ニンジャ・サプライズド・ニューエリドゥ 作:ニュービー・ニンジャ・ドージョー
映画イベントヤバイ!ウフッ!ウフフーッ!
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彼が生まれたのは旧都陥落の十数年ほど前になる。
ごくごく一般的な家庭に生まれた前世の記憶持ちの赤子──いわゆる転生者だった。情けない悲鳴めいた特徴的な泣き声を除けば、他のアカチャンとあまり変わった様子はない。
ただ、その泣き声が彼にとって──たとえ偶然一致しただけだったとしても──実際問題だった。
「アイエエエ! アイエエエ!」
彼はニンジャ・ヘッズ*1だった。
泣き声がたまたまそれっぽかっただけだが、自身の泣き声を聞いた彼は内心……モータルとしてネオサイタマに転生したものと思い込み絶望した。
マッポー*2の世においてモータルの人権はほぼ無いに等しい。ニンジャには殺され、ヤクザには殺され……カチグミになったとしても、さらに上の権力者に殺される。力無い弱者は情けなく悲鳴をあげて失禁するのみ。なんたるサツバツめいた世界観か!
そんな思い込みが訂正されたのは、彼のすりガラスめいた視界がクリアに映るようになり、外の光景を認知できるようになった時だ。
サイバーパンクではないし、古事記もないし、マルノウチスゴイタカイビルもない。明らかにネオサイタマではなかった。
若干マッポーめいた世界ではあるが、重金属酸性雨が降り続けるようなジゴクめいた世界ではないのは実際間違いない。
彼は安堵した……と同時に寂寥感も覚えていた。この世界にニンジャスレイヤーは存在しない。リアル・ニンジャスレイヤーも、この上なく中毒性に満ちた物語も……彼の愛した世界はこの世のどこにも存在しないのだ。
「アーンアーン」
自分がニンジャに……リアルニンジャになろう。ああ、ブッダ! 彼は狂ってしまった!
「イヤー!」
「ワッショーイ!」
あまりにもたどたどしい、子供のごっこ遊びめいたカラテと呼ぶのも烏滸がましいレベルのカラテシャウト。それでも彼は、来る日も来る日も腕と脚を振り叫んだ。
ニンジャになるためのトレーニングを知るはずもない。インストラクション*3を授けてくれる師もいないし、ニンジャソウルも憑依していない。悩んだ末に……彼は形から入ることにしたのだった。
ミヤモト・マサシの詠んだ「狂人の真似をしたら実際狂人」というコトワザも、彼のようなモータルを見て生まれたのだろう。
そして、事態が急変したのはトレーニングを始めて10年近く経ったあの日……旧都陥落の日だ。
『ご注意ください、ご注意ください。ホロウ災害が迫っています。エリー都市民の皆様は……』
今まで奥ゆかしく留まっていた零号ホロウが突如として勢力を拡大、旧都──そう呼ばれる前なので当時でいうエリー都──は瞬く間に飲み込まれた。当然、彼とその家族もだ。
初めてホロウに入った彼は、目の前に広がるマッポーめいたアトモスフィアに愕然とした。
空間が捻じ曲がり、人体に有害なエーテルに満ち、バケモノが徘徊する──マッポーカリプス*4の訪れを幻視するほどの世界。
「うわぁぁぁっ!」
鉱夫めいたガタイの良い男がエーテリアスに襲われて死亡!
「うぅ……ぅ……ARRRGH!」
「いやぁぁっ!」
ナムアミダブツ! エーテルに蝕まれた少女が結晶に飲まれて死亡!
エーテリアス化した少女の近くにいた女性も襲われて死亡!
「ケ……ンジ……」
「……生き……ろ……」
ブッダよ! まだ寝ているのですか!
彼の目の前でしめやかに目を瞑る2人の足元には、おびただしい量の血が広がっている。その中心に伏すのは、少し様子のおかしい彼のことを気味悪がりもせず大事に育ててくれた今生の両親だった。
自身の身体に結晶が現れたのを見て、戸惑う彼を心配させないよう微笑みかけ──近くに落ちていたナイフを自身の腹にしめやかに突き刺した。
エーテリアスとなって息子を襲ってしまうことを恐れてセプク! 死亡!
「ア……ア……」
彼は滂沱の如く涙を流し、汚れることも気にせず血に塗れた死体を抱きしめた。
急速に失われゆく熱が死の実感を与える。それに比例して彼の胸中に湧き上がる悲しみ……そして、怒り。理不尽な災害に対する行き場のない復讐の炎が彼のニューロン*5に焼きついた。
「スゥーッ! ハァーッ!」
ALAS! 精神的苦痛に耐える彼の呼吸を見よ! 図らずもそれは……間違いなくチャドー呼吸!
エーテルの奔流が身体を巡り、彼の掌にエーテル結晶が現れた。もしや両親のセプクに絶望し……ヤバレカバレ*6になり自らもセプクするというのか!?
「イヤーッ!」
「ARRRRRGH!?」
ブルズアイ! いつの間にか彼の手に握られていたスリケンが、背後に迫っていたエーテリアスのコアを破壊! スリケン殺!
「イヤーッ!」
「ARRRGH!?」
「イヤーッ!」
「ARRRGH!?」
「イヤーッ!」
「ARRRGH!?」
ゴウランガ! 決断的カラテシャウトと共に放たれたチョップが、続くエーテリアス3体のコアを破壊! チョップ殺!
なんたるキセキか! 本人も知らなかったことだが、彼は類稀なエーテル適正体質を有していた。チャドー呼吸で取り込まれた大量のエーテルが長年の鍛錬で得た血中カラテに影響し、血中カラテ濃度を飛躍的に高めたのだ!
エーテリアスの残滓が大気中に溶けて消える。1人残された彼の瞳にタトゥーめいて刻まれた暗い感情は、4体のエーテリアスを屠ってもなお衰えることはない。
彼はホロウを彷徨い始めた。芽生えたニンジャ感覚をもってしても、ホロウの出口を探り当てるのは困難だ。だが、彼は……ホロウスレイヤーは歩み続ける。
「ホロウ、殺すべし」
うわごとめいて呟かれる言葉が零号ホロウに響かなくなったのは、旧都陥落から1年以上が過ぎた頃だった。
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「撒いたか?」
「……追ってこないみたい」
「ふ〜! 冷やアセかいたぜ!」
クリティホロウを駆け抜ける赤と緑の影──邪兎屋のビリーとアンビーだ。後方を気にしながら走っていた2人は、追手が来ないことを確認し警戒を緩めた。
ビリーは大袈裟に汗を拭う。上級エーテリアスに遭遇し、交戦したものの倒すまでには至らず、機転を効かせてなんとか撤退することに成功したのだった。
「にしても、多すぎるだろ!」
至る所でゴキブリめいて続々と現れるエーテリアス。逃げる先々で待ち伏せしていたかのように襲い掛かられ、かなりの消耗を強いられていた。
現に、立ち止まった2人の前に続々と姿を晒すエーテリアスの群れ。いくら戦闘慣れしているとはいえ、ここまで連戦続きだと実際辛いものがある。
「ニコの救援が来るまで耐えるしかない」
「んなこと言ったって……」
ビリーの銃から空になった薬莢が排出され、小銭めいた音を立てながら地面へ散らばる。そして、ジャケットに仕舞っている残弾数を確認し項垂れた。
銃はそのサイズに反して絶大な火力を誇る武器だ。初心者でも比較的簡単に扱えるほか、近距離攻撃が主体の相手には滅法強い。
しかし弾を撃つという性質上、継戦能力の低さと高コストな点は無視できない。
「初回限定特典……」
「生きて帰ることが先決。構えて」
じわじわとにじりよるエーテリアスへアンビーは電磁ナタを構える。ナタは青く輝き、威嚇するようにばちばちと音を鳴らした。
今にも戦闘が始まりそうな緊迫したアトモスフィア。それに耐えかねたか、一体のエーテリアスが2人へ肉薄する!
「ふっ!」
「ARRGGGG!?」
アンビーのアッパーカットめいた切り上げが胴体に突き刺さる! その瞬間、稲妻めいた電撃が迸りエーテリアスを襲う! 激しく痙攣!
「ジッとしてろよ!」
「ARRRRGH!?」
身動きが取れないエーテリアスへ、ビリーの銃撃が襲いかかる! 景気良く放たれた2発の弾丸が的確にコアを撃ち抜いた! コアを破壊されたエーテリアスはしめやかに爆発四散!
ワザマエ! なんたる連携プレーか! そもそもの高い技量に相手の行動を完璧に理解した援護が加わり、100倍の火力上昇となる!
目の前で同族が瞬殺されたエーテリアスは色めき立つ。そこに恐怖の色はない。あるのは獣めいた生存本能と破壊衝動だけだ。
一斉に迫り来るエーテリアスを前に2人は一切焦る様子はない。視線を交わし、頷く。上司が欠けている程度で連携に支障をきたすような、柔な鍛え方はしていなかった。
「あと10」
「ARRRGH!?」
正面から突っ込んできたエーテリアスに踵落としが炸裂する! コアを破壊され爆発四散!
「ほらよッ!」
「ARRRGH!?」
正面から突っ込んできたエーテリアスに銃撃が炸裂する! コアを破壊され爆発四散!
「イヤーッ!」
「ARRRGH!?」
正面から突っ込んできたエーテリアスにスリケンが炸裂する! コアを破壊され爆発四散!
「これで終わり」
「ARRRGH!?」
正面から突っ込んできたエーテリアスに空中2連切りが炸裂する! コアを破壊され爆発四散!
ゴウランガ! なんたる蹂躙か! 先程までひしめいていたエーテリアスは瞬く間に殲滅され、緊迫したアトモスフィアは実際霧散している。
2人は武器を納め……ようとしてはたと気づいた。戦闘中に聞こえた妙なシャウトと見覚えのない投擲兵器。
読者諸氏の中にニンジャ動体視力の持ち主ならば、違和感の正体に気づいただろう。戦闘中に見えた……色付きの風めいた赤黒いニンジャ装束に!
「……あなたは?」
アンビーはナタに手を掛けたまま、身動き一つ取らずに問いかける。ビリーも同様だ。肌を刺すような存在感が、2人の身体を縛り上げていた。
存在感の出どころは背後にある尖ったエーテル結晶の上。驚異的ニンジャバランス感覚で直立し、警戒を続ける2人を睥睨する影。
「ドーモ、はじめまして。ホロウスレイヤーです」
通りすがりの殺戮者のエントリーだ!
感想・評価・お気に入りアリガトウゴザイマス!
「絶対これはおかしいよ。イーシェンが出無さすぎる。事件の臭いしかしない」ボブはブツブツと独り言を呟きながら、家の隣のビデオ屋の庭を覗き込みます。「イーシェンが出ない……すなわち、なんかストップかけられている?まさか排出制限!課金な……?」ボブは歯を食いしばりました。「なんてこった!」
◆追記◆
アンケートの結果に基づいて、そのままでは伝わりづらいものや現実のアイエエエの小説とで意味に違いがあるものにのみ注釈メントを追加しました。
◆重点したい◆
日本語がフルサポートされていないように思える……ので、忍殺語に注釈は?
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いる
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いらない