結論から言えばリスナーちゃんには『両方』あったらしい。
交尾椀っていうのかな……なんかそれ用の触手がまあうん。
プラウダ:それで、どうだったんだい?
エレナ:すっごい気持ちよかった……
プラウダ:そうか、それはよかった……体は大丈夫なのかな?
エレナ:大丈夫だとは思う。特に痛い所ないし。
ジャガーノート:お前らなんなんだよ!?アレなんなんだよ!?あたしらに全部見えてたぞ!?やめろよ!?
なんか……いつのまにかオープンチャンネルになってたらしく、私たちのあられもない姿が全部見えていたらしい。
ウワーッ!でもちょっと興奮する……
リスナーちゃんは今、浅瀬ですうすう寝てる。私に抱き着きながら。
いやなんか海の中のほうがいいらしくって結局「最中」に海の中に移動したんだよね。
いやあ……ちょっと感動したね……海の中で浮かびながら無重力でスケベするの……
「うふ……うふふ……エレナ……」
「うーむ……まあ、いいか!恋なんてノリでやるもんさ!知らねえけど!」
リスナーちゃんは私の腕に吸盤をくっつけてる。
これは離れられませんね……まあ、数少ない仲間だし?
その、私も悪い気しないし?
行こう……いっしょに、南の島へ……
■
そういうわけで、ついたぜボルネオ島!
島っていうか島国だけど……
ちなみに複数の国があるから領有権とかはちゃめちゃややこしいらしい。
まあもう、国ごとないけどね。
ていうかビーチすんげえ~!
海が恐ろしいほどの青で、透明度がハンパねえ~
絶景すぎる……まるでガラスの中を魚が泳いでるみたいだ。
砂浜はあまりにも真っ白で、空は広々と青く。
「……きれいだなあ」
「何が?」
リスナーちゃんは不思議そうに首をかしげる。
あー、そっか。この子ずっと自然の中にいたから自然の美しさとかあんまり実感わかないんだろうな。
いつも見てるから。
「この透明な海と、晴れた空と……キミが」
「うれしいわ!うふふ……たしかに、気持ちのいいお天気だものね」
「ああ」
それはそうと、基地建設の前に今日寝る場所と食べ物を確保しないと。
いやまあ……海中で寝ればいいし、魚もそこら中に生で食べれる鮮度であるって言えばそうなんだけど。
でも、多少は人間らしい暮らししたいじゃん……?
「じゃあ、リスナーちゃん多少は海から上がれる?」
「やったことないけど、できそうだわ」
私たちは打ち捨てられたリゾートコテージを利用することにした。
まあ、そうは言ってもせいぜい料理するために道具や調味料を持ち出す程度なんだけど。
さて、食材は何にしようかな……
「GYAOOO!!」
「向こうから夕飯が来やがったよ」
目の前に出てくるのはぬるっとした虎の身体にサメの顔みたいなやつだ。
まあ全体的にツルツルしてメカっぽいデザインなんだけど。
私はギターケースを蹴り開けて、ギターを取り出す。
これ、ママの武器なんだよね。ケツの部分にデカい刃がついてるし、思い切り叩きつけても壊れないくらい頑丈だ。
これも、アビスの死骸を用いて作った兵装らしい。
「エレナ!大丈夫そう?」
「たぶんね。荷物守ってて」
「わかったわ!」
歩行鮫アビスはぐるる、とうなってから私に突撃してくる。
私はギターを思い切りかき鳴らして叫んだ。
「GURURU!!」
『横町の商店街から、いつも通りのお肉の匂いがする』
ギター兵装『スラッシュメタル』の弦からソニックブームのように衝撃波が出てアビスの顔に直撃する。
ぱぁん!と音がして鼻先がはじけるが、すぐに再生していく。
そう、私たちアビスには強力な再生能力がある。
つまりアビス同士の狩りとは、膨大なHPの削り合いになる。
「GAA!!」
「エレナ!」
「サンキュー、リスナーちゃん!」
サメ型アビスがとびかかってくるが、荷物を退避させたリスナーちゃんが触手の先から墨を吐いてサメの態勢を崩させる。
あの墨、消防車の放水くらい勢いがあるんだよ……
「GUA!」
『どれだけかかっても、僕は家に帰るよ。
10年後も、20年後もこの道を通って』
私は軽く5mはジャンプしてギターのケツの刃をサメの頭に突き刺す。
「直はよく効くんだぜ……体全体で聞いてくれ。『君の晩御飯を食べるために。食べることは、生きることだから。明日も、明後日も。何が起ころうと、誰にもそれを止める権利なんてない。WOO~!』」
敵の身体をアンプ代わりにシェイクしてやる。
これがママの必殺技『非情なるギター』だ。
曲もママがこのために作曲したらしいんだけど、最初はフォークソングなのに、ここから転調してメタルになるんだよね。
なんならいつでもメタルパートは入れるつくりになってるんだよ。
どうなってんだよこの曲!?ママどうかしてるよ!?
『食らう食らう食い散らかす!貴様の脳髄食ってやる!美味なる悪食なんでも食らう!生存競争俺が絶対王者!地獄の底まで舐め尽くす!』
歌の素晴らしさってこういうものなのかなあ!?
いやまあ……ウォークライ的な……戦歌的な……?
昔は戦争で鼓舞するために使ってたとかいうし……?
『食らう食らうナウマン象!サーベルタイガー!リョコウバト!次のメニューはお前の肝臓だ!絶滅!絶滅!食い散らかす!地球は俺の皿!』
アビス絶滅ソングだよこれ~!私が歌っていいのかこれ~。
「GUAAA!!」
「エレナ!?」
あっ、ちくっとした。痛って。
なんか……サメの全身から棘が生えて私を20か所くらい串刺しにしたけど、あんま痛くない。
お腹から背中まで貫通してるし、内臓とか穴開いてるのにな。
痛くないんだよ……
アビスの再生能力とか耐久力ってそういうものなんだよ……
つくづく人間じゃねえなって。
『食い散らかす!毒のソース!サルファマスタード!海も山も毒で漬けてやる!文明の炎で焼いてやる!焼いてやるお前の山!お前の家族のステーキだ!モロトフカクテル味わい尽くせ!』
私は逆に足を思い切りサメの中に突き刺して、足の爪から脳に直に毒を送ってやる。
ママの治療薬の実験過程でできた、アビスにとってアルコールのように『酔う』毒だ。
「GO……U……」
『食い散らかす!食い散らかす!なんでも食らう!貴様の運命、兄弟、友人なんでも食らう!俺たちが……マッドモンスターだ!』
トドメにシェイクしてやれば終わりだ。
死んだ……
棘がぐんにゃりしたので、ぶちぶち引きちぎって抜けば、もう傷はふさがっている。
改めてヤバいなあ……
どこまで書こう?
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このまま一気に行こうぜ!
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もうちっとだけ続くんじゃ