【Lobotomy Corporation】管理人代理職員Z 作:ノーラ・バーン
初めてなので稚拙な文章ではありますが、「面白い」と言っていただけるような小説ができるよう頑張っていきます。
あと設定がとても深いプロムン作品を元として使うので、「○○は○○でしたよ」と教えてくれたら幸いです。
俺に当たった光
…………。
あぁ………。
最後の最後でしくじったなぁ……。
???「Z?Z!」
ここまでなんとか手繰り寄せた命だってのに。
???「おい!やっと50日に、目標にたどり着いただろ!目ェ覚ませよ!」
TT2プロコトルは、どうだったっけ?そういや、前回が最終使用可能回数だった気がするな。
???「TT2プロトコルって奴はどうした!」
???「それが、『安全使用可能回数基準を超えました』って出てきて使えません…」
???「クソが!どうしてこいつが馬鹿を見ないといけないんだ!今まで頑張ってきたやつが!」
まあ、これでもいいか。死んだって損もない人生だったしな。
???「死なないでよ!ゼロ!これ以上僕の前で大切な人がいなくなるのは見たくないんだ!」
前言撤回。やっぱ死にたくねぇ。あいつらと旅行とかしたかった。一緒に酒を飲みたい。
めいいっぱいバカとかやってみたい。俺ん家行って泊まりでもしたい。
…クソが。血も止まらないし、なぜか痛くないし。死は確実だ。
???「嫌よ!お願い!目を開けて、笑って冗談を言ってよ!」
「ありがとうな。みんな、来世で会おう!」
そうして無情にも、業務は1人を犠牲に終了した。
── 遡ること8年と少し
今日は一段と酷い雨が降っている。
そこらへんの死体が羽織っていた服がなければ、風邪をひくところだった。
しかし、今日も今日とてあいつらは屑の中の屑だったな。
俺は路地裏のさまざまな所で働いている。三日前から働いているのは、最近できたばかりの工房。
だが、来て三日なのにも関わらず
ガミガミありがたいお説教。指示通りやっても難癖を付けて怒鳴り散らす。
自分がお前のような見窄らしい都市の残骸とは違う、もっとビックな奴なんだと誇示するように。
路地裏で生きている以上お前もゴミだろう。お前も誰かを殺して生き残ったんだろう。
あんな脳の溶けた汚物の集まりから逃げ出したい。
だとしても、あの工房から出ればまた職なしだ。
ただでさえ子供を雇い、かつきちんとした所なんてもうあそこしかない。
あの工房から抜け出しても大丈夫なら今すぐにでも抜け出してやりたい。
何だったら殺して金を奪おうか……
………?何やら怒号が聞こえるな。
「フィオレ!貴様どういうつもりだ!」
物陰から覗いてみると屈強な男数十人が初老の老人と話をしているようだ。
男達はそれぞれ工房の武器らしいものを持っており、今にも老人に襲い掛からんとしていた。
雨音が奏でる曲が流れている中老人、フィオレと呼ばれた男が口を開いた。
「その言葉、そっくり返そう。なぜ我らとの契約を破った?
少し不平等かもしれないが安い物だったろう?」
「少し、だとォ?ふざけるんじゃァない!あれは殆ど奴隷のような物じゃァないか!」
待て。武器を持った男達に見覚えがある。あの性根腐敗工房の従業員じゃないか。
そういえば、俺の勤務が終わる直前、
「もう我慢ならん!あいつを殺してやる!!」
って息巻いてたな。
…助けるべきか?だがしかし、俺が言った所で何か勝機はあるだろうか。
見た所、フィオレは普通の、『巣』でのんびりと生きている人間の佇まいではない。
路地裏でも、下手をすれば外郭でも生きていくことができる。
自らの信念を突き進んでいく、そんな強い男の姿をしている。
「あんたがどんな仕事をしているかは分かんないが、俺たちを投資するほどの金持ちなんだ。
ここで殺せば俺たちも巣に住めるってわけだ!自由な生活ができるぞ!」
「はあ。巣に住めば自由か。
「ああん?なにいってんだ金持ちのフィオレさんよぉォ!」
「いや。都市で生きるということは一切の自由は無い事を知らないのだなと。」
「少なくとも、こんな薄汚ねェ、血が絶えず滴る場所よりかは自由だろ!」
「……そうかもな。」
「もう良い加減面倒い。とっとと終わら」ザシュッ
一番前にいた男がフィオレについに襲いかかった。
だがその前に男を真っ二つに、綺麗に分けた。
…どこかで聞いたことがある。
人って左右対称だからこんな感じに上手く切断すれば神経衰弱が出来るって。
本当っぽいなこれ。綺麗に別れてる。
「それについては同感だ。さて。お前が危害を加えたため、お前達を
そしてこの時を持って契約を破棄だ。」
「お、お前ら!やっちまうぞ!」
男達が手に片手剣、両手剣、短剣、レイピア、槍、斧、棍棒、ツメ…多種多様の武器を使って老人に襲いかかった。
…美しい。戦い方がバレエの様だった。
ある男は足を大袈裟にあげて鞭を振るったが、それをサラッとかわされた。
逆に上げた足を掴まれ無理やり足を開きながら、股から頭までを割いた。
ある男は老人の内側まで入り込み、持っている剣で切り裂こうとした。
腹に到達する直前、
ガキィンッ!
老人の持つ剣によって防がれた。
もらったも当然、そんな気持ちだった男は力に押されバランスを崩した。
そんな隙を逃さずフィオレが首を跳ねた。
そうやって男達はフィオレに翻弄され続けた。なす術がないまま死んでいった。
戦い、いや強者による蹂躙はすぐに終わった。
残ったのは彫刻の様に美しく立つ老人と、赤黒い水たまりと肉塊、そして鉄と硝煙の臭い。
あぁ。その技術を教えてくれ。観るものが惚れ惚れする戦いを。圧倒的勝者とは何かを。
ガサッ
「ん?確か…」
まずい!なんでこんな時に動こうとするんだ!ってそうじゃない!
そんなことよりも、フィオレには顔が覚えられているはずだ!
なんせフィオレはあの工房の財政的支援者、パトロン!
自分が支援している所にいる従業員は大体は覚えている!さらに子供という強烈に残る特徴!
殺気だっている今の状況において、自らを攻撃してきた工房の従業員ともなれば!
「あー。…こんな子供も参加していたんだね…」
瞬間、フィオレが俺に急接近した。持っていた剣を首に向けてきた。
こうなることは必然!どうする!?絶対に勝てはしない。攻撃は絶対に入らない!このままいれば確実な死が待っている。圧倒的な力!経験!技術!勝てるわけがない!俺みたいな子供が、生きてたった数年の子供が!長年努力してきた、怠らず己を磨き続けたこの老人に!勝者に!この場の絶対的な王に!一奴隷が!勝てるわけがない。鼓動が激しい!呼吸ができない!この重く苦しい場所から離れたい!死あるのみ。なんで俺のことを顎で使った奴らが肉塊になったのか!完膚なきまでに叩き潰されたのか!答えは簡単!このフィオレという老人は普通の漢ではない!『巣』という!安全で命の危険の少ない場所で!ぼんやりと生きていない人間だからだ!いつ何時でも命が!狙われてもいい様に!行動している人間だからだ!考えろ!考えて直ぐに行動しろ!死ぬ。動け俺の体!死んでしまう。勝てはしない。ただただ死を待つのみ。生まれた時からの敗者は勝者に勝てない。
攻撃を避けられるか?それだったらできそうだ。
だが簡単ではない。俺が子供という本能的な油断。
その小さな、だが無意識のうちに確実にある隙。それを縫って避ける。
出来るのか?俺の様な子供が?
いや。やるしかない。やらなければ死ぬ。やる後悔より
やって後悔のほうがよっぽどいい!
彼の生きたいという意志に応えてか。
はたまた存在が確立していない神による奇跡かわからない。
だが確実に。
フィオレの攻撃を避けた。
小さい体を生かし股をくぐった。直ぐに応戦できる様な体制が簡単にできる体制で。
ここからは、一気に気絶させ──────
「油断したな」
確かに避けた。フィオレの攻撃を避けた。
小さい体を生かしたと言っても、スライディングの様な体制だ。
だが、そこはさすがというべきか。フィオレは不利な体制を見逃すほど甘くはなかった。
今の状況はというと、フィオレに頭を押さえつけられている。
「ぐ、ぁぐ」
「これで終わり?もっと抵抗しないのかい?」
「これでも全力で抵抗しているつもりなんだがな」
「本当に全力出してる?
…取り敢えず見ての通り、君の工房のお仲間は死んだよ。」
「へっ。誰があいつらのことを仲間だと思うんだか。」
「ふぅん。てっきり君も一枚噛んでいた気がしたけどね。」
「噛ませてもらうほど俺は偉かないよ。」
「それはそうと家族は噛んでただろう?
子供が工房に働くなんて親が知り合いとかじゃ無いと有り得ない話だと思うんだけど。」
「家族はあんなゴミ溜めにはいねぇよ。」
そういうとフィオレは頭を離し、体を立たせた後、両腕を片手で拘束した。
ギュッとフィオレが腕を掴んでいるが、頭が押さえつけられていた時ほどではない。
「……君、両親は?」
「両方ともいない。」
「……そうか。そういえば名前を言ってなかったね。私はフィオレ。君は?」
「???何で教える必要があるんだ?
工房のパトロンなんだから従業員の名前ぐらい知っているだろう?」
「君のことは資料で見たけど、『名無し』ってなってたよ。」
「あのクソ野郎ども。直ぐにいなくなると思って教えてなかったか?」
「…まあ、そういうことだから。名前は?」
「……ロ」
「ん?」
「ゼロ。俺の名前はゼロだ。」
「ゼロか。じゃあ状況を整理しよう。ゼロは両親がいない、住む家もないその場暮らし。
さらに働いていた工房は劣悪で最悪。そしてその工房も今や半壊。ここまでは合ってる?」
「ああ。」
「さらに私の攻撃を避けた。これはすごいことなんだ。」
「だろうな。だがあれは奇跡に近い。」
「奇跡で十分。奇跡、偶然を必然に変えればいいだけの話だ。
そこでだ。
私の道場で修行しないかい?」
「いや、何でそうなるんだ?」
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