シャーレの新任先生:ディメトリアン・タイタス   作:ブラックヴァイパー候補者

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初陣と始動(下)

クラックグレネードの爆発と砲弾への誘爆。その二つの爆発で不良たちが用意していたクルセイダー1型は砲塔部分が吹き飛び、残された車体は黒煙を上げて沈黙している。

そこに人の数倍の体躯の狼がビル前広場へ駈け込んできた。その背には一人のヴァルキューレ警察学校の生徒とリンが乗っていた。シャーレ部室の奪還完了の報告を聞いて最速の移動手段としてこの狼が選ばれたのだった。なお狼とその相棒である今共に跨っている生徒からは単なる『足』として使われることに不満があったが、周囲に宥められて特例措置として色々な問題行動に目を瞑ってもらうことでようやく承諾したのだった。

 

「送迎、ありがとうございます」

 

「ったく、今度また『足』にしたら承知しねぇからな!あとあの特例措置は忘れんなよ!」

 

「ええ、存じています。今回の騒動の収束が確認され次第、早急に手配しておきます」

 

「絶対だぞ!やってなかったら防衛室長の首根っこ掴んで一緒に抗議やるからな!それと後のことははあの陰湿コウモリに頼れよ!じゃあな!」

 

そう叫んだ彼女はリンを降ろすとすぐ相棒の狼と共にどこか―――次なる戦場へ駆けて行った。あっという間にその姿は見えなくなり、リンだけがその場に残された。そこに不良たちが土嚢を積み上げて作った即席の遮蔽物からユウカが飛び出してすぐ後ろに近づく。

 

「代行、想定より早く到着しましたね。……あの問題児たちの力あってですけど」

 

「ええ、そうですね。お陰で狼と共にいる方々全員への特例措置を用意しなければなりませんが」

 

重い溜息を吐き出してしまう。

件の生徒と狼の集団は普段の治安維持活動などは意欲的に活動し、地元住民からも粗暴な面は控えてほしいという意見はありつつも好印象を持たれている。だが彼女たちに命令を下す者―――特に連邦生徒会には異常に反抗的で命令違反は当たり前、酷いときは周囲の被害も顧みずに発砲してくることもあった。現在ヴァルキューレ警察学校を統括している連邦生徒会の一部署『防衛室』も手余しており、彼女たちに命令するのならば共に現場で活動し信頼されている上司を緩衝役にして『頼み込む』か直接交渉するように各部署に通達しているほどだった。今回は交渉して彼女たちが望む特例措置を条件に動かせたが、これから行わなければならない各部署への調整と通達にここぞとばかりに(同情しながらも)小言を言ってくるであろう同僚の存在で気が沈みつつあった。

だが、今の溜息で眼前の問題に対処するのが優先と割り切りユウカの方へと向き直る。

 

「しかし今は優先しなければならないことがあります。先生は既にシャーレの地下に?」

 

「ええ、火宮さんが報告した直後に私たちにここの警備とそこで大破している巡行戦車の搭乗員たちの拘束を命令して向かったわ」

 

「そうでしたか。では、引き続き警備をお願いします。もう少ししたら先程の問題児と同類以外のヴァルキューレ警察学校の方々が到着するのでそちらに引き継いでください」

 

ユウカがその頼みを了承し、同じ即席分隊の三人へと内容を伝えるためにその場から離れていく。その姿をリンは見届けてからシャーレのビルへと歩みを進めた。

 

 

リンがビル広場に到着した丁度その時、シャーレの建物の地下区画ではワカモとタイタスが戦っていた。

即席分隊の到着よりも先に侵入していたワカモは連邦生徒会がこの地下区画に何かを運び込んだ所まではツテを使って把握していた。しかし『それ』が何なのかまでは把握しておらず、とりあえず目についた板状の機械―――真新しいタブレットを手に取ったその時にタイタスが現れ自然と戦闘へと突入していた。二人のそれはキヴォトスでは日常茶飯事な銃撃戦ではなく、区画内を縦横無尽に跳ね回り一撃離脱の蹴りを繰り返すワカモとそれにカウンターを幾度となく狙うタイタスという肉弾戦だった。

ワカモにとって連邦生徒会と関わりのあるこの区画がどれほど汚されて破壊されようとも気に留めることはない。しかし先程の戦闘で普段通りの銃撃では身動ぎ一つしない頑強さを目の当たりにしたため、銃撃ではなく可能な限りの加速と装備を含めた全体重を乗せた蹴りで衝撃を内部へ伝播させてダメージを蓄積させての撃破を狙っていた。手榴弾の一つでもあれば良かったがすでに使い切っていたし、その程度でもダメージを与えられるか不明ということもあって肉弾戦を選んだのだ。そしてタイタスにとって流れ弾が発生しない肉弾戦を相対するワカモが選んでくれたのは僥倖だった。銃撃戦がなければシャーレのビルは地下区画を含めてタイタスの活動拠点となる場所で物品の破損を防げることに繋がったためだ。

だがその肉弾戦は互いに決め手が欠けた状態だった。ワカモの蹴りは一見効き目があるように見えたが、戦闘者(アスタルテス)のタフネスと機動装甲服(パワー・アーマー)の機構が合わさり内部への衝撃伝播は最低限になっており幾度となく蹴りが命中しても効果的ではなかった。タイタスの方はダメージを気にすることなくカウンターを狙い続けたが、ワカモは異種族(ゼノ)の一つ、アエルダリの戦士の一種である『ハウリング・バンシー』を思わせる軽やかな動きで即座に離脱して反撃として振るわれる拳は空振りするばかり。

 

「この……いい加減にしろ!」

 

千日手に陥りつつあった状況に苛立ち、渾身の力を込めて眼前のワカモへと拳が振るわれる。だがそれもしゃがむ動作でた易く躱されてしまい、屈めた体のバネと腕力をも利用した飛び蹴りを繰り出されてしまう。その蹴りは見えていたが防ぐような余裕はなく僅かに身を捩じらせるのが限界だった。その結果、ワカモの蹴りはヘルメットの顎部分に命中し捲りあげるようにヘルメットだけを飛ばすこととなった。

 

「今のは浅かったようですね。ですが次は……あら?」

 

ワカモが固まる。非常用なのか最低限の照明だけが灯り、色彩が分からずとも確かに輪郭が見える地下区画内で初めてタイタスの素顔を見たためだ。見るからに男前なナイスミドルだが、顔についた数々の傷跡と額に金色に煌めく四つの従軍鋲章(サービス・スタッド)が歴戦の猛者であることを、キヴォトスでは容易に出会うことがない死と血を纏った存在であることを語っていた。

 

「あららら……」

 

だが危険な空気をまとった彼に惹かれた。無機質なヘルメットを被っていた時からあった関心はそのままに厄介な相手として向けていた敵意が好意へと反転した。つまりタイタスに一目惚れしてしまったのだ。

彼の鋭い視線が向けられれば心拍数が上がる。彼の食いしばり歯を剥き出しにした口元が見えると顔が無性に熱くなる。彼の額の鋲の煌めきが視界に入るたびにくらくらと眩暈のような感覚に陥る。

溢れ出る好意は止めどなく、しかし乙女心からくる恥じらいが留めてしまう。グルグルと思考が浮かんでは沈み、何かしらのアイデアが出ても即座に別の物へと書き換えられてしまう。そんな状態のワカモが選んだのは―――

 

「し、し……失礼いたしましたー!!」

 

一目散の逃走だった。タイタスにとっては想定外すぎたのか呆気にとられ、天井付近の壁にある換気ダクトらしきものから出ていく様をただ見ているしかできなかった。そして、ワカモと入れ替わる形でリンがやってきた。

 

「お待たせし……何かありましたか?室内も随分荒らされているようですが」

 

「あ、ああ……あまり経験したことがない逃げ方をされたものでな、少し呆然としてしまった」

 

「逃げ方?」

 

「そうだ。先程、この部屋に入った瞬間に―――」

 

そのままワカモと交戦したこと、ヘルメットが外されるような攻撃を受けたこと、素顔を見るなり動きを止めたかと思えば挙動不審な様子で逃走したことを簡潔に報告する。それを聞いたリンは一瞬だけ目を大きく見開いたがすぐに元の表情へと戻ってタイタスの周囲を見渡す。

 

「それでここまで荒れていたのですね。ですが、見たところ被害はそこまでなさそうですね。破壊された物品も消耗品ばかりのようです」

 

「そうか、それを聞いて一安心だ。……だが連邦生徒会長の命令で持ち込んだモノは一体何なんだ?」

 

タイタスの質問に答えず、逃走する直前までワカモが立っていた場所へリンが歩いていく。そこにはワカモが手にしていたはずのタブレットが無造作に床に転がっていた。リンはそれを拾い上げて画面についていた埃をはたき落としてからタイタスへと差し出す。

 

「その質問の答えはこれです。幸い、傷一つなく無事ですね」

 

「……これ、だと?」

 

「はい。これが、連邦生徒会長が残した物。『シッテムの箱』です」

 

おずおずとした様子でタイタスはシッテムの箱を受け取る。リンが回収した時から薄々気付いていたが実際に手に取って確信を持った。これはプライマークソードで手にしたあのデータスレートであると。

明かりの灯っていないそれを穴が開きそうなほど睨むタイタスの気にもかけず、リンが淡々と説明する。

 

「普通のタブレットに見えますが、実は正体の分からない代物です。製造会社、OS、システム構造、動く仕組み……全てが不明です」

 

「ここではこのタイプの機械をタブレットと呼ぶのか。これもまた帝国の常識の差異、という訳か。それよりも全てが不明だと?」

 

シッテムの箱へ向けられていた視線がリンへと移る。『帝国』で使われる機械も謎を持つことが多く、かのマルネウス・カルガー戦団長が装備する『ウルトラマールの籠手』も内部構造の解析は悉く失敗しているというのは有名である。それでも使う分には問題ないというのが基本であった。

しかし内部も何も全く分からないという事例は聞いたことがなかった。

 

「はい。判明しているのは連邦生徒会長が、この『シッテムの箱』は先生の物で、先生がこれを使いサンクトゥムタワーの制御権を回復させられるはず、と語ったことだけです。……私たちでは起動すらできなかった代物ですが、先生ならこれを起動させられるのでしょうか、それとも……」

 

タイタスの視線が再度シッテムの箱へと向けられた。

 

「……では、私はここまでです。ここから先は、全て先生にかかっています。邪魔にならないよう、離れますが……先生のヘルメットをこちらで回収しておきますか?」

 

「いや、こいつが起動したら俺の方で回収しておく」

 

「そうでしたか。改めて、お願いします」

 

リンが部屋の隅へと移動する。タイタスはそれを気にせず、さてどうしたものかと思案していた。

サンクトゥムタワーにあったドロップポッドの開放のように起動の儀式を行えばいいのか?しかしタブレットと呼んでいたようにキヴォトスの方法でなければ起動しないのでは?だがリンが語っていた通りならそれでも起動するとは限らないだろう。それならばどうしたものか、と思っているといきなり画面が点灯する。そしてあっという間にシステム接続パスワード入力画面へと移行した。

 

「パスワード……?」

 

そう呟いた瞬間、脳裏に一つの文章が浮かぶ。普段ならば異能者(サイカ―)の存在を疑うが、今は自然とこれが正しいパスワードであると肯定していた。

 

“……我々は望む、七つの嘆きを。”

“……我々は覚えている、ジェリコの古則を。”

 

それを呟き音声入力したのか、自分で文字入力したのか。その認識が曖昧になり、どちら選んだのかが分からない。だが入力は問題なかったらしく、接続を承認した旨の文章が画面に表示される。

 

《『シッテムの箱』へようこそ、タイタス先生》

 

無機質な合成音声ではない誰かの声が響く。どこかで聞いたことがあるような、しかしそれが誰なのか思い出せない声だった。

 

《生体認証及び認証書生成のため、メインオペレートシステムA.R.O.N.A.に変換します》

 

その言葉と共に画面が白く染まり、その眩さに思わず目を瞑ってしまう。だが目を瞑った直後に温かさと肌を風が撫でる感覚が生じる。空調も暖房もついていない、地下空間にいたはずなのにあり得ない事象が起きている。その以上を確かめるべく目を開くと更なる異常性があった。

最低限の照明だけが灯っていた地下区画から一変し見たことがない部屋にいた。天井と壁は崩落しており、室内の床は浸水しているのか水面が揺れている。部屋の外には木材と金属で作られたサイドテーブルのようなものが山のように積み上げられ、果てがないように思える青空と水平線が広がっている。そして室内にも外に積みあがっているサイドテーブルと同じ物がいくつか置かれ、似たデザインと材質の椅子もセットになっていた。

そのサイドテーブルの一つにキヴォトスで見てきた者の中では最も幼く見える少女が腰かけていた。床をじっと見つめて暇潰しなのか足をブラブラと振っていたが、何かを感じたのか視線を上げる。そしてタイタスの存在に気付くとサイドテーブルから飛び降りてタイタスの元へと歩いてきた。

 

「もしかして……タイタス先生ですか?」

 

「あ、ああ、そうだ」

 

「やっと会うことができましたね!私はここで先生が来るのをずっと、ずーっと待っていました!あ、自己紹介がまだでしたね!」

 

あと三歩ほどで触れ合える距離から一歩身を引いて見上げる。

 

「私はアロナ!この『シッテムの箱』のメインOSであり、システム管理をしている機械精霊(マシン・スピリット)、そしてこれから先生をアシストする秘書です!」

 

「そうか、この世界にも機械精霊(マシン・スピリット)は居るものだな。ではこちらの質問に答えてもらおう。ここはどこだ?」

 

「ここはシッテムの箱の中にある仮想空間みたいな場所です。本当はちょっと違うんですけど、分かりやすく言えばそうなります。あ、あくまで意識だけで先生の体そのものは外にありますよ!」

 

「肉体をそのままに、意識だけを機械に移す技術か。メカニカスならあの手この手で取り上げるだろうな。では俺の名を知っていたのは秘書業務の一環か?」

 

「はい!先生が来るずっと前にダウンロードされた資料を何度も読み返して覚えました!」

 

アロナが輝くような笑顔で答えた。その様子は幼い子供がちょっとした頑張りを誰かに褒めてもらおうと自慢しているように見えた。

だが、あまりにも人間と遜色ない回答と仕草はタイタスに一つの疑念を抱かせた。アロナという存在はAI―――『帝国』では邪狡知能(アボミナブル・インテリジェンス)とも呼ばれる存在ではないのか、と。自身を機械精霊(マシン・スピリット)と称したのはタイタスに関する資料を読み込んだ結果、そのままAIと名乗る危険性を理解しているためではないのか。そこまで自発的に思考ができるのはAIだからではないのか。だがこれまで見聞きしてきた数々の非常識、そしてサングィニウスからグィリマンへ宛てられた手紙の内容が疑惑を断ち切るように駆け抜けた。

このキヴォトスの地では『帝国』の常識はなく、火星条約に記された禁止事項も忌み嫌われる歴史も―――伝承でしか知られてないとしても―――存在しない。であればAIが当然のように使われ、自立したロボットが市民権を得ているらしいのは当たり前だ。キヴォトスを『帝国』に併合し支配する任務はなく、シャーレの先生として活動することを決めた今はキヴォトスの常識に則って受け入れることを再度決意し、同時に皇帝と同胞(ブラザー)たちに罪をまた重ねてしまうことを心の中で詫びた。

そこで誰かから経験より選択が大事であることを説かれたような気がしたが、すぐに霧散し記憶として残らなかった。

 

「先生、どうしましたか?」

 

不意にアロナが覗き込んできた。身長差が1m以上あるのでただ近づいて相も変わらず見上げていただけだが、その表情は曇っていて純粋に心配している顔だった。

 

「……いや、俺の中にあった問題を自己解決しただけだ。気にするな」

 

「そうでしたか。あ、そうだ!形式的ですが生体認証と、一番大事な先生の機動装甲服(パワー・アーマー)機械精霊(マシン・スピリット)との相互連携を行います!」

 

「生体認証はともかく、相互連携だと?」

 

「はい!私、というよりシッテムの箱を中継することで生徒の皆さんとの無線ができるほか、公共交通機関の利用、キャッシュレス決済など先生の活動と生活に必要な機能を使えるようになりますよ!」

 

「無線に、活動と生活に必要な機能か。今の俺に財産すらあるか怪しいが、確かに必要になるだろう。どうすればいい?」

 

「では私の手を取ってください!」

 

アロナが右手をタイタスへ向けて掲げる。その小さな手を取ると高速で何かを呟き始めた。それは技術司祭(テックプリースト)を始めとする帝国技術局(アデプトゥス・メカニカス)に所属する者たちが使うバイナリ語のように聞こえた。

アロナの呟きは長くは続かず、二十秒程度でピタリと止まった。そしてタイタスと重ねていた手を放し、今一度見上げてタイタスと視線を合わせる。

 

「……はい!機械精霊(マシン・スピリット)との連携と機動装甲服(パワー・アーマー)の生命維持機能を利用した先生の生体認証の確認が終わりました!初めて使う機能はその時に説明します」

 

「そうか。では今のキヴォトスだが―――」

 

「あ、大丈夫です!さっき連携した時に記録の共有も行えるように依頼して、受け取ってもらえたの先生の事情は大体わかっています」

 

「……便利なものだな。ならば連邦生徒会長について知っている情報はあるか?件のタワーの管理者と聞いているが」

 

「私はキヴォトスの情報の多くを知っていますが……連邦生徒会長についてはほとんど知りません。彼女が何者で、どうしていなくなったのかも。知っている最新情報があるとすれば、先生の資料をシッテムの箱にダウンロードしたのは連邦生徒会長だったということだけです。私を起動せずに行ってたので記録での確認でしたけど。お役に立てず、すみません」

 

「いや、無いものに固執しても時間の無駄だ。気に病むな」

 

「……ですが、サンクトゥムタワーの問題は何とか解決できそうです」

 

「あっさりと言うものだな。しかし制御権の復旧は急務だ……できるか?」

 

「はい!任せてください。それではサンクトゥムタワーのアクセス権を修復します!少々お待ちください!」

 

アロナが静かに目を閉じる。その直後、視覚と聴覚がシッテムの箱から弾き出されるように元に戻る。そして暗かった部屋に明かりがついて空調の駆動音が低く唸り始める。それらを認識するや否やまたアロナのいるシッテムの箱へと意識が引き戻された。

 

「……サンクトゥムタワーのadmin権限を取得完了……サンクトゥムタワーの制御権を無事に回収できました。今サンクトゥムタワーは、私アロナの統制下にあります」

 

タイタスの意識が一度現実の己の体へと戻り、またシッテムの箱に引き戻されるまでの体感時間は十秒すら経っていなかった。正確に測った訳ではないが、明らかにアーマーと連携するまでの時間よりも短かった。

 

「今のキヴォトスは先生の支配下にあるも同然です!」

 

あっけからんとアロナが恐ろしい言葉を宣言する。だがそれにタイタスは魅力を感じていなかった。興味などないというのもあるが、帝国宗務局(アデプトゥス・ミュニストルム)の年表では背教の時代と呼ばれる頃に居た暴虐な支配者を始め、強大な権力と支配を得た者たちが揃って惨たらしい最期を迎えていたことを知っていた。故に、既に手放しても構わなかった。

 

「先生が承認さえしてくだされば、サンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会に移管できます。でも……大丈夫ですか?連邦生徒会に制御権を渡しても……」

 

心配している表情でアロナが見上げる。このキヴォトスの行政を司る連邦生徒会への不信感を露わにしているようなその姿に違和感がありながらも、タイタスは飲み込んで諭すように語り始めた。

 

「……機械精霊(マシン・スピリット)アロナよ、俺の資料を読み込んだのなら俺は以前中隊長(キャプテン)を務めていたのは知っているな?」

 

「はい、知っています」

 

「俺がその地位に就いたのはカルガー閣下に任命されたからだが……その時に任命されたのが他の同胞(ブラザー)であっても俺は満足していた。どのような地位であろうとも皇帝陛下と戦団長、そして総主長に仕え奉仕することを望み、我が誓いとしていたからだ。それはデスウォッチにいた時も、そして今も変わらず存在する。ここは『帝国』ではなく、皇帝陛下の関わりなどない。しかし敬愛すべきあの御方がこの地と関わっているのならば―――俺はその職務に全力を持って全うするまでだ。それには身の丈に合わぬ権力など必要ない。制御権を移管せよ」

 

「分かりました。これよりサンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会に移管します!」

 

 

先程と同じように意識が現実へと戻る。今度は完全に現実へと戻ってきたらしく、頭部以外で感じ取れるアーマー越しの触感も確かにあった。

 

「……はい、分かりました」

 

そのままリンの方へと顔を向けると区画に備え付けられた固定電話を使いどこかへと連絡をしていた。そして受話器を戻すとタイタスの近くへと歩いてきた。

 

「サンクトゥムタワーの制御権の確保が確認できました。これからは連邦生徒会長がいた頃と同じように、行政管理を進められますね」

 

「そうか。ご苦労だった、ナナガミリン主席行政官」

 

「はい、お疲れさまでした、先生。キヴォトスの混乱を防いでくれたことに、連邦生徒会を代表して深く感謝いたします。ここを襲撃し、逃亡した不良たちと停学中の生徒たちについては、これから追跡して討伐いたしますので、ご心配なく。我の強い問題児ですが優秀な『猟犬』がいますから。彼女たちは『狼』と言ってはいますが」

 

「我の強い問題児で狼か……」

 

リンの言葉を反芻し、ふと昔の―――デスウォッチに居た時を思い返した。その時は上官と認められたが我の強いスペースウルフ戦団のマリーンがキルチームメンバーとしていたのだ。その時の自分と今のリンの姿がどこかに通っていて懐かしさを感じていた。

 

「先生?」

 

少し思い返しすぎていたらしくリンが心配する声色で話しかけてきた。懐かしい思い出を一度振り払いタイタスは視線を上げる。

 

「……いや、何でもない。少し昔を思い出しただけだ」

 

「そうでしたか。それでは『シッテムの箱』は渡しましたし、あとは先生の疑問の解消を……あ、まだありました」

 

「なんだ?」

 

「まず付いて来てください。連邦捜査部『シャーレ』をご紹介いたします。……あと、ヘルメットは忘れずに回収してくださいね」

 

そう言ったリンは入ってきた入り口、ではなく別の方向へと歩き出す。その姿に思うところがあったのはタイタスは暫し動きを止めて彼女を眺めていたが、このまま見続けるのもどうかと思ったらしくワカモに蹴り飛ばされたヘルメットを回収し、小脇に抱えてリンの後に続いた。

 

 

シャーレのビルのエントランスに備えられたエレベーターが到着のチャイムを鳴らし扉が開かれる。そこからリンに先導されてタイタスも現れた。サンクトゥムタワー内で乗ったエレベーターと違い、身をかがめてもアーマーを擦ってしまうギリギリのサイズではなく立ったまま出入りできるそれはタイタスに合わせたもの特注品だった。

そして、そのままリンの後に続いて移動しある部屋の前までやってきた。ガラスで作られたドアはタイタスでも十分な幅と高さを備え、『空室 近々始業予定』とモモカが持っていた菓子の袋に書かれたものと同じ文字かつ手書きの張り紙が貼り付けられ、ドア横の壁には金属板にシャーレのエンブレムが刻まれたプレートが取り付けられていた。

 

「ここがシャーレのメインロビーです。長い間空っぽでしたけど、ようやく主人を迎えることになりましたね」

 

リンに促されて室内へと入る。そこはタイタスには丁度良いがリンには高すぎる天板を持ち積み重ねられた大量の書類が乗ったオフィスデスク、やけに頑強に作られた大きいオフィスチェアを始めとする事務仕事に必要なあれこれが置かれた事務室だった。

 

「そして、ここがシャーレの部室です。ここで先生のお仕事を始めると良いでしょう」

 

「ここが活動拠点となる訳か。これから俺は何をすればいいんだ?権限は相応にあるようだが」

 

「……先生の仰る通りシャーレに相応の権限はあります。キヴォトスのどんな学園の自治区にも自由に出入りでき、所属に関係なく、先生が希望する生徒たちをシャーレの部員として勧誘させうることも可能です。しかし、これと言って具体的な目標のない組織なので、特に何かをやらなきゃいけない……という強制力は存在しません」

 

「権限はあれど具体的な目標がない……かえって何をしたらいいか困るな」

 

「そうですね。連邦生徒会長に訊ねたくても、相変わらず行方不明のまま。現状、できそうなことと言えば……今、連邦生徒会へ寄せられる苦情の数々の解決でしょうか」

 

タイタスが怪訝な目を向ける。

 

「……それはお前たちが行う仕事ではないのか?」

 

「その通りですが、今の私たちは連邦生徒会長を探すのに全力を尽くし、キヴォトスで起こる様々な問題に対処できるリソースがありません」

 

タイタスは『注力すべきはまずキヴォトスの治安維持ではないのか?』と口にしかけたが噤んでその言葉を飲み込んだ。そもそも自分が連邦生徒会の人事に首を突っ込むべきではないと言い切った以上、とやかく言う資格などない。

そもそも重要人物の捜索を優先するというのは自分を含めたスペースマリーンでも起こりえる。その重要人物が戦団長や総主長であれば尚更だ。そのことが強く言い出すという選択肢を消し去ってしまっていた。

 

「ですのでシャーレに、そして先生が代わりに解決してもらいたいのです」

 

「それも俺の意思で決まる、か。分かった、引き受けよう。何もしないというのは前線に立つ戦闘同胞(バトルブラザー)たちに申し訳ないからな」

 

タイタスの返答に待っていましたと言わんばかりの輝くリンの笑顔を向けられた。

 

「ありがとうございます。ではその辺りに関する書類は、先生の机の上にたくさん置いておきました。気が向いたらお読みください。先生のご自由ですので」

 

「……最初からそうするつもりだったな、ナナガミリン主席行政官」

 

「さて、どうでしょうか。最後に先生が抱えた疑問についてですが……何がありますか?」

 

リンの質問にプライマーク・ソードから今居るこのオフィスまで体験した、タイタスにとって非常識な出来事を思い返す。その一つ一つに驚かされ少なからず疑問を持ったが、それ全てを彼女に投げかけても答えられるとは限らない。

キヴォトスにいる誰かに訊ねれば終わる疑問、ここまでの道程で自ら答えを導き理解した疑問を脳内リストから排除し、特に優先しなければならず、リンでなければ答えられなそうな疑問を選別していく。

そして今訊ねるべき疑問を定めてリンへと視線を向けた。

 

「……三つ、いや四つだ。答えてほしい疑問がある。まず最初にサングィニウスという名を知っているか?」

 

「いえ。ですが、なぜその名前を?」

 

「その名は……帝国において知らぬ者は存在しない今は亡き偉大なる御方、我らウルトラマリーンの父ロブート・グィリマン閣下と同じ総主長(プライマーク)だ。その御方から、ありえないことに一つの手紙が届いた。それにはこのキヴォトスに関するある程度の情報とこの地で一人の学生として生活しているという近状報告が綴られていた」

 

タイタスの言葉に二人の間の空気が張り詰める。タイタスの言う『ありえない事象』も然ることながら、キヴォトスに関わりがあるというのはリンには聞き捨てならなかった。

 

「死んだはずの人から手紙が?一応訊きますが、本当にその方からだったのですか?」

 

「既に筆跡による照合を行い、本人であると証明された。それについては疑いの余地はない。しかしそれよりも優先すべき問題があった」

 

「キヴォトスについて記されていたこと、ですね」

 

タイタスがゆっくりと噛みしめるかのように頷く。

 

「その手紙にはキヴォトスのある程度の詳細が記されていた。だがサングィニウス閣下の情報は乏しく、さっき言った学生の一人になったこと以外はほとんどない。まるで訊きたければこちらに来いと言わんばかりにな」

 

「それで、先生はキヴォトスにいらっしゃったということになるのですか?」

 

「……当初の想定とは違う形だが、概ねそうだ」

 

「最初にお会いした時に混乱していたのはそのせいでしたか」

 

「それ以外もあるが……いずれにせよ、サングィニウス閣下がこの地にいることには変わらない。例え俺一人となっとしてもかの御方を探し出すのが我が義務だ」

 

嘘偽りがないと示すようにリンを見据える。その視線とタイタスの身から溢れる雰囲気に圧倒されたのか、リンは半歩ほど身を引いてしまうが一つ咳払いをして思考を切り替えた。

 

「そのサングィニウスという方が先生にとってどれほど重要な方なのか分かりました。ですが、連邦生徒会としては―――」

 

「それは分かっている。この地が『帝国』ならサングィニウス閣下の捜索にお前たちも動員していたが、ここはキヴォトスであり俺個人の問題にしかならん。こちらの一存で徴用するほど分別できない訳ではない」

 

タイタスの言葉にリンは少しばかり安堵する。サングィニウスなる人物をどれほど重要視しているか語られてから、自分たちの業務が渋滞気味の現状に追加で連邦生徒会長以外の人探しまでされるかと考えていたが、タイタス本人から否定されたためだ。

 

「とりあえず閣下のことは置いておく。これ以上は話が進まん。……二つ目の疑問、いや問題だ。この奪還任務で分かったが、この地には俺に合うビークルはないようだな。俺に合うものを探せるか?」

 

「先生ほどの大きさとなると一般市場で出回る乗り物の運転は不可能かと思われます……ですが、ミレニアムであれば解決するかもしれません」

 

「ミレニアムにか?」

 

「はい。ミレニアムの郊外には『廃墟』と呼ばれる崩落した都市領域が存在してます。本来そこは連邦生徒会が立ち入りを禁止しているのですが、ミレニアムのある部活のみ立ち入りが許可されています。もちろん、事前の許可証の発行や収集した物品の報告書の提出が条件になっていますが。その部活が持ち帰った物の中に『異様なほど巨大なバイク』があったので、もしかすれば先生なら丁度良く使えるかもしれません」

 

「だとすればハヤセユウカに話をつけるか。では三つ目だ。今はまだ問題ないがアーマーと武器(ウォーギア)機械精霊(マシン・スピリット)を宥め……あー、整備を行えるようにしたい。追加でボルトライフルなどの弾薬の補充もだ。こちらも心当たりはあるか?」

 

「整備と補充となるとまたミレニアムに頼む必要があるかもしれません。あの学園は最先端かつ最新鋭の技術を数多く保有しているので先生の要望に応えらると思われます。……宇宙戦艦が当たり前のように存在する先生の世界の技術を取り扱えそうなのはミレニアム以外ないので」

 

「ミレニアムにおんぶに抱っこだな。そして最後に……」

 

ズカズカとオフィスデスクの元へ歩いていく。そして壊さないように細心の注意を払いながら画面を掴んでリンへ向き直る。

 

「この考算機(コジテーター)はどう使えばいいんだ?書類の方は大方理解できるのだが」

 

「……え?」

 

 

シャーレのビル前広場はだいぶ落ち着きを取り戻しつつあった。この付近で暴れていた不良たちは次々と捕らえられ連行。遮蔽物として使えるように設置されていたバリケードや土嚢も残骸となった戦車も徐々に片付けられて、即席分隊と共に防衛を行っていたヴァルキューレ生も現場検証要員とその護衛以外は未だに暴れている不良たちへの対応のために離れようとしていた。

その時、ビルの玄関に設置された自動ドアが開き屋内の用事を済ませたらしいタイタスとリンが出てきた。それに即座に反応した四人が駆け寄ってきた。そして偶然にも最も近くで待機していたスズミが話しかける。

 

「先生、屋内での用事は済みましたか?」

 

「……一応、一区切りはついた」

 

含みのある間を置いて詳細をぼかしたように答えるが、それに気付いたのは当事者でもあったリンだけだった。

 

「そうですか。それでさっき連絡があってサンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会が取り戻したことを確認したわ」

 

「ワカモは自治区に逃げてしまったのですけど……すぐ捕まるでしょう。私たちはここまで。あとは担当者に任せます」

 

「お疲れさまでした、先生。先生の活躍はキヴォトス全域に広がるでしょう。すぐにSNSで話題になってしまうかもしれませんね?」

 

「えすえぬ、えす?なんだそれは?」

 

「先生、それは後で説明するので……」

 

聞きなれない単語をタイタスが訊ねるが、リンがそれを制止させる。『この後』に余裕が必要であることを考えての選択であり、タイタスも迂闊だったと自覚したらしく口を噤んで答えるなくてもいいと手を振って見せる。

 

「……これでお別れですが、近いうちにぜひ、トリニティ総合学園に立ち寄ってください。先生」

 

「私も、風紀委員長に今日のことを報告しに戻ります。ゲヘナ学園にいらっしゃった時は、ぜひ訪ねてください」

 

ハスミとチナツが感謝と再会を願う言葉を述べてそれぞれの帰路へと向かって行った。スズミも感謝の念を込めた一礼を行い、同じ学園に所属するハスミを追いかけるように走り去っていった。

 

「それでは先生、ミレニアムサイエンススクールに……」

 

「待て、ハヤセユウカ」

 

先に各々の学園へと戻ったメンバーのようにユウカも感謝と再会を願う言葉をかけようとしたがタイタスに制止させられる。短時間ではあるが故に表面的だがタイタスの人となりを理解した彼女は自分の言葉を遮ったのに理由があると直感的に認識した。

それから思慮しだしたのか、数秒の間が開いたが意を決したタイタスが口を開く。そこから出た声は先程と比べ覇気を感じさせないものだった。、

 

「……悪いがお前だけ残ってもらいたい」

 

「え?何かありましたか?」

 

「先生……」

 

リンが心配そうにタイタスを見上げる。だがそれを止めるようにタイタスがジェスチャーを送る。

 

「ナンガミリン、これだけは俺にやらせてくれ。……ハヤセユウカ、俺に『ぱそこん』なる機械の操作を教えてもらえないか?」

 

「え、えぇっ!?」

 

ユウカのその声は彼女の人生の中で最も驚愕に満ちた声だった。




用語解説コーナー

七神リン
連邦生徒会に所属し、ゲームにおいては最初に顔を合わせる生徒。現在行方不明の連邦生徒会長の代理として実質的なトップとなっている。過労が心配されるほど仕事に忙しく、時には業務の一部をシャーレに『依頼』という形で持ってくることがある。
シッテムの箱
連邦生徒会長が残したタブレット型のガジェット。特別な力があり『先生』を助ける機能を持っているが、由来など様々な情報が不明のアイテムでもある。この作品ではキヴォトスに生活基盤を持たないタイタスを助ける重要な存在となっている。
ヴァルキューレ警察学校
キヴォトスの警察機関にあたる学校で各学園の自治区外で起きた事件・事故はここが管轄となる。その都合上、キヴォトス各地に拠点が存在している。キヴォトスの法執行機関ということもあって優秀な装備を持つが、予算不足で弾薬を含めた装備の供給がままならない面がある。また書類手続きに時間がかかって組織の動きが遅めという問題点も存在している。
異能者サイカ―
WH40kの世界において『歪み(ワープ)』をエネルギーにすることで様々な超能力を行使する存在。人類をはじめ様々な種族に存在しており、自身の精神力を依り代に『歪み(ワープ)』からエネルギーを引き出すことで超能力を使える。使える超能力は瞬間移動、肉体強化、未来予知、放電と人知を超えた現象を引き起こす。しかし超能力を使うというのは『歪み(ワープ)』空間に精神を晒してしまう行為に等しく、渾沌の悪魔たちから現実宇宙との通路として利用される危険性がある。
従軍鋲章サービス・スタッド
タイタスの額の右側に埋め込まれた金属製の鋲。スペースマリーンの従軍期間が一定年数達すると一つ授与される。タイタスの従軍鋲章(サービス・スタッド)は50年ごとに授与されるもので四つ頭蓋骨に埋め込まれている。
帝国技術局アデプトゥス・メカニカス
帝国のテクノロジー全般を請け負う組織。銀河のあちこちに存在する惑星全土が様々な機械を生産する工場と化した工業惑星(フォージ・ワールド)を管理し、銀河に散らばる帝国設立以前に作られた人類の機械を回収している。
この組織に属する者は帝国の二大国教の一つ機械崇拝(カルト・メカニカム)を崇拝する機械教団(カルト・メカニカス)の一員で、自らの肉体を機械化改造することを当然の行為を捉えている。機械崇拝(カルト・メカニカム)は知識の源泉たる機械神(マシーン・ゴッド)、叡智の顕出たる万機神(オムニシア)、あらゆる生命に授けられたエネルギーたる原動力(モーティブ・フォース)という神聖なる三位一体をがあると信じている。また、彼らにとって機械とは機械精霊(マシン・スピリット)と共に機械神(マシーン・ゴッド)が人類に授けたもの、皇帝とは万機神(オムニシア)の一側面であるとも信じられている。
宗教組織ということもあって異端認定されるものがある。その中でも最も重い罪になるものとして『人工知能(AI)の開発・発展』がある。WH40k世界の人類はAIの反乱を受けて多くの人命と居住可能な惑星を失ったため、邪狡知能(アボミナブル・インテリジェンス)と呼んで嫌っている。
帝国宗務局アデプトゥス・ミュニストルム
機械崇拝(カルト・メカニカム)に並ぶ帝国の二大国教である、皇帝を神として崇める帝国正教(インペリアル・カルト)を管理する組織。銀河中に司祭や伝道師などを送り、帝国の掟と信仰心を広めつつ適切な方向へ向かっているか監視している。もし異端行為が確認されれば行った者は捕らえられ帝国宗務局(アデプトゥス・ミュニストルム)の名の下に見せしめの公開処刑が行われる。
帝国宗務局(アデプトゥス・ミュニストルム)には独自の戦力として女性のみで構成される修道聖女会(アデプタ・ソロリタス)という部隊を持っている。
考算機コジテーター
WH40k世界におけるコンピューターの総称。宿った機械精霊(マシン・スピリット)の恩恵で動作していると本気で信じられている。
サングィニウス
グィリマンと同じ総主長(プライマーク)の一人で、真っ赤なアーマーが特徴的なブラッドエンジェル兵団(レギオン)を率いていたが、ホルスの大逆で皇帝よりも先に親友であったホルスと対峙し、戦死した。
彼は自由に飛行できる白い大きな一対の翼を持っていたことで知られており、その性格は『皇帝の魂が血に流れている』と他の総主長から称されるほど高貴で慈悲深く、大逆前のホルスからも魂の純粋さでは敵わないと認めていた。また彼はどのような出自や経験を持っていても、勇気・気高さ・高貴さは作り得られると信じていた。
そんな死んだことが確認された彼の手紙が存在するはずのない場所から発見されたのが、この物語の始まりとなっている。
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