間有料制ですね』

 

映像が切り替わって港部分の街並みを映す。基本的に建築がビーチリゾートなんだよねどこまで行っても。

そうそう、なんだかんだで1時間20セン、まあ……日本でいえば10円玉1枚くらいにしたんだよ。コイン入れる装置まで買って。

 

『では、いよいよお待ちかね!水中街をご紹介します!』

 

ロビーがカメラ持ったまま海に飛び込んで、水中街の全体をぐるっと見回す。

おー、綺麗に撮れてるじゃん。すんごい透明度高く見えるわ。いや、基本あのへんの海はガラスくらいに透明なんだけど。

コヴナントとバジャウ族の人間が水中で泳いでたり、コヴナントが集団で海の中をうろついてたりする光景だ。

うーん、ナショナルジオグラフィックみがあるね。これカメラ結構いい奴つかってるだろ。

 

『このように水中に街があり、家の中はこんなふうに水力発電機でちゃんと電気が来ます。トイレもあるんすよ~』

 

そこからしばらく、水中での暮らしぶりや、クリスマスや盆踊りの様子を映してPVは終わる。

 

『ニューレムリア市はこんな感じの街です。来られた時はぜひよろしくです!それではジュンパラギ(またね)~』

 

明神たちがパチパチ拍手してる。

 

「おーいいね!南の楽園じゃん!ていうか盆踊りしてんじゃん!」

「あー、まあ母がそういう祭りもあると教えてくれましたもので」

「美しい海でしたわね……幻想的でした。いつか行ってみたいものですわ」

 

明神はチャラいけどタマモはガチでお清楚な感じだな。それからまたしょうもないことをしゃべくり倒して、日本側のPVが始まる。

 

「じゃあ日本のPVね。あんな綺麗な海はないけど、日本もいい所だよ」

 

おっ、尺八の音からPVが始まった。

まあ、海外に紹介するってなったらこのイメージだよね。

森林に囲まれた厳かな神社でカムナビトが巫女服着て掃除してる。

『神秘と伝統、そして先端技術の国、日本。今回はカムナビトの生活を明神タマモがお伝えいたします』

 

しゃらーん、って鈴の音がして桜のエフェクトと共に画面が切り替わる。

金がかかっている……

 

『日本はアビス災害により地上部のほとんどが壊滅しましたが、我が国は災害国です。幸いにして災害からの復興には慣れており、この機会に都市再編をいたしました』

 

うおっ、ジブリみてえな未来都市……

なんか建築がラピュタの鉱山町とか千と千尋の温泉町みたいなんだよ。

とんでもなく広い街の建築様式が全部ジブリ風で統一されてて怖えー。

遠くに見えるのはジョーさんが言ってた万里の長城みたいなバリケードか。

いやすげえ長いよ!関東平野覆ってるじゃん。コワ~。

映像では飛行ドローンバイクに乗るタマモがヘルメット脱いでる。

こう……バイクのタイヤ部分にプロペラ式ドローンを前後に1つづつつけてんだ。

 

『このように飛行バイクなど実験的な乗り物も多く普及しています。いずれは飛行ビルも予定されています。これらの優れた点は大型アビスの襲来時でもすぐに避難ができることですね』

 

飛行ビル!?

オイ、水中に街作ってる私が言う事じゃねえが、いいのかこれ。

文明が独裁者の意向でおかしな方向行ってねえか。

なんならこの都市の外は北斗の拳になってんだろ。

ベルリンの壁みてえなの見えてるぞ。

 

『ですが、現時点ではやはり安全性に難がありますので……このように都市の心臓部は地下にあります』

 

うーわっ、高さ20mくらいある地下シェルターの入り口だよ。

こんなアホみたいにデカいシャッターを作る金どこにあったんですか?

 

『第二東京市……通称ミレニアムTOKYOです。町並みはこのような感じですね』

 

うん、それはエヴァの影響受け過ぎだね。

いや、なんなら女神転生のTOKYOミレニアムとセーラームーンのやつじゃねえかこれ。

だって地下にちっちゃな東京タワー建ってるもん……

何このオタクの夢を現実化させたみたいな日本。

たしかに小奇麗できらびやかなビルが地下に展開されてるけどさあ……

これシェルターの深さ80mくらいない?

怪獣アビスが上踏んだら落とし穴みたいに地盤沈下しない?

 

『ここでは核融合発電や農業プラント、兵装ビルなどの都市に必要なインフラ機能と避難用シェルターが併設されております』

 

兵装ビル!?兵装ビルって言った今!?ていうか常温核融合に農業プラント!?進み過ぎじゃない……?コワ~……。

 

『大型アビス対策にはこのような29式冷凍殺獣レーザー戦車や二足歩行戦車『建武』など、さまざまな兵器も開発されております。ロマンですわね!』

 

おいこれケンプファーじゃねえか!なんならバンダイのロゴついてんじゃねえか!

冷凍ビーム戦車ってお前。これゴジラで見たやつだぞ!

怖っわ……なんて国だよ。やりたい放題が過ぎる……

 

『次は私たちの学校をご紹介いたします。神田特別試験学校ですわ』

 

おわぁ……みんなセーラー服だあ……カムナビトの見た目はコヴナントに似てるね。

獣型が明らかに多いけど。こう、獣耳女子高て感じ。

 

『ここで私たちは淑女としての教育を学び、神武超兵、アビス細胞やサイバネィック技術を用いて強化された軍人の皆様とお見合いをいたしまして、皆様の支えとして内助の功に励みます』

 

お、おう。思想強いね。

 

『これは私たちの自由を制限するものではあります、ですが必要な事なのです。私たちの肉体は特殊ですし、出自も人とは異なります。故に理解のある身元のしっかりした殿方が必要です。それにはやはり軍人の方が適切なのです。実際、ほとんどの場合はそれでうまく行っておりますわ』

 

ま、まあ変な男にひっかかるよりはね?はー、国がちがえばまあこうなるか。

それにアビス細胞の事を考えるとアビス細胞強化兵士と私たちの種族が交配するのは理にかなってはいるんだけどさあ。

ちなみにうまく行かなかった場合どうなるんです……?

 

『このように、カムナビトも普通の生活をしていくことが日本ではできます。コヴナントの皆様とも仲良くできれば幸いです……』

 

あ、PV終わった。

いやあ……なんか絶句しちゃうよね。

明神カズマの権力ありすぎだろ……怖っわ……

それはそうと国力の差がエグい~!

 

「えー、まあこんな感じだね今の日本は。どうだった?」

「あー、いやあ……サブカルお好きなんですね……?」

 

目を泳がせながらそう言うのが精いっぱいだったよ!ドン引きだよこんなん!

 

どこまで書こう?

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