OVER ROAD〜すべてが〇〇だったはず〜   作:ニコラス―NICORUTH―

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 前話を1-1としたけど、正直そこまで長丁場になりそうにないので、そのうちタイトル訂正するッピ!


ビーストマンレ○プ!野獣と化した先輩!!2

 この世界には、育種もの知恵ある生命たちが息づいている。それらは独自のコミュニティを形成し、群れて生活し、村や国を形成していった。

狩りや農耕で飢えを凌ぐ彼らだが、時として違うコミュニティと争いになり、殺し合うこととなる。

個人単位で。一族単位で。国単位で。種族単位で。

何れにせよ、生命とは争いとは無縁にはいられないのかもしれない。

 

 そして今、一つの国が滅びようとしていた。

大陸西側最東、西方の三大国の一つ、ビーストマン国である。もとより彼らは立地的には敵は殆どいなかった。竜王国は人間の国であるがゆえに自分たちの方が有利であるし、彼らの守りの要も、一団体だけのアダマンタイト級冒険者と、名うてのワーカーチームである。これまでは少数を狩れば事足りた彼らは、もう少しご馳走が欲張れる余裕さえ有していた。その結果、竜王国はスレイン法国の部隊陽光聖典を防衛に充てる、魔導国から上位アンデッドを購入し導入するという手段にでることとなるものの、彼らはとにかく乗りに乗っていた。

これからも、生まれていない赤子を何よりのご馳走とし、人間を掻っ攫い、その血肉を喰らうことになると、国の誰もが思っていた。

が、滅びとは唐突に来たりするものだ。

特に、この世界では。

 

「 オッスこんちわッス。 」

 

 ソレはその日突然やってきた。一見人間のように見える、褐色気味の男と、その横の坊主頭の男。

見たことのない魔獣に乗り、見張りのビーストマンをまっすぐ見つめている。先ほど矢を放ったのにも関わらず、ビビリもしない。

彼らを、恐れていない。その様子に、国を覆う城壁の見張り番を任ぜられたビーストマンの兵は、ある感情を抱いていることに気づく。

恐怖である。まったく知らぬなにかと出くわしたとき、生命はその未知ゆえに恐れを感じる。

それは亜人とて例外ではない。

 

「 貴様、この国に何をしに来た? 」

 

 内心震えながらも、見張り番の弓兵は問いかけてみることにした。これはどう見たって人間じゃない。人間ならば、こんな犬のような耳は生えてはいない。あんな魔獣を連れている奴などいるわけない。そして、これが人間であるならば、どうして自分たちは怯えている。

 

 すべてが正体不明な男からでたのは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「 皆殺しに来たッス。 」

 

 恐ろしいまさしく獣の如き笑みを浮かべてそういった男を見て、悪寒を感じた彼らは察する。

――今度は自分たちが、狩られる番か。人間より遥かに強いはずの自分たちが狩られるなど考えにくい。しかし、あの目は、

あの目はまるで、人間を狩るときの自分たちのようだ。そこには、コイツならば、自分たちを狩り尽くすという凄みを、ビーストマンたちは感じ取る。

話は変わるが何処かの映画には、

 

「 大きな力は、より大きな力によって滅ぼされる。 」

 

 という、地球を侵略しに来た宇宙人のセリフがある。この宇宙人たちも、この映画の主役である、大きな力の権化たる怪獣の王によって滅ぼされるのだが、まさしくビーストマンたちも、同じように滅びる時を迎えようとしていた。

 

「 トオノ、お前の"世界"を見せてやって、どうぞ。 」

 

「 アア、イイッスネェ〜! 」

 

 彼らはさらに怯えた。彼を乗せた魔獣が言葉を介したからだ。魔獣は他の生物への加虐心に満ちた獰猛な存在。それゆえに、人並みの知能など勿論持ち合わせない。所詮は猛獣なのだ。が、目の前の大蜥蜴は、確かに今喋った。彼らの勘違いでも何でもなく。言葉を話す魔獣。ビーストマンたちをさらなる恐怖が襲い、その場から逃げるという選択肢を失わせるに至る。

 

「 ア"ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ア"! 」

 

 かつて、我々の世界に存在していた恐竜を思わせる、大蜥蜴の魔獣。それから発せられる高音は、見張りの弓兵たちを死に至らしめる。

そう、死だ。生の反対の概念。生命の一つの終わり。この世のすべての生命が、恐れるもの。それを容易くこのモンスターは齎すのだ。老若男女に関係なく。

 

 かくして門は破られ、城壁のうちに、奴らは現れる。一見人間のようだが、見張りについていない街中のビーストマンたちも、それがご馳走などでは断じてないことを悟っていた。

 

 これが丁度同じように三大国に数えられるトロールであれば、その低能さ故に侮ったろうが、彼らは本能で察することができた。

――勝てない。

 そう、これから始まるのは戦争でも闘争ですらなかった。一方的な、鏖殺である。

 

「 ア"ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ア"! 」

 

 再び放たれた、魔獣の咆哮が木霊する。その高周波は響き渡って辺りの獣人たちはバタリバタリと動かなくなっていく。

それを見たもう一体の魔獣はそのうちの一体を喰おうとする、が。

 

「 あ、おい、待てぃ。後で飯なら食わせてやるから、今は我慢シルルォ? 」

 

「 グゥウ・・・! 」

 

 降りて拳を振るい始めた坊主頭がそれを止める。魔獣は渋々承諾し、次の獲物を探す。

 

「 やっぱり、トオノとヘルゴラゴだけじゃなんか足んねぇな?それに、死体もそんなにあると置き場所に困りそう(小並感)。 」

 

「 おし、じゃあ追加で魔獣をぶち込んでやれ! 」

 

「 ん、おかのした。さぁ、みんな出てこい!(STS) 」

 

 あの異形の男が槍を振るうと、突如なにもない空間からなにかがポッと現れた。

魔獣だ。よだれを垂らした舌を舐めずっている、魑魅魍魎の群れだ。

 

「 ば、化け物・・・! 」

 

「 おいおい、こいつら日和ってんぜ。 」

 

「 オ、ダイジョウブカダイジョウブカ? 」

 

「 オイ、ヒエテルカー? 」

 

「 バッチェヒエテマスヨ! 」

 

 魔獣たちは皆、片言ながら言葉を話している。この話せるという他のそれとの差異が、どれほど恐ろしいか、彼らは肌で感じ取っている。

今からこのバケモノたちは、自分たちと同じ言葉で笑いながら、談笑しながら、お気楽に自分たちを殺していくのだ。

 

「 こいつら始末して、どうぞ。食っていいのは生きてる奴だけな。 」

 

「 オッス、イタダキマァァス!! 」

 

 男の一言によって、魔獣たちはビーストマンたちを襲い始める。

 

「 うわぁぁぁあ! 」

 

 獣の鋭牙は血肉を引きちぎり、

 

「 助けてくれぇえ!! 」

 

「 神ナンカ必要ネェンダヨ! 」

 

「 暴レンナヨ・・・暴レンナヨ・・・ 」

 

「 来るな・・・来るなぁあ! 」

 

「 人間ノ屑ガコノ野郎・・・! 」

 

「 無駄ナ抵抗シヤガッテヨ・・・ 」

 

 哀れな亜人種たちの、絶叫と苦悶の声が木霊する。

 

「 ウン、オイシイ! 」

 

「 ヤッパリ、ビーストマンクンノオ肉ヲ・・・最高ヤナ! 」

 

「 コレコソ食通ダナ! 」

 

 

――弱肉強食の世界を、体感せよ。

 

 

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